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播隆上人は知らない?
江戸時代
ウェストンより60年も前に
あの槍ヶ岳に初登頂して
信仰のための安全登山を考え
成功させた人です!
これは
修行僧のアルピニスト
播隆(ばんりゅう)上人のお話です
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いきなり
槍ヶ岳の登攀シーンからスタート!
登山家でもないのに
どうやって登るの?
一歩踏み出す度に
大丈夫かしら?と心配になる
装備も全くない時代、、、
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お話では
農民一揆で戦っている最中
誤って最愛の奥さんを死なせてしまったことから
自戒の念を抱き修行僧になっています
当時僧侶と言っても
戒律を厳しく守っている人は少なくなっていました
しかし彼は
厳しい戒律を己に課し
頑なに守り続けます
食事は一日一食しか取らないなど
殆どの人が逃げ出すような
難しい修行にも打ち込んで過ごしました
乞食坊主の様であった風貌は
やがて
貴僧と言われるまでに変わり
その行いは人々に認められるようになる
ある日
笠ヶ岳再興の話が持ち上がる
それには農民達に
道を造ってもらわなければならない
野良仕事もあるのに
農民にとっては余分な仕事だ
「和尚さん 山の道造ったら
作物が仰山取れるようになるだかね?」
素朴な疑問、、、
椿宗和尚は法話をするが
農民達は骨休めに集まっているだけだった
そんな中
先頭切って休憩も取らずに
鍬をふってる音がする
皆が覗きに行くと
それは、、、播隆上人だった!
播隆上人は農夫の一員として働き
疲れると鍬を置いて
合掌して念仏を唱えた
そのことによって道造りは進捗していった
やがて笠ヶ岳は再興する
人々に忘れられない感動を与えて
播隆上人の名前は益々知れ渡って行った
播隆上人が笠ヶ岳の山頂で目にしたもの
それこそが
穂高連峰の頂点に君臨する
槍ヶ岳の山様であった!
案内人の喜平と山に登る
上人は山で在っても修行僧の戒律を守り
一日一食を通そうとする、、、体力不足
喜平が叱る
「山には山の掟ちゅうもんがある!」と
播隆上人の悟りを開こうとする気持ちと
上人を尊敬して助けようとする人々
御利益にあやかりたい人や
儲けたい人、、、
いろいろな人々の思惑を絡めて
槍ヶ岳開山のお話は進められます
何故山に登るか?
一心不乱になること、、、
一心不乱に念仏を唱え
一心不乱に山に登る!
播隆上人は話ます
「一心不乱になれる場所ならよい」と、、、
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江戸末期
草履の時代、、、
雨に濡れても防水カッパもなければ
岩場の登攀にハーケンもカラビナもなし
縄一本の命綱、、、
初登頂を果たしたのみならず
安全登山が出来るように
鎖でルートを繋ぐことまで考えた
素晴らしい日本人がいたことに感銘しました!
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実在の播隆上人様は
幼少の頃から仏教とは縁が深かったようで
修行僧に入ったのは
自然の成り行きだった様です
戒律にはとても厳しく
厳格な人だったと言われいるので
お話の登場人物とは事実と違う点が
いくつもあるみたいですね
新田次郎さんのお話は
実在の播隆上人を登場させて
槍ヶ岳開山と言う史実を
見事に脚本されているので
奥さん殺しの汚名を着せられないように
付け加えさせていただきました
当時の日本人のいろいろな考え方が分かって
時代小説としても面白かったです!
現存しているものも色々あって
旅の楽しみの一つになるのではないでしょうか?
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