湯元温泉〜金精峠〜温泉ヶ岳〜(根名草山)〜日光沢温泉


- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,075m
- 下り
- 1,435m
コースタイム
天候 | 4/6 晴れのち雨 4/7 くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
[下山]女夫渕より7:45のバスで鬼怒川温泉へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
尾根筋のルートであり夏道もあるルートだが、この時期はなめてはいけないと改めて肝に銘じさせられた。積雪期ならではのルート判断に苦しむ箇所が多いのと、地形図からは読み取れない急な地形のため意外と危険個所も多い。天気が悪い時は入らないほうが良いだろう。 特に、念仏平避難小屋以北は、間違えやすい尾根(県境尾根に誘い込まれないよう要注意)、急斜面やガレ、岩峰のトラヴァース(大嵐山の西面、およびその北の尾根に乗った後は大きな岩稜を巻かねばならない)など難所がいくつかある。神経も時間も使う箇所が多く、時間はたっぷり持っておいた方が良い。 急斜面が多いので12本爪アイゼン・ピッケル必携。ワカンは使ったが雪を踏み抜いた時に足が抜けなくて困ることが何回もあった。無くても行けると思う。 |
その他周辺情報 | 日光沢温泉は事前予約必要。16時ころまでに到着してと言われるので、入山時もなるべくなら湯元温泉に泊まっていたほうが安心。私も途中随分飛ばしたつもりだったが、16時をちょっとオーバーしてしまった。 |
写真
感想
■一日目:晴れのち雨(行動時間:8:40)
かなり前から決まっていた休暇だったので久しぶりに雪山に行こうと思ったが、群馬と栃木以外はこの日は雨予報。当初は岐阜の山に行く予定をを立てていたが、急きょ日光の山に変更した。曇の中に入りそうで、風も強そうなので日光白根はパス。樹林帯の縦走が安全だろうとこのルートを選んだ。日光沢温泉のレトロな宿も興味があった。
東武日光駅から朝一のバスに乗り湯元温泉へ。通行止めの120号をもくもくと歩き、金精トンネルについた。ここから登山スタート。夏道はまだ出ておらず、ところどころ急斜面をトラヴァースをしながらなんとか峠にたどりつく。途中崩れていて危ないところもあった。後半のルートでも感じたが、このあたりの岩は火山由来のせいか、ずいぶん脆いように見える。
金精山の鋭鋒に惹かれるが時間がないため温泉ヶ岳へ急ぐ。夏道は全く出ておらず、トレースもないが、尾根ははっきりしており地形も危なくないので適当に歩く。振り返ると日光白根が素晴らしい。こんなに天気が良いならあっちに登ったほうがよかったか…
途中荷物をデポして温泉ヶ岳のピークへ行く。頂上は眺めがよく、この先の縦走路もはっきり確認できた。途中尾根筋がはっきりしないが、この視界であれば問題ないだろう。天気も良く気分上々で先へと進む。温泉ヶ岳東面のトラヴァースは斜度が急なので少し怖かった。この当たりは12本爪アイゼン&ピッケルでないと厳しいところだった。
念仏平避難小屋は非常にきれいで快適。ここに泊まっても良かったくらいだ。こんどまた冬に泊りに来よう。食事をしてから出発。
思ったより行程がはかどっていないので、ここからスピードを上げる。根名草山へ続く尾根は、なだらかなピークから突然痩せ尾根になるので方向を定めにくい。ピーク付近まで登ってしまうと県境尾根に誘い込まれそうなので、あえて東面を少しトラヴァースしつつ進み、なんとか尾根に乗った。ここは難しい箇所だったがスムーズに行き、作戦勝ちだったと思う。
そのあとが難路だった。ズボラな私は先を急ぐため根名草山はピークをカットした。東面をトラヴァースしたがここも急斜面のため厳しかった。スリップしたらどうなるかわからない。いつでも滑落停止できるよう体制を取りながら進む。雪が腐っていなければ稜線を忠実に行った方が良かったと思う。このあたりから踏み抜きが多くなり、ワカンを付けていると足が抜けずに大変なので、脱ぐことにしてアイゼンだけで進む。
そのあと、大嵐山西面のトラヴァースは地形図の登山路よりだいぶ上を巻いたせいか、酷いヤブに悩まされ、なかなか進まなかった。西面は残雪も少なく藪が多い。地図上にあるガレの中の雪は全て溶けていた。ここは気になった箇所だったのでネットで過去の記録を事前に調べておいた。調査通り、ガレは斜度は急だが手掛かりは十分あり、それほど危険ではない。ただ、浮石が多いので十分注意し、落石を起こさないように慎重に横断した。
トラヴァースが終わり、やれやれやっと稜線だと思ったら、この稜線がまた難路だった。実はトラヴァースの夏道は私が歩いたところよりもかなり下を通っており、稜線には道が全くなかったのだ。しかも地形図には現れない岩峰が林立しヤブも酷いため、忠実に稜線を行くのは不可能だった。ここは判断に迷うところだが、残雪豊富な東面を巻くこととする。しかしい岩の基部は非常に急で、ところどころシュルントになっているので慎重にルートを選ばねばならない。ここも滑ったら一巻の終わりの箇所だった。ルート選択を誤ったかもしれないが、西面は雪がなくおまけに殺人的なヤブだ。どっちもどっちだったと思う。
非常な苦労をし、ようやく安全なところに出たと思ったら、すぐに日光沢分岐だった。分岐を左に進み急斜面に入ると雨が降ってきた。標高が低くなり、一歩一歩残雪を踏み抜き気が狂いそうになる。幸いにも地形は安全なので、歩きやすいところを歩いていたら最終的にルートを外れて日光沢温泉の少し西の沢の水源に出てしまった。
雨が強くなってきたので急いで宿へ行く。約束の16時を少し過ぎてしまったが、何はともあれ五体満足で目的地に到着できうれしかった。泥だらけになったスパッツや手袋を洗わせてもらってからチェックインした。
日光沢温泉のお湯は素晴らしく、疲れを取るには最高だった。山菜が中心の食事もとてもおいしく頂けた。客は私一人で、薪ストーブに当たりながらゆっくり流れる贅沢な時間を過ごさせてもらった。温泉も翌朝含めて3回も入浴してしまった。最高のホスピタリティでもてなしてくださったご主人に深く感謝。
■二日目:くもり(行動時間:1:25)
名残惜しいが、朝一のバスに乗るため6時前に温泉を出発。朝食はおにぎりにしてもらった。幸い昨夜の雨は上がって晴れ間も見え、歩くには全然支障のない天気だった。鬼怒川源流は雪解け水で増水していたが、遊歩道は問題なく、温泉のご主人が言った通りほぼ1時間半で女夫渕バス停までたどり着くことができた。
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今回はちょっと予想外のプチ冒険になってしまったが、このルートは適度に難しく、体力や判断力も必要なため、残雪期の良い訓練になると感じた。日光沢温泉のご主人によると、この時期、根名草山以北はほとんど歩く人はいないそうである。今回は下調べが足らず、少し反省する要素があった。ただ魅力的なルートには違いないので、いつの日かまた挑戦したい。
コメント
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私も日光沢温泉、狙っているのですが、行くだけだとちょっとつまらないし、何か良いルート無いかなぁと皆さんの記録を読ませて頂いています。
この冒険は私には少し難しいのですが、とても楽しかったです。無事にお帰りになられて良かったです❣️
コメントありがとうございます。
結構大変なルートです。前半は良いのですが後半は参りました。日光沢温泉のご主人は残雪期でも根名草以北はほとんど歩く人はいないと仰ってました。
無雪期であれば普通の登山道がありますので、楽しめると思います。日光沢温泉に一泊して鬼怒沼の方に歩いてもいいですね。
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