![]() |
![]() |
![]() |
自分が昔在籍した高校山岳部も、日本アルプスの夏山縦走時の岩場通過のためのトレーニングとして、6月頃にロッククライミングの基本を練習していました。このとき、大学生や社会人となってもアクティブに登山を続けているOBは、後輩の技術指導を担当することになっていました。
198X年6月、梅雨の合間の蒸し暑いこの週末もまた、ロックガーデンに来ていました。山岳部では通常土曜日の午後に、高座の滝のすぐ上の第一堰堤と呼んだ堰堤の砂地にテントを張り、その日の夜にOBが合流して、翌日にキャッスルウォールやイタリアンリッジでロッククライミングの練習をするのが常でした。
この頃の山岳部では、今では主流となっているドーム型テントではなく、クラシックな三角屋根の家型テントを用いていました。まっすぐな二本のポールをそれぞれ人が支え、それにテントをかぶせて別の人がランナーでポールが倒れないようにバランスよく固定する必要があり、テントを建てるのに数人必要です。屋根が出来たら、後から中にグランドシートを引きます。従って屋根とグランドシートの間には隙間があり、アルプスなんかで使うと風が吹き込みやすく、下手をするとテントが飛ばされる恐れもありました。
隙間だらけのテントなので、この時期に低山で使うと虫、特に蚊の襲来にあいます。一応蚊取り線香は使いますが、テントの中では煙が充満するので、下手をすると人間が窒息しそうになり、一晩中つけておくわけにもいきません。当然、かなり蚊にさされることになります。
この時も蚊と格闘をしながら一晩過ごしました。翌朝明るくなってみると、テントの裾の方になにやら黒いものが沢山くっついています。よく見ると、それらはすべて蚊!人間の血をたらふく吸って、お腹が大きくふくれて体が重くなったため、飛べなくなった何十匹もの蚊がテントの壁に止まっているのでした。その場で、皆で昨夜の仇討ちをして、ほとんどの蚊を指でつぶしました。おかげでテントには血の跡が点々と残ることになりました。。。
この夜には別の事件もありました。いまでは六甲ではイノシシは良く見かけます。しかし昔はほとんど見かけず、ちょうどこの頃からロックガーデンにちらほら出没するようになっていました。
「丹波で猪鍋にされるのが嫌で、逃げてきたんやで」
などと、仲間内で話したりしていました。
第一堰堤にはOB用のテントと現役高校山岳部メンバー用テントが二つ(男子部員用と女子部員用)が張ってありました。ところが夜に、イノシシが食料のにおいを嗅ぎつけたらしく、女子用テントを襲ってテント生地を牙で破ってしまいました。幸いなことに食料の実害はたいしたことが無かったのですが、テントが破かれたのは大きな損害でした。
仲間内では、
「女子部員のNが雄のイノシシを呼び込んだんやろ」
などとからかわれていましたが。。。(^^;)
自分はOBテントで寝ていましたが、夜中に何か顔に触れるので目が醒めました。暗い中で何度か手で振り払ったんですが、どうもしつこく顔に触れてきます。ライトをつけて確かめてみると・・・・
「ムカデ〜!(>_<)」
体長20cmくらいのムカデが、おでこのあたりを這っていたのでした。ぎょっとして、テントの下の隙間から外に追い出して、頭を反対側に向けて寝なおしました。
しかしこの夜、男子部員用テントでは実際に被害が起きていました。後輩の一人が首筋をムカデに噛まれたらしいのです。翌日の昼間の岩登りの時でも、鼻水や涙が出て頭がボーっとして全然集中できないようでした。
OBの一人は、
「頭が黒いムカデは毒がない、赤いムカデは毒を持っていて悪いムカデや」
などと、のんきな事を言っていましたが。。。
山岳部に集まる人間は、もともと変人・奇人の類が多いです。(山岳部に入ったせいで変人になるという説もありますが。。。)こういった変人・奇人の中でも、被害にあった後輩は唯一の「まとも」な人間でしたが、このムカデの毒に当たってからは、めでたく山岳部らしい変人になったと、もっぱらの評判でした・・・

写真1:キャッスルウォール上部に立つ自分。おそらく高校生のとき
2、3:ロックガーデン荒地山のハイボルダーをトップロープでトライ中。これは大学生の頃。
Cross-hillさん、こんにちは。
そういえば昔は夏は家型のテントでしたね。冬もかまぼこやウィンパーを使っていました。エスパースはその後でしたね。
ただ、私たちOBのテントは幕営地に着くなり、風さえなければ4隅とポールの張り綱だけをして風にゆらいでいたことを思い出します。中では既に宴会でした。
関西の大学に行った登山部仲間から六甲のロッククライミングの話や写真を見せてもらったことがありますが、まさにCross-hillさんの写真のような感じでした。
確かに私たちも変人奇人が多かったですがその中では私はかなりまともな方でした。
murrenさん、こんにちは!
家型テントはアルプスで風の強いときには、わざとポールを一段抜いて低くし、居住性はわるくなりますが耐風性能をあげて使う工夫をしたことがあります。昔は装備の性能が劣る分、自分たちで色々工夫したものですね。。。
山岳部の奇人・変人ぶりは、中に入ってから「教育」されてそうなるのが大きいような気もします。何しろ普通の価値観では、あんなに不自由で寒かったり暑かったり体力的にきつい生活は、耐えていけませんから・・・
自分はかなりの変人と言われてましたが。。。
クロスさん、こんちゃ。
なかなか、楽しい思ひ出ですね。
私も、田舎(山ん中のお化け屋敷)育ちなので、
寝てるときに(テントじゃなくおうちでですよ)
ムカデに はわれて、刺されたり。
おー、イタっ。
スズメバチが侵入してきて、無謀にも、バトミントンラケットで、ビシバシ しばいてたら(スッコーンってなぜか、コレ気持ちいい)、仲間を連れてきたりで。
最終的に、右耳に穴をあけられました。(←これは、スズメじゃないやつだったと思ふ)
ピアスじゃないよっ。
いまでも、ときどき 臭い汁がでてきたりします。
嫌なやつが近づいてくると、耳汁攻撃で、撃退です。爆。。
山岳部って変人でなくちゃ、勤まらないんですね。
私、向いてるような(変人&変態)。向いてない(団体生活=非協力的&根性なし)ような。
ナミさん、こんばんわです。
家の中でムカデですか!?それは怖いですね〜。
昔住んでた古い家では、夏はゴキブリが毎日のように出ましたが。。。布団に入ってると、カサコソとどこかタンスの裏あたりから蠢く音が聞こえてきましたよ
スズメバチも怖いですね。昔、(廻り目平というキャンプ場で)膝を刺されたことがありましたが、すごく腫れて数日後に全身にジンマシンがでました。ハチは二回目に刺された時が危ないらしいですね!
ナミさんの体力があれば、あとは変人というだけで山岳部のリーダーになる資格は充分ですよ!
こんばんは^^
私もアイゼンワークといえば六甲の岩場で鍛えられました。
個人でもボル遊びに行きましたよ。
最初にウリちゃん見たときは可愛くて。
そうなんですか、昔は猪少なかったんですか。
雪彦山のヒルも昔は少なく三峰取付でビバークしていたと聞いてます。
昔は六甲のキャッスル取付でもビバークして岩登りしたと聞きました。
何年も前にロックガーデンで複数の学生キャンプを見ましたよ。
Cross-hillさんの頃から受け継がれていたのですね。
なら、Cross-hillさん、お坊ちゃまですやん。
dejavuさん、こんばんはです!
イノシシは、自分が高校生のころ(70年代後半)はまったく見なかったですよ!安心してキャンプできました。。。
アイゼンワークは、B懸尾根あたりでよくしましたねぇ。今でも見かけますね。
最近は雪彦山でもヒルがでるんですか!学生時代に行ったときは、まったくヒルの気配もなかったんですが。。。全国的に増えているらしいですねぇ・・・(>_<)
ロックガーデンでビバークといえば、荒地山でよくしました。岩の上で寝転がって星を眺めながら、仲間と山談義をしたものです・・・
こんにちわ
いや〜ぁ、思わずコメントしています
キャッスルウオールにイタリアンリッジ
昔はこの周辺はクライミングのエリアだらけだったんですよね
ブラックフーェースとかB懸、A懸などなど
しかし今やその岩場も震災などの影響で崩れて
しまいました
そしてフリー化が進んで六甲周辺は烏帽子とか
そのほかの岩場が開拓されました
そうそう、私もアイゼントレはロックガーデン
でしたね(後は鈍鶴坊)
いまでは体力維持の訓練はロックガーデンです
なんたって交通の便が良い!!
大阪市内からもちかいですからね
先人達が夢をつないできたエリアです
今後も大切にしたいですね
PS、そうそううり坊たちは一時期頻繁に
でてきていましたがここのところ見かけませんね
それよりアブなどの虫君たちが大いに頑張っている(?)みたいです
雪彦の蜂も去年は頑張っていたみたいですしね
人間様にはあり難くないはなしですが・・・
karankurunさん、おはようございます。
昔は岩登り・アイゼンワークといえば、ロックガーデンか蓬莱峡でしたね。
今年の冬に久しぶり(震災以来)に昔の岩がどうなっているか見に行ったんですが、イタリアンリッジは震災で崩壊してしまった?ようで見つけることが出来ませんでした。他にも崩れた岩場は多いみたいですね。
フリーに転向してからは烏帽子岩にも良く行きましたが、最近は。。。
また機会があれば行きたいんですが、技量が下がってるので登れることろが少ないかも
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する