モーターショウ前夜

ずいぶん昔の昼休み、同僚と悪だくみを相談した。
「あしたから、モーターショウだったよな？」
「おう。」
「仕事が終わったら、様子を見にいかへんか？わりと近くやし。」
楽しげな企画に、断わる理由も無い。
入り口でチェックしていたか、どうか？記憶に無いから、ユルユルだったのだろう。
会場は盛り上がっていた。
大道具さん？クリエイター風？スーツ姿は営業かメーカーなのか？いろんな人がわらわらと動き回って、まさに前夜祭だった。
我々は、首に掛けたタオルと軍手で、設営のバイトを装い、溶け込んでいたつもり。
非日常感に加え、無断侵入の背徳感でかなり高揚した。
仮に、TDLやUSJのフリーパスとどっちを選ぶか聞かれたら、即答であの前夜祭を選ぶ。
非合法は、ワクワクするのだ。
車には、それなりに興味を持っていたし、まだ少なかったから、街で外車を見た時も、注目していた。ところが、あの会場に有ったはずの車の記憶が、きれいさっぱり、まったく無い。
主役の印象を食ったのは、私服姿で打ち合わせする、各メーカーのコンパニオンさんだった。

週末に、名古屋オートフェステバルと名を変え、三年ぶりかのリアルで開催される。今はセキュリティが厳重で、侵入不可能と思うから、よい子は真似しないように。万が一、捕まっても、収容所のtuubuuから、ヤマレコアプリを通して指示されたなどと言わないようにしてほしい。

写真 国際展示場は建て替えてられてポートメッセになった 周辺も40年以上前の面影は無い