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この数字は本書の終章で出てくる日本の山岳事故に関する数字だ。データが古いのは、本書が1994年に単行本として発行されたことに由来する。その後1999年に文庫化され、約四半世紀の時を経て、本年2025年9月9日に増補改訂版として復刻された
著者が所属する山岳会で実際に起きた遭難事故と捜索活動のドキュメンタリーともいうべき本だ。1986年の年末年始に表銀座から槍ヶ岳を目指した3人の仲間が消息を絶ち、山岳会や当人たちの会社関係者、知人などが、3人の足取りをつぶさに追う実話だ
これまでこの本の存在を知らなかった。2日前に遅まきながら映画「国宝」をみて映画館を出たら通り雨が降っていた。レーダー情報では20分程度で雨が上がる予報だったので、同じ商業施設にある小さな丸善で時間をつぶしているときに、新刊コーナーで見つけた
ストーリーについては詳述しないが、遭難者の軌跡をたどる推理小説のような展開、捜索活動における人間模様などが克明に記されていて、不謹慎な言い方ではあるが大変興味深く、ぐいぐいと引き込まれて一気に読んだ
約30年前に発行された本なので、すでに単行本や文庫本で読まれた方も多いのではないかと思うが、本屋の書架からは長らく消えていた本なので、まだ読まれていない方はぜひ増補改訂版を手に取って一読されることをお薦めしたい
この事故の時、私がいた会にも のらくろさんから問い合せがありました。
思い当たることもなく何も答えられなかった心苦しい記憶があります。
事故というのは何十年の月日がたっても忘れられない いやなものです。
どなた様も安全登山を!
因みにこの本の155ページで
"なための仲間 "というパーティー前常念東尾根をたどって
と少しだけ記されてます。
お気持ちは私なりに同様に受け止め、深く感じいっております。私は山岳会に属した経験はありませんが、仲間の献身的な活動に何度も涙が溢れました(歳をとると涙腺が緩んでしまって…)
「事故というのは何十年の月日がたっても忘れられない」とのこと、全くその通りだと思います
88才になられた著者がこの事故を片時も離れることなく思い返しておられることを想うと心が痛みます。私も登山者の安全登山を願うばかりです
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