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みんなが分かっている事だけど
その時はみんな
「死ぬ」なんて思っていない
後で反省することはあるけど
その時には
「それが間違い」だと思っていない
これは「九死に一生」を得た
生還者の記録を綴ったドキュメントである
***********
1)
全く山の知識も装備もなしに
お手軽ハイキングで道迷い遭難
北アルプス「西穂高岳」
赤い印が自分達の目指す方向を
示しているとの思い込み
彼女達が運よく助かったのは
7月であったこと
おやつを持っていたこと
崖から転げ落ちた女性も
単独ではなかった為に
先に自力下山した仲間の情報で
遭難現場を特定できたことが上げられる
実に11日ぶりの救出であった
しかし
残念なニュースが続く
別のグループが彼女達の遭難現場を見ようと
山に入ったきり還らぬ人となる、、、
2)福島「飯森山」日帰り予定
たまたますれ違った人に
「下山は沢ルートがいい」と教えられた
そのまんま鵜呑みにして
途中行き詰まってしまう
(登り専用の危険なルート)で
気がついた時には引き返せない所まで
下りてしまっていた
雨にも打たれ
熊の気配もある
幻覚症状も表れた
しかし生還できた原因は?
彼が気力を失わずに
救助を待つことができたのは
登山届を出していたこと
余分な食料(前回の山行の残り)を持っていたこと
7月であったのに
たまたま、、、
厚手の長袖シャツと厚手のズボン
ストーブ、懐中電灯、正露丸、ラジオ
を持っていたこと
そして何よりも幸運だったのは
怪我をしなかったことだと言う
4日後に救助され
一番の反省点は
地図も持たず下調べもしないで
計画にないルートを選んでしまった事
だそうです
3)
大変な大怪我を負いながらも
生還された方もいます
南アルプス「仁田沢」
3泊4日で釣りを楽しむために入る
彼の記憶は突然途絶える
気がついた時には
シャツと長ズボンは血まみれであった
崖から落ちて右足骨折
右手首にも大きな傷
髪の毛は乾いた血でゴワゴワ
骨折箇所は骨が見えていた
幻覚が見える
助けを呼んでも反応なし
標高1000メートルの谷合
冷気が忍び寄ってくる
5分で歩ける距離に4時間かかる
疲労凍死!
雨になる、、、
ビバーク用の装備の入った
ザックのところへ移動
持てる物だけを引きずって
安全な場所へまた移動
テントを張り
濡れた衣類を着替える
「必ず助けに来てくれる!」
7日間の極限状況を耐えさせたのは
詳しい行動計画を家族らに知らせてあったから
そして
体力を消耗させずに動かなかったのが
良かったのでは?と言われています
4)
北アルプス「槍が岳」単独行
1月5日下山予定
冬山装備万全
食料一週間分+非常食持参
元旦 雨になる
2日 雪、、、視界殆どない
午後より猛烈な強風になる
槍ヶ岳山荘、、、突風
3日 絶好の登山日和
人多し
出発2時間遅れる
その後天候が激変、、、
猛吹雪 下山方向確認できない!
迷う、、、ビバーク決意
風雪は一晩で6・70センチにもなっていた
気温 マイナス20度を越え冷え込みキツイ
6日 やっと行動開始
しかし積雪は2メートルを越え
ラッセル不可能
凍傷の初期症状、、、自力脱出断念
雪洞を掘る
体温低下に気を付け
体力温存に努める
正気を失わずに済んだのは
マッチとロウソクのお陰だと言う
「マタギの教えでマッチ、ロウソク、新聞紙は
必ず持っているんです」
1月10日
シェラフはビショビショ
両足凍傷、、、
両手の凍傷も酷く爪がとれ
皮膚がサックのように抜ける、、、
食料がなくなる!
1月11日救助される
ロウソクの残りは1.5センチ
彼は風雪のビバークを読んで
松濤明と酷似してると感じた
自分が助かったのはゴアテックスの
雨具、テント、などの装備が良かったから
山岳関連の書物からの知識も
うまく実践に結びついたから
そして彼が指摘するのは
「生きて帰るんだ!」という
強い意志を持ち続けられたこと
***********
これは本の中のほんの一例に過ぎません
助かった理由はいろいろ
一つ確かなのは
初心者も山に慣れた人でも
同じように山は危険だということ
だから
運悪く、、、ちょっとした不注意かもしれない、、、
その危険に出会ってしまった時に
どうしたら生還できるか?
どうしたら正気を失わずにいられるか?
危険を回避する方法と共に
考えていかなければならない
大切なことだと思いました
どうか
楽しい登山が続けられますよう
祈りを込めてこの本を紹介させて頂きます
こんばんは。
これ、1日や2日で読んじゃうのですか?
凄すぎます
半端じゃない読書量とスピード読書ですね。驚きます。
私はこの前仕入れた「生と死の分岐点」と「続・生と死の分岐点」がまだ読み切っていません。関係ないですが私は高い値段で二つの中古本をアマゾンで買ってしまいましたが、いま見たらアマゾンでもかなり安くなっていたので悔しいです
どちらにしても実際の遭難からの生還はケーススタディとして有効ですね。山の鉄則ということが何であるか読んで再認識できそうですね。
itigo さん、今晩は。
遭難には必ずその原因があります。地図を読んでいない。天候を読んでいない。この二つが大部分の遭難の原因です。
女性エヴェレスト最高齢登山者の渡辺さんは「体力と運」と言っていましたが、これは高山の雪崩や突風、天候の急変のことで、日本のせいぜい3000mの山では天気予報も非情に正確です。
運だとしか思われない遭難は、国内には無いと思います。天候や雪崩、雷等は注意すれば必ず読めます。今冬の立山の雪崩だってそうだと思います。
そして「君子危うきに近寄らず」が肝心な事だと思います。
遭難したら「運と体力」でしょうね。私は遭難はしないといふ前提で、最低限の準備しかしてきませんでした。今もそうですが、歳なのでその行程はよく考えています。
はい!
本を読んでいると危険は予想外じゃないような気がします
怪我をしたり、雨になったり、道に迷うことも(ガス)
運が良かった人は装備が良かったり、食料余分に持ってたり
そして登山届を出してる!これだけで精神的に大分違いますよね?
気持ちの余裕が遭難防止にも繋がるような気がします
そして
救助できないようなところへは行かないのが一番!
昨日の「神々の山嶺」はそういう意味では読んじゃダメです(笑)
「山岳関連の書物で勉強」は嬉しい情報だけど危険なところへ
行きたくなっちゃうのが困りものです
身の丈をしっかり自覚しないとダメですね、、、
murren さんも大怪我しないように気を付けて下さい(^-^)
mesner さんこんばんは
そうですね 後で考えると原因の分かる遭難が殆どだと思います
遭難した本人が反省できるんだからそうですよね
でもなんでそんな不注意をしてしまったのか?
パーティでその日しか日程が合わせられなかった?
大丈夫だろうと思ったけど大丈夫じゃなかったとか
急に体調壊す人が出たり、、、無理はしないつもりでも
その時大丈夫!って思ってしまうのが問題なんですよね?
判断能力をしっかり養うのは経験かしら?
出発前なら頼りになる人に相談できるけど
ハイキングの最中だと難しそう、、、
私の場合は
多分笑われちゃうくらいいろいろ持って
日帰りハイキングです(笑)
コメントありがとうございます!
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