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Yamareco

記録ID: 1258998
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ハイキング
飯豊山

飯豊本山(小白布沢)2017

2017年09月09日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
19.6km
登り
1,880m
下り
1,887m

コースタイム

日帰り
山行
10:50
休憩
1:32
合計
12:22
5:08
120
スタート地点
7:08
7:14
49
8:03
8:04
8
8:12
8:12
11
8:23
8:35
48
9:23
9:23
27
9:50
9:55
25
10:20
10:30
30
11:00
11:08
35
11:43
11:47
12
11:59
12:28
12
12:40
12:43
29
13:12
13:12
28
13:40
13:40
15
13:55
14:02
20
14:22
14:22
46
15:08
15:11
7
15:18
15:18
4
15:22
15:22
46
16:08
16:12
78
17:30
ゴール地点
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2017年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
山形側から飯豊トンネルを抜け、桑ノ沢橋手前の広場に駐車。7、8台駐車可。
コース状況/
危険箇所等
よく整備されています。剣ヶ峰は滑落注意。
午前5時を回ったところ。月が出ています。
2017年09月09日 05:05撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 5:05
午前5時を回ったところ。月が出ています。
林道入口。登山者立入禁止の看板が立っており、チェーンが張ってあります。
2017年09月09日 05:12撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 5:12
林道入口。登山者立入禁止の看板が立っており、チェーンが張ってあります。
朝日を浴びたブナの大木。
2017年09月09日 05:47撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 5:47
朝日を浴びたブナの大木。
稜線の上に月が残っていました。
2017年09月09日 06:15撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 6:15
稜線の上に月が残っていました。
御前山から五枚山への稜線が見えます。
2017年09月09日 06:22撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 6:22
御前山から五枚山への稜線が見えます。
三国岳が見えてきました。稜線に月が沈むところです。
2017年09月09日 07:03撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 7:03
三国岳が見えてきました。稜線に月が沈むところです。
峰秀水。冷たくておいしい。水量も豊富です。
2017年09月09日 07:04撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 7:04
峰秀水。冷たくておいしい。水量も豊富です。
遠くに磐梯山が見えます。
2017年09月09日 07:38撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 7:38
遠くに磐梯山が見えます。
剣ヶ峰手前。七森から種蒔山へ続く稜線が見えます。
2017年09月09日 07:51撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 7:51
剣ヶ峰手前。七森から種蒔山へ続く稜線が見えます。
剣ヶ峰から三国岳に続く難所です。
2017年09月09日 07:51撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 7:51
剣ヶ峰から三国岳に続く難所です。
雨の日や風の強い日は要注意です。
2017年09月09日 07:52撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 7:52
雨の日や風の強い日は要注意です。
いよいよ剣ヶ峰の岩稜を歩きます。
2017年09月09日 08:03撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:03
いよいよ剣ヶ峰の岩稜を歩きます。
深い山襞の下には雪が残っています。
2017年09月09日 08:04撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:04
深い山襞の下には雪が残っています。
剣ヶ峰の核心部。平たい岩は滑りやすく危険です。
2017年09月09日 08:16撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:16
剣ヶ峰の核心部。平たい岩は滑りやすく危険です。
三国小屋に着きました。青空。
2017年09月09日 08:23撮影 by  ILCE-6300, SONY
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三国小屋に着きました。青空。
大日岳が間近に見えます。
2017年09月09日 08:24撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:24
大日岳が間近に見えます。
大日岳から御西小屋へ続く稜線。
2017年09月09日 08:25撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:25
大日岳から御西小屋へ続く稜線。
七森へ向かいます。
2017年09月09日 08:33撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 8:33
七森へ向かいます。
アップダウンのある稜線歩き。
2017年09月09日 08:37撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 8:37
アップダウンのある稜線歩き。
尖った岩稜へは登らず、左側を巻いていきます。
2017年09月09日 08:41撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 8:41
尖った岩稜へは登らず、左側を巻いていきます。
はしごが二つ。二つ目は使わず、脇を登ります。
2017年09月09日 08:45撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 8:45
はしごが二つ。二つ目は使わず、脇を登ります。
秋を感じさせるウメバチソウが咲いています。
2017年09月09日 08:48撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 8:48
秋を感じさせるウメバチソウが咲いています。
ミヤマコゴメグサが群生しています。
2017年09月09日 08:49撮影 by  ILCE-6300, SONY
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ミヤマコゴメグサが群生しています。
アカモノの実。
2017年09月09日 08:58撮影 by  ILCE-6300, SONY
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アカモノの実。
朝日連峰の小朝日岳に似ています。
2017年09月09日 09:07撮影 by  ILCE-6300, SONY
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朝日連峰の小朝日岳に似ています。
大日岳が近くなってきました。
2017年09月09日 09:12撮影 by  ILCE-6300, SONY
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大日岳が近くなってきました。
大日杉小屋からのコースが見えるようになりました。
2017年09月09日 09:13撮影 by  ILCE-6300, SONY
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大日杉小屋からのコースが見えるようになりました。
種蒔山が大きくなってきました。
2017年09月09日 09:15撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 9:15
種蒔山が大きくなってきました。
センジュガンピもまだ咲いていました。
2017年09月09日 09:26撮影 by  ILCE-6300, SONY
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センジュガンピもまだ咲いていました。
飯豊本山とようやくご対面。
2017年09月09日 09:33撮影 by  ILCE-6300, SONY
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飯豊本山とようやくご対面。
種蒔山へ。
2017年09月09日 09:37撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 9:37
種蒔山へ。
大日岳に雲がかかりはじめました。
2017年09月09日 09:45撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 9:45
大日岳に雲がかかりはじめました。
切合小屋に向かいます。
2017年09月09日 09:45撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 9:45
切合小屋に向かいます。
切合小屋に到着。
2017年09月09日 09:50撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 9:50
切合小屋に到着。
大日岳を間近に見ます。
2017年09月09日 09:53撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 9:53
大日岳を間近に見ます。
タカネマツムシソウがまだいていました。
2017年09月09日 09:55撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 9:55
タカネマツムシソウがまだいていました。
本山を目指して進みます。
2017年09月09日 09:56撮影 by  ILCE-6300, SONY
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本山を目指して進みます。
ここは遅くまで雪渓が残るところです。
2017年09月09日 10:00撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 10:00
ここは遅くまで雪渓が残るところです。
草履塚に到着。大日岳方面はガスの中。
2017年09月09日 10:22撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 10:22
草履塚に到着。大日岳方面はガスの中。
アゲハを発見。
2017年09月09日 10:22撮影 by  ILCE-6300, SONY
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アゲハを発見。
姥権現へ下ります。
2017年09月09日 10:30撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 10:30
姥権現へ下ります。
本山から駒形山へ続く稜線を見ます。
2017年09月09日 10:30撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 10:30
本山から駒形山へ続く稜線を見ます。
ミヤマトリカブトの紫がきれいです。
2017年09月09日 10:34撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 10:34
ミヤマトリカブトの紫がきれいです。
姥権現。
2017年09月09日 10:35撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 10:35
姥権現。
切り立った断崖。すごい高度感です。
2017年09月09日 10:40撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 10:40
切り立った断崖。すごい高度感です。
御秘所を行きます。
2017年09月09日 10:40撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 10:40
御秘所を行きます。
御前坂。
2017年09月09日 11:08撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 11:08
御前坂。
つづら折りの辛い坂を登ります。
2017年09月09日 11:22撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 11:22
つづら折りの辛い坂を登ります。
山頂付近にある大きなケルン。
2017年09月09日 11:24撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 11:24
山頂付近にある大きなケルン。
テント場に飛び出ました。
2017年09月09日 11:37撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 11:37
テント場に飛び出ました。
本山小屋。
2017年09月09日 11:43撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 11:43
本山小屋。
本山へ。
2017年09月09日 11:50撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 11:50
本山へ。
本山山頂。2105m。ガスで展望はほとんどありません。
2017年09月09日 12:00撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:00
本山山頂。2105m。ガスで展望はほとんどありません。
大日岳方面。
2017年09月09日 12:02撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:02
大日岳方面。
宝珠山からダイグラ尾根方面。
2017年09月09日 12:11撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:11
宝珠山からダイグラ尾根方面。
ガスが飛んで烏帽子岳が見えました。
2017年09月09日 12:15撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:15
ガスが飛んで烏帽子岳が見えました。
ほんの数分間の僥倖。
2017年09月09日 12:19撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:19
ほんの数分間の僥倖。
山頂付近では紅葉が始まっていました。
2017年09月09日 12:20撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:20
山頂付近では紅葉が始まっていました。
本山を振り返ります。
2017年09月09日 12:28撮影 by  ILCE-6300, SONY
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本山を振り返ります。
飯豊山神社。
2017年09月09日 12:38撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:38
飯豊山神社。
本山小屋に戻りました。
2017年09月09日 12:39撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 12:39
本山小屋に戻りました。
ヤマハハコ。
2017年09月09日 12:40撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 12:40
ヤマハハコ。
ハクサンフウロもまだ咲いています。
2017年09月09日 13:03撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 13:03
ハクサンフウロもまだ咲いています。
切合小屋に下ります。
2017年09月09日 13:37撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 13:37
切合小屋に下ります。
ミヤマリンドウ。
2017年09月09日 13:43撮影 by  ILCE-6300, SONY
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9/9 13:43
ミヤマリンドウ。
三国小屋が見えてきました。
2017年09月09日 14:51撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 14:51
三国小屋が見えてきました。
沢を横切って登山口に戻ります。
2017年09月09日 17:10撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 17:10
沢を横切って登山口に戻ります。
林道入口に戻ってきました。
2017年09月09日 17:22撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 17:22
林道入口に戻ってきました。
桑ノ沢橋。
2017年09月09日 17:25撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 17:25
桑ノ沢橋。
駐車した広場。
2017年09月09日 17:29撮影 by  ILCE-6300, SONY
9/9 17:29
駐車した広場。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 ザック サブザック 昼ご飯 行動食 飲料 レジャーシート 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック カメラ

感想

 飯豊本山山頂からの風景を久しぶりに見たくなった。初めて本山の山頂を踏んだのは5年前で,それ以降,飯豊連峰は北股岳を中心に歩いていた。3年前の秋に飯豊連峰の紅葉を楽しんだときには,大日杉から登り,姥権現の手前まで行って引き返したので,今回,本山の山頂は5年ぶりとなる。
 本来なら,飯豊連峰は少なくとも1泊,縦走するなら数泊が常識だという。だが,仕事の関係で日帰りが基本だった私は,飯豊も日帰りである。
 今回は最短の小白布沢コースを歩くことにした。このコースは一般的ではなく,林道を歩いて登山道に入る。ところが林道入口に進入禁止の立て札が立てられていて,その上チェーンが車の進入を阻んでいる。川入の民宿に泊まった人だけがここから登れると聞いたが,ネット上にはここから登った記録がいくつもあるし,ガイドブックにも紹介してある。看板には「事故が起きた場合の責任は一切負いません」とあるので,自己責任でここから登ることにした。

 山形側の大日杉から飯豊トンネルに入り,鉄橋を渡ってしばらく下ると,桑ノ沢橋の手前に7,8台駐車できそうな広場がある。ここに車を止め,5時8分に歩き出す。空には月が浮かんでいる。今日は快晴だ。
 広場から5,6百メートルで林道入口に着く。林道は国道と並行しており,その入口に例の看板が設置してある。チェーンを跨いで林道に入る。簡易舗装の上りが続き,土の道に変わってしばらく行くと広場がある。車が二台止めてあったが,作業用の車らしい。この広場の奥から登山道に入って行く。登山届の箱が置いてあるので,ここから登ることを禁止しているわけではないようだ。時計を見ると5時17分を指している。
 小沢を4本ほど横切ってブナの森に入ると,ここから急登が始まる。いかにも飯豊らしい道となり,ジグザグの登りが延々と続く。右手が開け,対岸に五段山が見えてくる。山腹に滝が流れ,葉山の山の内コースを思い出させる。そのうちに,ブナの大木の間から正面に稜線が見えるようになる。よく見ると,稜線の上に月が残っている。
 1時間強の登りを終え,傾斜が緩むと,道はぬかるみ,突然,整備された登山道に合流した。ここが横峰である。時刻はまだ6時41分で,急いだわけでもないのに,1時間半もかからずにここに来た。
 横峰からは右に進み,しばらくの間,平坦で歩きやすい道を行く。川入から上がってくる団体,単独の登山者をやり過ごし,道の感触を楽しみながらゆっくりと進んだ。しばらくすると,正面の樹間に三国岳が見えてきた。岩肌が荒々しく,三角形の姿は凛々しい。山頂付近に,沈もうとする月が見える。そうするうちに水場に着く。ここが峰秀水だ。水量が豊富で冷たく,火照る身体に流し込んだ。
 水場からわずかで五段山からの登山道に出会う。ここを左に進み,鞍部に下りて,ぬかるみを数カ所越えると,岩場が現れる。岩を登り,稜線に出ると「剣が峰」という標識が立っている。見上げると,山頂に続く稜線は,まるでゴジラの背びれのように険しく天に突き上げている。ここを登っていくのだ。
 岩場は狭く,平たい岩もあって,気が抜けない。雨の日や,風の強い日は通りたくないルートだ。何度か立ち止まって周囲の雄大な景色を眺め,また気を引き締めて岩稜を行く。
 こうして8時23分に三国小屋に着く。10人ほどが座れる広場には管理人さんがいて,出迎えてくれた。ここからの景色は最高だ。今日は大日岳もくっきりと見える。飯豊本山に向かうルートもしっかり確認できた。
 三国小屋から切合小屋までは,アップダウンの多い稜線上の道をたどる。左前方には大日岳,右には大日杉付近から地蔵岳への稜線を見ながら,金属の階段を登って七森に至り,ここから下って,また登り,右手に遠く御坪が確認できるところまで来ると,種蒔山は近い。このアップダウンは足に効き,攣り加減になったところを道端に咲くウメバチソウやミヤマコゴメグサに慰められ,何とか宥めて,種蒔山から切合小屋へ向かう。目の前には飯豊本山に至る広大な稜線が広がっている。
 切合小屋には9時50分に到着した。途中の休憩を入れて,およそ4時間半の行程である。ここでは水分を補給して,数分の休憩後,本山に向かった。ここから本山は見えず,まず標高1908mの草履塚を越える。草履塚への道は,雪が遅くまで残るところで,道端にはハクサンコザクラやミヤマリンドウ,チングルマなどが咲いていて,目を楽しませてくれるが,なかなかにきつい登りだ。沢を過ぎ,ザレ場を越えて,低木のえぐれた道に入ると,すぐに草履塚に飛び出る。ここからは目の前に大日岳が大きく見えるのだが,ガスがかかってきて,姿を見ることができない。山の天気は変化が激しい。
 ここからは鞍部に下り,姥権現を過ぎて,難所と言われる御秘所を越える。御秘所は岩稜だが,剣が峰に比べればたいしたことはない。ただ,切り立った斜面を覗き込むと,その高度感に驚く。
 御秘所を過ぎると,いよいよ最後のハードルが待っている。御前坂である。それほど傾斜がきつくもない,つづら折りの登りだが,これまでの疲労が溜まった足には,この登りは異様に辛く感じる。遠く山頂付近に積み上げられたケルンを時折確かめながら,一歩一歩踏みしめていくと,突然テント場に出て,目の前に本山小屋を見た。小屋の向こうには,本山から駒ヶ岳へ続く稜線が,ガスに巻かれている。その先にあるはずの大日岳は見えない。
 11時43分に本山小屋に着き,ザックを置いてサブザックに替え,本山山頂に向かった。この稜線歩きは達成感に溢れていて,素敵な時間を与えてくれる。右手の景色はくっきりしているが,歩く先はガスで覆われていて,ふと気がつくと山頂付近はすでに紅葉が始まっていた。
 11時59分。本山山頂に着く。3人の先客が思い思いの場所で休んでいた。腰を下ろしておにぎりを食べる。ガスが晴れるのを期待したが,20分経ってもガスは晴れない。仕方なく下山しようとしたそのとき,烏帽子岳方面のガスが一気に飛んだ。嬉しさを噛み締め,シャッターを切った。
 12時21分に山頂を後にし,本山小屋から御前坂を下る。途中,登ってくる登山者に道を譲るため,何度も立ち止まった。13時55分に切合小屋を過ぎて,ガスの稜線を三国小屋に向かう。展望はなく,やや肌寒い中を歩いて15時9分に三国小屋に着く。管理人さんに再会し,少し話をしてから剣ヶ峰を下る。慎重に下りて,16時8分に峰秀水で水分を補給する。
 横峰からの下りはさすがに飯豊連峰で,膝に堪える急斜面だが,梶川尾根や朝日の日暮沢と比較すると,それも長くは続かず,40分足らずでブナ林を過ぎた。小さな沢をいくつか渡り,沢で顔を洗って,登山道入口に着いたのが17時13分。ほぼ予定通りの行程だった。 
 このコースは相当にきついが,飯豊本山への日帰り登山ができる。来年,ヒメサユリの咲く頃にまた来ることにしよう。

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