秋田駒ヶ岳/八合目〜焼森〜大焼砂〜馬場ノ小路〜男岳〜八合目
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- GPS
- 03:50
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 588m
- 下り
- 577m
コースタイム
天候 | 暴風雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今回泊まったのは「田沢湖高原 たつこ荘」という宿ですが、本当にお勧めです。 詳しくは日記に書きましたのでぜひお読みください→ http://www.yamareco.com/modules/diary/10666-detail-26283 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●出発前 クマが出没するというコースなので、熊鈴は必須です。 登山届ポストは八合目小屋の中にあります。 ただし、この時は記入用紙が置いてありませんでした。 いつも置いてないのか、今回たまたまなのかは分かりませんが、できればあらかじめ記入済みの届を持参するのがいいでしょう。 ●八合目〜焼森 途中でいったん沢に下りる箇所があります。 下りてすぐ対岸に登山道の取り付きのように見える箇所がありますが、正しい道はそちらではなく、数十メートルほど沢をさかのぼった先です。 一応ロープが張ってあって「ここからは登らない」よう示されているのですが、他に目印などはないので、迷いやすいところかもしれません(私は迷いました。感想参照)。 ●焼森〜小岳分岐 この日は悪天候で特に風が強かったのですが(感想参照)、聞くところでは普段からそれなりに風が吹いているところだそうです。 足元はさほど悪くなく、道幅も広いので転落・滑落の危険は少ないと思いますが、帽子など携行品を飛ばされないよう注意です。 ●小岳分岐〜男岳 通称「ムーミン谷」の、木道が整備された区間は特に問題ありません。 その先、男岳鞍部へは比較的急な登りになるので、落石などに注意です。 男岳鞍部から男岳への登りも、岩場が多く足元に気をつけたほうがいいでしょう。 ●男岳〜八合目 上記の男岳〜男岳鞍部の区間のほかは、特に危険箇所などはありません。 |
写真
感想
8月の岩手山・早池峰山に続いて東北に行く機会がありました。
ついでにまた手ごろな山に登ろう、ということで今回選んだのが秋田駒です。
8月のときも秋田駒は考えていたのですが、その際は山3つというのはスケジュール上難しく、結局後回しになっていたのでした。
花のある時期でないのが残念ですが、ま、10月といえば紅葉の時期だし、それもそれで面白いかなと。
我が家の自室にかけてあるカレンダーがちょうど今「紅葉と槍ヶ岳」の写真なのですが、それに負けないような真っ赤な景色を見てやろうと、自宅を発ちました。
しかし!
前夜に盛岡経由で秋田入りすると、もう少しで宿に着くというところで大雨が降り出し、到着して部屋のテレビを見れば、翌日も午前中ずっと雨の予報。
昼過ぎからは天気は回復するようですが、夕方には再び盛岡に戻らなければならず、逆算するとその昼過ぎまでに下山しないといけないので、行動中は晴れ間は期待できそうにありません。
そして…
雨の中、登山口の八合目駐車場に着いてみると、朝8時前とそれほど早くもない時間にもかかわらず、他には1台の車もありませんでした。
避難小屋の中を覗いてみてもやはり無人。
おいおい、もしかして今日は貸し切りかよ…?
ともかくも小屋で支度をして出発。
当初はまず片倉岳経由で阿弥陀池〜男女岳ピストン〜男岳ピストン〜馬場ノ小路(ムーミン谷)〜大焼砂と通って焼森から下山する計画でしたが、
男岳からムーミン谷への下りがやや急だと聞いていたので、雨だとそういうコースは足元が心配だなあと思い、逆回りのコースを取ることにしました。
(後で考えると、結果的にこのコース変更が幸いしたと思います)
登り始めは順調でしたが、八合目から30分弱ほどのところで、尾根道を外れて下りはじめ、沢に出会う箇所が登場。
見ると、沢のすぐ対岸に取り付きのような箇所がありますが、そこはロープが張ってあって通行不可のようになっています。
では、と思って沢の上流方向へ向いてみますが、沢沿いには道のようなものは見えません。
あれれ、道間違えたか? と思って少し引き返してみたものの、考えると八合目からここまで分岐はなかったはず。
地図を出して確認すると、確かに谷へ下りるようになっています。
沢に戻り、少し悩んだ末に石伝いに沢を遡行していってみると、果たせるかな、数十メートルほど先の左側(右岸)に登る道がついていました。
沢の途中にはペンキの矢印もありましたが、この矢印、八合目方向にしか書かれていません。
この道を焼森方面へ登る人があまりいないということなのでしょうか?
さて、再び道に出て、岩畳のような道をまっすぐ登っていくと、いかにも火山らしい黒土の道になりました。
トラバース気味に東側へ回り込んでから焼森山頂への登りにかかると、数日前に初冠雪した時のものと思われる残雪も。
焼森分岐を通過し、ほどなく焼森に到着しますが、この時点で相当な強風。
さらに横岳に着き、あまりにも天候が悪いのでこの先どうしたものかと考えました。
まずは「ムーミン谷をカットして直接男岳へ向かうか」と思い、いったん男岳鞍部への道を取りました。
が、まだまだ時間的には余裕があるので「せっかく来たんだし、ムーミン谷は紅葉がいいらしいから、やっぱりそっちへ行ってみよう」と思い直し、阿弥陀池へ下りる分岐のあたりでUターン。
横岳に戻り、大焼砂へ下りる道へ進みました。
しかし!!
周囲にさえぎるものが何もない大焼砂は、大大大暴風雨が吹き荒れる道だったのでした。
どのくらい暴風かというと、風に煽られて真っすぐ進めずに、ロープで区切られているコースの風上側の端を歩いていても風下側の端まで流されてしまったり、1回だけですが足をすくわれて転倒したり、ホルダーに入れてザックの肩ベルトの前に付けていたペットボトル(中身は満杯)がいつの間にか肩の上を越えて背中側に回っていたりというレベルで、冗談抜きで「これはヤバい」と感じました。
何とかカメラを出せる程度の風になった時に短い動画を撮ってみましたが、こんな感じです。
これで風速何メートルくらいなんでしょうか。
まあ、今回はこれだけの風に吹かれていたのが20分弱ほどだったので何とかなったのですが、これが数時間も続いていたら…と思うと、ぞっとします。
そもそも、当初の予定通りムーミン谷から横岳へのルートだったら、こんな風の中登ることなどできなかったでしょう。
半ば死にかけの状態で小岳分岐に到着し、ムーミン谷へ。
すると、稜線を外れたとたんに、今までが嘘のように風が止みました。
まあ、止んだのではなく「弱まった」というべきなのでしょうが、それまでの風とのあまりの落差に、思わず「止んだ」と感じるほどでした。
そして木道の区間に入ると、そこは一面の草紅葉。
霧の中にぼんやり見えるかたがり泉水・駒池の様子とも相まって、実に幻想的な風景でした。
これはこれであり…かもしれません。
ムーミン谷を過ぎると男岳鞍部への登りになります。
そこまで急な登りというほどでもありませんが、ここまでしばらく平坦な道が続いていたので、若干しんどく思えました。
足元が悪いこともあって、ゆっくりと歩を進めます。
男岳鞍部に到着し、この先のルートを再び検討。
時間的にはまだ余裕があるので男岳までは行ってみることにし、その後は男女岳はパスして下山することにしました。
男女岳に登ったところでどうせ展望なんてないだろうし、次に来る時のために取っておこうということで。
というわけで男岳までピストンしますが、山頂への稜線もそこそこ強風で、注意しながら登ること10分少々、本日の最高点に到着。
雨粒が顔にバチバチ当たる中、カメラで自分撮りを敢行したところ、思い切り変な顔で写っていました。
山頂から下りる途中でガスがちょっと濃くなり、方向感覚を失いかけて「あれ?この道でいいんだっけ?」と不安になりつつも、無事に鞍部に戻り、阿弥陀池方面へ。
阿弥陀池への分岐に着いたところで写真を撮っていると、阿弥陀池のほうから来た登山者の方がガスの中から現れました。
入山してからここまで誰一人行き会う人がおらず、今日はやっぱり貸し切りなのかと思っていたので、びっくり。
聞くと、他にも阿弥陀池の小屋に数人ほどがいたそうです。
「ツアーのような団体さんにも会いましたよ」ということで、ああ、さすがにやっぱり秋田駒で貸し切りなんてことはないよな、と得心。
しかし、こんな天気で登ってくる人がいようとは…(人のことは言えませんが)
ここからはこの方と一緒に下山することになり、話をしながら八合目へ。
下山する間も強い風が吹いており、特に片倉岳のあたりでは相当の暴風でしたが、なんとか無事に八合目に帰還。
駐車場を見ると、出発時には私の車だけだったのが、5〜6台ほどに増えています。
小屋で雨具をたたんだり荷物をまとめたりする間にも、数組の登山者が出入りしていました。
やっぱり人気の山なんですね。
再び車に乗って下界に戻り、昨夜泊まった宿で温泉に入らせていただいて生き返ったところで盛岡への帰途に。
国道を岩手県内に入ると、雲が切れて晴れ間が見えてきました。
天気予報の通りとはいえ、今ごろになってそりゃないぜ、と苦笑。
まとめると、天気に限って言えば散々な山行でしたが、秋田駒という山自体はなかなか面白く、それでいて意外にお手軽なハイキングコースといった風で、ぜひまた来たいと思いました。
男女岳という宿題も残っていることだし。
高山植物のある時期に再訪を期して、今から計画を練っておきます。
なお、元サイズの写真は
http://photozou.jp/photo/list/74507/5382736
で公開していますので、「写真小せーよ!」という方はそちらへどうぞ。
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