記録ID: 1998012
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沢登り
白山
【白山】大白水谷から御前峰
2019年08月31日(土) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,527m
- 下り
- 1,520m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:00
6:10
40分
大白水谷入渓地点
6:50
160分
転法輪谷出合
9:30
140分
1820m二俣
11:50
20分
遡行終了点(平瀬道と合流)
12:10
30分
室堂
12:40
20分
御前峰
13:00
130分
室堂
15:10
平瀬道登山口
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大白川の駐車場は広く,十分空きがあった。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大白水谷は、登れる滝はホールドが豊富で,3級程度の簡単な登攀で登ることができ,登れない滝もすべて巻くことができます。そういう意味で,決定的な悪場がある沢ではありません。 ・中間に出てくる3m滝(15m滝の直前に出てくる滝)は少し通過に難儀しました。滝の右手の垂壁をショルダーや空身+荷揚げでクリアされている記録も見られますが,ちょっと難しそうだったため,滝手前の右手のガレた斜面を這い上がって高巻きしました。過去の記録では簡単にこのガレを登ることができているようなのですが,今回私が通過した際は,時間とともに浸食されたためか,かなり切り立って不安定になっていました。 ・雪渓は融解してしまったようで、全く見当たりませんでした。 |
その他周辺情報 | 大白川露天風呂。駐車場のすぐ近くにあります。白山レイクサイドロッジで料金(大人350円)を払って入浴できます。秘湯のイメージで野趣に溢れる建物を想像していたのですが,実際にはこぎれいな温泉です(きちんと男女別,脱衣所もあり)。 大白水谷の岩に付着していた白い温泉成分と同じものがこの温泉の湯船にもびっしり付着しており,大白水谷の水を沸かしたらこんな感じになるのかな、と感慨深いものがあります。大白水谷遡行とセットでぜひ。 |
写真
白い岩と青い水,周囲の樹林も豊かな素晴らしい渓相で,初見から心を奪われる。心配していた水量はそれほどでもなく,渡渉は容易。ただ,さすが白山,たくさんの雪渓に育まれた水は冷たく,足が痛いほどに冷えていく。
転法輪谷の出合いは水流2:1くらいで大白水谷のほうが大きく,入る谷を間違えることはないと思う。
転法輪谷を過ぎると谷が狭まり,最初の関門である3m滝,8m滝,20m滝が連続して現れる。
最初の3m滝(写真)は,瀑水を激しく浴びながら左手から登っていく。
転法輪谷を過ぎると谷が狭まり,最初の関門である3m滝,8m滝,20m滝が連続して現れる。
最初の3m滝(写真)は,瀑水を激しく浴びながら左手から登っていく。
滝の左手の壁が登れる。3級程度の登りで,ホールドは豊富にあり,決して難しくないが,高度感があるので少し緊張する。また,浮石も多いので,ホールドを使うときには安定しているか確認が必要。滝からあまり離れないラインを登ったほうがホールドが多くて登りやすい気がした。
(ちなみに,この滝は無理に直登しなくても,左右どちらからでも高巻きが可能なように見えた。実際には確かめていないので難易度は不明ですが…)
(ちなみに,この滝は無理に直登しなくても,左右どちらからでも高巻きが可能なように見えた。実際には確かめていないので難易度は不明ですが…)
この滝を直登する場合,右手の壁をトライする記録が多いが,左手からのほうが難易度は低く登りやすい。最後の一手が少しだけ思い切りが要るが,ホールドはちゃんとあり,それほど難しくない(3級程度)。
(なお,この滝も右手の斜面から簡単に巻けそうでした。)
(なお,この滝も右手の斜面から簡単に巻けそうでした。)
記録では3m滝の右手の壁を空身で越えている方もいらっしゃるが,ちょっと難しそうだったため,滝の手前右側のこのガレた斜面を這い上がることにした。取りついてみるとかなり不安定で,一歩ごとに岩がボロボロに崩れていき,安定したスタンスがない。試行錯誤の末,最後は覚悟を決めて一気に安全地帯まで這い上がった。
面白いのは,このあたりの滝は写真のように温泉成分?が付着して白くなっているものが多いこと。この温泉成分のせいかどうかわからないが,確かにこの沢は,沢独特の生臭いにおい(いわゆる「沢臭」)が全くしない。魚影も全くない。水をすくって飲んでみると,心なしか少しケミカルな後味がするような気がする。
二俣に到着。通常,日帰りの場合は左俣に進路を取って大倉山避難小屋付近に詰めあがることが多いが,現時点で9:30。時間は十分ある。せっかくなので右俣の本谷に入り,稜線まで詰め上げることにした。
と,ついに沢形は斜面に吸収され,行く手にハイマツの藪が現れた。ここで思案。このままハイマツの藪漕ぎに突入し,御前峰の山頂まで道なき道を直登するのが沢登りのフィナーレとしては最も正統的で美しい。しかし登山道からは丸見え…。結局,近くを通っているはずの平瀬道に合流して,正規の登山道経由で御前峰を目指すことにした。
真ん中の尾根が平瀬道の通っている尾根。その左手の白くうねっている谷が大白水谷。
実は平瀬道を使うのは今回が初めてだったが,ブナやシラカバの大木がびっくりするほど林立しており,お気に入りの白山の道の一つとなった。
実は平瀬道を使うのは今回が初めてだったが,ブナやシラカバの大木がびっくりするほど林立しており,お気に入りの白山の道の一つとなった。
装備
備考 | ・40mロープを持参しましたが,使いませんでした。 ・この谷は水に温泉成分が溶け込んでいるせいか,岩にぬめりが全くと言っていいほどなく,フリクションは非常に良好です。ラバーの沢靴の性能を最大限に発揮できます。 ・この谷の水には温泉成分が含まれているようですが,谷の水を飲みながら遡行しましたが今のところ体に異変はありません(味は確かに少し変わった後味がしましたが,そこまで悪くありません。)。ただ,気になる人は水を担いでいったほうがいいかもしれません。 |
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感想
白山東面は山スキーで何度か行ったことがあったが,夏に,しかも沢登りで訪れるのは今回が初めてだった。スキーを担いで自転車を延々と漕いで通った白山公園線を自動車でかっ飛ばすのは何だか不思議だった。あのカンクラ雪渓の下はどうなっているのか見てみたいというのも,今回の山行の隠れた興味の一つだった。
しかしそんな興味とは関係なく,大白水谷はそれ自体として素晴らしい谷だった。爽快に登れる滝や,谷全体に満ちた明るい雰囲気も素晴らしいが,何よりも延々と谷を遡った末にたどり着く源頭の高山的な雰囲気が良かった。広い高原の中をゆったり散歩しているようで,本当に気持ちがいい。序盤の静かな始まり方,中盤のスリリングな核心部,そして源頭の天国的なフィナーレと,通してみるとなかなかよくできた物語性がある谷であると思う。日帰りの場合,核心部が終わったら大倉山避難小屋にショートカットするのが一番経済的だが,源頭まで詰め上がってみるのも起承転結が楽しめてなかなか楽しいと思う(「結」部分があまりに長すぎる,というきらいは確かにありますが^_^;)。
今度は是非お隣の小白水谷を遡って,御前峰と剣ヶ峰のど真ん中に直接詰め上がってみたいと思っている。
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