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Yamareco

記録ID: 1155622
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

【薮山レコ】裏の山 〜遥かなる越後の薮山〜

2017年05月30日(火) 〜 2017年05月31日(水)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.7km
登り
1,452m
下り
1,452m

コースタイム

1日目
山行
9:20
休憩
1:15
合計
10:35
6:45
115
蒲生川林道
8:40
8:50
120
大白沢支流出合
10:50
11:10
105
897m峰
12:55
13:00
15
支流⇒室谷川出合
13:15
13:40
120
室谷川⇒名無沢出合
15:40
15:55
85
17:20
17:20
0
支流⇒名無沢出合
15:55
室谷川出合段丘
2日目
山行
7:25
休憩
0:40
合計
8:05
5:05
15
室谷川出合段丘
5:20
5:25
180
881m峰北尾根取付
8:25
8:30
25
881m峰
8:55
9:15
95
897m峰
10:50
11:00
130
支流⇒大白沢出合
13:10
蒲生川林道
・1日目 897m峰手前で忘れ物で20分のロスあり
・遡行では長靴を水没させないため巻きを多用しています。(融雪水で激冷)
・(参考文献)
「知られざる山々」(羽田寿志 著)駒形山〜小金花山
「日本の渓谷’97」室谷川支流十字峡沢〜駒形山〜支流西ノ沢(下降)〜本流左俣右沢〜中ノ又山〜叶津川支流芳沢五枚沢(下降)
「年報」(わらじの仲間 著 )
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
大白沢沿いに踏み跡はありますがその先は人跡稀な登山道の無いエリアです。薮こぎはもちろん、沢の登下降、岩場や雪渓の通過、スラブの登攀、滝の巻きを伴います。
蒲生岳を右に見ながら林道を奥へ
1
蒲生岳を右に見ながら林道を奥へ
この雨量計の100mくらい手前から蒲生川へ降りる。結構急斜面。
この雨量計の100mくらい手前から蒲生川へ降りる。結構急斜面。
水深の浅い場所で渡渉し右上の台地へ上がる
水深の浅い場所で渡渉し右上の台地へ上がる
台地上は蕨の生える草原(畑?)になっている。踏み跡(ゼンマイ径)が草原の端に付いており大白沢の左岸へと導いてくれる。
台地上は蕨の生える草原(畑?)になっている。踏み跡(ゼンマイ径)が草原の端に付いており大白沢の左岸へと導いてくれる。
大白沢を左下に見ながら、最初はヘツリ道、やがて樹林帯へ進む。
2
大白沢を左下に見ながら、最初はヘツリ道、やがて樹林帯へ進む。
左岸の踏み跡は何本もの枝沢を越えていく。これは最初の枝沢。
1
左岸の踏み跡は何本もの枝沢を越えていく。これは最初の枝沢。
沢から離れてブナの森を行く区間は落ち着く。
1
沢から離れてブナの森を行く区間は落ち着く。
1時間ほど踏み跡を辿ると大白沢は300mも続くナメ床に。
1時間ほど踏み跡を辿ると大白沢は300mも続くナメ床に。
ナメ滝。このあたりからは癒しの渓。段丘と沢との高低差は縮まる。
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ナメ滝。このあたりからは癒しの渓。段丘と沢との高低差は縮まる。
5本目の枝沢手前に、かつてゼンマイ小屋があったと思われる広場がある。
5本目の枝沢手前に、かつてゼンマイ小屋があったと思われる広場がある。
5本目の枝沢を越えると左岸の踏み跡は不明瞭となり辿るのが困難。大白沢へ入渓した方が速く進める。
5本目の枝沢を越えると左岸の踏み跡は不明瞭となり辿るのが困難。大白沢へ入渓した方が速く進める。
淀みは鏡のような水面。
2
淀みは鏡のような水面。
“翠の渓”
この雪渓の先に草地がありゼンマイ小屋の名残がある(右岸)。
1
この雪渓の先に草地がありゼンマイ小屋の名残がある(右岸)。
ゼンマイ小屋の跡地のような広場。テン場に良さそう。
1
ゼンマイ小屋の跡地のような広場。テン場に良さそう。
入渓して約30分、左岸から合流する枝沢の出合。この枝沢を詰めて会越国境稜線を越える予定。
入渓して約30分、左岸から合流する枝沢の出合。この枝沢を詰めて会越国境稜線を越える予定。
岸辺の日当たりの良い斜面には春の息吹が。
3
岸辺の日当たりの良い斜面には春の息吹が。
枝沢は下流部では小滝が連続する。
枝沢は下流部では小滝が連続する。
中流部は安定した雪渓に埋め尽くされている。
中流部は安定した雪渓に埋め尽くされている。
勾配が一気に増す地点で雪渓が終わり、右から滝が合流、正面はルンゼ。この滝が本流とは気づかずに正面へ進う。
勾配が一気に増す地点で雪渓が終わり、右から滝が合流、正面はルンゼ。この滝が本流とは気づかずに正面へ進う。
ルンゼを登り後方を振り返る。
2
ルンゼを登り後方を振り返る。
登り切るとすり鉢状のスラブ斜面の基部に出た。なんとかフリーで登れる勾配、スタンスもよくフリクションも効き、面白いように登れる。
4
登り切るとすり鉢状のスラブ斜面の基部に出た。なんとかフリーで登れる勾配、スタンスもよくフリクションも効き、面白いように登れる。
登ったスラブ斜面を振り返る。薮こぎがなくて快適。
4
登ったスラブ斜面を振り返る。薮こぎがなくて快適。
スラブ斜面の上部。
1
スラブ斜面の上部。
スラブ斜面が終わり左の尾根に取り付くと比較的はっきりした踏み跡があった。下山時にこの尾根を下ったが、途中から松とシャクナゲの薮が濃くなり辛い薮こぎになる。使えない尾根だった。
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スラブ斜面が終わり左の尾根に取り付くと比較的はっきりした踏み跡があった。下山時にこの尾根を下ったが、途中から松とシャクナゲの薮が濃くなり辛い薮こぎになる。使えない尾根だった。
尾根を最後まで登ると会越国境稜線上の887m峰へ到達。
1
尾根を最後まで登ると会越国境稜線上の887m峰へ到達。
887m峰は視界が悪いので少し移動して展望を撮影。南方向パノラマ(元サイズあり)。右奥は浅草岳。
2
887m峰は視界が悪いので少し移動して展望を撮影。南方向パノラマ(元サイズあり)。右奥は浅草岳。
西方向パノラマ(元サイズあり)。左から中ノ又山〜毛無山。
3
西方向パノラマ(元サイズあり)。左から中ノ又山〜毛無山。
北方向パノラマ(元サイズあり)。左から矢筈岳〜駒形山。
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北方向パノラマ(元サイズあり)。左から矢筈岳〜駒形山。
北東方向。左は駒形山、中央奥は御神楽岳。
4
北東方向。左は駒形山、中央奥は御神楽岳。
駒形山の右奥に飯豊連峰を遠望。
5
駒形山の右奥に飯豊連峰を遠望。
887m峰から雪渓の残る北斜面を下る。
887m峰から雪渓の残る北斜面を下る。
まもなく急峻な沢へ引き込まれるように急降下が始まる。足場は悪く、沢というより崖のようだ。
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まもなく急峻な沢へ引き込まれるように急降下が始まる。足場は悪く、沢というより崖のようだ。
左右から支流を合わせ、いくつもの小滝を巻きながらどんどん下っていく。
左右から支流を合わせ、いくつもの小滝を巻きながらどんどん下っていく。
第一難所の二股の滝の上に出る。下では雪渓が大きな口を開けている。
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第一難所の二股の滝の上に出る。下では雪渓が大きな口を開けている。
左の沢から下り中間尾根を巻いて右の雪渓上部へ着地した。
1
左の沢から下り中間尾根を巻いて右の雪渓上部へ着地した。
第二難所の滝の上に出る。下に見えるはずの雪渓がデブリで5〜10m盛り上がって見える。
2
第二難所の滝の上に出る。下に見えるはずの雪渓がデブリで5〜10m盛り上がって見える。
中流部では勾配が緩やかで快適な雪渓歩きが続く。しかし下流部にさしかかると雪渓の崩壊が増え、気が抜けなくなる。
中流部では勾配が緩やかで快適な雪渓歩きが続く。しかし下流部にさしかかると雪渓の崩壊が増え、気が抜けなくなる。
時々現れる淵は側壁からヘツリったり巻いたりしながら通過。結構大変。
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時々現れる淵は側壁からヘツリったり巻いたりしながら通過。結構大変。
下流部は思いのほか苦労して通過し、ようやく室谷川との出合へ。左は下ってきた沢、右は室谷川本流。出合付近にも滝あり。
下流部は思いのほか苦労して通過し、ようやく室谷川との出合へ。左は下ってきた沢、右は室谷川本流。出合付近にも滝あり。
広くて穏やかな流れの室谷川本流を下る。
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広くて穏やかな流れの室谷川本流を下る。
スラブ斜面が水面まで落ち込んできれいな沢。岸辺をヘツリながら進める。
スラブ斜面が水面まで落ち込んできれいな沢。岸辺をヘツリながら進める。
ふと足元の淵を見ると尺近い岩魚の姿があった。
1
ふと足元の淵を見ると尺近い岩魚の姿があった。
警戒心が強い岩魚だが、この岩魚は人に好奇心があるみたいだ。手でつかめそう。
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警戒心が強い岩魚だが、この岩魚は人に好奇心があるみたいだ。手でつかめそう。
下降した沢の出合から15分で名無沢との出合に到着。左から流入するのが名無沢、右は本流。
下降した沢の出合から15分で名無沢との出合に到着。左から流入するのが名無沢、右は本流。
名無沢へ入る。名無沢を数十メートル遡った右岸段丘に良さそうなテン場があり余分な荷物をデポ。
名無沢へ入る。名無沢を数十メートル遡った右岸段丘に良さそうなテン場があり余分な荷物をデポ。
裏の山の南尾根末端に取り付く。踏み跡はもちろん、人の気配の一切ない藪の尾根。蒸し暑さの中、忍耐の藪こぎが続く。
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裏の山の南尾根末端に取り付く。踏み跡はもちろん、人の気配の一切ない藪の尾根。蒸し暑さの中、忍耐の藪こぎが続く。
702mの薮の密集した平坦地を通過すると右下にスラブ谷の源頭部が広がってくる。多少歩きやすくなる。。
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702mの薮の密集した平坦地を通過すると右下にスラブ谷の源頭部が広がってくる。多少歩きやすくなる。。
尾根の右側がスラブになっており、時々逃げる。
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尾根の右側がスラブになっており、時々逃げる。
標高800mの岩場の展望地からの眺め。南方向のパノラマ。(矢印はルート)(元サイズあり)
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標高800mの岩場の展望地からの眺め。南方向のパノラマ。(矢印はルート)(元サイズあり)
南方向のパノラマ(元サイズあり)。
2
南方向のパノラマ(元サイズあり)。
北、裏の山方向。手前に偽ピークがある。写真はないが藪の中にひっそりと咲く小柄なヒメサユリをいくつも見かけた。
北、裏の山方向。手前に偽ピークがある。写真はないが藪の中にひっそりと咲く小柄なヒメサユリをいくつも見かけた。
小規模な岩場の通過もあり。
2
小規模な岩場の通過もあり。
山頂直下の登り。山頂部は薮の要塞のようになっていた。
1
山頂直下の登り。山頂部は薮の要塞のようになっていた。
灌木藪の根元にひっそりと傾いた三角点があった。
3
灌木藪の根元にひっそりと傾いた三角点があった。
深い藪に埋もれた三角点。これが裏の山のありのままの姿。
2
深い藪に埋もれた三角点。これが裏の山のありのままの姿。
裏の山からの展望。南西方向パノラマ。左から中ノ又山〜915m峰〜毛無山。(元サイズあり)
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裏の山からの展望。南西方向パノラマ。左から中ノ又山〜915m峰〜毛無山。(元サイズあり)
北西方向パノラマ。左から毛無山〜粟ヶ岳〜矢筈岳。大川源流部の深い谷が展開するエリア。(元サイズあり)
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北西方向パノラマ。左から毛無山〜粟ヶ岳〜矢筈岳。大川源流部の深い谷が展開するエリア。(元サイズあり)
北東方向パノラマ。左から矢筈岳〜992m峰〜駒形山。(元サイズあり)
3
北東方向パノラマ。左から矢筈岳〜992m峰〜駒形山。(元サイズあり)
南東方向パノラマ。左から駒形山〜御神楽岳方面〜小金花山。(元サイズあり)
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南東方向パノラマ。左から駒形山〜御神楽岳方面〜小金花山。(元サイズあり)
西ノ沢の中流部の様子。小滝が多そうだ。駒形沢を遡行して西ノ沢、室谷川を下降する沢登りの記録がいくつかみられる。
1
西ノ沢の中流部の様子。小滝が多そうだ。駒形沢を遡行して西ノ沢、室谷川を下降する沢登りの記録がいくつかみられる。
裏の山を後にする。再び藪こぎをする気になれず、先の岩尾根部より右の斜面へ下降。
2
裏の山を後にする。再び藪こぎをする気になれず、先の岩尾根部より右の斜面へ下降。
最初はスラブ斜面に低灌木の生えた斜面を下る。
1
最初はスラブ斜面に低灌木の生えた斜面を下る。
やがて草付きの中の岩溝となる。
1
やがて草付きの中の岩溝となる。
中流部は雪渓に埋め尽くされている。
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中流部は雪渓に埋め尽くされている。
しかし二股で比較的大きな滝があり雪渓が途切れている。右岸から高巻きで下降。
2
しかし二股で比較的大きな滝があり雪渓が途切れている。右岸から高巻きで下降。
雪渓に降りて滝を見上げる。
2
雪渓に降りて滝を見上げる。
さらに雪渓を下っていくとカモシカの死骸があった。状況からすると崖から滑落したのだろう。自分もこうならないように、気を引き締めて下山しよう。
4
さらに雪渓を下っていくとカモシカの死骸があった。状況からすると崖から滑落したのだろう。自分もこうならないように、気を引き締めて下山しよう。
方向を南西から南へ変えさらに雪渓を下っていく。
1
方向を南西から南へ変えさらに雪渓を下っていく。
下流部では雪渓がとぎれとぎれとなり、きれいなナメ滝の連続するようになる。滝つぼにハート形の甌穴があった。
4
下流部では雪渓がとぎれとぎれとなり、きれいなナメ滝の連続するようになる。滝つぼにハート形の甌穴があった。
美しいナメ状の沢を軽快に下る。
3
美しいナメ状の沢を軽快に下る。
出合近くになると小滝が連続して時々巻きながら下降。
出合近くになると小滝が連続して時々巻きながら下降。
名無沢との出合を見下ろす。右から名無沢が合流。出合の下流はしばらく雪渓が続いている。
名無沢との出合を見下ろす。右から名無沢が合流。出合の下流はしばらく雪渓が続いている。
出合より名無沢上流を望む。
出合より名無沢上流を望む。
出合より名無沢下流を望む。結構な厚みのある雪渓が続く。
出合より名無沢下流を望む。結構な厚みのある雪渓が続く。
美しい白い岩盤に小釜の連続する区間。沢登りの対象になりそうな沢だ。
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美しい白い岩盤に小釜の連続する区間。沢登りの対象になりそうな沢だ。
小釜の先では大釜をともなった滝となっていた。
3
小釜の先では大釜をともなった滝となっていた。
その後も雪渓をいくつも超える。右手前のコーナー部の雪渓から藪につかまりながら側壁へ移動したが危なかった。空中に浮かんでいた。
3
その後も雪渓をいくつも超える。右手前のコーナー部の雪渓から藪につかまりながら側壁へ移動したが危なかった。空中に浮かんでいた。
この雪渓は中央の岩から上り通過。
3
この雪渓は中央の岩から上り通過。
室谷川との出合に近づくと雪渓も落ち着き穏やかな流れとなる。
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室谷川との出合に近づくと雪渓も落ち着き穏やかな流れとなる。
情報通り、名無沢が室谷川に出合う手前の右岸段丘に平らな幕営好適地があった。ここでツェルトを張って沢音を聞きながら満点の星空の下、一泊する。しかし一晩中ジュウイチの鳴き声が煩く寒さもありあまり眠れず。
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情報通り、名無沢が室谷川に出合う手前の右岸段丘に平らな幕営好適地があった。ここでツェルトを張って沢音を聞きながら満点の星空の下、一泊する。しかし一晩中ジュウイチの鳴き声が煩く寒さもありあまり眠れず。
ブナの幹には切り付けと、なぜか巻き付けられた雨具?があった。
1
ブナの幹には切り付けと、なぜか巻き付けられた雨具?があった。
翌朝、下山のため再び室谷川を遡行開始。水量は穏やか。
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翌朝、下山のため再び室谷川を遡行開始。水量は穏やか。
昨日下ってきた支沢(左)との出合に到着。中央に聳える中間尾根末端に取り付き、尾根から藪こぎで進むことにする。
3
昨日下ってきた支沢(左)との出合に到着。中央に聳える中間尾根末端に取り付き、尾根から藪こぎで進むことにする。
藪につかまりながら急な尾根に取り付く。意外にも踏み跡があった(途中から不明瞭となり薮こぎ必至、甘くはなかった)。
藪につかまりながら急な尾根に取り付く。意外にも踏み跡があった(途中から不明瞭となり薮こぎ必至、甘くはなかった)。
尾根下部より進路を望む。松や灌木や部の生えた岩稜だ。左右は磨かれたスラブ斜面。
尾根下部より進路を望む。松や灌木や部の生えた岩稜だ。左右は磨かれたスラブ斜面。
この尾根上では、日当たりのよい岩場でヒメサユリがごく普通に見られた。
2
この尾根上では、日当たりのよい岩場でヒメサユリがごく普通に見られた。
尾根中間部より後方を振り返る。裏の山が一つの独立峰のように格好良く望まれる。(矢印はルート)
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尾根中間部より後方を振り返る。裏の山が一つの独立峰のように格好良く望まれる。(矢印はルート)
尾根中間部より会越国境稜線を望む。中央の突起が881m峰。
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尾根中間部より会越国境稜線を望む。中央の突起が881m峰。
樹林帯になるとうっすらと踏み跡が現れる。
樹林帯になるとうっすらと踏み跡が現れる。
尾根上部より北東方向パノラマ。(元サイズあり)
2
尾根上部より北東方向パノラマ。(元サイズあり)
北西方向パノラマ。(元サイズあり)
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北西方向パノラマ。(元サイズあり)
西方向パノラマ。急峻なスラブに覆われた中ノ又山東斜面が大迫力。越後百山に選ばれた理由の一つかもしれない。(元サイズあり)
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西方向パノラマ。急峻なスラブに覆われた中ノ又山東斜面が大迫力。越後百山に選ばれた理由の一つかもしれない。(元サイズあり)
881m峰より会越国境稜線上を887m峰へ向かう。藪は低く踏み跡があり歩きやすい。ただし887m直下は濃い藪だった。
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881m峰より会越国境稜線上を887m峰へ向かう。藪は低く踏み跡があり歩きやすい。ただし887m直下は濃い藪だった。
887m峰を通過し南尾根を下る。途中まで踏み跡があり快適に歩ける。
887m峰を通過し南尾根を下る。途中まで踏み跡があり快適に歩ける。
南尾根より887m峰南に展開するスラブ斜面を望む。あのスラブを登攀した。(元サイズあり)
2
南尾根より887m峰南に展開するスラブ斜面を望む。あのスラブを登攀した。(元サイズあり)
南尾根は途中から植生が変わり松と石楠花とツツジに覆われ、踏み跡が不明瞭になり横に張り出した枝の通過で苦労するようになる。
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南尾根は途中から植生が変わり松と石楠花とツツジに覆われ、踏み跡が不明瞭になり横に張り出した枝の通過で苦労するようになる。
尾根中間部より大白沢源流部方向。雪渓に埋もれている。
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尾根中間部より大白沢源流部方向。雪渓に埋もれている。
尾根中間部より尾根下部方向。尾根は広がり急峻になり、はっきりしなくなる。
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尾根中間部より尾根下部方向。尾根は広がり急峻になり、はっきりしなくなる。
藪尾根を最後まで下るのは諦め、左下のスラブを降り登りに使った沢へ。
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藪尾根を最後まで下るのは諦め、左下のスラブを降り登りに使った沢へ。
大白沢との出合へ。ここまでくればほっとする。あとは途中まで沢歩きで進み、左岸踏み跡をたどるのみだ。
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大白沢との出合へ。ここまでくればほっとする。あとは途中まで沢歩きで進み、左岸踏み跡をたどるのみだ。
熱せられた岩場のヘツリを通過すれば林道は近い。最後は蒲生川を渡渉しヘロヘロになりながら林道へ到着。
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熱せられた岩場のヘツリを通過すれば林道は近い。最後は蒲生川を渡渉しヘロヘロになりながら林道へ到着。
(おまけ)駒形山北峰(1096m)より望む裏の山へ続く長い稜線(5月中旬)(元サイズあり)
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(おまけ)駒形山北峰(1096m)より望む裏の山へ続く長い稜線(5月中旬)(元サイズあり)
(おまけ)小金花山より望む裏の山、駒形山(5月上旬)(元サイズあり)
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(おまけ)小金花山より望む裏の山、駒形山(5月上旬)(元サイズあり)

感想

「ありきたりの山名と凡庸な姿の山にどんな登る価値を見出すかだ。・・・大きなリスクを背負ってまで計画するのは愚かさも求められる。」・・・『山の遊学道 〜笹原山 愚かさの集大成〜』(山遊亀 著)より引用。

 裏の山は標高僅かに900m、しかも稜線上の目立たない小突起に過ぎない。場所は下田山塊の最深部と会越国境に囲まれた室谷川源流域。豪雪によって磨かれたツルツルのスラブ斜面と深い谷が展開し人を容易に寄せ付けない地形となっている。従って、薮山経験者でも計画するのは非常に難しく中ノ又山からでも駒形山からでも残雪期の日帰りは困難である。薮山愛好者の間で有名な、川内山塊の盟主「矢筈岳」よりも登り難いと思われる。

 今回の山行直前に、僅かな望みを抱いて倉谷山から駒形山へ尾根経由で裏の山を目ざしたが駒形山から先の稜線で猛烈な藪に阻まれあっさり撤退となった。そこで今回は計画を根本的に見直し沢登りと藪漕ぎを交えて只見の蒲生川から山越えで室谷川へ降り、南尾根末端から裏の山へ挑んだ。

 1日目はプロローグとなる蒲生川支流の癒しの渓、大白沢に沿ってゼンマイ径を歩む。途中から会越国境稜線に突き上げるスラブ斜面を登り会越国境を越える。そして雪渓残る室谷川支流を下るも、下流部では途切れ途切れの雪渓に泣かされた。美渓、室谷川本流を少し下れば裏の山へのベースとなる無沢出合は近かった。ここから日没ぎりぎりで裏の山を往復することができた。裏の山の山頂部は足の踏み場もない背丈を越える激藪が密集しており、展望はおろか、方向感覚を失うような状況だった。なんとか薄暗い灌木藪の根元に傾いた三角点がひっそりと頭を出しているのを確認した。改めて駒形山から稜線伝いに往復しなくて良かった。

 2日目は戻るだけだったが、尾根経由で国境稜線を越えたため、藪と岩の混合する細尾根の通過と蒸し風呂のような暑さに消耗しバテバテになりながらの下山となった。人跡未踏な会越国境と下田山塊に囲まれた秘境ともいえるエリアでブナの新緑・美渓・壮観な雪食地形など大自然に身を置くことができて満足度・達成感の大きい山行であった。山行詳細は写真のコメントを参照。

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コメント

ゲスト
さすが〜
お疲れ様です。
裏の山へ行くのにこのルート取り、しかもこの時期。catwalk15さんならではですねぇ。駒形山経由、3月頃の踏破記録は下越山岳会の方からお聞きしたことがありましたが…。いやはやいやはや。
見ているだけで汗が出て、虫の羽音が聞こえてきそうな記録です 虫対策なんかはどうされてますか?
GPS機器も使われない由、コンパス一丁で藪を泳がれるのでしょうか。凄過ぎです。
2017/6/14 7:22
ゲスト
Re:
コメントありがとうございます。今の時期だと、もう沢登り中心でしか考えられないですね。比較的優しそうな沢沿いからなるべく短い距離で辿り着けるルートで計画です。
沢には少ないですが尾根には虫はそれなりにいます。あまり気にしていると薮こぎが出来ないので半分諦めます(^^;)。特にひどい時はハッカスプレーを発射しますが持続性は良くないです。
薮こぎのルーファイは基本的には地形図とコンパスのみですが、迷いそうな広尾根や分岐点では赤布を付けるときもありますが、回収の問題があるのであまり使わないですね。尾根と沢など地形の変化を観察することが大事です
2017/6/14 18:03
あまりの凄さに絶句・・・・・
黒岩峰の記録を拝読していて、この記録に気付きました。

文献を参考にされたとはいえ、人跡皆無の山域にGPS無しで渡渉と尾根越えを繰り返しながら幕営山行し、無事に下山されるパワーに圧倒されました。
ルートは国土地理院の地形図でも照らし合わせて拝見しましたが、並みの藪山愛好家では到底思いつかないコース取りですね。

豪雪地特有の危険極まりないスラブが新緑に映え、画像の美しさにも引き込まれました。
「ありきたりの山名と凡庸な姿の山」を目指す登山者とは対極の山志向ですね。
いつの日にか、catwalk15さんの山への熱い思いが詰まった著書を出されますよう。
2017/6/28 10:35
ゲスト
Re: あまりの凄さに絶句・・・・・
takayama2様、コメントありがとうございます。
一般の山も登っていますが薮山を始めて約20年、新潟の越後百山はなんとか完登しています。GPSがないので地形図とコンパスと高度計を元に、経験と勘が頼りです。マイナー12名山は7座(矢筈岳・会津丸山岳・毛猛山・烏帽子山・ネコブ山・化穴山・羽後朝日岳)のみ登っています。やっぱり大変だったのは烏帽子山と丸山岳ですね。
以前は残雪期に薮山を攻略することが多かったのですが近年は薮山の本来の姿を確認すべく無雪期にも登っています。当然沢登りスタイルを組み合わせないと無理です。自分のレベルにあった沢は限られますが、沢を使えれば薮山登山の幅が広がりますし薮こぎからも解放されます。ただ尾根の薮こぎに比べたらリスクは大きいです。服部文祥氏の世界に少しだけ共通するところがあるかもしれません
2017/6/28 19:27
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