ヤマレコ社長のまとやん氏がXで取り上げていたので読んでみた。
人間のなかのダブルスタンダードをテーマにした作品だったように思う。
人間は社会的な動物である。そのため、社会的な死は即生物的な死につながるという感覚を持ってしまいがちだが、所属する社会を変えるだけで、今感じている死の苦しみががらっとなくなる場合も多い。学校のいじめ問題は、その最たる例だろう。
一方で、山の中での死の恐怖は、あくまで生物として感じる直接的な感覚だ。
登山をやらない人には不謹慎で話しにくいが、その感覚は、登山の魅力の一つだと思っている。
ここで足を滑らせると死ぬかもと感じる恐怖心と、切り抜けられた時の安堵感と高揚感。そして、そういう根源的な感情が大きく揺さぶられた後は、自然と自分が一体化した感覚、一種の瞑想状態のような感覚になることが多い。
自分の生物としての生を実感する感覚なのかもしれない。
「超相対性理論」というポッドキャストで、今年の3月ごろ取り上げていた「私たちはダブル・スタンダードを使いこなすことができるのか?」というテーマを思い出した小説だった。
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