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店長と今年からBCを始める人とボクとでビーコン について話していた。
その時に店長が言ったのが「ビーコンを使える以前の問題」。
この時期、各地で山岳会などが主催する雪山講習が行われる。
毎年のように参加して、ビーコンの使い方や弱層テストなどをやって安心する人も多いと思う。
店長が言うには、いくら道具の使い方を覚えても、雪崩時を具体的に想定していなければ意味がない。
最初に道具も使えて指示もできる人が滑って雪崩に巻き込まれた場合、あとがただ着いていくようなメンバーだったら、ビーコンが使えても即座に救助には動けずうろたえてしまう。状況によってはビーコンなんて使わず、すぐに掘り始めた方が良い場合もある。
メンバーの力量を考慮し、リーダーが常に状況を判断しながら滑る順番も決めて行かなければならない。そしてそれをメンバーにも共有する。みんなが役割を自覚する必要がある。
当たり前の危機管理なんだけど、講習を受けて安心してそこまで考えない人が多いと思う。
特に仲の良い友達同士で、リーダーを決めずに、ただ楽しもうというノリで山に入ると、そうした危機管理が疎かになってしまう。
その良い例が、ボクの2シーズン前のレコ。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5121932.html
この時は仲間たちが集まって自主的に雪山講習のような訓練をした。
ビーコンの使い方や弱層テスト、実際に救助で雪から掘り出す流れなど。
そして翌日は山に入ってBCを楽しんだが、そこでボクが踏み抜いて小さな沢に落ちてロープで救助されるトラブルがあった。
この時、ボクは危険を察知してメンバーには迂回するように勧めたんだけど、結局そこを通ってトラブルが起きた。
これもしっかりリーダーを決めて危機管理の意識が高ければ起こらなかったこと。
雪山講習以前の問題だった。
ネットで様々な情報が得られる今、山に対する危機感が薄らいでいるように感じる。特に普段グループでばかり登っている人たちはそこに陥りやすい。
「グループだと安心」と言う人もいるけど、それはただ危機意識を人任せにしているだけだったりする。グループでも遭難する時はする。
ボクはソロも多いけど、ひとりの方が緊張感があって危機意識は高まる。
雪山に限らず、夏の地図読み講習なども、参加しただけで安心してしまう人が多い。
結局、道具が使えても、それ以前にきちんとした危機管理の意識があるかが大事だと思う。
私は常時ソロ活動なのでリスク管理には気を遣います。雪山にも行きますが、他に誰も登らないような超マイナーな山が多く、ビーコンを持って行っても掘り出してくれる人がいないので不要です(笑) こちらはスキーと違って基本的には尾根歩きなので雪崩のリスクはゼロとは言いませんがそれなりに低いです。代わりに岩や雪壁、ナイフリッジなど別のリスク要因が・・・
私の知り合いも普段はソロ活動で、しかもバリエーションルートばかり登っているような強者が多いですが、これがたまにみんなで集まって歩くとルートミスするんです。集団だと各自の責任感、緊張感が薄れてしまうようです。あとはしゃべりながら歩いていると注意散漫になって読図力が落ちるとか。
コメントありがとうございます。
>みんなで集まって歩くとルートミスする
よく分かります(笑)
ボクも単独で藪漕ぎすることが多いですが、その時の全身で変化や危険を察知するような緊張感が、他人と一緒だとなくなります。BCも単独だとそういう緊張感があるのですが、やっぱりどこか他人を頼ってしまうんでしょうね。喋りながらとか、単独では感じられない楽しさとか、そういうこともあるかも。
ボクのあ場合、他人と一緒だと楽なルートになるのですが、その油断もあるのかもしれません。
そういう時こそ気を付けないといけませんね。
あくまで私の場合ですが、雪山って、入れば入るほど、怖い存在だ、というのが、今の実感です。これ以上の雪山を望むなら、山岳会にでも入って、絶対的なリーダーのもとで、修行しないと正直無理な気がしてます。
ボクは少し考え方が違っていて、とにかく行けるところまで自分で行って、何かわからないことが具体的に出てきたら教えを乞うのが良いと思っています。まぁ、全てにおいてのボクのやり方ですが。ギターも釣りも教わったことはないですし。
もちろん、どこが目標かにもよりますよね。厳冬期のアルプスを目指すなら、そもそもザイルパートナーが必要になりますし。
山岳会に関しては、ボクも入っている人たちからいろいろ話を聞きますが、おそらく7割は連れて行ってもらう人たちです。山岳会に入って、講習も受けて、連れて行ってもらって安心というタイプ。
その人たちは、てくてくてくさんほど雪山を怖いと思っていないと思います。思っていても知っているだけで分かっていない。そこが問題なのですが。
逆にいえば、雪山は入れば入るほど怖い存在という「実感」があれば、何が危険かも分かっているということだし、それに対処するにはどうすれば良いかを考えれば良いのだと思います。
みんなこの「考える」という手間を回避したがるんですよね。だから講習に行って安心する。
ボクは逆に、こういう講習を受けると「なんで?」という疑問ばかりが湧いてくるんですよ。
なぜそれが必要なのか、なぜその手順なのか。こういう場合はどうしたら良いのか、など。
そして調べれば大抵のことは解決できます。
それでも分からないことはもうわかる人に聞くしかない。
そして実際にやってみないと分からないことは試行錯誤しながらやってみるしかない。
そして少しずつ失敗して学ぶ。
まぁ、このプロセスが面白いんですけどね。
同じ講習を受けるにしても、なぜ受けるのか、何を得たいのかという目的意識が大事ですね。
私の場合は、まだその領域にいってないと思った次第です。
ところで、山岳会に行って、相当な割合で、連れて行ってもらう人たちというのは驚きですね。私の印象では、相当な割合が、主体的に取組んでいるかと思いました。
独学ではできない体系的な学びや経験をする場所が山岳会であるという認識は誤っているのでしょうかね。
まあ、どのような「場」であれば、参加する人の意識次第ということなのかもしれませんね
山岳会も、昔のようなストイックに難易度の高い山やルートを求める会は少なくなったのだと思います。
もはやガイドツアーのようになっている会もあると聞きます。
登山が昔のように一部の人の命がけのものではなくなったんですよね。
あくまでも趣味というか。
毎年、同じ場所で同じ沢登り講習をやって「やりました」という記録だけ残しているような会もあるようです。
入る人は、沢登りをやりたいと思って、とりあえず友達誘って山岳会に入る、とか、一緒に登る人がいないから入るという人が多いようです。ボクの知り合いでもいます。山岳会に入ればBCに連れて行ってもらえると。
登山を始めて間もなくても、沢登りや雪山にも連れて行ってもらえるので、楽しいでしょうし、レベルも上がったと勘違いすると思います。
そんな中から、わずかに目標を見つけて技術のレベルアップを目指す人たちが出てくるという感じのようです。
ちなみに、先日別の日記で書いた「5時間で計画した藪漕ぎに3倍の時間がかかってビバーク」したパーティも、宮城のある山岳会の人たちです。これはちょっとガッカリでしたね。そんなレベルなのかと。
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