冬の燕岳、白銀の北アルプスの大展望(単独行)


- GPS
- 46:10
- 距離
- 31.7km
- 登り
- 2,333m
- 下り
- 2,333m
コースタイム
1/15:7:20 有明荘(中房温泉登山口)−11:00合戦小屋―15:50-13:10燕山荘−13:40合戦小屋−15:50有明荘(泊)
1/16:7:00有明荘−10:40宮城ゲート
天候 | 1/14 曇り 1/15 晴れ 1/16 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
船
(帰り)宮城ゲートー(タクシー)−穂高駅ー(JR)ー松本ー(JR)−新居浜 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・宮城ゲートから有明荘までの車道は、最初は雪はほとんどなし。途中から雪がでてくるが、スニーカーで歩ける程度。 ・中房温泉登山口から燕山荘までの登山道は、積雪はたっぷり。年末年始時期のトレースがまだ残っていて、潜るようなところは少なかった。合戦小屋から上部は、雪がクラストしているところが多く、アイゼンがよく利いた。 ・この時期、燕山荘は閉鎖。 ・有明荘は営業していた。部屋に炬燵あり。温泉にも入れた。 |
予約できる山小屋 |
中房温泉登山口
|
写真
感想
【山行No 128】
※年末年始は天気もあまり良くなくて冬山に行けなかったので、
成人の日の連休を利用して、燕岳に行くことにした。
この期間は、燕山荘は開いていないので、ふもとの中房温泉からのピストンでの計画
1月14日(土)
・前夜、新居浜発の夜行フェリーで出発する。
すでにこの時から風邪気味で体調がイマイチだったが、せっかくの連休ということで、行くことに決めた。
ザックの中の薬用のポーチには、風邪薬と体温計を入れてある。
・早朝、大阪に着き、JRにて松本まで行く。松本から大糸線で有明駅へ。
12:10 有明駅
・中房温泉までは車で行けないことは事前に調査済み。
ゲートのある宮城というところまで、タクシーで行く。タクシー代は1800円だった。
12:30 宮城ゲート
・ゲートを通って、さっそく車道を歩き始める。最初は全く雪がない。
登山靴はザックに中に入れ、スニーカーを履いて進む。
・延々と続く車道は長い。途中、ちょっとだけだが、工事関係の車に乗せてもらったが、ほとんどが歩き通し。
・地蔵峠付近を越えると、道に雪が出てきたが、車で圧雪されており、そのままスニーカーで進む。
今日は高曇りの天気で、上空は灰色の不機嫌な色を見せている。
遠く、大天井岳あたりの雪の稜線だけが、やけに白く光って見えていた。
・車道歩きも結構長く、風邪気味の体調もあって、なかなかキツイ歩きだ。
目指す宿もなかなか見えてこないうちに午後も遅くなってきた。
15:40 有明荘
・ようやく、予約した有明荘に到着した。しかし、正面玄関はピシャリと閉まっている。
呼んでも人のいる気配はなく、これは...玄関前で野宿になるのか? とさすがにあせった(汗)。
・よくよく探すと、裏側に回ったところに冬用の出入り口があり、何とか中に入れて、心底ほっとした。
・管理人というか、小屋番は若い人が2名。聞くと、今日の宿泊客は自分一人とのこと。
建物全体が廃屋のような侘しい雰囲気を漂わせる中、自分一人、
狭い部屋の炬燵に入り、ぼんやりとTVを見るのも、妙な雰囲気だ。
・温泉は湧いており、温まって風邪を治そうと思い、熱い温泉に浸かってみたが、
寝る頃には体温38.0℃と、少し発熱しだして、明日が不安だなあ..
1月15日(日)
・6時に起床、まだ暗い。部屋の中でお茶を沸かして軽く朝食を取っているうちに、夜が明けてきた。
7:20 有明荘 発(気温=マイナス10℃)
・外に出てみると、ピリッと良く冷え込んでいるが、上空は良い天気となっている。
風邪薬を飲んで寝たせいか、体調もそう悪い感じではないし、熱も37℃を切っているので、予定通り燕岳へのピストンを慣行。
7:40 中房温泉登山口
・登山口周辺にテントが2張りあった。少しでも人の気配がするのは、やはりほっとさせられる。
さっそく、登山道に入る。この付近で積雪は10cm程度。
夏道沿いに、年末年始のときに着いたものか?トレースも明徴にあり、
目印の赤布も所々あって、迷いようはない。安心して登れる。
8:20 第一ベンチ
・このあたりから、薄い雲海の層の中に入る。
雲海の層は薄く、しばらく登ると、青空が見えだした。
この付近で、ダイヤモンドダストらしき、キラキラした氷の舞を見ることができた。
9:00 第二ベンチ
・踏み跡は明瞭で、雪も締まってはいるが、傾斜が少し急になってきたので、ここでアイゼンを着ける。
・その後、2回ほど小休止を入れながら登高する。
標高が2000mを越えたあたりでは、雪は締ってはいるが、積雪量は1.5mほどの感じ。
・木々の間から、大天井岳あたりだろうか、白い稜線が見えてきた。
振り返ると、有明山が黒々と大きい。
さらに遠くには、八ヶ岳、南アルプス、富士山などが雲海の上に頭を出しているのが見えだした。
11:00-20 合戦小屋
・行程の半分は来たか? ちょっと長めに休憩とする。テントが一張あった。
・合戦小屋からは雪の急登を一登りすると、合戦の頭に出た。
合戦の頭からは、なかなかに良い展望が広がっており、八ヶ岳などのほか、
妙高山群、浅間山に続く上信の峰々もくっきりと見えている。
前を見ると、雪稜の向こう、燕山荘の小さい姿もくっきり見えだした。
・合戦の頭からは、雪稜を登ってゆく。それほど切り立った雪稜ではないが、
それでも冬山らしい登りを堪能できた。
雪面のシュカブラや、張り出した雪庇も、本格的な冬山らしくていい感じだ。 雪面は大部分がウインドクラストしていて堅く、アイゼンがよく利くところが多い。
ただし所々は足が結構潜るところもあった。全体としてはそう歩きにくいこともなく、順調に登高する。
12:50-13:10 燕山荘前(気温=マイナス10℃)
・風邪をひいてイマイチの体調の中、なんとか5時間をかけて稜線にたどり着くことができた。
登っているときは風もほとんどなかったが、稜線にでると西風が結構強い。
目前に燕岳の山頂が見えてはいるが、体調のことも考え、ここで燕岳”ほぼ登頂”ということにした。
・小屋は閉じているが、小屋の陰で休みながら、四周の景色を眺める。
今日は、冬山とは思えないほど、雲一つない青空が広がっており、
青空の下には、白銀の北アルプスの山々が、素晴らしい姿を見せてくれている。
黒々とした槍ヶ岳や、真っ白い大天井岳への稜線、北には遠く立山あたりまで見え、
冬山らしからぬ好展望を満喫できた。
・下りは来た道を淡々と下る。雪稜が続くが特に難しいという感じもしなく、ずんずんと下ってゆく。
しかし、さすがに風邪をひいている中に冬山を登ったせいで、
風邪薬の効果も切れてきて、ちょっとゾクゾクと悪寒がしだした。
13:40-50 合戦小屋
・合戦小屋から先は樹林帯の中を下るが、踏み跡もはっきりしているので、ペースは悪くない。
夕方に近くなってきたので、休みもあまりとらずに下る。途中に野猿の群れを見かけた。
15:40 中房温泉登山口着
・なんとか夕暮れ前に登山口に到着できて、ほっとした。
15:50 有明荘(泊)
・帰り着くと同時に、悪寒で体がゾクゾクする感じ。さすがに今日は無理をしたかな?
さっそく炬燵に入って温まりながら体温を測ると、37.8℃まで上がっていた。
あわてて風邪薬を飲む。
・夕食後、熱い風呂に入り、そのままさっさと寝床に入った。
1月16日(月)
・今日は下山日。今日も上空は青空が広がり、良い天気だ。
7:00 有明荘発(気温=マイナス10℃)
・朝焼けの風景を見ながら下山開始。ゲートまで長い道のりだ。
・地蔵峠あたりからようやく雪も少なくなった。
今日は工事のクルマもやってこなく、全線歩き通し。
10:40-11:00 宮城ゲート
・有明荘でタクシーを予約していたが、しばらくしてやってきたタクシーに乗り込み、ようやく登山終了でほっとする。
11:10-20 穂高駅
・ここから、昨日登った、燕岳の稜線がくっきりと見えた。
サクっと、厳冬期の北アルプスの稜線に登ったのが、なんだか妙な感じもした。
・ここからJRで、松本ー名古屋ー岡山を経由して帰路に着く。
さすがに風邪気味の体調を押して、無理に冬の北アルプスに登ったバチがあたったか?
新幹線の中で、熱が上がってきて、気分も悪く、立ちっぱなしなので、つらかった。
・20時過ぎに新居浜の自宅に帰着。この日の夜は熱が下がらず、最高39.7℃まで発熱した。
・・・さすがに、風邪で熱っぽいのに、冬山を登ったことを少々反省した今回の山行であった・・・
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