三俣山〜平治岳☆念願の天上の花園へ
- GPS
- 09:12
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,520m
- 下り
- 1,553m
コースタイム
- 山行
- 8:24
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 9:13
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
この時期に仕事で九州に出張の機会を得るのはなんとも嬉しい限りだ。出張のついでにミヤマキリシマが咲く山を訪ねる格好の機会だからだ。九重は週末は大変な混雑に陥ると聞くが、幸いにも平日に時間を作ることが出来る。
前日のうちに博多からバスで由布院の街まで移動する。高速バスを降り立つとすぐ目の前には大きく由布岳が聳え立つ。山頂の下をよくよく見ると赤紫色に染まっている。ミヤマキリシマツツジが咲いているのだろう。
空の高いところでうろこ雲が広がっている。どうやら天気は悪くなりそうだ。夜は由布院の居酒屋で美味しい魚介類に舌鼓を打つ。由布川の川べりを歩くと、数多くのホタルが青緑色の光を明滅させていた。
数日前までは晴れであった九重の天気予報もしばらく前から曇りの予報となった。当初、ご来光を期待して早朝より三俣山に登るつもりにしていたが、未明に起きだすと空には星は全く見えず、雲にすっかり覆われているようだ。
大曲に着いたのはおよそ4時過ぎ、既に駐車場には既に一台の車が停められている。おそらく泊まりの山行の方だろう。空に晴れ間は全く見られないが、青い薄明が広がりつつある。晴天であれば三俣山でご来光をと考えていたのだが、そのためには少なくともさらに30分は早く出発する必要があっただろう。
ヘッデンをつけて低木の樹林の中を進んでゆくが、長者原からの林道と合流すると、既にヘッデンの明かりは必要なくとも歩けるほどに十分に明るい。林道の脇ではミヤマキリシマツツジの花が早速にもお出迎えである。再び林道を離れ、ガレ地を諏蛾守越に向けて登り始めると、早速にも雨が降り出した
諏蛾守越でレイン・スーツを着込み、リュックを避難小屋にデポして三俣山を目指す。斜面にはミ乾いた冬枯れ色の草原を背景に咲き誇るヤマキリシマの群落のピンク色が美しいコントラストを見せる。南峰から下り西峰へと周回するルート沿いでは多くのミヤマキリシマツツジが咲いている。しかし、このルートは難ルートである。
西峰のピークの周辺から本峰への登りまでの間はミヤマキリシマの一大群生地である。しかし、このあたりはまだ蕾が固く、咲いている花は殆どみられない。この蕾が花を咲かせたら凄いんだろうなと思いながら、昨年に比べ今年は花期が遅いことを残念に思いつつピークを目指す。かわりに登山路の足元に数多く咲いているのはイワカガミである。先週の鈴鹿でも花が最盛期であったように思うが、京都の北山では花期はもう終わっている時期だ。九重ではイワカガミの時期が遅いのだろうか。
本峰の山頂に立った途端、真っ先に目に飛び込んできたのは山頂部分があたかもパステルを塗りつけたかのようにピンク色に染まった平治岳である。次の瞬間、相方に提案する。今日の計画はすべて破棄して、あの平治岳を目指すのはどうだろう。
遠く見えるが、諏蛾守越からは順調に行けば2時間もあれば到着するだろう。そうと決まれば話は早い、山頂で踵を返し、まずは坊がつるを目指す。下り始めてから、山頂の写真をほとんど撮らなかったことに気がつく。
下の北千里ヶ浜を30人程のパーティーが進んでいる。分岐からは久住分かれの方に向かっていった。諏蛾守越でリュックを回収すると、まずは法華院温泉を目指す。
荒涼とした光景の非現実性を堪能するためには人が少ないほうがよい。
いつしか雨が上がっている。北千里ヶ浜を越えると、三俣山の急峻な東斜面を右手に見ながら坊がつるへと下ってゆくことになる。岩場の斜面には多くのミヤマキリシマの花々が見られる、威容を誇る岩壁の炭色と花の華美なピンク色とのコントラストが美しい。
法華院温泉が近づくにつれ、多くの人とすれ違う。おそらく法華院温泉で朝食をとってから出て来られたタイミングなのだろう。法華院温泉ではやはり多くの人が出発の準備を整えておられる。長居は無用なので、素通りして、一路、平治岳を目指す。
樹林帯を抜けて大戸越に辿り着くとここでも大勢の人達が休憩しておられる。平日ではあるもののやはりこの時期の九重は人気なのだろう。しかも、今の時期は九重の中でもこの山が一番人気なのではなかろうか。
斜面を見上げると、ここからはミヤマキリシマツツジのピンク色が山の上まで続いている。急斜面のツツジの中につけられた細い登山路をゆっくりと登ってゆく。他の時期であれば登りにくさが樹になったところであろうが、九重の山々を背景に斜面を彩る花に目を奪われ、登りのしんどさは苦にならない。
平治岳の南峰に辿り着くと本峰にかけては花園の庭園となっている。本峰に登る前に西側の岩場を訪れてみる。突き出た岩の上に立って、ツツジが満開の南斜面を覗き込む。近くで休憩しておられる御婦人に非難された訳ではないと思うが「見ている方が怖い!」と冗談交じりに仰るのだった。
本峰のピークに辿り着いたところで再び雨が降り出した。相方は靴擦れが痛むのかゆっくり下るというので、法華院温泉で待ち合わせることにして、私は大船山に寄り道することにする。
平治岳とは違い、大戸越から南の大船山へのルートは新緑の時期も終わり、深い緑の樹々の間に登山路を示す溝がうねうねと続いているのが見える。大戸越の樹林の縁で再びレイン・スーツを着込むと、雨の中を大船山めがけて登りはじめる。
こちらでも登山路には多くのイワカガミの花がみられる。この日は出張に登山靴を持参するのが荷物が多くなりすぎて面倒だったので、トレランシューズで登っていたのだが、登山靴と異なり水には弱いので、またたく間に靴の中まで雨がしみ込み、水浸しの状態となる。
樹林の急登がひとしきり終わると登山路にはところどころでミヤマキリシマツツジの花株が現れる。やがて、段原にかけての広いテーブル状の台地になると、ミヤマキリシマツツジの中の歩くようになる。平治岳の山頂部と標高はほぼ同じと思われるが、平治岳のような咲きっぷりはみられない。
この大船山へのルートで楽しみにしていたのは登山路を外れたところにある池である。藪を漕いで池の方に向かうと、ショッキングなことに干上がって完全に水を失った池が目に入るのだった。池によることは諦めて、登山路に戻る。このルートでも多くの人とすれ違う。
北大船山の山頂の周囲に見られるミヤマキリシマツツジの群落でも多くが開花している。ツツジの花越しに眺める九重の山々はすっかり雨に霞んでおり、雨脚もますます強くなってくるようだ。大船山に登ったところで眺望はほとんど得られないだろう。大船山は昨年の秋に訪れたところなので、ピークを踏むことも諦めて、段原から坊がつるへと下ることにする。驚いたことにこの雨の中を次から次へと大船山を目指して登って来られる人達と数多くすれ違う。
法華院温泉に戻ると少し前に辿り着いた相方が私の帰着を待っていてくれた。休憩室はほぼ満員であるが、炭焼地鶏としめじを炒め、焼き飯を作る。後ろで談話しておられる他の登山客の会話から「夕方には晴れの予報だからそのうち雨もやむでしょう」と聞こえてくると、食事をしているうちに雨も上がったようだ。
法華院温泉からは諏蛾守越は時折、小雨がぱらつくものの
諏蛾守越から採石林道に入ると、早朝には薄暗かったために目に入らなかったが、星生山の北斜面においても多くのキリシマツツジの群落が目に入る。林道では多くの人が登って来られるのにすれ違う。おそらくは法華院温泉か坊がつるのキャンプ場で泊まられる方達だろう。Yuichi君は足の痛みにも関わらず1時間半ほどで大曲まで歩いたのは、相当に頑張って歩かれたに違いない。
やまなみハイウェイを抜けると空はいつしか雲が薄くなり、由布岳にはうっすらと午後の光が当たっている。明日は九重はさぞかし気持ちのよい天気に恵まれることだろう。
yamaneko0922さん 今日は。
これは一筆登山の練習ですか? 500m・450mの下りを途中に2回も入れた山歩きですね( ^ω^)・・・
お疲れ様でした。9日楽しみましょう。。。
平治岳の深山霧島は別格です。私は去年行きました。
kol-yosiokaさん コメント有難うございます。
大船山の登頂を諦めたので少しマシだったとは思いますが、九重はどうしてもアップダウンが激しくなりますよね。
昨年kol-yosiokaさんが平治岳を訪れられたのは4日前の5/27でしたね。比良専門と思っていたのでびっくりした憶えがあります。昨年は深山霧島の開花が全体的に早くて、5/27日はドンピシャのベストシーズンだったようですね。しかも当たり年との話。とてもいい時期に訪れられたのではないでしょうか。今年は明日か明後日頃が平治岳の花のピークなのではないかと思います。kol-yosiokaさんがいらした由布岳に深山霧島が咲くタイミングでいければいいのですが・・・
9日、どうぞ宜しくお願いします。
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