記録ID: 1563800
全員に公開
無雪期ピークハント／縦走
槍・穂高・乗鞍
霞沢岳 * いにしえの峠道から展望の稜線へ *
2018年08月18日(土) 〜
2018年08月19日(日)
長野県
ピアソラ
その他1人
体力度
8
2〜3泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 21:02
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 2,877m
- 下り
- 2,092m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
1日目
- 山行
- 7:19
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:09
距離 16.2km
登り 1,826m
下り 420m
12:56
2日目
- 山行
- 9:12
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 11:34
距離 16.1km
登り 1,055m
下り 1,686m
15:39
上高地バスターミナル
【1日目】
○ CT（標準） ： 07時間30分
○ CT（実績） ： 07時間00分 （休憩含まず）
【2日目】
○ CT（標準） ： 09時間55分
○ CT（実績） ： 08時間50分 （休憩含まず）
○ CT（標準） ： 07時間30分
○ CT（実績） ： 07時間00分 （休憩含まず）
【2日目】
○ CT（標準） ： 09時間55分
○ CT（実績） ： 08時間50分 （休憩含まず）
| 天候 | 【1日目】 ○ 天気 ： 晴れ。 ○ 風速 ： 弱め（稜線上で5m/s程度）。 ○ 気温 ： 普通（15℃程度）。※早朝（島々）は11℃くらい ○ 視程 ： やや長め。 【2日目】 ○ 天気 ： 晴れ。 ○ 風速 ： 弱め（稜線上で5m/s程度）。 ○ 気温 ： 普通（15℃程度）。※早朝（徳本峠）は5℃くらい ○ 視程 ： やや長め。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
・つくばエクスプレス／21:09 つくば - 21:54 秋葉原 ・JR京浜東北線／22:07 秋葉原 - 22:12 東京 ・さわやか信州号／22:40 東京駅八重洲南口BS - 04:21 安曇支所BT ※参考HP ： http://sawayaka.alpico.co.jp/ ○ 復路 ・タクシー／16:00 上高地BT - 16:50 新島々駅 ※12000円（4人で相乗りしました）。 ・松本電鉄上高地線／17:23 新島々 - 17:52 松本 ・JR篠ノ井線／18:37 松本 - 21:25 大月 ・JR中央線／21:30 大月 - 22:36 西国分寺 ・JR武蔵野線／22:48 西国分寺 - 23:43 南流山 ・つくばエクスプレス／23:54 南流山 - 00:24 つくば |
| コース状況／ 危険箇所等 |
【全般】 ○ 釜トンネル開通前は上高地へ至る唯一の道であった徳本峠（とくごうとうげ） 越えの峠道（俗に言うクラシックルート）と、徳本峠から霞沢岳をピストンする 30年前にできた比較的新しいルートとをミックスしたコースです。 ○ 総距離：約32km、総行動時間：約17時間、累積標高：約3000mの 体力勝負のコースです（通常は1泊2日の工程）。 【島々（安曇支所）〜二俣】 ○ 標高：708m→930m（CT：1時間30分） ○ ほとんど傾斜の無い、島々谷川沿いの退屈な林道歩きです。 ○ 序盤にゲートを2つ通り過ぎます。 ○ 基本的に危険個所はありませんが、1箇所崩落地があります。 ○ 二俣にラストトイレがあります。 【二俣〜岩魚留小屋】 ○ 標高：930m→1260m（CT：3時間） ○ 二俣で南沢と北沢に分かれた島々谷川を南沢に沿って西進します。 ○ クラシックルートの真骨頂と呼ぶべき、古人の足跡を感じる区間です。 ○ 沢沿いの道の宿命である崩落地や渡渉はあるものの、全体的に とても良く整備されています（「守る会」の方々に感謝です）。 ○ ただし、天候の影響を受けやすいため、事前の状況確認は必須です。 ○ 岩魚留小屋には5張ほど幕営可能です。 【岩魚留小屋〜徳本峠】 ○ 標高：1260m→2140m（CT：3時間） ○ ここまで比較的なだらかだった傾斜が徐々にきつくなります。 ○ 特に峠直下は九十九折の急登が続くため、我慢どころです。 ○ その急登の途中に「ちから水」という最後の水場があります。 ○ この「ちから水」のある場所の標高には少し注意が必要です。 山と渓谷地図（2015年版）では標高1950m付近に水場があるように 読めますが、実際の標高は1860m付近です。 ○ つまり、地図上はここから200m登れば峠に着くように読めるのですが、 実際には300m近く登ることになるということです（峠まで約1時間）。 【徳本峠〜ジャンクションピーク】 ○ 標高：2140m→2428m（CT：1時間05分<往>、45分<復>） ○ 徳本峠小屋に荷物をデポってスタートします。 ○ シラビソ等の樹林帯を縫う急登が続きます。 ○ 複数の尾根の合流点のことをジャンクションピークと呼びますが、 本当のピークは標識のある場所より少し北側にあります。 ○ ジャンクションピークでは南東側の展望が開けます。 【ジャンクションピーク〜霞沢岳】 ○ 標高：2428m→2567m（CT：3時間05分<往>、2時間30分<復>） ○ ジャンクションピークから山頂までは大きなアップダウンが続き、 水平に歩ける区間はほとんどありません。 ○ 小さなピークは数え切れませんが、比較的明朗なピークだけでも 5つあります（ジャンクションピーク含む）。 ○ 各ピークと鞍部の標高は以下の通りです（一部ログの数値につき留意のこと）。 ・2428m：ジャンクションピーク ・2251m：（最低鞍部）※小湿地付近 ・2301m：P2 ※P1〜P4まである小ピークの一つ ・2278m：（最低鞍部） ・2567m：K1 ・2581m：K2 ・2646m：K3（霞沢岳山頂） ○ 特に、往路のK1、復路のジャンクションピークへの登り返しがきついです。 ○ K1の手前と山頂の直下で一部片側が切れ落ちており注意が必要です。 (後者は今月初めに滑落死亡事故が発生しています) ○ K1の手前で森林限界を越え、短いながら大展望の稜線歩きが楽しめます。 【徳本峠〜明神分岐】 ○ 標高：2140m→1530m（CT：1時間30分） ○ 良く整備された登山道です。 ○ 小さな渡渉が2回ありますが、特に危険個所はありません。 【明神分岐〜上高地バスターミナル】 ○ 標高：1530m→1505m（CT：1時間） ○ 言わずと知れた観光地です。 |
| その他周辺情報 | (1) トイレ �� 松本市役所安曇支所駐車場（24時間空いてます） �� 二俣（トイレットペーパー有り） �� 徳本峠小屋 �� 明神分岐 �� 上高地ビジターセンター前 �� 河童橋 �� 上高地バスターミナル (2) 水場 �� 岩魚留小屋裏 �� ちから水 �� 徳本峠小屋（有料） �� 最後の水場（徳本峠から明神側へ少し下った先） (3) 登山ポスト 見つけられませんでした（事前に長野県警に提出しました）。 (4) テント場情報（徳本峠小屋） 幕営料は700円／張でした（下記HPでは800円となっていますが）。 山と高原地図では10張となっていますが、15張りは幕営できます。 さらにそれでも収まらない場合は、小屋裏のヘリポートを臨時の テント場として用いることもあるようです（公式ではないですが）。 ※参考HP ： http://tokugo.com/index.html |
写真
【1日目】東京から夜行バスに乗り、安曇支所前BS（島々）で下車。気温は11℃。夜明け前の暗闇の中、支所の駐車場で準備し、、、
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8/18 4:23
【1日目】東京から夜行バスに乗り、安曇支所前BS（島々）で下車。気温は11℃。夜明け前の暗闇の中、支所の駐車場で準備し、、、
10分ほど歩いているうちに空が明るくなってきました。ゲートが現れたので、扉を開けて先へ進みます。（ゲートはこの先にももう一つあります）
1
8/18 4:54
10分ほど歩いているうちに空が明るくなってきました。ゲートが現れたので、扉を開けて先へ進みます。（ゲートはこの先にももう一つあります）
島々谷沿いの林道をひたすら歩きます。ほとんど傾斜の無い歩きやすい林道ですが、、、
ここからがいよいよクラシックルートの真骨頂です。基本は南沢とつかず離れず歩きます。
往き橋にて。クラシックルートとはいえ、整備が行き届いてます。守る会の方々に感謝です。
ほとんどアップダウンも無くとても歩きやすい道です。いにしえの足跡を感じます。
往き橋の次は戻り橋を渡ります。この辺りはカツラが落葉していてカラメルのような甘苦い香りが漂ってました。
今日は徳本峠小屋でテン泊なので、久しぶりにマカルー80Lの登場です。重っ！これが後々痛手になろうとは、このときは知る由もありません。。。
9
8/18 7:08
今日は徳本峠小屋でテン泊なので、久しぶりにマカルー80Lの登場です。重っ！これが後々痛手になろうとは、このときは知る由もありません。。。
炭焼窯跡にて。なぜか手を合わせる嫁。昔作業をしていた人に敬意を表して、だそうです。
離れ岩の先にある瀬戸上橋を渡します。写真ではよく分かりませんが、このところの雨のせいか）南沢は結構な水量です。
嫁が何か言ってますが、沢の音にかき消されて聞こえません。「パー」かな（笑）。
この辺りはその昔、土壌改良の石灰を採掘するために作られた道らしいです。陽の光が差し込んでとっても良い雰囲気♪
その先のワサビ沢の手前あたりに、ちょっとした花園のような空間が広がってました。これはツリフネソウ。
岩魚留小屋に着きました。今は営業してませんが、往時は賑わったことでしょう。一応、裏に水場もあり、テン泊もできるそうです。
これは昨年古道を守る会の方々の手によって普請されたばかりの橋。ヤマケイ5月号で特集されてましたね。
さて、楽しい沢沿いの道と別れ、九十九折の急登が始まりました。
不意にまなかいに現れる穂高の気高い岩峰群は、その特徴たるギザギザの部分を雲に隠されてしまっていました。それはまた明日にお預けということで。
3
8/18 13:43
不意にまなかいに現れる穂高の気高い岩峰群は、その特徴たるギザギザの部分を雲に隠されてしまっていました。それはまた明日にお預けということで。
【2日目】夜明け前の4時過ぎに出発。ジャンクションピークに向かう急登の途中で空が白んできました。そこで不意に見たのは、昨日見られなかったあの尖峰でした！！前穂（まえほ：3091m）が尖りすぎてて一瞬槍（やり：3180m）かと思いました。
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8/19 4:49
【2日目】夜明け前の4時過ぎに出発。ジャンクションピークに向かう急登の途中で空が白んできました。そこで不意に見たのは、昨日見られなかったあの尖峰でした！！前穂（まえほ：3091m）が尖りすぎてて一瞬槍（やり：3180m）かと思いました。
ぎりぎり日の出に間に合いました（正確には、3分遅刻しました）。今日も一日頼むよ、太陽！
甲斐駒ケ岳（かいこまがたけ：2967m）の左肩奥に富士山のシルエットが見えました。
朝日に浮かび上がる乗鞍岳（のりくらだけ：3026m）と御嶽山（おんたけさん：3067m）。
ふと展望が開けると、霞沢岳（かすみさわだけ：2646m）の山頂が見えました！直下の崩落が危ないやつですね。
ちょっとしたお花畑に遭遇。サラシナショウマ、ノリクラアザミ、トウヤクリンドウ、トリカブト、、、。
三本槍とも呼ばれている霞沢岳のピーク群。右からK1、K2、K3（霞沢岳山頂）。諸説あるようですが、KはKasumisawa-dakeのKだとか。
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8/19 6:44
三本槍とも呼ばれている霞沢岳のピーク群。右からK1、K2、K3（霞沢岳山頂）。諸説あるようですが、KはKasumisawa-dakeのKだとか。
実際かなりきつい急登でした。が、そんなのも吹き飛ぶほどの絶景の連続でした。
おおおっ！六百山（ろっぴゃくさん：2450m）越しの穂高連峰！雲も良い感じ。
急登も終盤に入ると嫌がらせ階段攻撃が始まりました。階段を見ると辛いので景色を見ながら登ります（笑）。
穂高ぁぁぁ！見てるだけで気絶しそうな岩襖。（左から）西穂（にしほ：2909m）、奥穂（おくほ：3190m）、前穂（まえほ：3091m）の三兄弟。穂高を見るならこれ以上の場所は無いと思う。
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8/19 7:39
穂高ぁぁぁ！見てるだけで気絶しそうな岩襖。（左から）西穂（にしほ：2909m）、奥穂（おくほ：3190m）、前穂（まえほ：3091m）の三兄弟。穂高を見るならこれ以上の場所は無いと思う。
反対側に焼岳（やけだけ：2456m）。金曜発の夜行バスの予約が取れなかったらあっちに登るはずでした。
笠ヶ岳（かさがたけ：2898m）も近い！ここから見える山は全部登った！！
重畳たる山並みの彼方には南アルプスが。なんという贅沢な景色。
K2、登頂。なんか恰好良い響き（笑）。ここも360℃絶景でした。
最後のピーク、K3（霞沢岳）を望む。ここからの稜線歩きがまた最高でした。
山頂直下のプチお花畑。ハクサンフウロ、ヤマハハコ、エゾシオガマが咲き競ってました。
ヤター、山頂到着ですっ！もちろん、ここからの景色も一級品です。
南西方面には乗鞍と御岳が。冬季VRだとこっちから登頂するんだったよね。
可能なら1時間くらいゆっくりしたいところでしたが、復路も長いので下山を開始します。
ただ、アップダウンが激しすぎて、徐々に疲労も溜まってきました。まずは、K2への登り返し。
更に、K1への登り返し。荷物はテントにデポってきたのですが、前日のダメージが殊の外大きかったようです。
K1を下る途中、常念岳（じょうねんだけ：2857m）がよく見えました。
特に、下りの踏ん張りが効かなくなってきました。元気な嫁には先に行ってもらうことしました。
なんとか、最後のピーク（ジャンクションピーク）まで戻ってきました。既に這う這うの体（笑）。
明神館到着。物凄い観光客の数です。昔はここまで来るの大変だったんだぞー（笑）。
撮影機器：
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
携帯トイレ
|
|---|
感想
重太郎新道を登っている途中でふと後ろを振り返ると、
上高地の赤い屋根の背後に圧倒的な存在感を放つ巨大な山が
あることに気付きました。
河童橋のすぐ裏にあんな立派な山があったなんて・・・。
それが霞沢岳（かすみさわだけ：2646m）との邂逅でした。
1年前の夏。その時の衝撃は強く、すぐ隣に聳える百名山の
焼岳（やけだけ：2456m）が小さく見えたほどでした。
当然の帰結として、いつか登りたい、と思いました。
しかも、どうせ登るなら島々からがいい。
今回の山行で、ようやくそれが叶いました。
古人の足跡に自身のそれを重ね、歴史の深みを感じながら、
清冽な沢と美しい森を歩いた初日。
厳しいアップダウンを制した者だけに見ることが許された
大展望の稜線を歩いた二日目。
いずれか一方だけでも贅沢なのに、好対照の二つを
同時に詰め込んだことでより充実した二日間となりました。
覚えたてのテントを携えたことで後半はバテ気味でしたが、
筋肉痛と引き換えに、全身の細胞が入れ替わりました。
【復路のK2にて】
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霞沢岳にしたんですねー
西穂山荘から、あとはこの前の蝶ヶ岳や焼岳からみてていつも気になってたどっしりした山。どんな感じなのかとても参考になりました。天気がいいとこんなにも眺望いいなんてー！いつか行こう
当初は日曜から槍に登る予定が夏休みが取れなくなってしまい、
日帰りで焼岳かなー、と思ってたのですが、金曜の夜行バスの
チケットが取れたので土日で登れる霞沢岳にしました。
nyantoroさんなら、やっぱり島々発のテン泊がお薦めですよっ！
思い出に残る山行でしたね。霞沢岳は登ったことがありませんが高山の急峻な山容が写真から伝わってきます。登り返しも低山と比較すると半端ないっしょぐらいありますね。両日とも天候に恵まれて羨ましい限りです。北の素晴らしい山容を味わってしまうと離れられなくなります。これからの山選び嬉しい悩みができましたね。楽しみにしています。
素晴らしい展望と天気に恵まれました。が、後半はバテバテで
もう少し軽めの装備で臨むべきだったと反省もしました。
ジャンクションピークからの登り返しの累積標高は
実に800mもあったそうです（あの大キレットですら400m弱）。
もしかしたらこれまでの山行で一番苦しかったかもしれません。
その分達成感も大きいですが（笑）。
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