強豪大学山岳部ホームページ情報と自分の経験を照らし合せると目指すところや体制に大きな差はないようです。スポーツクライミングを取り込んでいる大学山岳部やインターカレッジ山岳部も存在するようですが、これらとは目標も体制も大きな差があると予想します。「山岳部に監督?」や「山岳部にコーチ?」と感じられる方も多いと思います。私の出身山岳部の体制を書いてみました。
部長:歴代部長はすべて登山未経験の教授にお願いしてました。小中高のクラブでは部長と監督の両方を受け持つ「顧問の先生」と呼ばれる一人の教員で運営することのほうが一般的と思います。
監督:OB会の推薦でOBが就任します。学生の安全確保が最大の役割で責任を持ちます。他のクラブと異なるのは監督が現場(山行)に行くことがほとんどありません。主将と密に連絡を取り年間計画や個々の山行計画を練ります。イベント的ですがレビュー会で承認します。学生の力量把握のために訓練合宿に同行します。学生の登りたいピークやルートと力量を比較して、ギャップを埋めるための戦略的示唆も行います。学生のやりたいことを聞いてイメージが作れるだけの経験や知識が必要です。逆にステップアップ(教育的価値)がない計画の場合はハッパをかけることもあります。学生の希望と力量との差が埋まらない場合に私は同行してましたが、学生だけでの登山のスタイルを優先して計画を見直すべきと同行に否定的な意見も多くあります。個人山行は、主将と監督あるいは主将と監督とコーチ会リーダー(ヘッドコーチ)の了解を必要としてます。1枠分の非常勤講師の報酬が出たので確定申告が必要になりました。税務署では一切の経費を認めてくれません。
コーチ:卒業後にあまり考えることも無く新OBはコーチになります。任期は不明確で、完全に無報酬です。経費も自腹です。監督をサポートして会合参加、山で細かなテクニック指導、事故等発生時に救助が役割になります。監督としては年間に8〜10回程度の会合に継続的に参加できるコーチが2〜3人は欲しいのですがなかなか難しいようです。10年続けば監督候補です。
主将:クラブのリーダーです。一般的な体育会クラブは、3年生の秋から4年生の秋ですが、私の出身クラブでは4年生の4月から3月でした。他のクラブではキャプテンとか部長と呼ぶことも多いと思います。
副将:サブリーダーです。これも4年生です。
会計:一般的な会計係です。通常は3年生です。
主務:計画書や報告書の作成を仕切ったりその他の書類作成を行います。通常は3年生です。
体育会常任委員:慢性的に部員数が少ないことや全合宿全員参加で体育会幹部を出す余裕がありません。他クラブに合わせて2年生の秋から3年生の秋までです。
トレーナー:日々のトレーニング計画を作成します。2年生です。
OB会:在籍したことがあり本人の希望があれば入会できると規定されてます。しかし、卒業時に在籍するとほぼ強制加入で、会費を徴収されます。4年間以上在籍していながら中退となる学生も中退時にほぼ強制加入です。2年生から入部しても卒業まで在籍すればOB会加入が多いと思います。逆に家庭の事情とかでも卒業前に退部するとOB会加入はほとんどありません。監督やコーチの選出や金銭的援助をします。
2年生と3年生を合わせて3人以上いないとクラブ運営は困難です。よって、10人程度の新人加入が無いと存続が厳しいと思います。存続にこだわっては無いのですが、無くなってしまうのは残念です。
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