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1日目は都内の自宅を早朝出発し、布引山でテン泊。
2日目は笊ヶ岳を越えて転付峠付近の林道でテン泊。
そして3日目は笹山でテン泊するつもりだったが、温泉の誘惑に負けてその日のうちに笹山から奈良田へ下山した。
温泉で汗を流した後、終バスを逃してしまったのでタクシーを呼び、バス停の待合室でやれやれとくつろいでいた時の事。
犬を連れた初老の男性から声をかけられた。
「どこの山を登って来たんだ?」
私が歩いて来たコースを説明すると
「笹山へ登る道は分かりにくくなかったか?」
(ええ、分かりにくかったです)
「笹山の手前で道が直角に曲がって、尾根を乗り越える所があっただろ?」
(はい、確かにありました)
私が犬の頭を撫でようとすると「触っちゃダメだよ。噛みつくから」
その初老の男性とは10分ほど立ち話をしただろうか。この辺りの山にずいぶん詳しいようだった。
そして最後に
「あんたが歩いて来た尾根は行方不明になった人も何人かおるよ。まぁ無事に歩けて良かった」
と言い残し、犬を連れて去って行った。
今思うと、あの人もしかして…
農鳥小屋のオヤジさんだったのだろうか。
3年前はコロナ禍で農鳥小屋は営業休止。
オヤジさんは奈良田で犬を連れて散歩しながら登山者をつかまえ、山の様子を聞いていたという、どなたかの日記だか記事だかを読んだ記憶がある。
噂によると農鳥小屋のオヤジさんは有名らしい。
15時を過ぎて小屋に到着した登山者に「こんな時間に着くとは何事だ!」と怒鳴り付けるとか付けないとか。
夏山は早朝は快晴でも、時間が経つに連れて雲がどんどん湧き、早い時は正午頃にはドカーン⚡と来る日もある。
白根三山は身体を隠せる場所もない森林限界上の稜線上のコースだから、午後の遅い時間にまだ歩いている登山者を見ると心配なのだろう。
まぁそれにしても、やっと小屋に着いたと思ったらいきなりオヤジさんに怒鳴られ、面食らった人も多いんじゃなかろうか。
でもそれも登山者の事を思っての事で、根はとてもいい人だと聞いている。
どんな人なのか一度お会いして見たかったのだが、引退されてしまったらしく残念に思う。
だがもし私が奈良田のバス停で出会った初老の男性が農鳥小屋のオヤジさんだったとしたら、この上ないラッキーだ。
短い間だったけどとても楽しい時間だった。
農鳥小屋のオヤジさん、お疲れ様でした!
画像は笊ヶ岳からの富士山。
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