伝説のささら獅子舞を見た! 笠取山〜唐松尾山〜飛龍権現〜丹波山村


- GPS
- 09:28
- 距離
- 29.3km
- 登り
- 1,919m
- 下り
- 2,368m
コースタイム
9:23 登山スタート
11:12 雁峠
11:40 水干
12:02 笠取山
13:43 唐松尾山
14:29 将監小屋
16:19 飛龍権現
17:16 熊倉山
18:25 丹波バス停
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険な箇所は特にないと思います。 塩山駅周辺にコンビニはありません、と地元のおじさんが言ってました(300メートルほど離れたところにはあるらしい)。 近くの飲食店でおにぎりの販売を行っているようですが、朝8時の段階では開いていませんでした。 新地平バス停近くに綺麗な水洗トイレあり。自販機もあります。 |
写真
感想
梅雨も明けたし、奥多摩の1000メートル前後の山は暑いだろうしなぁ。
じゃあ、2000メートル前後の山に行こう。
というわけで笠取山に。
どうせなら飛龍山まで縦走しよう、ということでスタートしました。
7時50分、塩山駅着。
朝食を食べていなかったので、塩山駅周辺のコンビニで調達すればいいか、と気楽に考えていました。
バスの時間までちょっとあったので、駅周辺でコンビニ探し。
しかし、見つかりません。
挙動不審にうろうろしていると、見かねた地元のおじさんが「この近くにコンビニはないよ」と。
しょうがないので、みやげ物屋で白桃ロールケーキを買って朝食代わりに。
で、西沢渓谷行のバス停を見ると、みなさん並んでます。完全に出遅れました。座れません。
新地平からの登山ルートは、しばらく、いやかなりの距離の林道歩きです。
さえぎるものが何もないので、容赦なく日差しが照りつけます。
途中にあった作業小屋の温度計に目がいきます。
32度。
えーと、ここ標高1000メートル超えてますよね。
えーと、100mにつき0.6度下がるんでしたっけ。
えーと、下界は何度なのでしょう。
あまり考えたくないので、先に進みます。
林道を抜けると沢沿いの登山道になります。
これが意外と曲者。
4、5回、沢を渡る必要があります。
靴を脱げば安全に渡れるんでしょうけど、面倒なので岩の上を行きます。
かなり滑ります。
トレッキングポールを川底に突き刺してどうにか渡りました。
でも、横着しないほうがよさそうですね。
高度が上がってくると、沢沿いから笹薮に入ります。
直感。
出そう。
獣の匂いがします。
沢が近いので、熊鈴の効果が半減します。
ここからしばらく、トレッキングポールは打楽器と化しました。
雁峠には11時過ぎに到着。
標準CT3時間のところ、1時間50分ほど。
快調なペースです。
少し先に2階建ての小屋がありました。
廃止された雁峠小屋のようです。
ぼろぼろです。
今にも崩れそう、というか崩れかかってます。
横から数本の太いワイヤーで補強してます。
貼り紙。
「建物が老朽化しています。緊急避難の場合以外は、使用しないでください。」
こういうところに泊まるのも楽しそうなんですが。
いや、夜になると、別の何かが出そうですね。
笠取山への直登り楽しそう! と思ったのですが、先に水干を見に行きました。
おー、これが水干か。
多摩川源流。最初の一滴。
その一滴が落ちるのを待ちます。
期待して待ちます。
しばらく待ちます。
辛抱強く待ちます。
干上がってました。
地図を確認すると、ここからだと反対側から笠取山に登ったほうが早そうです。
あっけなく頂上に着いたと思ったら、ピークがふたつあるんですね。
見晴らしのいいほうに移動します。
ここで休憩です。
眺めがいい。
風が心地いい。
ご飯もおいしい。
アブとハエが多い。
15分が限界です。
結局、あの有名な直登りは通りませんでした。
また次の機会にとっておきます。
唐松尾山に向かいます。
と、前方からかなりのスピードで下ってくる人が。
聞くと、鴨沢から縦走して来たのだとか。
トレランの人たちって、すごいですね。
これ以降、まったく人に会わなくなりました。
笠取山周辺はあんなにたくさん人がいたのに。
唐松尾山までの間は、けっこう歩きにくかったです。
眺望もないし、足元は岩が多くて気が抜けないし。
急登りでポールが使えない場所も多いし。
なんだか、気が乗りません。
ペースダウンして、ダラダラと歩いてしまいました。
唐松尾山を過ぎてしばらくしたあたりです。
水を飲もうとしたところ、あれ、出てこない。
強く吸ってもダメ。
暑さのせいで、すべての水を消費してしまったのでしょう。
これが、ハイドレーションシステムの落とし穴。
消費した水量がわからない、というヤツか。
さて、困りました。
この位置で、この暑さ。
周りに人の気配はありません。
熱中症にでもなったら命にかかわります。
とにかく水場を目指すしかありません。
ちょっとあせり気味にピッチを上げます。
そして、なんとか将監小屋に到着。
急いでザックを降ろして水の補充を。
ん、チューブが?
なんてことはありません。
チューブが折れ曲がって、水が吸えなくなっていただけでした。
まだ500ミリリットルは残っています。
冷静に、その場で確認すればよかったのに。
山であせりは禁物ですね。
残りの行程を考え、1.5リットル補充して先に進みます。
この段階で14時半。丹波の終バスは18時20分。
なんとか間に合うだろう、と楽観的に考えていました、このときは。
飛龍権現までは、典型的な巻き道。
あまり面白くはありません。
飛龍山に近づくにつれて、意外と登り返しもあったりして、なかなかピッチが上がりません。
飛龍権現到着は16時19分。
あれ、時間がない。
禿岩も、飛龍山山頂もあきらめました。
終バスまであと2時間。
ここから丹波バス停までの標準CTは3時間半。
あー、前飛龍の登り返しがキツイ。
下りの岩場は、膝への負担をものともせずに、ガンガン跳び降ります。
足の状態はまだまだ大丈夫。
急げば、なんとか間に合いそう。
17時16分。
熊倉山到着。
意外と時間がかかってしまいました。
残りあと1時間。
標準CTだと2時間10分の道のり。
半分の時間で行けるのか?
いや、走れば大丈夫。
ここから先はひたすら下るだけ。
下りは得意なんです。
17時33分
サオラ峠到着。
15分ほどで駆け抜けました。
さて、問題はここから先です。
グネグネと蛇行する急坂。
肉体的というよりも、精神的にキツイ。
とにかく走ります。
激痛。
靴の中に小石が入り、指先に突き刺さりました。
一旦靴を脱いで取り出します。
こんなところでタイムロスしてる場合じゃないのに。
明日は絶対、ショートスパッツ買いに行こうと心に決めました。
17時45分。
また小石が突き刺さりました。
靴を脱ごうとしゃがんだところ、別の激痛が。
こむらがえり。
シャレにならない痛さです。
水はこまめに補給していたものの、ミネラルが不足していたようです。
ふくらはぎのマッサージと、塩タブレットの補給で約5分間の休憩。
これで終バスは微妙になってきました。
18時18分。
登山道を抜けました。
終バスまであと2分。
ここで看板が目に入ります。
「丹波バス停までまっすぐ10分」
10分?
見なかったことにして車道を全速力で走ります。
18時20分。
300メートルほど下。
眼下にバス停が見えます。
あっ、バスが停まっている。
奇跡的に間に合うのか?
と思った瞬間、無常にも発車してしまいました。
このときの脱力感といったら。
いや、もしかして臨時バスとか。
淡い期待を抱きつつ、あとはゆっくりとバス停に向かいます。
18時25分。
丹波バス停着。5分差でした。
臨時バスなどあるわけもなく。
さて、これからどうしましょうか。
奥多摩まで走るとか。
いや、無理無理。
確か道の駅に観光案内所があったはず。
とりあえずそこに向かいます。
観光案内所は6時で閉まっていましたが、近くにいた従業員の方に相談してみました。
「タクシーだと奥多摩までいくらくらいですかねぇ」
「7000円はかかるよ。それだったら民宿に泊まったほうがいいよ」
ということで、親切に民宿を手配してくれました。
本当にありがとうございました。
次の日(7月17日)。
せっかくなので丹波山村観光です。
郷土民俗資料館に行ってきました。
付近の地名の由来とか、峠での交易のこととか、いろいろと勉強になります。
祭りについての展示もありました。
丹波山村最大の祭りは、丹波山祇園祭。
ここで奉納される「ささら獅子舞」は三百年の伝統を持ち、山梨県無形民俗文化財に指定されているとか。
毎年、7月15日に近い土日に開催。
ん、それって今日では?
で、見てきました。
普通、獅子舞ってユーモラスでゆっくりした動きじゃないですか。
ここの獅子舞は全然違います。
全身を大きく使った、とてもハードな動き。
獅子舞のイメージが一変しました。
若者たちが舞っているようですね。
この暑さです。
途中、ふらつく獅子もいました。
すると周りから、「あと少しだ、がんばれ」と声がかかります。
なんだか、古き良き日本の姿を見たような気がしました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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westmalleさん、こんばんは。
レコ読ませていただきました。2つとも縦走の距離が半端じゃないですね。おまけに今回の最後はダッシュ数時間の先のバス出発・・・手に汗握りましたが、読んでてもガックリきました。(笑)
でもハプニングのおかげでめったに見れない獅子舞が見れたのも何かのご縁かもしれませんよ、丹波山村。
とにかくお疲れ様でした。
コメントありがとうございます。
始めてまだ半年の初心者なので、今はとにかく歩くのが楽しくてしょうがない状態なんです。
ヤマレコに書いたのは2つだけですが、ここ数ヶ月、毎週30km前後の縦走をやってます。
山登りのよいところは、さまざまな偶然の出会いがあることですね。
まあ、ハプニングとの出会いも多いですが。
丹波山村。みなさん親切で、本当によいところでしたよ。
では。
westmalleさんが長距離山行ばかりやっているので
何のためのトレーニングだろう?と思い
見てなかったレポを見てみました。
何のためのトレーニングなのかはまだわかりませんが、
このレポもすんごくおもしろかったです〜。
まるで物語のようでした。
xmizutamaxさん、どうも。
トレーニングは、長距離山行するためにやっているんです。
でも、長距離山行のためのトレーニングが長距離山行だったりするので。
自分でも何のトレーニングだか、よく分からなくなってます。
この時は、初ヤマレコだったので。
面白く書こうと色々考えて。
どうすれば読んでもらえるのか、どうすれば読んだ人を楽しませることが出来るのか、と。
その分、書くのにものすごく時間をかけてました。
今じゃ、こんなに丁寧には書かなくなっちゃいましたけど。
ええー!
まさかそんな理由だとは!
びっくりしておー笑いしちゃいました!
山のおもしろさっていろいろあるんですけど、
達成感と言うのも大きいですよね。
私が山にハマったのは、初めてのときにものすごい達成感があったからなんです。
長距離山行は特に達成感があっていいですよね。
私はまず30キロに挑戦してみたいです
基本的に長距離山行やってる人はM、なのかな。
トレーニングのためのトレーニング。
マラソンなんかもこれに近いと思います。
そうですね。
達成感って、やっぱり大きいですね。
あ、30キロ、ぜひ挑戦してみてください。
といっても、くれぐれも無理はしないように。
高尾〜陣馬往復しても26キロくらい。
陣馬山から三頭山まで縦走して約30キロ。
かなりの長丁場なので、覚悟してください!
と、脅しておきます(笑)。
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