バレンタインは岩と雪の乾徳山


- GPS
- 03:22
- 距離
- 5.1km
- 登り
- 641m
- 下り
- 644m
コースタイム
天候 | 前半曇り、後半雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチの雁坂道の国道140号線は雪はありませんでしたが、大平高原に向かって登っていく道路は下から半分くらいのところから雪の路面があり、上部は完全に積雪路です。最低でもスタッドレス、雪道に慣れていない方はチェーン必携です。 登山路は下山時は完全に積雪で真っ白でした。鎖場は積雪のため濡れていて、あまり状態がよくありません。初心者は危険です。また頂上からの迂回路はハシゴのステップが氷で埋まっており、前歯のあるアイゼン(10〜12本以上)でないと登高不能です。小生は登り、下りとも鎖場のフェイスを使いました。 夏期とはまったく違った難しさですので、岩場が濡れているときは引き返すことも考えるべきです。 |
写真
感想
前日甲府で仕事があったため、甲府泊まりだった。
翌日の休日を利用し、山に登ろうと決めていたが、行き先は二転三転。
前日の段階では夜叉神峠から鳳凰三山ピストンか、甲斐駒ヶ岳黒戸尾根からの頂上往復を考えていたが、当日の天気予報で下界は午後から雨という予報。
夜叉神峠まで車で上がれたとして、帰るときには積雪で林道ゲートを閉められてしまう可能性がある。甲斐駒もロングディスタンスだから万全の体調でないと。
(実際、2月14日はAM7:30からゲート閉鎖で16日午後まで閉まっていたようです)
空模様、体調と相談し、昇仙峡でも散歩するかと思ったが、あまりにも軟弱なので、突然だが東沢渓谷で氷瀑遊びをしようと決定。
そうと決めたら、時間的な余裕が出来たので、ホテルでゆっくり湯につかったあと、10時にチェックアウトし、一路西沢渓谷駐車場を目指す。山梨市から国道140号線に入ってすぐのデイリーに寄って食料を確保。どん兵衛きつねとオリジナルおむすび弁当、98℃の熱湯400cc。
走りながら、温度の高さが気になり、東沢の氷瀑が十分発達していなかったら足が無駄になるな、と考え始め、だったら路面凍結の可能性もあるが、アプローチがかなり上になる大平牧場からの乾徳山がいい、と漸く最終決定です。なんてフレキシブルな(笑)
途中から積雪があったが、大分上まで作業の車が入っていて、気持ち的には楽だった。大平高原牧場手前からは完全な積雪路。さらに少し上の林道終点手前の登山口に到着。
14爪アイゼン、ピッケルは置いていく。ストックは最初から携帯していない。念のため4本爪アイゼンを持って行くが、これは正解だった。
通常、冬山ではあり得ない昼前のスタートです。
登り始めは雪がなく、始めの階段を過ぎた辺りから九十九折りの作業道から外れ、適当に尾根の上部を目指して藪、岩場、草地(上は笹)を直登する。これはかなり時間短縮できるが、一般にはすすめられない。
何度か広めの作業道(その昔は木を切り出すための作業道だったのだろう)を横切り、ほどなく徳和からの尾根コース(道満尾根)と合流し、その先は比較的に直線的な登山道をトレースする。この辺りから足下はぼちぼち雪だが、下界の雪道を歩くのと同じで、不安なし。
扇平手前から足首くらいまでの新雪になってくる。
鹿の足跡が登山道に沿って登っていく。立場は逆なのだろうが(笑)、鹿は実によく道を知っている、と感心するくらい無駄のないラインを進んでいる。元々は登山道の多くが獣道だったわけで・・・・・・・
髭剃岩まで一気に登ってきたが、そろそろ雪の下の岩が凍結している部分が出てくる。細心の注意が必要になってくる。しかし、アイゼンはつけない。三つある鎖場では土踏まずの部分だけの4本爪アイゼンは邪魔なだけだ。
髭剃岩のちょっと先からは本格的な岩場が始まるので、途中拾ったストック代わりの棒(武蔵と命名)をデポ。
最初の鎖場が傾斜がないので逆に雪が着いていて、足場をしっかり確認しながら登る。順相のステップ、しっかりした手がかりを確実に拾っていく。ここが下りの時には真っ白になっていたが・・・
すぐ上で4mほどの垂直の岩場。夏はあっという間にゴボウでも登れるところが、今日は濡れていてかなり悪い。手袋をしているから、ぶら下がるわけにはいかないし、ここも丁寧に登る。
頂上手前の最後のフェースは溶けた雪でびしょびしょ。当然フリクションも最低。しかし、クラックに足をジャミングしつつ、時々出てくるしっかりした足場で休みつつ、頂上へ。
下りの迂回路をのぞくと、梯子に雪がべったりついていて、やばそうだ。
ビデオを撮りながらの登高だったが、なかなか手応えのある登りだった。この頃からかなり雪が強く降り始める。下山路もさりながら、車のことが頭から離れない。
10分ほど滞在し、急いで下山開始。最初は迂回路に入る。出だしの1メートルほどのロープにつかまりつつ、梯子に足を置く。一段目はいいが、二段目以降は、ステップとステップの間がガチガチの氷で埋まっていて、どうにもならない。前歯のアイゼンが必要。ピッケルも置いてきたのでステップを切るわけにもいかず、迂回路を使うのはやめる。
あまり聞いたことがないが、鎖場から下りるしかない。先ほど以上に雪で壁は濡れ、足下が滑れば一気に下まで落下する可能性もあるなか、慎重にステップを探しながら下りる。
冬用の手袋をしているので、足が滑ったら鎖につかまっていても体重に耐えられないだろう。ステップに足を置く順番を十分考えて、クリアー。
下の二つの鎖場も同様。一番下の一番やさしいはずの鎖場は完全に雪で真っ白な壁状態で、ステップを足で掘り出しながら下りる。いや〜、スリリングです。
後は梯子がある程度でなんのことはない、と下りていったら、髭剃岩の手前の岩場のへつり部分がやはり雪がべったりついていてちょっと緊張した。
それを過ぎ、デポした武蔵を回収し、気温も下がり、凍結箇所も増えてきたので、この地点でいよいよアイゼン、スパッツをつけて、さらに下山開始。
扇平では雪で真っ白な月見岩に登り、尻セードで壁面を滑って少々遊んだ。
帰ろうとしたとき、「ヒューン」と甲高い鹿の鳴き声がした。見ると扇平の上の方に最低でも2頭の鹿がいて、こちらを見ている。足跡はあったから、遭遇もありとは思っていたが、それが実現。風雪の中でビデオに収め、先を急ぐ。
どんどん進んで、道満尾根コースとの分岐地点までくるが、登りの時のように真っ直ぐに降りるルートが取れない。中途半端に雪がついているので、下りにくいのだ。そこで素直に(笑)登山道をたらたら歩いて、登山口に戻った。積雪期でありながら3時間そこそこで往復でき、ほっとする。
戻ってみると林道は一面の雪に覆われていた。
世話になった杖の武蔵と別れ、積雪の路面状態に気をつけつつ下界へ。
足元の問題があって下山にむしろ時間のかかる山行であったが、空模様と相談の充実した一日だった。
追記
雪との競争だったので、結局行動中は水分も取らず、食事しなかった。買っていた食料は朝のコンビニで帰りに車の中で食べることに。弁当を温めてもらい、お湯も改めて頂いたお店の方にこの場を借りてお礼を申し上げます。
また石和の健康ランドにも寄ったのですが、非常に沢山の風呂があり、楽しめた。入館料が2千円近くするのがネック。但し、小生は前日宿泊したホテルの特典で無料で利用させてもらいました。今まで一度も利用せず、随分もったいないことをしていたものです。
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