ちなみに、国土地理院の「閲覧サービス」では、各三角点標石上面十字マーク交点(ここが公式の三角点の位置です。地理院地図に書かれている三角点の標高は、地面の標高ではないのでご注意を)の緯度経度標高が表示されます。標高は1cm刻み、緯度経度は0.0001秒刻みです。エイッやぁで地球を周囲長4万kmの球体とすれば、4万km÷360度÷60分÷60秒×0.0001=約3mmです。3mmズレると緯度経度が変わる(十字マークの線幅だけで3mmあるような気がしますが…)。三角点は地球上での位置を東西南北上下±1cm程度以下の精度で追い込んでいるのは確かと思います。蹴飛ばしたりしちゃいけません。(蹴飛ばした位で動くようでは基準点として失格ですが……いけません。)大事にしましょう。
更についでに、「閲覧サービス」で”傾斜”で閲覧停止になっている三角点が有ります。上面十字マーク中心が1cmずれたら問題としているならば、標石の高さは80cm程ですから、問題とする傾斜角はsinθ=1cm/80cm=0.0125となるθ。これは0.72°位です。本来地面に対し90°なのが89.2°になれば問題にしているならば、見て解るような傾きではありません。どうやって傾斜と判断しているのかは知りませんが、標石を見て「どこが傾いているんだろう?」って思った私は浅はかでした。(明治にこの傾きが判別出来たとも思いがたいですが)
今から百年以上前に設置された標石の位置が、そこまで追い込まれている事に驚きます。更にちなみに、昭和30年代の点の記に、0.0001秒まで緯度経度が記載されているものがあります。まぁ最後の一桁は四捨五入して見るのでしょうけれど、それでも±3cm。GPS無しでそこまで追い込んでいたのですね。私の無線機附属のGPS(YAESU VX-8D)では到底そこまで追い込めず、同じ三角点で何度か測定すると、毎回あっちこっちに数mずれるのが当たり前です。標高はもっと悲惨。緯度経度は数値が表示されるだけなので、ロクに見ていませんが、標高は結構アテにして登っていたのですけれど。
a_tomさん、こんばんは。
プロフィール写真は現役のオプティマス8Rでしょうか?
「YAESU VX-8D」は良さそうなので興味を持っているのですが「標高はもっと悲惨」が気になりました。
国土地理院の説明では、衛星測位した高さ=楕円体高(地球楕円体表面からの高さ)からジオイド高を引いた高さが「標高」ということです。そして、登山用の衛星測位システムではこの楕円体高→標高への補正(ジオイド補正)を、方法や精度の違いはあるものの自動的にやっていると理解していますが、YAESU VX-8Dはどうなのでしょうか?
インターネットで調べてもよく分りません。
国内のジオイド高は地域により違いがあるものの山岳地帯では30m〜45m程度なので、機器の表示値が三角点標高に比べてジオイド高程度に大きければ、ジオイド補正を機器がやっていないのかも知れません。
何かご存じのことがあればご教示いただければ幸いです。
irazuyamaさん、こんにちは。
ごめんなさい、測位系にそれ程詳しくはないので、的確なお答えは出来ません。私のやっている事は、(1)電源は入れっぱなしで、移動中も連続測位しておき。(2)標石の上に無線機を置き、2~3分以上経過して、ある程度計測値が安定してからの表示された緯度経度標高を読み取り(置いてすぐは値が動く事が普通にあるので)。(3)家に帰って「基準点成果等閲覧サービス」で見れる値と比較する。です。二万五千図を見て登っているので、国土地理院の値が真値と考えて差し支えはないと考え、それとの差分を見ています。尚、一台しか持っていないので、私の持つ一台だけがそうなのか、他の「YAESU VX-8D」でもそうなのかは解りません。
印象で語ってしまって誤解を与えてはいけないので、実際にやって見た結果を列記します。見づらくてゴメンチャイ。(1),(2)とあるのは、別の日の測定です。
二等三角点「田中」
・当方測定:(1)標高163m、衛星7個捕捉。(2)標高171m、衛星9個捕捉。
・国土地理院:標高170.72m
三等三角点「北大谷」
・当方測定:標高139m、衛星5個捕捉
・国土地理院:標高121.04m
三等三角点「犬目」
・当方測定:標高187m、衛星8個捕捉
・国土地理院:標高196.95m
三等三角点「景信山」
・当方測定:標高738m、衛星7個捕捉
・国土地理院:標高727.25m
三等三角点「山王塚」
・当方測定:標高170m、衛星7個捕捉
・国土地理院:標高168.14m
三等三角点「小山」
・当方測定:標高183m、衛星8個捕捉
・国土地理院:標高182.37m
三等三角点「七国峠」
・当方測定:標高219m、衛星9個捕捉
・国土地理院:標高223.19m
三等三角点「羽ヶ上」
・当方測定:標高193m、衛星6ヶ捕捉
・国土地理院:標高164.38m
三等三角点「村山」
・当方測定:標高158m、衛星8ヶ捕捉
・国土地理院:標高165.58m
一等三角点「高根」
・当方測定:(1)標高206m、衛星7ヶ捕捉。(2)標高191m、衛星8ヶ捕捉。
・国土地理院:標高194.03m
一等三角点「連光寺村」
・当方測定:標高157m、衛星10ヶ捕捉
・国土地理院:標高161.75m
三等三角点「宮寺」
・当方測定:標高175m、衛星7個捕捉
・国土地理院:標高175.58m
三等三角点「青柳」
・当方測定:標高65m、衛星7ヶ捕捉
・国土地理院:標高71.07m
三等三角点「北野」
・当方測定:標高75m、衛星5ヶ捕捉
・国土地理院:標高49.60m
P.S.
そうです。オプティマス8Rです。他にホエブス725もあるんですが、最近、どちらもトンと出番がなくて…。
こんばんは。丁寧にご説明いただきありがとうございます。
衛星捕捉数が多い場合には国土地理院の標高値といい具合に近似していますので、「YAESU VX-8D」は機器の中で楕円体高→標高への補正をやっているのだと思います。
国土地理院の標高値との差は、衛星測位の測位誤差ということのようですね。
詳しくデータを書いていただいて、なんだか申し訳なく恐縮しています。
因みに私はホエーブス725を今でも時々使っています。燃焼音が頼もしいです。
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