滑落寸前!木曽駒ヶ岳(中ア)
- GPS
- 03:55
- 距離
- 3.9km
- 登り
- 480m
- 下り
- 482m
コースタイム
天候 | 晴れ 、午後はちょっと曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雨が降った木曽駒ヶ岳は、千畳敷カール内に大量のデブリが堆積し、八丁坂は硬くなった雪面で滑落者が続出。アイゼン、ピッケルが効きづらい極めて危険な状態でした。良く研ぎ出したアイゼンと、ピッケルはダブルであった方が安心です。万が一ピッケルを途中で滑落されると、絶対に登ることはもちろん、安全に降りることはできません。 |
写真
感想
【感想/記録】
せっかく乗鞍岳にまで来てすぐに帰ると言うのも残念なので、乗鞍岳を下山したら駒ヶ根市に宿泊し、木曽駒ヶ岳へ登る事に。朝はホテルの窓から木曽駒ヶ岳などの中央アルプスが見えてテンションアップ⤴。しらび平行きのバスは始発便が8時15分なので、7時40分には菅の台バスセンターに到着。日曜日だけあって既に結構な車がもう止まっていました。準備をして切符を買おうと売り場の列に並んだら、8時発の臨時便のバスが来てしまい乗れずに出発しました(>_<)。定刻のバスに乗り千畳敷駅には9時半前に到着。
準備をして早速するも既報の通り千畳敷カールは、宝剣岳方面からの雪崩のデブリで覆われ大変な事になっていました。大きな雪の塊が散乱しており、こんなのに巻き込まれたら一発でアウト(´Д`)。遭難者がいなくて本当に良かった。急斜面の八丁坂は雪面が硬く、踏み抜きはないもののアイゼンが効きづらいです。標高が上がるにに従って斜度は急になり、雪面はクラストし硬く締まります。
先行者を追って登っていたら突然上から人が滑落して、危うく自分にぶつかりそうになりました(´Д`)。日頃は動きが鈍臭いのですが、この時ばかりはとっさに横に避けてなんとか衝突を回避出来ました。まだ八丁坂の真ん中より下でしたので、恐らく滑落してもデブリの前あたりで止まり、怪我は無いと思いますが、巻き添えを食らうと痛そうです。幸い雪面には少しステップがあったと記憶していますが、この後は足さばきをより慎重にし、ピッケルも石突きを確実に雪面に打ち込みます。
ようやく中間地点のオットセイ岩付近までたどり着き、ちょっと立ち止まって上を見上げると、まだまだ急斜面が続きます。ここからはさらに雪面が硬くなりステップも消えてアイゼンの歯の跡だけしかありません。アイゼンを9オクロック、あるいは3オクロックで、最後はピッケルをダガーポジションにしてピックを雪面に叩き込み、少しづつ標高を上げて行くと、斜度が緩やかになりなんとか乗越浄土に到着。緊張で喉がカラカラになったので、とりあえずお茶を飲んで一息つけました。
ようやく憧れの快晴の木曽駒ヶ岳に来たものの、帰りの事を思うと心は重く気分は晴れません。緊張し過ぎたのと昨日の疲れもあったのか足取りも重く、でも先ずは中岳を目指しますが、雪面は完全に氷化してアイスバーン状態でアイゼンが効きづらい。変に斜面の端に寄って滑るとどこまでも滑って行けそうです。
それでも中岳に登頂し一旦下って雪原では無く、もはや氷原と化したテン場を過ぎて斜面を登ると、木曽駒ヶ岳山頂に到着。晴れて素晴らしいお天気で、南アルプス、御嶽山、乗鞍岳〜北アルプス、八ヶ岳の山々がちょっと山頂が雲に隠れているものの、見えて感激のはずも、滑落者を見たショックで心ここに在らず。撮影をそそくさと行い下山を開始。皮肉にも晴れて風も穏やかでお天気は良好。木曽駒ヶ岳、中岳からの下山時には氷化した斜面をバックステップで降りる練習を行い、滑落しないイメージトレーニングを行いました。
宝剣山荘横でちょっと休んでパンを食べて、乗越浄土からいよいよ覚悟を決めて下山しました。幸い帰りはステップが刻まれており、アイゼンを効かせてピックを雪面に叩き込み、ゆっくりと標高を下げて行くと、また上にいた登山者2名がもつれ合って滑落、あたりは騒然。ここで立ち止まってはニッチもサッチもいかないので、ステップにアイゼンを叩き込んで慎重に降ります。登ってくる登山者とのすれ違い時には、ピッケルのブレードでステップを作って横に回避し、なんとかオットセイ岩に来ると、幸い先ほどの滑落者が待機されており一安心。
ここからは前向きで、ドンドン標高下げて、最後は尻セードでデブリ末端まで無事到着。長かった八丁坂の下降は、途中2回ほどズルッと滑りそうになりましたが、幸いピッケルが効いて大丈夫でした。デブリを乗り越え、13時半前に千畳敷駅に到着した時にはもうクタクタ。でも装備をザックにしまって千畳敷ホテルでお得なプランのソースカツ丼頂くと、なんとか生き返った気がしました。想定外の雨で氷化した木曽駒ヶ岳、こんなに手強いとは想像以上でした。
【注意点や反省点】
八丁坂は雪面が硬くアイゼン、ピッケルは極めて効きづらく、確実なアイゼン、ピッケルワークが求められます。木曽駒ヶ岳は雪山の入門者的な位置づけですが、今のところ中級〜上級者でないと滑落の恐れが大きいです。いったん滑落すると初期制動に成功しない限り、途中で滑落停止なんて絶対無理です。このくらいの斜度になると、滑落停止訓練を積んでいても実際に滑落を停止させるのはかなり厳しく感じました。
乗越浄土からは氷化していますので、何かを滑落されると回収できなくなる恐れがあります。
【Apple Watch等による計測結果】
ムーブ(安静時を越える推定エネルギー消費量 / kcal)
648
エクササイズ( 活発に活動した分数 / 分)
59
スタンド( 1時間のうち1分以上身体を動かした時間 / 時間)
13
登った階数( 一階=約3mの高度を上昇 / 階)
86
ウォーキングの距離(km)
11.4
歩数(1日で歩いた歩数 / 歩)
15,322
心拍数 (1日で最低、最高の心拍数)
57〜109
体重
不明
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