もうすぐ12月になり、今年も終わりに近づいてきました。そして、登山を始めてから3ヶ月が過ぎました。
ん? 3ヶ月? アレっ? まだ3ヶ月しか経ってないの?
感覚が少しおかしくなりました。明らかに僕が今まで過ごしてきた3ヶ月とは時間の感覚が違っています。
考えてみますと、登山を始める前と後では僕の生活がガラリと変わってしまいました。
それまでの生活を思い返すと、子供達も大きくなって手がかからなくなり、仕事もある程度の事は覚えきて自分の形が出来ているので、金額や規模は違えど場面毎にその形を当て嵌めて行けば困る事も無くなってきています。
これと言った趣味も持っていなかったので、楽しみと言えば、仕事終わりに家で飲む一本の発泡酒と、年二回送られてくる住宅ローン返済額の残高が減ってるいるのをニヤニヤしながら見る事くらいしか無かったですし、ドキドキワクワクするのは、四年に一度のサッカーワールドカップの代表戦を見る時くらいでした。
そんな生活に特に不満があった訳ではありませんし、子供達の成長に喜びは感じているし、コロナ禍や戦争による仕事への影響に危機感を感じる事も少なからずありましたが、この先の人生、このまま惰性で進んで行くだけではないかと感じていたと思います。
そんな日々を過ごしていると、時間はあっと言う間に過ぎて行きます。特にここ数年は早くなっている実感がありました。
そんな時に出会ったのが登山です。
常にドキドキワクワクし、体力や技術や知識など、自分の全てを全力でぶつけることが出来て、それでいて勝ち負けではなく終わった後は達成感や充実感を得る事が出来る。
体力、技術、知識の向上には際限がなく、どんなに経験豊富な人でも常に危険が隣にあり、少しの油断や慢心が事故や怪我や最悪の場合は死につながる。
楽しみ方も人それぞれで、安全なコースから熟練者向けのコース、それだけで無くバリエーションルートのように自分で道を作る事も出来る。
たとえ年齢を重ね体力や技術が衰えても、その事実を自分で認識出来るならば、その時の自分に合わせた楽しみ方もある。
山の魅力はまだまだあると思いますし、人によって感じる魅力も違うと思います。
こんなに素晴しい物を知ってしまった時から、僕の過ごす時間が遅くなったのではないでしょうか。これまでの10年間よりもこの3ヶ月で得た感動や興奮の方が多い気がします。
もっと若い時に出会っていればと思う事もありますが、こればかりはどう仕様も無い事ですし、今からでも山の楽しみ方は無限にあると思います。
しかしながら、世の中にローリスク・ハイリターンは無いと思っています。山からこれだけの物を与えられるには、それだけのリスクが在ることを常に考えなければいけません。その事さえ忘れなければ僕の時間はこれからもゆっくりと流れて行くのではないでしょうか。
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