北岳(テント泊)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,928m
- 下り
- 1,930m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 7:40
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
【プロローグ】
前回、5月末の鳳凰三山で「次は北岳(の肩ノ小屋のテント場)」と宣言しており、虎視眈々と梅雨明けを待っておりましたが、関東地方は今だ梅雨明け宣言が出ず。それでもシフト勤務と海の日の代替として、25日(木)〜27日(土)で連休をとっておりましたので、いてもたまらず出発準備にかかる。
実は今月は頭、胃、心臓に違和感が出る謎の体調不良(仕事のストレスか?)でトレーニングが不足しており、一抹の不安はあるものの、「ダメなら白根御池でキャンプでもするか!」とのおおらかな気持ちで行くことにします。
【前日】
7月24日の水曜は、当方週一の在宅勤務日であり、18時の勤務終了とともにザックを背負い、18:15に車に乗り込む。京葉市川インターから首都高、中央道を経て甲府昭和インターまでノンストップ。それにしても帰宅ラッシュの渋滞にも合わず、3時間かからずにここまで来てしまい、ラッキーでした。どうやら、オリンピック準備の交通規制で首都高への流入を防ぐ予行演習とやらが行われていたようで、これの恩恵でしょうか?
21:30に芦安温泉の第二駐車場について、さっさと座席を車中泊仕様に換装。平日なので駐車場は割と空きがありますね。ビールと枝豆でミニ宴会を実施し、明日に備え就寝。
【1日目】
4:00起床。駐車場内の掘立小屋に明かりがついており、続々と乗合タクシーが集結している。当方は5:15発のバスで広河原まで行こうと思っておりましたが、タクシーのおじさんに声をかけると「5時に出るから!運賃1,100円に協力金200円だよ」とのことで、お願いする。
6時に広河原インフォメーションセンターに着いて、靴紐をしめ、いざ念願の北岳へ。ゲートの脇を抜け、アスファルトを歩いていると北岳が見えてきました。天気も良いし、体調も問題なし。テンションが上がります。つり橋を渡り、いよいよフィールドに足を踏み入れる。広河原山荘の水場で顔を洗い、ゆっくりと大樺沢沿いを進む。樹林が日光を和らげ、沢を通る涼風にコンデションはグッド。平日なので、人手はそんなに多くない。当方、シーズンの山行は久しぶりなので、登山道の渋滞等を恐れてましたが、今日は大丈夫そうです。
8:35に二俣到着。空いていると思ったのですが、結構人手ありますね。さすが人気の山域のシーズン。今年は人に会うことが稀な山行を続けていたので、結構違和感があります。
ここから急登が始まるので、新調したカーボンストックを取り出す。当方のストックは珍しいT字の取っ手です。これまでは他の人と同様、I字のストックを使っていましたが、常念・大天井岳の残雪山行でピッケルを使ったとき、手の置き感覚が良かったので、T字にしてみました。
ゆるゆると右俣の急登を進む。さすがにテント装備のザックが肩にのしかかり、次々と後進の方々に道を譲る。装備の差はあるものの、皆さん健脚です。それでも、T字ストックがうまい具合に推進を助け、ゆっくりながらペースがつかめてきた。
地図上のお花畑地帯はあまり咲いておらず、立ち込めたガスと相まり、疲労感が大きくなってきた。以降、小屋泊りと思われるおばさんチームと抜きつ抜かれつを繰り返し、10:45に草すべりコースとの合流点に到着。結構バテましたが、見上げるとガスが抜けた稜線と高山植物が見え、若干盛り返す。
11:10、やっと稜線に出て、仙丈ケ岳が目前に姿を見せる。この樹林帯の登りに耐え、稜線に出たときの感動はいつもながら大きいですね。では、肩ノ小屋まであと30分、気合入れて出発。前方を見ると、広河原方面からガスが流れていています。前回鳳凰三山の時も北岳方面はガスがかかり、残念な思いをしましたが、今回も同じような感じです。野呂川の渓谷沿いはガスのたまり場なのでしょうか?それにしても脚が・・・、上がりません!売り切れ真近です。悶えながら歩を進めると、「がんばれ!!小屋まであと3分」の張り紙を発見。「結構気がきいているなあ」と感心しつつ、11:55、北岳肩ノ小屋に到着。「やったぜ!3,000メートルまでテントを担ぎ上げたぞ」と心の中でガッツポーズ。
小屋でテント泊の受付を済ませ、メインサイトに降りると、今のところ2張りのみです。早速平らなサイトを確保し設営完了。でもこのサイト、広河原方面にひらけておりますので、当然ながらガスが立ち込め視界ゼロです。テンションが下がりつつ、トイレに行くと、反対側にも小さいながらサイトがあり、こちらは仙丈ケ岳がバッチリ真ん前に見える。しかも誰もいない。30秒間考えこみ、面倒ではあるが、テント移動を決断。速攻でテント内に散らばった荷物をザックに詰め込み、テントは設営状態のまま稜線の反対側に無理やり運び出す。
無事、移設を完了し、テントに座り外景を楽しむ。なぜ一旦立てたテントを移動する様な面倒くさいことをするのか?それは、当方の山行の大きな目的はピークハントよりも、テントから景色を堪能しつつビールを飲むことにあるからです。これの達成のためであれば、時間や体力を使ってもやりますよ!
ザックに雨具と非常食を詰め、身軽になって日本第二位の北岳を目指す。やっぱり身軽になると脚が軽い。標高が高いため、鼻歌交じりとはいきませんが、軽快にガレ場を登る。程なく、白根三山の縦走路が眼前に登場する。「うわー、やっぱりかっこいいな!」当方は北アルプスよりもこの南アルプスのほうが好みですね。
13:45、とうとう北岳登頂。3,193メートル、やればできるじゃん。でも視界が良くないので、感動は思ったほど大きくなかった。記念撮影をお願いして、そそくさと下山開始。当方の頭の中は「小屋に着いたら、そのまま生ビールをオーダー、そしてベンチで一口飲んで、こぼれない様にしてテント場まで移動、そしてナッツとともに正式に乾杯!」である。
ということで、上記の計画通り、テント場でビールタイムに突入しましたが、肝心の景色が・・・。ガスが充満して何も見えません・・・。残念ですが、自然現象なので受け入れるしかありませんね。
ほろ酔い気分でテントで寝転がっていると、なんとガスが抜けてきて、仙丈ケ岳が復活。「これは乾杯、やり直しだな」と900円を握りしめて小屋まで小走り。山の上でビールに1,800円を浪費するばか者ですが、このために登ってきたので、しょうがない。なんにしても、3,000メートルのテント場で景色を眺めながらビールを飲むという目的は無事達成。
さて、今日のディナーはまるちゃん正麺でスタートして、尾西ドライカレーのコース。それにしてもまるちゃん正麺、美味しかった。これまではサッポロ一番味噌ラーメンの一択でしたが、今後は方針転換だな。
夕食時には既にガスが立ち込めており、夕景を堪能することが出来ず、その後特にやることがないので、ラジオでHNKを聞きながら、19:00には就寝。夜中は雨が降り、その後風が強くなってきた。天候変化の兆候。明日は雨降らないといいな。
【2日目】
3:45起床。テントから頭を出すと、星が見える。以外にも晴れている。本来の計画はこのまま下山することにしておりましたが、昨日の北岳山頂は景色があまり良くなく消化不良の感が大きかったので、「いっちょう、日の出を山頂で拝んでみるか!」と急遽計画変更。急いで湯を沸かし、インスタントコーヒーで体を目覚めさせ、4:15にヘッドランプ装備で出発。日の出時間は4:44なので、ちょっと厳しいか。慎重にかつ急いで登り、日の出時刻ぴったりに再び北岳登頂。なんとか間に合いました。
間ノ岳、甲斐駒、仙丈、鳳凰を始め、各山がよくみえます。「やはり、こうでなくては!」やっと、北岳登頂が完成したような感じです。富士山が見えないのは少し残念ですが、ほぼ100点の景色です。
テント場に戻り、絶景を眺めながらモーニングコーヒーを頂き、テント撤収。昨夜の雨で濡れていたテントは、ほぼ乾いていたので、撤収が捗りました。
天上のテントサイトに一礼して、6:25下山開始。開放感ある尾根をいい気分で進みつつ、当初計画では来た道を戻るつもりでしたが、「白根御池で美味しい南アルプス天然水でも飲んでいくか」とコースを草すべりに変更。分岐付近で青空に映える北岳を撮影。下はガスがかかっているので、これで見納め。
ガスのかかる草すべりを1時間程で下り、7:50、白根御池小屋に到着。綺麗な小屋で、池のほとりのテントサイトがいい感じです。美味しい水も出し放題なので、ここでキャンプもいいかもしれません。小屋の玄関に置かれたソフトクリームの置物に惹かれ、小銭入れに手を伸ばしつつ価格表をみると「600円也」。しばし考え、購入をあきらめました。昨日はビールに都合1,800円を出費するのに、600円に躊躇する自分は一体・・・。
白根御池からの下りは激坂でした。いろんなタイプの激坂があるのですが、ここは巨大な木の根のアスレチック・フィールドのような感じでした。正直ここを登れと言われると相当つらいんじゃないでしょうか?
ところで、今回、下りはストックを使っておりません。いつもストックを使うと上半身、特に首回りが痛くなるため、今回は背筋を伸ばしつつ下ってみました。確かに脚には来るのですが、上半身が楽でした。また両手が開くので、攀じ降りるような急坂ではかえってストックなくてよかったとの感想です。
それでも1,500メートルを一気に下り降りるので、最後の方は脚の踏ん張りが効かなくなってきました。
9:25、大樺沢コースとの合流点に到着し、今回の山行の終点が近づいてきました。木漏れ日の中、歩を進め、15分ほどで広河原山荘に到着。水場で頭から水をかぶり体をクールダウンさせ、つり橋を渡る。
登山路からアスファルトの道に戻ってきました。いつの山行もそうなのですが、当方はこの瞬間がとても好きです。達成感、満足感で一杯になり、鼻歌交じりでゴールに向かう時間。至福です。
9:50、登山口の広河原インフォメーションセンターに到着。11:00のバスに乗るつもりでしたが、乗合タクシーのおじさんにキャッチされ、10:00に出発。冷房の効いた車内から南アルプススーパー林道の景色を眺めつつ、10:45に芦安の駐車場に到着。
恒例の車とザックの写真を撮り、駐車場に併設の温泉で汗を流し、三ツ矢サイダーで今回の山行の締めを行いました。
本日も例のオリンピック予行演習の交通規制が敷かれていたので、首都高を含め渋滞なく、4時間掛からず、14:30には千葉県の印西市に無事帰着しました。この交通規制、恒久的にやってくれればよいのですが・・・(私的には・・・)。
【エピローグ】
台風が接近する不安定な天候の中、ガンガンにエアコンを効かせた部屋で、コーヒーを飲みつつ本稿を纏めております。写真整理の最中、2日目朝の北岳山頂の写真に、見えていなかった富士山が割とはっきり映っていました。「えっ、見えていたの?」。
この台風が抜けたら関東も梅雨明けかな?
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