空木岳 小地獄のトラバースを断念して撤退・ロープを持っていれば・・・
- GPS
- 28:40
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,740m
- 下り
- 1,734m
コースタイム
- 山行
- 6:15
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 8:45
- 山行
- 1:50
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 2:29
2日目は下るだけだったのでゆっくりとしました。
天候 | 1日目:晴れも空木付近は雲と風 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場にはトイレ有り(中は暖かでした)。菅ノ台駐車場は600円。 高速を下り、左折して直進した先の右側にコンビニあり。買い物はここで済ませましょう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●菅ノ台駐車場〜夏期駐車場 積雪無し。菅ノ台駐車場より上部にスキー場駐車場があります。 夏期駐車場はトイレあり。 ●夏期駐車場〜池山小屋 積雪・凍結箇所若干あり。この辺で雪が出来ましたがアイゼン等は装着せず。 池山小屋の水場はまだ凍結していませんでした。 ●池山小屋〜大地獄 池山小屋からアイゼン装着。雪はそれほどでもない。 大地獄付近でも階段、鎖場見えていてそれほど心配なかったです。 大地獄を過ぎた後、小地獄・迷い尾根に入る夏期のトラバース道は急斜面の上部からの雪が落ちていて登山道が一部なくなっています。 トラバースは結構しんどそうです。自分だけなら行ったと思いますが、6人では安全を考えロープ用意したほうが良かったです。 冬季の尾根直登ものぼりは何とかいけそうですが、下りは懸垂下降が無いと厳しかったでしょう。 ロープ持参していたら今回の判断だったら夏道のトラバースを行くと思います。 |
その他周辺情報 | ●温泉 こまくさの湯にて汗を流しました。610円と結構リーズナブル。 露天風呂からは千畳敷と宝剣岳が見えます。 |
写真
感想
2016-2017雪山シーズン初戦は、いきなりの南アルプス空木岳。長大な池山尾根を菅ノ台駐車場から標高差2000mの空木岳山頂を目指すタフコース。
久々のアイゼン・ピッケル・わかん・シャベル等の雪装備を引っ張り出して装備するとさすがに重い。でも仲間5人とのテント泊ワイワイ宴会付き(食担はもちろんYAMA555さん!)なので、ちょっとの不安とかなりのワクワク感でスタート。
上空は風が強いようで、下界は晴れながらもはるか稜線からは雪交じりの寒風が吹き付けていて、気温も低い。池山小屋手前からは雪道に変わり、小屋分岐でアイゼン装着。アイゼンの爪が雪面を咬む感触、やっぱりイイねぇ!(^^)!
各自、重装備で今シーズン初アイゼンながらも順調にルートを進み、大地獄もまだ本格積雪前で階段・クサリも埋もれてなくて、順調に通過。これで空木平あたりでテント設営を予定通りに行えそうだなと考えていたところに、まさかの落とし穴が...
なんと迷尾根の巻きルートが数日前の積雪の影響なのか、上部から流れてきた雪で埋まって消失している。こりゃ参ったと、少し戻って尾根直登ルートをYAMA555さん達が探ってみるもののロープが無いので、登れても帰りの下りはかなり危険。
結局、雪で埋もれた巻きルートをシュリンゲ繋いで心もとないけど確保とし、まずSリーダーがルート開拓。幸い急斜面トラバースは雪面が固くてしっかりしていたので、足場を作って全員で通過するも、その先はまた上からの雪で急斜面のルートが消失している... GPSで確認すると、この先もまだまだ巻きルートの連続のようで、ロープやハーネス無しで無理して進むものではないだろうとのSリーダー判断で(みんな先に進みたい気持ちが強いながらもグループ行動では無理してはいけないという鉄則を尊重しての泣く泣くの)撤退となりました。
撤退となれば、あとは戻って池山小屋に泊まるだけ。
でも食担YAMA555さんの素晴らしい食事と各自が担いできたお酒やおつまみでの宴会があると思うと、撤退の悲しみも薄れて、一気に宴会登山モードに。翌日もゆっくりできるし。
池山小屋には先着パーティー(翌日に軽身で空木ピストン予定とのこと)が小屋内にテント設営していましたが、場所を半分空けてくれて、我々もテントを設営し、楽しい宴会(いちおう今回撤退の反省会)を存分に楽しみ、翌日はただ下るだけなので、本当にグッスリと長時間睡眠を貪りました。
※今回のYAMA555さんによるメイン料理は豚肉と白菜のミルフィーユ鍋。細かく刻んだ柚子が味に良いアクセントになっているという凝りよう。さすがです。炊き立てご飯との相性もバッチリ。
2日目は、恨めしいぐらいの快晴。ただ下山するのもなんなのでと、池山へ登って山頂からのクリアな絶景を存分に楽しみ、昼前に駐車場へ帰着となりました。
池山山頂からの360°↓
早く下山できたので、コマクサの湯も空いているし、中央道も渋滞無し。
余裕でBSで真田丸の最終回を家で見ることが出来ましたとさ。
初戦は残念な結果となりましたが、今シーズンは、まだまだいろいろな雪山企画があるので、そこで憂さ晴らししたいと思います。もちろん、このルートもいつかロープ装備してリベンジしたいなと。
昨シーズンは雪が非常に少なく12月のこの時期、谷川岳では雪がない雪訓という珍事があったのが記憶に残っていますが、11月から雪が降り今年はいきなりシーズン初冬山で空木岳。
若干足慣らしもしていないので不安でしたが、この時期ならチャンスだろうと仲間の計画に乗りました。
滑り出しは順調で、大地獄も難なく越え、これは間違いなく明日ピークを踏めるだろうと思った矢先、小地獄・迷い尾根に入るトラバースを見て愕然。急斜面につけられた登山道は上からの雪で埋もれそこには急斜面しかない。
今回は前日までの数週それほど雪も降っていなかったので、間違いなく夏道をいけるだろうとタカをくくって直前でと登攀装備を解除してきたのが悔やまれる。
ここで冬道である尾根直登も試してみようとしたが、如何せん急斜面。登れないことも無いが、ここを下ってくるとなると懸垂下降が数回必要になり直登は難しいということで、再び夏道をいけるかの判断をすることに。
ロープが無いがそれぞれが持参していたスリングを連結させ簡易的に確保しながらリーダーが10mをトラバースし先にあるウッスラした登山道へ辿りつく。意外に雪が締まっていていけそうだったので続いたが、その次数mも行くとまた同じ埋もれてしまった急斜面が現れる。この先迷い尾根のトラバース道は更に続き、6名で危険を冒してまでいくのはやめようというリーダーの判断で今回は撤退することになりました。
撤退が決まれば早いもので16時には池山小屋に到着。小屋内にテントを張って快適なテント泊の中、持ち寄った酒とつまみと食料で大反省会をしました。今回の撤退の大きな原因はやはり登攀装備を持ってこなかったこと。冬の厳しいルートがあるところでは初冬でも舐めてはいけないことが身に染みて分かった撤退でした。
失敗することで得ることがたくさんあった空木岳チャレンジでした。来年リベンジするぞ!
そして1月に入って同じクラスの3000m級の塩見岳にアタック予定です。このときには今回の反省を活かし若干重くなりますが登攀装備も用意しようと心に決めた次第です。
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