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Yamareco

記録ID: 1555338
全員に公開
沢登り
八幡平・岩手山・秋田駒

羽後朝日岳 マンダノ沢遡行〜部名垂沢下降

2018年08月12日(日) 〜 2018年08月14日(火)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
52:27
距離
30.1km
登り
1,689m
下り
1,693m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:17
休憩
0:36
合計
7:53
8:35
25
夏瀬ダム
9:00
9:00
165
堀内沢排砂門
11:45
11:51
79
八瀧沢・マンダノ沢出合
13:10
13:40
136
2段15m滝
15:56
15:56
32
荒れた淵(蛇体淵?)
16:28
上天狗沢・下天狗沢出合
2日目
山行
6:21
休憩
1:02
合計
7:23
9:25
142
上天狗沢・下天狗沢出合
11:47
11:50
91
薮始まり
13:21
14:11
47
14:58
15:07
101
部名垂沢左俣下降点
16:48
野営地(標高770m地点)
3日目
山行
4:34
休憩
0:00
合計
4:34
8:30
192
野営地(標高770m地点)
11:42
11:42
82
林道
13:04
夏瀬ダム
天候 12日:晴れ時々曇り
13日:晴れ
14日:晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2018年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
夏瀬ダム管理棟の駐車スペースに駐車。
夏瀬温泉にも駐車場があり、こちらからもアクセス可。
コース状況/
危険箇所等
堀内沢→マンダノ沢→上天狗沢の順で遡行し、羽後朝日岳に登頂。
登頂後は、部名垂沢左俣から下山した。
メジロアブが多く、林道や堀内沢下流では大群に纏わりつかれて不快だったが、
少し遡行するとアブは減り、特に気にはならなかった。
アブが多いと評判の渓谷であるせいか、お盆休みの最中でも人は少なく、
4日間、この流域で過ごしたが、その間、溪内で人に会う事は一度もなかった。
沢靴はアクアステルス系のラバーソールを使用。
堀内沢、マンダノ沢、部名垂沢での効きは良かったが、
上天狗沢では局所的に滑りが発生しており、足運びには気を使った。

●堀内沢
八瀧沢・マンダノ沢出合まではほぼ平坦なゴーロが続く。
出合までの距離は長いが、とても景観が良く、ちょっとしたトラブルのせいで、
今回、この沢を2回歩く事になったが、全く苦にならなかった。
難所も無く、遡行は快適。下降も容易。
野営地が多数あり、魚影は豊富。
釣りにも良さそうな沢だった。
(むしろ、釣りの為にあるような沢?)

●マンダノ沢
出合を過ぎてマンダノ沢に入ると渓相が一変。
傾斜が強まり、巨岩帯と滝場が続く。
最初の滝らしい滝(10m滝)から斜上バンドの10m滝までは高巻きメインの
滝場が続き、体力面で結構ハード。
遡行ペースは途端に悪くなる。
ポイントとなる滝は、標高555m付近で現れる2段15m滝。
この滝は右岸の支沢から巻く。
滝の所から眺めると右岸には高壁が聳え立っており、かなりの大高巻きになりそう
だが、高壁下部には弱点となる箇所があり、そこを通れば大きく巻かずに済む。
数歩が悪い箇所があり、今回はソロなのでフリーで通過したが、パーティならば
ロープを出した方が良さそうだ。
次に控える12m滝も注意すべき滝。
今回は水量が少なかったので、水流左を登り、抜け口で水流を横断し、
右へと移って落ち口へと抜けたが、激しいシャワーとなるので少しでも
水量が増えれば突破は不可能。
その場合は右岸側の乾いた岩から巻けそうだが、見た感じでは状態が悪そう。
ここを巻く際は、ロープを出した方が良いと思う。
この2つの滝以外では、ロープが欲しいと思う場面は特に無かったが、
高巻きに失敗した場合を考えると、ロープは常に出せる状態にしておいた方が良い。
ロープ長は30mあれば、たぶん間に合う。
斜上バンドの10m滝を過ぎれば、渓相は穏やかになり遡行ペースは上がり、
体力的にも楽になる。
滝場を越えた先の標高770m付近には広々とした河原があり、野営に最適。
この河原の奥に流木で埋まった淵があったが、どうやらこれが蛇体淵のようである。
マンダノ沢のシンボルとして有名な淵らしいが、残念ながら大量の流木で
淵と小滝は埋まっており、かつての神秘性は失われていた。
野営適地は他にも点在しており、上天狗沢・下天狗沢の出合が特に良場。
沢から一段上がった樹林内に寝床があり、整地はされている。
初日の野営地は、ここを利用した。
尚、蛇体淵から上天狗沢・下天狗沢出合の中間辺りで熊に遭遇した。
8m程度の近距離遭遇で、熊鈴は付けていたが、沢音でかき消されて効果を
成さなかった模様。
ここだけでは無く、上天狗沢や部名垂沢では真新しいフンが転がっており、
どうやら、この辺の沢一帯は熊の生息地となっているようだ。
不幸な遭遇とならぬよう、気を付けるようにしたい。

●上天狗沢
標高870m付近の出合を左に進むと上天狗沢、右は下天狗沢となる。
上天狗沢は下天狗沢よりも悪場が少ないそうなので、今回はこちらを遡行した。
(下天狗沢はゴルジュになるらしい。)
上天狗沢に滝は多いが、マンダノ沢と比べて登れる滝が多く、
沢登りとしてはこちらの方が楽しい。
滝は8m〜12m程度のものが多く、大滝クラスは存在しない。
中には登れない滝や難しい滝もあるが、いずれも巻く事が可能。
難解な巻きは無く、殆どは左岸を巻いて通過出来た。
巻きルートは概ね良好だが、一ヵ所だけ悪い巻きの滝があり、ハンマーバイルの
ピックを多用し通過した箇所があった。
標高1110m付近で沢の水が枯れ、以降は藪漕ぎ。
最初は草系の植生なので容易に進めるが、1260m付近で沢型が消え、
植生が笹竹に変化し、ここから先の藪漕ぎが辛くなる。
笹薮を漕ぎつつ羽後朝日岳を目指すと、今度は灌木系も現れるので更に辛くなる。
今回は灌木帯を迂回する為、途中でルートを西北西に曲げて山頂を目指したが、
迂回したところで灌木帯は避けられず、結果は同じ。
真っすぐ山頂を目指した方が効率は良かったかもしれない。
標高1330m付近まで登ると湿原に出るので、そこまでが辛抱。

●羽後朝日岳〜部名垂沢左俣下降点
羽後朝日岳から部名垂沢左俣下降点までは廃道が通っており、それを辿れば
大した藪漕ぎにならず、スムーズに下降点まで行ける。
廃道は稜線通しでは無く、稜線のやや西側へ付けられている。
道は不明瞭なので、途中で何度か道を見失うかと思うが、その際は西面側を
捜索すれば、たぶん道は見つかる。
目印は少しあったが、いずれも風雨で千切れており、あまり当てにはならない。
ルートを探しつつ、廃道を辿ると部名垂沢左俣の下降点へと辿り着く。
(下降点に目印あり)
尚、途中に右俣への下降点目印と思われる千切れたピンクテープがあったが、
右俣は左俣よりも難度が高く、懸垂下降の連続となるらしい。
右俣方向へは踏み跡が付いていないので、間違ってそちらへ向かう事は無いと
思うが、一応注意を。

●部名垂沢(左俣)
下降点から沢まで明瞭な踏み跡があり、藪漕ぎなくスムーズに降りられる。
沢までのルートは急斜面でかなり滑るので、ピンソール等の滑り止めがあると
下降が安定する。
部名垂沢に滝は多数あるが、いずれの滝場にも最低限のロープが設置されており、
持参したロープを使用しなくても下降は出来る。
マンダノ沢を遡行出来た人であれば、困難な個所はまず無いだろう。
沢上部は急な滝場の下降が続くが、右俣との出合を過ぎると傾斜は和らぎ、
所々で野営出来そうな場所が現れる。
今回は標高770m付近の河原で野営。
整地する必要があったが、落石の危険は無く、多少の増水にも耐えられる。
部名垂沢は渓相が悪いので、マンダノ沢のような心地良い野営は期待できないが、
流木が多く、薪には事欠かない。
焚火好きには満足できる野営地ではなかろうか。
尚、部名垂沢は、かつては羽後朝日岳の登頂ルートとされていたようで、
現在でも、最も容易に登頂できるルートとして利用されているらしい。
だが、ルート内容としては完全に沢登りで、一般登山の範疇を越えている。
剱岳別山尾根等の鎖場ルートよりも遥かに難しく、危険である。
沢の心得の無い人が単独で入渓すれば、遭難するのは確実であろう。
その他周辺情報 夏瀬温泉で日帰り入浴可
大人一名:540円、日帰り入浴は15時まで。
レストランも営業しており、こちら営業は14時まで。
8月11日
出発地の夏瀬ダム
2018年08月11日 10:35撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/11 10:35
8月11日
出発地の夏瀬ダム
駐車スペースから堀内沢へ降りる。
2018年08月11日 10:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/11 10:44
駐車スペースから堀内沢へ降りる。
少し沢を進むと林道入口に着いた。
2018年08月11日 11:01撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/11 11:01
少し沢を進むと林道入口に着いた。
林道を進み、堀内沢排砂門に到着。
ここから堀内沢に降りて、遡行開始。
2018年08月11日 11:19撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/11 11:19
林道を進み、堀内沢排砂門に到着。
ここから堀内沢に降りて、遡行開始。
堀内沢を進む。
2018年08月11日 11:46撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/11 11:46
堀内沢を進む。
青が印象的な沢だ。

2018年08月11日 11:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/11 11:49
青が印象的な沢だ。

大岩が印象的な場所。
2018年08月11日 12:07撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/11 12:07
大岩が印象的な場所。
快適な遡行が続いたが・・・
この先でカメラトラブル。
どうやらSDカードが壊れたっぽい。
どうするか悩んだが、この日は撤退し、カードを買い替える事にした。
2018年08月11日 12:33撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/11 12:33
快適な遡行が続いたが・・・
この先でカメラトラブル。
どうやらSDカードが壊れたっぽい。
どうするか悩んだが、この日は撤退し、カードを買い替える事にした。
国道46号のコンビニでSDカード購入し、カメラの問題は解決。
田沢湖キャンプ場で一泊し、翌日再入渓しようと思ったが…
お盆休みなので、キャンプ場は一杯。
田沢湖観光だけして撤退す。
キャンプは止めて、今夜はパーキングで車中泊とした。
2018年08月11日 16:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/11 16:25
国道46号のコンビニでSDカード購入し、カメラの問題は解決。
田沢湖キャンプ場で一泊し、翌日再入渓しようと思ったが…
お盆休みなので、キャンプ場は一杯。
田沢湖観光だけして撤退す。
キャンプは止めて、今夜はパーキングで車中泊とした。
翌日、12日。
再び堀内沢を進む。
2018年08月12日 08:39撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 8:39
翌日、12日。
再び堀内沢を進む。
昨日、イワナを見かけた場所。
今日もここでイワナを見かけた。
2018年08月12日 09:24撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/12 9:24
昨日、イワナを見かけた場所。
今日もここでイワナを見かけた。
相変わらず美渓が続くが、昨日も歩いた場所なので、少し飽きてきたかな。
2018年08月12日 10:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/12 10:17
相変わらず美渓が続くが、昨日も歩いた場所なので、少し飽きてきたかな。
顔は可愛いが、手足のイボが苦手。
2018年08月12日 11:36撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 11:36
顔は可愛いが、手足のイボが苦手。
少し泳いでいく。
2018年08月12日 11:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/12 11:44
少し泳いでいく。
八瀧沢・マンダノ沢出合の手前に野営地があった。
堀内沢は釣人の入渓が多いようで、あちこちに快適な野営地があった。
2018年08月12日 11:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 11:44
八瀧沢・マンダノ沢出合の手前に野営地があった。
堀内沢は釣人の入渓が多いようで、あちこちに快適な野営地があった。
八瀧沢・マンダノ沢出合を左に進み、マンダノ沢へ向かう。
ここからが本番。
2018年08月12日 12:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 12:15
八瀧沢・マンダノ沢出合を左に進み、マンダノ沢へ向かう。
ここからが本番。
マンダノ沢も魚影が豊富。
竿を出したくなるが、それはまた後で。
2018年08月12日 12:21撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/12 12:21
マンダノ沢も魚影が豊富。
竿を出したくなるが、それはまた後で。
美しい釜の小滝。
マンダノ沢では、このような滝が沢山見られた。
2018年08月12日 12:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/12 12:22
美しい釜の小滝。
マンダノ沢では、このような滝が沢山見られた。
しばらく進むと傾斜が上って、滝場が続く。
これは最初の滝らしい滝。
高さは10m位だろうか。
これは右岸側の岩壁から越える事にした。
2018年08月12日 12:38撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 12:38
しばらく進むと傾斜が上って、滝場が続く。
これは最初の滝らしい滝。
高さは10m位だろうか。
これは右岸側の岩壁から越える事にした。
10m滝、右岸側の岩壁。
垂直に近いが階段状になっており、容易に登れる。
2018年08月12日 12:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 12:48
10m滝、右岸側の岩壁。
垂直に近いが階段状になっており、容易に登れる。
最初の滝を越えると、すぐに次の滝が現れる。
2018年08月12日 13:06撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 13:06
最初の滝を越えると、すぐに次の滝が現れる。
2段15m滝。
マンダノ沢のポイントとなる滝で、登れる滝だが難しそう。
これは右岸の枝沢から巻いた。
今回はフリーで巻いたが、数歩が悪く、ロープを使った方が良さそうな個所があった。
2018年08月12日 13:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 13:09
2段15m滝。
マンダノ沢のポイントとなる滝で、登れる滝だが難しそう。
これは右岸の枝沢から巻いた。
今回はフリーで巻いたが、数歩が悪く、ロープを使った方が良さそうな個所があった。
お次は12m滝。
これが結構厄介だった。
2018年08月12日 14:08撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 14:08
お次は12m滝。
これが結構厄介だった。
12m滝の右岸側。
こちらから巻けそうだが、状態が悪そう。
ここは巻かず、滝を直登する事にする。
2018年08月12日 14:08撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 14:08
12m滝の右岸側。
こちらから巻けそうだが、状態が悪そう。
ここは巻かず、滝を直登する事にする。
水流の左を登り、その先で水流を横断し、右へと移る。
激しいシャワーで一見抜けられなさそうに思えるが、水流の中に安定した足場が有り、何とか横断出来た。
この12m滝が、今回の遡行では最も緊張した場面。
水流が激しいので、少しでも増水したら恐らくここは抜けられない。
2018年08月12日 14:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/12 14:12
水流の左を登り、その先で水流を横断し、右へと移る。
激しいシャワーで一見抜けられなさそうに思えるが、水流の中に安定した足場が有り、何とか横断出来た。
この12m滝が、今回の遡行では最も緊張した場面。
水流が激しいので、少しでも増水したら恐らくここは抜けられない。
12m滝を通過すると、しばらく小滝が続く。
2018年08月12日 14:40撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 14:40
12m滝を通過すると、しばらく小滝が続く。
小滝が続いた後に、大物登場。
3段10m滝
2018年08月12日 14:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 14:47
小滝が続いた後に、大物登場。
3段10m滝
この滝は水流左に斜上バンドが伸びている。
ここから登れそうだが…
取り付くまでが面倒そうなので左岸から巻いた。
2018年08月12日 14:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 14:48
この滝は水流左に斜上バンドが伸びている。
ここから登れそうだが…
取り付くまでが面倒そうなので左岸から巻いた。
斜上バンドの10m滝を越えると、渓相が穏やかになる。
厳しい滝場が続いたので、ほっと一息。
2018年08月12日 15:01撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 15:01
斜上バンドの10m滝を越えると、渓相が穏やかになる。
厳しい滝場が続いたので、ほっと一息。
その後も滝は現れるが、難しい滝は無い。
この滝は真ん中の岩を登って通過。
2018年08月12日 15:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 15:22
その後も滝は現れるが、難しい滝は無い。
この滝は真ん中の岩を登って通過。
この滝は水流左側の岩壁を登って通過。
この滝を越えると・・・
2018年08月12日 15:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 15:45
この滝は水流左側の岩壁を登って通過。
この滝を越えると・・・
一気に渓相が変わり、穏やかな河原の光景になった。
2018年08月12日 15:46撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 15:46
一気に渓相が変わり、穏やかな河原の光景になった。
堀内沢に戻って来たかのような、穏やかな光景。
蛇体淵、と呼ばれるのはこの辺だろうか?
2018年08月12日 15:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 15:48
堀内沢に戻って来たかのような、穏やかな光景。
蛇体淵、と呼ばれるのはこの辺だろうか?
流木だらけの荒れた滝。
今回、気付かずにスルーしてしまったが、どうやら、これが蛇体淵の小滝だったらしい。
2018年08月12日 15:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 15:56
流木だらけの荒れた滝。
今回、気付かずにスルーしてしまったが、どうやら、これが蛇体淵の小滝だったらしい。
荒れた滝の上はゴルジュになっており、蛇行した沢が続いていた。
これが蛇体淵の名前の由来となったそうな。
2018年08月12日 15:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 15:56
荒れた滝の上はゴルジュになっており、蛇行した沢が続いていた。
これが蛇体淵の名前の由来となったそうな。
美しい釜を持った滝。
ここは水流右を登って通過。
2018年08月12日 16:00撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/12 16:00
美しい釜を持った滝。
ここは水流右を登って通過。
階段状の滝。
これは水流左をへつって通過。
2018年08月12日 16:02撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/12 16:02
階段状の滝。
これは水流左をへつって通過。
この辺で、熊と遭遇。
8m位の近距離遭遇だったのでヒヤリとさせられた。
一旦、距離を取り、ハンマーで岩を叩いて脅かすと、右岸の藪の中へ消えて行った。
2018年08月12日 16:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/12 16:17
この辺で、熊と遭遇。
8m位の近距離遭遇だったのでヒヤリとさせられた。
一旦、距離を取り、ハンマーで岩を叩いて脅かすと、右岸の藪の中へ消えて行った。
熊がまた沢に戻って来られては困るので、時々岩を叩いて音を鳴らしながら先へと進んだ。
2018年08月12日 16:24撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/12 16:24
熊がまた沢に戻って来られては困るので、時々岩を叩いて音を鳴らしながら先へと進んだ。
上天狗沢・下天狗沢の出合が見えてきた。
2018年08月12日 16:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 16:28
上天狗沢・下天狗沢の出合が見えてきた。
上天狗沢・下天狗沢の出合
左が上天狗沢、右が下天狗沢
今回は上天狗沢を遡る予定だが、時間はもう遅い。
ここで、初日の行動を終える事にした。
2018年08月12日 16:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 16:28
上天狗沢・下天狗沢の出合
左が上天狗沢、右が下天狗沢
今回は上天狗沢を遡る予定だが、時間はもう遅い。
ここで、初日の行動を終える事にした。
上天狗沢・下天狗沢の出合には良い野営地がある。
整地されており、沢から一段上がった場所にあるので、増水にも耐えられる良場。
今夜はここで野営を行う。
2018年08月12日 17:33撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/12 17:33
上天狗沢・下天狗沢の出合には良い野営地がある。
整地されており、沢から一段上がった場所にあるので、増水にも耐えられる良場。
今夜はここで野営を行う。
設営を終えた後、下天狗沢へ釣りに出かけてみた。
…が、魚影は全く見かけず。
残念ながら、今回も食卓にイワナが並ぶ事は無かった。。。
2018年08月12日 17:38撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/12 17:38
設営を終えた後、下天狗沢へ釣りに出かけてみた。
…が、魚影は全く見かけず。
残念ながら、今回も食卓にイワナが並ぶ事は無かった。。。
まぁ、イワナは無くても焚火が出来れば満足である。
この辺、熊も生息しているみたいなので出来るだけ火と煙は盛大に。
熊避け、という名目で遅い時間まで焚火した。
2018年08月12日 19:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7
8/12 19:31
まぁ、イワナは無くても焚火が出来れば満足である。
この辺、熊も生息しているみたいなので出来るだけ火と煙は盛大に。
熊避け、という名目で遅い時間まで焚火した。
二日目、13日の朝。
結局、12過ぎまで焚火してたので、朝はやっぱり寝過ごした。
目覚めた時は、もう8時過ぎで。。。
出発時刻は9時半と、遅い時間の出発となった。
2018年08月13日 09:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 9:25
二日目、13日の朝。
結局、12過ぎまで焚火してたので、朝はやっぱり寝過ごした。
目覚めた時は、もう8時過ぎで。。。
出発時刻は9時半と、遅い時間の出発となった。
上天狗沢へ進むと、すぐに8m滝に遭遇。
2018年08月13日 09:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 9:26
上天狗沢へ進むと、すぐに8m滝に遭遇。
8m滝は登れそうだが、上部のスタンスが細かく、若干滑る。
ここは大事を取って、直登はせず。
左岸から巻いた。
2018年08月13日 09:27撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/13 9:27
8m滝は登れそうだが、上部のスタンスが細かく、若干滑る。
ここは大事を取って、直登はせず。
左岸から巻いた。
8m滝を抜けた先は、樋状の水路。
ここは左岸から巻いて通過。
水流は穏やかなので、泳いで通過しても良さそう。
2018年08月13日 09:39撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 9:39
8m滝を抜けた先は、樋状の水路。
ここは左岸から巻いて通過。
水流は穏やかなので、泳いで通過しても良さそう。
更に進むと、沢床が赤茶けてきて、渓相が変わって来た。
2018年08月13日 09:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 9:49
更に進むと、沢床が赤茶けてきて、渓相が変わって来た。
沢床が茶色だと、緑が映える。
マンダノ沢とはまた一味違う美しい淵が見られるようになった。
2018年08月13日 09:50撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/13 9:50
沢床が茶色だと、緑が映える。
マンダノ沢とはまた一味違う美しい淵が見られるようになった。
更に進むと、ナメ床が現れる。
2018年08月13日 09:54撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/13 9:54
更に進むと、ナメ床が現れる。
ナメ床は歩きやすく、遡行は快適。
2018年08月13日 09:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/13 9:56
ナメ床は歩きやすく、遡行は快適。
沢風呂
2018年08月13日 10:05撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 10:05
沢風呂
上天狗沢の滝は8〜12mクラスが多かった。
大半は巻いたが、登れる滝も結構多い。
この滝は左岸から巻いたんだったかな?
2018年08月13日 10:11撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 10:11
上天狗沢の滝は8〜12mクラスが多かった。
大半は巻いたが、登れる滝も結構多い。
この滝は左岸から巻いたんだったかな?
12m位の滝。
これも左岸から巻いたような気がする。
2018年08月13日 10:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 10:15
12m位の滝。
これも左岸から巻いたような気がする。
釜を見つける度に魚影を探してみるが、全く見当たらず。
上天狗沢には魚は住まないのかもしれない。
2018年08月13日 10:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 10:22
釜を見つける度に魚影を探してみるが、全く見当たらず。
上天狗沢には魚は住まないのかもしれない。
CS滝
これは左岸の枝沢から巻いた。
2018年08月13日 10:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 10:30
CS滝
これは左岸の枝沢から巻いた。
CS滝を越えると、沢幅は狭まってきた。
そろそろ源頭かな。
2018年08月13日 11:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:09
CS滝を越えると、沢幅は狭まってきた。
そろそろ源頭かな。
右岸側から滝が流れており、正面には枯れ沢が続いている。
進路に迷ってしまったが、右岸の滝が進路の沢。
この滝は正面の枯れ沢から巻いたが、この巻きは悪く、ハンマーバイルのピックを多用した。
2018年08月13日 11:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:20
右岸側から滝が流れており、正面には枯れ沢が続いている。
進路に迷ってしまったが、右岸の滝が進路の沢。
この滝は正面の枯れ沢から巻いたが、この巻きは悪く、ハンマーバイルのピックを多用した。
ナメ滝。
水流左側をフリクションで登り、上部は枝を掴んで登った。
2018年08月13日 11:29撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:29
ナメ滝。
水流左側をフリクションで登り、上部は枝を掴んで登った。
ナメ滝を越えると、更に沢幅狭まる。
そろそろ藪漕ぎかな。
2018年08月13日 11:40撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:40
ナメ滝を越えると、更に沢幅狭まる。
そろそろ藪漕ぎかな。
トリカブトが咲いていた。
2018年08月13日 11:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:45
トリカブトが咲いていた。
ここで水が枯れた。
ここから先は藪漕ぎになる。
十分に水を汲んでから行こう。
2018年08月13日 11:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 11:47
ここで水が枯れた。
ここから先は藪漕ぎになる。
十分に水を汲んでから行こう。
藪を漕いで羽後朝日岳の山頂を目指す。
最初のうちは草藪なので楽だが、笹竹になってからが大変。
藪を抜け湿原に至るまで、1時間半位かかった。
2018年08月13日 11:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 11:53
藪を漕いで羽後朝日岳の山頂を目指す。
最初のうちは草藪なので楽だが、笹竹になってからが大変。
藪を抜け湿原に至るまで、1時間半位かかった。
羽後朝日岳の山頂、そして湿原が見えてきた。
あそこまで行けば藪漕ぎは終わり、あと少し頑張ろう。
2018年08月13日 13:10撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:10
羽後朝日岳の山頂、そして湿原が見えてきた。
あそこまで行けば藪漕ぎは終わり、あと少し頑張ろう。
ようやく藪を抜け、湿原に出た。
2018年08月13日 13:19撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:19
ようやく藪を抜け、湿原に出た。
藪漕ぎで大幅に体力消耗したので、ここで休憩。
和賀岳を眺めて一休み。
2018年08月13日 13:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:20
藪漕ぎで大幅に体力消耗したので、ここで休憩。
和賀岳を眺めて一休み。
マンダノ沢を眺める。
2018年08月13日 13:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:28
マンダノ沢を眺める。
羽後朝日岳への最後の登り。
2018年08月13日 13:29撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 13:29
羽後朝日岳への最後の登り。
羽後朝日岳、山頂。
ようやく登頂。
山頂では、多数のトンボが飛んでおり、楽園のような雰囲気が漂う。
2018年08月13日 13:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:30
羽後朝日岳、山頂。
ようやく登頂。
山頂では、多数のトンボが飛んでおり、楽園のような雰囲気が漂う。
初登頂を記念し、セルフタイマーで撮ってみた。
2018年08月13日 13:46撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:46
初登頂を記念し、セルフタイマーで撮ってみた。
山名板の下には、山名が書かれた石が置かれてあった。
2018年08月13日 13:52撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:52
山名板の下には、山名が書かれた石が置かれてあった。
羽後朝日岳から眺める和賀岳。
2018年08月13日 13:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:49
羽後朝日岳から眺める和賀岳。
和賀岳、拡大。
2018年08月13日 13:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 13:49
和賀岳、拡大。
田沢湖が見える。
2018年08月13日 14:16撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:16
田沢湖が見える。
田沢湖、拡大。
2018年08月13日 14:16撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:16
田沢湖、拡大。
志度内畚方面
2018年08月13日 14:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:17
志度内畚方面
名残惜しいが、山頂を後にし、
2018年08月13日 14:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 14:17
名残惜しいが、山頂を後にし、
下山ルートの部名垂沢へと向かう。
2018年08月13日 14:18撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:18
下山ルートの部名垂沢へと向かう。
山頂から踏み跡を辿ってみたが、途中で踏み跡は消えてしまった。
情報では、廃道らしきものがあるそうだが・・・
どこにあるんだ?
2018年08月13日 14:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 14:22
山頂から踏み跡を辿ってみたが、途中で踏み跡は消えてしまった。
情報では、廃道らしきものがあるそうだが・・・
どこにあるんだ?
行き詰まったので、振り返って羽後朝日岳を眺めてみると…
2018年08月13日 14:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:30
行き詰まったので、振り返って羽後朝日岳を眺めてみると…
稜線の西側に道らしきラインが見えた。
なるほど、稜線上では無く、その西側に道があるのだな。
2018年08月13日 14:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:30
稜線の西側に道らしきラインが見えた。
なるほど、稜線上では無く、その西側に道があるのだな。
稜線を逸れて西側を捜索してみると、廃道発見。
これを辿れば、楽に部名垂沢下降点まで行ける。
2018年08月13日 14:39撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:39
稜線を逸れて西側を捜索してみると、廃道発見。
これを辿れば、楽に部名垂沢下降点まで行ける。
何度も振り返り、羽後朝日岳を眺めながら下降点へ向かった。
2018年08月13日 14:40撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:40
何度も振り返り、羽後朝日岳を眺めながら下降点へ向かった。
夏瀬ダムが見える。
2018年08月13日 14:42撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 14:42
夏瀬ダムが見える。
夏瀬ダム、拡大。
2018年08月13日 14:42撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:42
夏瀬ダム、拡大。
岩手山方面
2018年08月13日 14:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:45
岩手山方面
岩手山、拡大。
2018年08月13日 14:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:45
岩手山、拡大。
志度内畚
緑で覆われた岩肌が見事。
ところで、この山、なんて読むの?
2018年08月13日 14:46撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 14:46
志度内畚
緑で覆われた岩肌が見事。
ところで、この山、なんて読むの?
部名垂沢左俣の下降点に到着。
ここで踏み跡は90°折れて部名垂沢へと向かっている。
朽ちてはいたが、目印のリボンも付いていた。
2018年08月13日 15:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 15:12
部名垂沢左俣の下降点に到着。
ここで踏み跡は90°折れて部名垂沢へと向かっている。
朽ちてはいたが、目印のリボンも付いていた。
部名垂沢左俣への下降ルートは急で、かなり滑りそう。
ここはピンソールを使用すると安定した。
2018年08月13日 15:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 15:15
部名垂沢左俣への下降ルートは急で、かなり滑りそう。
ここはピンソールを使用すると安定した。
しばらく踏み跡を下ると地盤が土から岩に変わった。
2018年08月13日 15:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 15:22
しばらく踏み跡を下ると地盤が土から岩に変わった。
まだ新しそうな熊のフン。
部名垂沢にも熊が徘徊しているようだ。
また遭遇しないよう、気を付けねば…
2018年08月13日 15:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 15:25
まだ新しそうな熊のフン。
部名垂沢にも熊が徘徊しているようだ。
また遭遇しないよう、気を付けねば…
水が現れると同時に、滝が出現。
2018年08月13日 15:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 15:37
水が現れると同時に、滝が出現。
滝の右岸側には巻き道があり、トラロープが設置されていた。
これを利用し降りる。
2018年08月13日 15:41撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 15:41
滝の右岸側には巻き道があり、トラロープが設置されていた。
これを利用し降りる。
沢の上部は急な下降が長く続く。
最低限のロープは設置されているが、所々に悪場が存在するので油断は禁物。
2018年08月13日 16:02撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 16:02
沢の上部は急な下降が長く続く。
最低限のロープは設置されているが、所々に悪場が存在するので油断は禁物。
キツイ下降は右俣との出合まで。
出合を過ぎると沢の傾斜は緩くなり、下降は楽になる。
日没が近づいて来たので、野営適地を探しながら下った。
2018年08月13日 16:38撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/13 16:38
キツイ下降は右俣との出合まで。
出合を過ぎると沢の傾斜は緩くなり、下降は楽になる。
日没が近づいて来たので、野営適地を探しながら下った。
標高770m地点で良さげな場所を発見。
ここを2日目の野営地とした。
2018年08月13日 17:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 17:47
標高770m地点で良さげな場所を発見。
ここを2日目の野営地とした。
流木が豊富で、薪には事欠かず。
キャンプファイヤー並みに盛大な焚火が出来た。
2018年08月13日 19:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 19:12
流木が豊富で、薪には事欠かず。
キャンプファイヤー並みに盛大な焚火が出来た。
焚火の最中、空を見上げると満天の星空、そして何度か流星が見れた。
星には疎いので良く知らないが、なんとか流星群、てのが来てたらしい。
2018年08月13日 19:16撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/13 19:16
焚火の最中、空を見上げると満天の星空、そして何度か流星が見れた。
星には疎いので良く知らないが、なんとか流星群、てのが来てたらしい。
三日目、14日の朝。
2018年08月14日 08:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 8:31
三日目、14日の朝。
野営地から少し下ると滝。
右岸にロープが張ってあるので容易に下降出来るが、ロープに取り付くまでの足場が悪かった。
2018年08月14日 08:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/14 8:37
野営地から少し下ると滝。
右岸にロープが張ってあるので容易に下降出来るが、ロープに取り付くまでの足場が悪かった。
さっきの滝が最後の滝。
この先はもう滝は無く、単調なゴーロが続く。
2018年08月14日 09:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 9:47
さっきの滝が最後の滝。
この先はもう滝は無く、単調なゴーロが続く。
ダムが多数現れる。
これら砂防ダムは全て左岸側から巻いて降りられる。
(巻きルートの目印あり)
2018年08月14日 10:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 10:17
ダムが多数現れる。
これら砂防ダムは全て左岸側から巻いて降りられる。
(巻きルートの目印あり)
右岸側に林道への出口があった。
ここから林道へ上り、部名垂沢終了。
2018年08月14日 11:38撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 11:38
右岸側に林道への出口があった。
ここから林道へ上り、部名垂沢終了。
林道を歩き、夏瀬ダムへ帰る。
2018年08月14日 11:43撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 11:43
林道を歩き、夏瀬ダムへ帰る。
部名垂沢では遭難が多発しているらしい。
ロープが設置されている容易な沢とは言え、内容は立派な沢登り。
一般登山のつもりで入山すると遭難するかも。
2018年08月14日 11:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 11:44
部名垂沢では遭難が多発しているらしい。
ロープが設置されている容易な沢とは言え、内容は立派な沢登り。
一般登山のつもりで入山すると遭難するかも。
クワガタ発見。
2018年08月14日 11:52撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/14 11:52
クワガタ発見。
林道の渡渉個所。
橋は架かっていないので、車では夏瀬ダムに行けない。
2018年08月14日 12:10撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 12:10
林道の渡渉個所。
橋は架かっていないので、車では夏瀬ダムに行けない。
夏瀬ダムが見えてきた。
2018年08月14日 12:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 12:15
夏瀬ダムが見えてきた。
湖畔に降りて、しばし鑑賞。
シンメトリーが美しい。
2018年08月14日 12:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/14 12:22
湖畔に降りて、しばし鑑賞。
シンメトリーが美しい。
夏瀬ダム管理場が見えてきた。
管理場まで歩いて、山行完了。
2018年08月14日 12:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/14 12:58
夏瀬ダム管理場が見えてきた。
管理場まで歩いて、山行完了。
下山後、夏瀬温泉で入浴。
日帰り入浴は15時まで。
2018年08月14日 14:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 14:56
下山後、夏瀬温泉で入浴。
日帰り入浴は15時まで。
湯上り後、しばし周辺探索。
2018年08月14日 15:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/14 15:03
湯上り後、しばし周辺探索。
吊橋の上から眺める玉川の流れ。
2018年08月14日 15:04撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/14 15:04
吊橋の上から眺める玉川の流れ。
自宅へ帰る途中で、ちょっと寄り道。
夏瀬ダム下流に位置する抱返り渓谷を訪れてみた。
盆休みなので、大勢の観光客が遊歩道を歩いていた。
2018年08月14日 16:36撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/14 16:36
自宅へ帰る途中で、ちょっと寄り道。
夏瀬ダム下流に位置する抱返り渓谷を訪れてみた。
盆休みなので、大勢の観光客が遊歩道を歩いていた。

装備

個人装備
Tシャツ 長袖インナー タイツ ズボン 靴下 グローブ 雨具 日よけ帽子 着替え 登山靴 ザック サブザック 行動食 調理用食材 飲料 浄水器 コンロ シェルター シェラフカバー エアマット ガスカートリッジ 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 GPS ファーストエイドキット 常備薬 保険証 携帯 時計 タオル ナイフ カメラ ロープ30m ハーネス ヘルメット ロックカラビナ カラビナ スリング ロープスリング ハンマーバイル アングルハーケン 渓流シューズ(ラバーソール) ピンソール 酒(S500・W500)

感想

マンダノ沢は、和賀山塊の羽後朝日岳を源頭とする沢。
去年のお盆に遡行しようと計画した沢であったが、残念ながら去年のお盆は
東北地方の天気が悪く、中止となってしまった。
だが、今年のお盆は天気良好。
ロングルートの沢登りとなるが、11日〜14日の秋田・岩手方面は好天が続き、
絶好の機会である。
今回こそは、と思い立ち、2泊3日、予備日1日の計画で、
マンダノ沢の遡行を決行。
盆休み初日の11日に山形の自宅を出発し、秋田県の夏瀬ダムへと向かった。

初日の11日は少し雲があったものの、青空が広がり、絶好の沢日和。
スタート地の夏瀬ダム駐車スペースには関東ナンバーの車が一台止まっていた
だけで、入渓者は少なかった。
ダム管理場を出発し、林道を歩き、排砂門に到着。
そこから堀内沢へ入渓し、遡行を開始した。
行く手には、コバルトブルーの堀内沢が広がり、渓相はすこぶる良い。
これほど渓相が良く、且つお盆休みともあれば、さぞや多くの沢人が居るのでは、
と思われたが、人の気配は皆無で、先行者と思われる一筋の足跡が砂地に残るのみ。
こんなにも美渓なのに、なぜ誰も居ないのだろう?
と不思議に感じるが、その理由はすぐに判る。
この沢、とにかくメジロアブが凄い。
アブ達の最盛期を迎えているようで、堀内沢を進むと、いつの間にやら大群の
アブが寄ってきて、私の周囲を取り囲む。
その数はあまりに多く、もしこの状況がずっと続くのであれば、撤退も有り得る、
と思わせる程であった。
実際、あまりのアブの多さに撤退した、というパーティも過去にあったらしい。
一体どうなる事かと危ぶまれたが、しばらく進むとアブは減り、堀内沢の中ほど
まで進むと、アブは殆ど気にならなくなった。
アブが減り、代わりに目にするようになるのはトンボ達。
たぶん、トンボ達が駆逐するので、アブが減るのだろう。
御蔭で、その後の遡行は極めて快適。
澄んだ青が広がる堀内沢の渓流美、そして、渓を泳ぐイワナの姿を楽しみながら、
順調に奥へと進んでいった。
だが、朝日沢出合を越えた先でトラブル発生。
カメラのSDカードが故障し、書き込み不能となってしまった。
これは困ったどうしよう。
カメラは無くても遡行は出来るが・・・
和賀山塊を訪れるのは初めてであり、私にとっては記念すべき山行。
それを写真無しでは、あまりに寂しすぎる。
そして、レコに上げるにしても、写真無しで駄文が連なるだけの記録では、
上げる価値は無いだろう。
幸い予備日があるので、この日は撤退。
今日は下山し、町でSDカードを調達する事とした。
堀内沢を戻り夏瀬ダムへと帰り、一旦渓流を去る。
国道46号、田沢湖付近のローソンでSDカードを購入し、無事トラブルは解決した。


【1日目:8月12日】
さて、前段が長くなってしまったが、日を跨いで仕切り直し。
この日も天気は良く、昨日と同じく堀内沢を進み、八瀧沢・マンダノ沢出合に到着。
出合を左に進み、マンダノ沢へと向かった。
いよいよ、ここから先が本番。
堀内沢はほぼ平坦で滝は無かったが、マンダノ沢へ進むと、傾斜が一気に上がり、
厳しい巨岩帯・滝場が続く。
魚影が所々で見られ、思わず竿を出したくなってくるような淵も現れる。
だが、マンダノ沢は初見の沢であり、この先には通過できるか不安に感じている
箇所が幾つかある。
余裕こいて釣りなどしていたら、後で困った事になりかねないので、
ここは我慢し、滝場の通過に集中した。
最初の滝、10mは右岸の岩壁から容易に突破出来た。
だが、その次の2段15m滝。
これには悩んでしまう。
登る事は出来る滝の様だが、上部が嫌らしいと記録にはある。
登攀ルートを眺めてみるが下部は行けたとしても、確かに上で詰んでしまいそうな
雰囲気がある。
下手に手を出さない方が無難であろう。
滝の登攀は諦め、定石通りに右岸の支沢から巻く事にした。
だが、この滝、巻けるのだろうか?
滝の右岸には高壁が聳え立っており、もし、ここを高巻くとしたら、
相当な大高巻きになりそうである。
100m以上高度を上げて、高壁を乗り越え、100m以上下降して沢へ降り立つ、
そんなとんでもない高巻きになるような予感がするのだが…
不安なところであるが、これまで多くの人が高巻いているのだから、
自分にも可能なはず。
先達者の記録を信じ、高巻きへと取り掛かった。
大高巻きになる、と思われた2段15m滝の巻き、であったが、
それは意外と容易であった。
高壁下部には弱点となる箇所があり、そこを通れば高壁最上部を乗り越えなくても
沢の上流側へ抜ける事が出来るようになっていた。
数歩が悪い箇所はあったが、それほど時間をかけず滝を通過する事が出来た。
こうして、無事2段15m滝を通過できたが、その次の12m滝もなかなか厄介。
この滝は右岸から巻けそうだが、ロープを出さないと危なそう。
なので、水流左から直登したのだが・・・
抜け口が激シャワーで、一見抜けられそうにない。
だが、恐る恐る水流に手を突っ込み探ってみると安定した足場が有る。
そこに足をかけ、対岸の岩を掴み、全身突っ張らせればなんとか行けた。
横断の瞬間、ザックに激しい水流を受け、かなり緊張させられたが、
無事、落ち口まで登り詰め、一安心。
全身ずぶ濡れになり、ザックも水を吸って重くなってしまったので、
落ち口付近で水払いをしてから再出発した。
その後は特に困難な個所は無く、遡行は順調。
時間が遅くなってきたので、野営予定地の蛇体淵はまだかと思いつつ、
先へと進む。
しかし、進んでも、進んでも、蛇体淵と思える淵には辿り着かない。
これはおかしい、と思い、GPSを見てみたら、蛇体淵があると思われる個所を
とっくに通り過ぎていた。
( ゜Д゜)ハァ?
これには面食らった。
蛇体淵は、マンダノ沢のシンボルとも言える神秘的な美しさを持った淵で、
私は実物を見たことは無いが、写真では何度も目にしている。
その印象的な淵を、見逃すはずがない。
・・・いや、まてよ。
そういえば、途中に大量の流木で埋まった荒れた淵があったな。
今思えば、たぶんあの荒れた淵が蛇体淵だったのだろう。
なんという事だ。
今回のマンダノ沢で最も楽しみにしていたのが蛇体淵だったのに、
それは荒れ果てており、更には気付かず通り過ぎてしまっていたとは。。。
悔やまれるところであるが、ここまで来てしまったからには仕方ない。
ここからあと500mも行けば、上天狗沢・下天狗沢出合となり、
そこにも良い野営地がある。
今夜の宿はそこにする事とし、先へと進む。
が、悪い事は続くものである。
少し進むと、大岩が転がるゴーロとなり、そこを通過していると、
大岩の影から真っ黒な足が見えた。
・・・おるな。
今度は熊である。
熊との距離は8m程度で、ずいぶんと近い距離で遭遇してしまった。
熊鈴は一応鳴らしていたのだが、周囲には沢音が鳴り響いており、
鈴の音は効を成さなかったようである。
幸い熊はこちらに背を向けており、私に気が付いていない。
だが、あまりに距離が近いので、ここで熊に気付かれたら襲われかねない。
熊鈴を消音状態にし、ハーネスのガチャ類を手で押さえて音が鳴らないようにし、
隠密モードで、ゆっくりと熊から遠ざかる。
熊は上流方向を向いていたので、見つからぬよう下流へと移動し、距離を取った。
50m程距離を取り、熊を観察してみるが、どうやら沢で餌を探している模様。
地面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりと上流に向かって歩いており、
なかなか沢から離れてくれない。
こういう時、一般登山なら撤退すべきなのだろうが、沢だとそうも行かず。
ここまで来るのに滝場を通過しており、蛇体淵まで撤退するにも容易では無い。
ここは追い払うか。
ザックから、行動食の入った袋を取り出す。
そして、ハンマーバイルを振り上げ、傍らの大岩を思いっきり叩いた。
甲高い打撃音が沢に鳴り響き、熊はこちらに気付き、振り向いた。
熊との距離は十分に離れている。
この距離ならば刺激は少なく、正常な熊であれば、襲ってくる事はまず無い。
だが、人間でいうところのサイコパスみたいな異常な攻撃性を持った熊や、
人を襲う事を覚えた奇行種だったら、そうとも言えず。
だから、もし、襲ってきた場合は、行動食の袋を放ってオトリとして逃げる、
という算段である。
振り向いた熊と目が合い、しばし、気まずい沈黙が流れた。
決して視線は逸らさずに、
駄目押しでもう一度岩を叩いて音を鳴らすと、熊の方から視線を逸らし、
そして、右岸の藪の中へと去って行った。
ふぅ、やれやれだぜ。。。
これまで沢で何度か熊に遭遇した事はあるが、何度経験しても気持ちの
良いものではない。
無事、追い払えたとしても、彼らの生息域を荒らしているような、
嫌な感じの罪悪感を感じるからである。
何はともあれ、また沢に降りて来られては困るので、その後は度々ハンマーで
岩を叩きながら、溪内に音を響かせつつ、上天狗沢・下天狗沢出合の野営地へ
と進んで行った。

色々あったが、無事、上天狗沢・下天狗沢出合に到着。
まだ近くに熊が居るかもしれないので、出来る限り焚火は盛大に行った。
狼煙の如く煙を焚いて、野営地周囲を煙まみれにする。
熊は基本的には煙の匂いを嫌う(タバコの煙も嫌うらしい)ので、
熊避けの意味を込めて、焚火を行った。
干してある衣服にも煙を塗して匂いを付けた。
御蔭で、翌日は煙臭い衣服の匂いに顔をしかめつつの遡行となるのだが、
まぁ、再び熊と遭遇するよりはマシであろう。
激動の一日、という印象が強かったが、夜は穏やか。
その後は何事も無く。
無数の星が瞬く満天の星空の元、静かにマンダノ沢の夜は更けていった。


【2日目:8月13日】
猛暑日が続いた今年のお盆。
それでも尚、沢の朝は寒かった。
シェラフを持たず、シェラフカバーだけなので寒さに耐えきれず、朝4時頃には
目が覚めた。
昨夜は遅くまで焚火をしていたので、もう少し寝たいところだが、こうも寒くては
二度寝が出来ず。
しばらくテント内で寒さに耐えつつ、日が昇るのを待つ。
今日も天気は良く、絶好の沢日和。
だが、今は沢歩きよりも二度寝がしたいものである。
5時を過ぎるとすっかり日は昇り、陽射しが渓内に入ってきて気温が高まり、
ようやく寝れそうな位に暖かくなったので、出発を後らせ二度寝する事にした。
今日の行程はそれ程長くないので、8時位に出発すれば良いだろう。
1時間ほど惰眠を貪り、その後に出発、なんて考えていたのだが…
目が覚めたら8時をとうに過ぎていた。
慌てて朝食、荷物の撤収を行い、出発したのは9時半頃。
予定よりも1時間以上遅れての出発となってしまった。

上天狗沢・下天狗沢出合を出発し、左俣の上天狗沢へと進む。
上天狗沢へ入って直ぐに8m滝が架かり、そこからしばらくは滝場が続いた。
滝の数は多かったが、上天狗沢はマンダノ沢と比べると登れる滝が多く、
沢登りとしてはこちらの方が楽しい。
ソロという手前、巻きメインで進んでいったが、難しい巻きは殆ど無し。
訪れる人が少ないせいか、明瞭な踏み跡は殆ど無かったが、巻きルートに悩むような
個所は殆ど無かった。
昨日歩いた堀内沢、マンダノ沢と同じくコバルトブルーの美しい水流が続き、
上天狗沢も渓相は良い。
2日続けてこのような美しい水流を進めるのは沢屋冥利に尽きる、というもの。
気持ちよく滝場を通過し、源頭へと進んでいった。
だが、楽しい遡行はいつまでも続く訳では無い。
標高1110m付近で沢の水は枯れ、そこから先は藪漕ぎ。
ここからは苦行の行程となった。
始めは草系の藪で、容易に掻きわけて進むことが出来たが、標高1260m付近で
沢型が消え、植生は、密に生えた笹薮地帯へと変貌した。
この笹薮が強烈で、バリケードの如くびっしりと生えており、なかなか先へ進ませて
くれない。
東北の沢は大抵最後はこのような藪漕ぎとなるのだが、この日は猛暑日、
しかも、この羽後朝日岳は1300m程度の標高しかないので、とにかく暑さが堪える。
源頭で満タンにした水筒の水がみるみる減ってゆき、進路上には灌木系の更に手強い藪が
現れ始め、絶望的な気分になってくる。
5m先へ進むだけでも激しく体力を消耗し、このペースでは羽後朝日岳山頂に着くの
はいつになるのか、不安になってくる。
山頂に着く前に、水と体力が尽きてしまうかも・・・
終わりの見えない藪漕ぎがしばらく続き、焦燥感を募らせる。
そんな中、励みとなるのがトンボの姿。
ゆっくりと藪の中を進むと、少しづつであるが、宙を舞うトンボの姿が増えてくる。
トンボは、主に湿原地帯をテリトリーとする。
つまり、トンボが増えてくる、という事は湿原が近づいてきている、という事である。
羽後朝日岳直下には広大な湿原地帯が広がっていると言う。
そこまで行けば、藪漕ぎから解放される。
更に数を増していくトンボの姿に励まされながら、灌木を漕いで、時には木を登って
越えたりしながら先へと進んで行った。
そして、遂に湿原に到着。
そこには無数のトンボが飛び交っており、所々には花が咲いており、
その光景はまるで楽園のように思えた。
花の最盛期は過ぎており、ニッコウキスゲの群生は見られなかったが、それでも尚、
ここまでの辛い行程を思えば価値のある光景である
南方へ視線を移せば、そこに見えるのは和賀山塊の盟主、和賀岳。
標高1400m、とあまり高い山では無いが、その見事な山容にしばし目を奪われた。
藪を抜けた事で安心し、湿原で大休止した後は、いよいよ羽後朝日岳へ。
心地好い花畑の湿原を登り詰め、その頂へと到達した。
羽後朝日岳は登山道が失われた山であるが、その山名板は今でも健在。
質素な山名板ではあるが、ここに至るまでの壮大なルートを思い返すと胸が熱い。
「堀内川源流地点」と山名版には書かれており、それがまた良い。
長大なる堀内川を歩き切ったのだ、という満足感を大いに掻き立てられる銘文だ。
飯豊山、大朝日岳、鳥海山、等々、今年に入って色々な山へ登ったが、
そのどれよりも深い満足感を抱かせる登頂であった。
それにしても、気持ちの良い山頂である。
山頂周囲一帯には花咲く湿原が広がっており、花の最盛期は過ぎている、とは言え、
それでも十分に見応えがある光景である。
これ程見事な花畑が広がる山頂は、東北広し、と言えど、滅多に無いだろう。
その光景から去り難く、山頂にはテントが張れそうなスペースがあるので
「今日はここで一泊しようか。」等と思ってしまう位である。
だが・・・
残念ながら、ここでは焚火は出来ないよなぁ。
それに、ここまでの藪漕ぎで水は殆ど飲み尽くしていたので、野営するにも水が無い。
やはり、沢へ降りるしかないな、と後ろ髪惹かれるような思いで羽後朝日岳を後にする。
下山ルートの部内垂沢へ向かうべく、山頂を後にし稜線を北上。
部名垂沢左俣への下降点へと歩を進めた。

羽後朝日岳を後にし、稜線上を進むと、再び進路上には藪が現れ、進むのが困難に
なった。
あれ、おかしいな?
羽後朝日岳から部名垂沢下降点までは廃道が通っている、と参考にした記録には
あったのだが・・・
稜線上は藪で覆われ、廃道らしきものは見られない。
まさか、年月が経った事で廃道は完全に消失してしまったのではあるまいな?
また藪漕ぎになるのか、と思うと気が重い。
行き詰まってしまったので、振り返り羽後朝日岳を眺めてみると・・・
その稜線を西側に反れた場所に廃道らしきラインが見えた。
ああ、なるほど、そういう事か。
稜線上では無く、少し西側に廃道が走っているのか。
その事に気が付いたので、稜線の西側を捜索してみるとビンゴ。
廃道が見つかり、後はその廃道を辿る事で容易に部名垂沢下降点へ行き着く事が出来た。

稜線から部名垂沢へ続く踏み跡を下るとやがて沢型へ辿り着き、更に下ると水が
現れ、それと同時に滝が出現。
大滝クラスの滝ではあったが、右岸の藪の中にトラロープが設置されており、
それを使用する事で懸垂下降することなく下降が出来た。
その後も落差の大きい滝場が続いたが、最低限のロープが設置されている状態なので、
特に困難な個所は無く、順調に下降は続いた。
この部名垂沢、設置されているロープの御蔭で急な滝場も困難なく下降は出来る。
だが…
とにかく、見所の無い沢である。
これまで歩いて来た、堀内沢、マンダノ沢、上天狗沢、
何れも水流が美しく、見とれてしまうようなスポットが多々ある良渓だったのだが、
部名垂沢に至っては皆無。
一応、沢なのでそれなりに危険な個所は存在し、沢登り感はあるのだが、退屈である。
部名垂(へなたれ)とは珍妙な名前であるが、まさに名前の通り、
という印象を受ける沢であった。
時間も遅くなってきたので、早く野営地に辿り着きたいところであったが、
上部は急な沢地形が長く続くので、適地は中々現れず。
右俣との出合を過ぎたところで傾斜が緩み、標高770m位まで高度を下げたところで、
ようやくテント一張り出来そうな高台を見つけたので、そこを2日目の野営地とした。
渓相はさっぱりで、魚も見かけず、殺風景な野営地である。
だが、流木が多いのは嬉しいところ。
御蔭で盛大に焚火が出来きて、最終日という事で持参した酒も飲みつくす必要がある。
当然ながら、その日も遅くまで焚火をする事となり、深夜0時コースまっしぐら。
最終日の夜も天気が良く、昨夜と同じく空には満天の星空が広がる。
そして、時折流れる流星を数えながらの、楽しい野営となった。

つづく

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コメント

マンダノ沢&部名垂沢超ワイルドですね!
 Luskeさん、おはようございます。

 しばらくご無沙汰していました。自分もこの夏数回沢の遡行をしてきましたが、秋田にもあんなにワイルドな沢があるのですね!熊遭遇にもハンマーバイルで岩を叩いて脅かして対応.....見事でした。爆竹を連発で鳴らすという作戦もあります。奴らは銃を怖がるので、それも1つの方法です。

 羽後朝日岳から部名垂沢を下降するというのも凄いアイデアです。沢を下降するというのは自分の発想の中にないので、いざというときの参考になりました。

 秋田の山中ソロで2泊3日の沢遡行、大したものです。どうもお疲れ様でした。

hareharawaiより
2018/8/27 4:01
hareharawaiさん、こんばんは
今回訪れた羽後朝日岳、とてもワイルドな山域でした。
登山道が無い山なだけに自然の色が濃厚で、そんな中で3日も過ごせば悟りでも開けそうな気がしてきます。
その分、熊も多く生息しているようで、今回の遭遇にはヒヤリとさせられました。
今回はハンマーで追い払いましたが、なるほど、爆竹は良さそうですね。
万が一の時の保険として、今度持参しようかな、と考えております。

沢を下降するのは登るよりも難度・危険が高いですが、今回利用した部名垂沢であれば、
要所にロープが設置されていますので、比較的容易に下降出来ます。
(と、言っても普通の登山道より遥かに危険ですが・・・)
部名垂沢は見所が無い沢なので退屈な感はありましたが、羽後朝日岳からの下山ルートとしては最も容易で安全なルートなので、有難い沢です。

沢登りは基本、登り一方通行なので、沢を下降する事はあまり無いかもしれませんが、
下降の名ルート、というものも存在します。
この辺の沢ですと、葛根田川の明通沢が、沢下降の名ルートだと私は思います。
葛根田川を遡行し、明通沢を下降して周回するルートなのですが、
メインの葛根田川遡行以上に、明通沢の下降が楽しいです。
関東からは遠い山域なので、なかなか訪れる機会はないかと思いますが、hareharawaiさんにも訪れて頂きたく思う名渓です。
今回のマンダノ沢と共に、葛根田川〜明通沢も、是非オススメしたく思います。
2018/9/4 0:50
羽後朝日岳へ
ようこそ!
遅まきながら・・ではありますが、地図や和賀山塊の本を眺めつつ、じっくりと拝読しました。続きも楽しみにしていますよ

自然度の高い和賀山塊を味わい尽くすには、やっぱり沢なんだなあ・・
素晴らしい、そして羨ましいです。
志度内畚は「しとないもっこ」でいいと思います
2018/9/9 19:42
kamadamさん、こんばんは
羽後朝日岳、ようやく訪れる事が出来ました。
堀内沢、マンダノ沢、上天狗沢、いずれも素晴らしい沢でして、
今回の遡行で、和賀山塊の魅力を存分に味わうことが出来ました。
(部内垂沢は・・・、ちょっとコメントに困りますが)
水流の美しさが特に印象的で、このような美しい渓流美が存在する山塊は、
国内でも数少ないでしょう。
今回初めて訪れた山域ですので、大きな事は言えませんが、
やはり、この山塊を味わい尽くすには沢だと、私も思います。

ですが、積雪期も気になるところで、以前、kamadamさんは残雪期に大縦走してましたね。
沢だけでは無く、羽後朝日岳の山頂から眺める稜線も、今回強く印象に残った光景で、
kamadamさんが歩いたルートを、私も歩いてみたいという気持ちが強く湧きました。
志度内畚、「しとないもっこ」、読み方教えて頂きありがとうございます。
今の時期、その山頂を踏むのは難しいですが、雪の残る時期であれば・・・
そんな事を考えながら、志度内畚を眺めておりました。
2018/9/10 0:39
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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