【払露作戦】妙高山（燕温泉から）〜火打は断念〜【乙47.1】
narodniki
体力度について
- GPS
- 09:39
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 2,245m
- 下り
- 2,242m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:09
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 9:36
| 天候 | 曇り時折晴れ間 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
妙高から先なお残雪多し。 大倉乗越手前のガレ場では新たな崩壊があったらしく道が埋もれ、行く先がわかりにくくなっており、また、急斜面に雪が大量に残っているため、アイゼン等無いと通行は困難。 |
| その他周辺情報 | 燕温泉・黄金の湯（篤志） |
写真
拍手
感想
本格的な夏山山行前の露払いとして6月に2000m級の山を歩こうと思っていたが、晴れ間の無い梅雨でかなわず。一転、6〜7日に新潟方面晴れの予報。新潟が晴れでも関東信越が曇りなら山は曇りじゃないのかと思わなくもなかったが、山頂天気でも妙高は晴れとなっていたので、この機を逃すべからずと急行する。
【総括】
今回の山行は、力不足、睡眠不足、水不足といった自分の準備不足と、曇天、残雪、大ガレといった山行環境の厳しさのために、ドクターストップならぬ天狗様ストップがかかったものと受け止め、体勢を整え、必ずや再挑戦、完全踏破を図る。
（評価点）
・急登を抜けて妙高山に到達。山頂を一時独占。
・後立山連峰、槍・穂高、日本海等曇っているなりに展望があった。
・本格的な夏山山行前に課題を明らかにできた。
（留意点）
・雨続きで身体が鈍っている？⇒山行翌日時点、全身筋肉痛
・3時間半程度の短い睡眠で仕事疲れを持ち越し？
・加齢、体重増による負担、疲労の増？
・↑にいちいち「？」を付ける甘えた考え。
・前夜の食事が簡素だったことによるカロリー備蓄の不足。
・携行飲料不足のため過度に取水制限しパフォーマンス低下。
・ガレ場における観察、思慮不足による体力の著しい消耗。
（外的環境）
・予報に反して曇りがち。晴れ間は若干。
・大量の残雪
・ガレ場に新たなガレ
【個別講評】
・力不足、睡眠不足について
思えば、最近は仕事が身体面に大きく影響している。首から肩から背中から腰から、至る所にガタが来ている。それに加え、日が長くなって朝早く目が覚めてしまう割には夜早く寝ることも無いので、睡眠時間は不足気味で疲労回復が追い付かない。
山行で大々的に体を動かすことも無いので、体は鈍り体重は増える。体重が増えれば登下山時の負担も当然増す。私のエンジンは元々小型機用なので中型大型機には全くの力不足なのだ。
そんな中、仕事が終わった後、息つく間もなく新潟へ向かい睡眠3時間強では最初から負債を抱えて歩くようなものだ。
・水不足について
山行を開始して1�劼曚品發い震�高山登山道入口の辺りで、メインボトルを忘れたことに気がつく。そこから戻るのは大きなロスになるという考えと、サブボトルおよびゼリー類で行けるだろうという軽い考えで山行を続行する。そのため、妙高山頂までゼリー以外に水分を摂取しないなど、極度に水分補給をセーブする。今回は曇っていたから良かったが、晴れていたらどうなっていたかわからない。
帰路には最初左側、次いで右側の太腿が、急な上り局面で攣りそうになるのを堪えながら歩く。こういう症状は電解質不足や血行不良が原因だそうだが、前日からのカロリー不足、水分不足、身体中の凝りと足が攣る要因はそろっていたといえる。
・大ガレ場での行動・判断について振り返り
1．火打山へ向かう途中、すれ違った人からガレ場の話を聞く。こういう情報交換はありがたいものだが、実際目の当たりにしたのは予想以上の光景だった。
地図など見ると「ガレ場」と書いてあるので、元々ガレ場で、ガレ場に踏み固められたトラバーストレースがあるのだろう。しかし、私の目の前にトレースらしいものは無い。昨冬以降、新たに崩れてきたガレに埋もれてしまったのだろう。情報をくれた人はこのことを言っていたのだ。
2．上方にピンクテープが巻かれた岩が転がっていたので、最初はそこから上方へ、つまり外輪山の稜線に直登するのかと思ったが、落ち着いていない土砂の状況、急傾斜の残雪を見ると、登るのは無理だ。崩壊元の稜線直下まで登ってそう判断し、下に戻る途中で、大倉乗越へと至ると思われる道らしきもの（藪が生えていない細い線状帯）が遠目に見えたので、まずはガレと残雪のトラバースだと、下の方の確認もそこそこに残雪トラバースを図る。
3．この残雪のトラバース、今となって考えれば先行者のトレースをよくよく探せば良かったのだが、とにかく自分が雪面を渡ることだけを考えていた。数十mの幅のある残雪上にステップを切り、爪を立て、倒木に捕まりながら渡りきる。しかし、渡り切った先では藪が立ちはだかる。恐らく道は下の方にあり、私はやや上方でトラバースしたので数m〜数十mずれたのだと思う。しかし、その後の判断で、その僅かだったズレは拡大する。
4．上方にピンクテープの巻かれた岩を見た瞬間から、私の意識は上方にあった。トラバース後、下方の確認は完全に疎かになっていた。疎かどころか下方は全く見ていなかった。逆に上方の、草木の生えていない線状帯に惹かれ、一縷の望みを抱いて急登を登って行った。地面の状態は2．で無理だと思ったのと同等だったにもかかわらず。
5．期待して行った先には沢が流れていた。この時点で想定されるルートと現在地点を地図やGPS等で確認していれば、ルートを大幅に外れていることに気がつき、早期にリカバリできたと思われるが、苦労して登ってきたこともあり、沢を登ってみることにした。意外と登りやすい小沢で、サクサク登る。しかし、地面が岩質から崩れやすい土砂質になってきていた。
6．そんな中を、自分で言うのもなんだが巧みに乗り越えつつも、自分が登っているのはルートではないし、正規ルートからも大きくずれていることは、この頃には理解していた。
しかし、「せっかくここまで来たんだから」の何と力強いことか！
私の判断は「戻る」ではなく、「前進しながら正規ルートへの合流を目指す」。
7．そうした意固地で硬直した考えの下、草木にしがみつき、斜面に指を突っ込みながらさらに登る。そして進んだ先は小規模な崩壊地。それを高巻いてさらに進む。しかし、崩壊地は一つではないようだ。
いっそのこと外輪山の稜線上に出た方が進みやすいのではと思いながら、ふと斜面に生える木々を見て、私は我に返る。木の枝が全て地を這うように横に伸びているのだ。こんな中を乗り越えたり潜ったりして行ったら、いよいよ進退窮まる。時計を見ると9時16分。藪漕ぎで短時間のうちに正規ルートに至れるとはとても言えない。遅きに失したが、私はついに戻ることにした。
さらに進んでいれば本当に救いようのない状況に陥りかねないところで辛うじて理性を回復した。情に流されるは易し、理を立てるは難し。
【以上を踏まえ改めて総括】
無理が通れば道理引っ込むとはよく言われることだが、自分自身が理よりも情を優先して行動してしまうのでは、世の中無理がまかり通るのも当然と言える。
しかし、無理もたたれば破滅を招来する。これを防ぐにはどうしたら良いだろう？
「わかっちゃいるけどやめられない」ことを如何にしてやめるか？
そのヒントは掴んだ。空気には水を差すこと。理性がフッと戻るきっかけを作ること。
それを山行に当てはめると、他の方の日記だったか山行記録だったかにも書いてあったが、いったん立ち止まって休憩すること、ということになるだろう。
ここまで思い至って書いているのだから、今後、同様の過ちはしないかというと、今までも遭難しては反省の振り返りというのを何回もしてきているわけで、結局は「後から冷静になって考えると…」というレベルにとどまっている。
ただ、空気に水を差す、感情に支配されている頭に理性の舞い戻る余地を残すということは、頑張れば何とかできると思うので、その意識を持ちつつ、遭難の恐れを軽減していきたい。
そして、この妙高・火打での失敗は、やはり妙高・火打でリカバリするということだ。
ネガティブなことばかり書くと気も滅入るので、今回の最大の収穫を一つ。
最近山行できていないことを、本格的夏山山行への体力温存、夏山へは満を持して臨めると楽観的に捉える向きもあったが、本山行における妙高山への登り返し時の疲弊及び翌日の全身（脚だけでない！）筋肉痛に、そんな甘っちょろい考えは吹き飛んだ。
三連休は、本山行の教訓を踏まえ、驕らず慎重に臨む。
〜おしまい〜
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
妙高山の最新記録
妙高山(北峰)の最新記録
kage_yama さん
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する