白馬岳〜白馬乗鞍岳縦走
- GPS
- 32:00
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,725m
- 下り
- 1,286m
コースタイム
猿倉(5:45〜6:10)〜白馬尻〜三合雪渓付近の台地〜葱平〜お花畑〜村営宿舎〜白馬岳山頂(11:35〜12:20)〜
三国境〜小蓮華岳〜白馬大池山荘(15:00〜 )
8/14
白馬大池山荘(6:15)〜乗鞍岳〜天狗原〜栂池自然園(8:40)⇒白馬駅
天候 | 晴天 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
下山:栂池自然園からタクシーで白馬駅へ (当時はまだロープウェイーなど通じていない) |
コース状況/ 危険箇所等 |
八月の雪渓はスプーンカットが激しく、ゴミも多い。 雪渓の中央をコースに選んで登れば靴のフリクションで充分登れた。 三国境からの下りでコマクサが見られる。 |
写真
感想
【古い記録の整理】
8/13
白馬駅を出て猿倉行きの臨時バスが着いたので乗込む。
姫川から北股入に入り、朝陽に輝く白馬主稜線が眺めながら好天気を期待して猿倉山荘前の広場終点でバスを降りる。小屋左手の小道から立派な林道を目指す。
以前とは変わっているな。
林道で左へ鑓温泉コースを分けると、尾根の間から堂々とした白馬岳が望める。
まもなくして林道も細くなり岩塁のコースになる頃白馬尻山荘が見え、右手には杓子〜白馬岳の稜線や大雪渓が広がっている。
七年ぶりに見る景色だ。
白馬尻山荘の左手を回り込んで右岸の花畑をしばらく進み雪渓へ降りる。
かなり後退した雪渓はスプーンカットが激しく、ゴミも多い。雪渓の中央を靴のフリクションのみで登る。人は多くないのでマイペースで登る。
それにしても暑い。今回は太陽が照りつけ白馬三山が蒼空を区切り、気分が良い。
両岸がガレた岩壁から、緑や黄の花をつける頃 主稜の尾根筋と平行してくい込む三合雪渓が
右手に見える。
目を上げると最低鞍部まで続く雪渓のはるか上空に月が沈みきらずにいる。
途中の台地で休みを入れる。
やがて傾斜を増し、雪渓の幅も狭まり左岸の山腹が近づく。
クレバスを飛び越え、杓子岳との最低鞍部まで伸びる雪渓より離れて右手の谷筋に寄ると葱平(ねぶかっぴら)に着く。
沢が音をたてて流れ、ガレ場の山腹に岩小舎が建っている。
冷たい沢水でノドを潤し、握り飯をほうばる。
杓子方面から湧き出したガスが途切れることなく流れて来る。
葱平から先は傾斜も増し、露岩のコースが続く。
そして徐々に谷筋も広がり両側山腹もゆるくなると
次第に稜線を行く人影を眺められるようになり、辺り一面花の乱れ咲きだ。
緑の中に白、黄、橙、赤とまるで花模様の絨毯を敷きつめたような眺めである。
時々鑓ヶ岳や杓子岳の山容が見られる。ここまで登れば後一息で稜線である。
直下の雪渓を右に見て行く。すでに森林限界を抜け出したので、岩と這い松の高山帯である。
村営宿舎を過ぎ、七年前に幕営したテント場(現在は禁止だ。)を過ぎると、
まろやかな稜線尾根に出る。ザックを外して腰を降ろす。
すぐ南には大きな鑓ヶ岳とピラミダルな杓子岳・そして西には旭岳が見られる。
ここまではいいペースだ。今日の予定はすぐ先の白馬山荘だが、予定を伸ばして大池まで行こう。
頭上には先ほどからひっきりなしに荷揚げ用ヘリコプターが飛来する。
これほど近くで見るのは初めてだがものすごい風圧だ。
巻上げられた砂が腕に当たり痛い。そんな中を白馬山荘へ急ぐ。
歩荷の時代と比べると便利になったな。
いよいよ白馬岳山頂である。先回は寄らず縦走先に向かったので山頂に立つのは初めてである。
しかし展望は相変わらず鑓ヶ岳周辺のみで残念だが、人払いをして一人で記念写真に収まる。
梨をかじった後更に縦走を続ける。
思ったよりやせて急な馬の背を、ザクの小石を飛ばさないように下る。
小ピークを越え、左手前方に鉢ヶ岳の鞍部や水をたたえた長池を眺めながら這い松の脇を下るようになると鞍部になって三国境となる。
三国境で辿ってきた長野、左へは富山、これから向かう新潟とに分かれる。
鞍部から新潟県方面に脚を踏み入れ、ザクの道で小ピークを登降、またはトラバースしながら行くと岩ゴロのピークとなって小蓮華岳山頂に出る。
ここは首無地蔵が祭られ他に宗教色のただよう山頂は、後立山の山にしては珍しい雰囲気だ。
頭上からジリジリと照りつける太陽、軽く吹く風、湧き上がるガスに中に聳える白馬三山。やっと夏山らしくなった。
足元に白馬尻の小屋を、正面には雪渓に向かって落ち込むような
鋭い天狗菱の岩壁を持つ杓子岳、東面が落ち込み意外に男性的な白馬岳などを展望しながら明るい山頂で休止を取る。
周辺の山を眺めながらのコーヒータイム中、急に暗くなった空は雨が心配なので腰を上げる事にする。
尾根に従って下り、珍しい二重山稜を行くと次第に尾根筋が広がり肩のように傾斜がなくなる。
注意して足元を見ると、褐色の岩塁の中に淡いピンクのコマクサを見つける。今まで見たかった花にやっと逢えた! 早速カメラに収める。
ガラガラ岩塁のだらだらと長い下りも尾根の東側に絡むようになると、いきなり開けて白馬大池
の畔のお花畑となる。広大な平地にはハクサンイチゲ、シナノキンバイなどが見られる。
もう少し早い時期なら登山よりハイキングと勘違いするような場所だ。
近くには雪田や池塘も見られ、カラフルなテントも並びまるで湖畔のキャンプ場の雰囲気だ。
小屋の宿泊手続きの後、満々と水をたたえる池畔に座り込んで夕食を摂る。
食後の後腹ごなしに、お花畑の中を、蓮華温泉への道を散歩代わりに歩いてみる。
久しぶりの山行の割には約10時間の行程も快調に歩けた。
8/14
今日は乗鞍岳を越えて下るだけなので、
ゆっくりとパッキングをし直し小屋を出る。
外は雲ひとつ無い青空が広がっている。パンとジャムとスープの朝食を摂って出発する。
大池の畔を左手から回り込んで行く。這い松と安山岩のゴーロで飛び石伝いに
池を半分ほど巡った後、乗鞍岳の丸い山腹に取り付く。
這い松の露岩帯をペンキに導かれて登って行く。
傾斜がゆるむと広い広い山頂で、ケルンが山頂を教えてくれる。
振り返ると小蓮華岳のピークが望める。
ケルンが乱立する頂上からは朝陽に向かってしばらく行くと、左手の岩を合図に
にして右へ折れると岩場の急降下になる。一気に下り雪田を横切た後、ゴーロが尽きると正面の足元には這い松と池塘の湿原・天狗原が広がって見える。
樹林の中をどんどん下って木道の天狗原に出る。
池塘の周囲には白いワタスゲが風にゆれ、這い松の切れ間から(西側)小蓮華岳〜白馬岳が
連なり奥には唐松岳らしいピークを望むこともできる。
まるで雲ノ平のスケールを小さくしたような場所だ。
草付に腰を降ろしてゆっくりティータイムを楽しみ腰を上げる。
平坦な木道から樹林中のコースが、山腹にからんで下るようになると木組階段が
現れ、小沢を横切るようになるとしばらくして舗道へ飛び出しわずかに登ると
栂池自然園となり、いかにも白馬山麓らしい眺めとなる。
汗を収めてから相乗りでタクシーに乗り込み白馬駅に出る。
駅前で昼食を済ませ、鈍行で松本へ向かう。
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