【1泊】鹿島槍ヶ岳・翁ヶ岳テント泊


- GPS
- 29:52
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 2,420m
- 下り
- 2,421m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 9:13
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
6:00に大谷原駐車場に駐車。 10台程度のキャパに4台。 飯田〜安曇野間は中央自動車道、長野自動車道共に被害なし。 駐車場少し手前から圏外。 鹿島川に沿って行く場合はセブンイレブン大町常盤店、ファミリーマート大町運動公園店あたりが最後のコンビニ。 駐車場までの道は夏道であれば乗用車でアクセス可 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白樺平〜冷乗越まで細いトラバースに注意 下りは木階段が濡れているとかなり滑る |
その他周辺情報 | 肉のマルト有明店さんが肉屋直営の焼肉屋なので美味い |
写真
装備
MYアイテム |
![]() 重量:-kg
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感想
先日の台風19号の被害、凄まじいものでした。映像でしか見ていませんが、千曲川が氾濫している映像は正に東北大震災を彷彿とさせるほどのものでした。
被害に遭われた方々の生活再建への道のりを想像するだけで、言葉に表せない想いがします。
さて、元より会社の連休があったため鹿島槍にテント泊で行ってきました。
元々は7月に行けなかった奈良田から臨む白峰三山縦走を考えていたのですが、南アルプスが台風19号の被害で軒並みアクセスができない状態でした。
奈良田-広河原間、北沢峠へのアクセスも無理。そもそも登山道もかなり被害を受けているようです。
元より崩れやすい南アルプス、今シーズンはもう無理ですね。
さて、被害が少なくアクセスできそうなのは中央アルプスか北アルプス。
せっかく1泊出来るなら日帰りでは行けないところにしたい。
しかし10月前半で小屋閉めしているところも多く、行けるところは限られてきます。
小屋閉め前なら新越山荘泊で針ノ木サーキット周回とか、キレット小屋泊で五竜鹿島槍縦走とかしたいなぁなんて思ってましたが。
と、鹿島槍のお隣の冷池山荘はギリギリやっている様子。
冷池山荘に泊まれば鹿島槍と翁ヶ岳を歩けるなぁなんて考えます。
冷池山荘には大谷原から赤岩尾根を登り上げるルートと、扇沢から翁ヶ岳を縦走してくるルートがあります。
扇沢からの方が上がるのが楽そうですが、駐車場が混雑しそうなのと、帰りに翁ヶ岳を登り返さなければいけないのがちょっと微妙かなと思い大谷原から登ることにしました。
急な登りを一気に登り上げるコースというのも気に入りました。
高い壁があれば挑戦したくなる、というやつでしょうか。体力ないんですけどね。
【Garmin】
Day1:https://connect.garmin.com/modern/activity/4177118357
Day2:https://connect.garmin.com/modern/activity/4177262616
【ブログ】
https://www.mountaineer-kurou.com/2019/10/kashimayari.html
■大谷原〜赤岩尾根登山口
林道歩きです。
緩やかに登っていきます。
途中分岐などありますが、標識があるため分かります。
ゲート前の標識に各山荘の営業状況が書いてありました。毎年書いてくれてるんでしょうか。有難いことです。
一箇所ケイタイポイントなる場所がありますが、mineoのdocomo回線の私は繋がりませんでした。しかし帰りの時は繋がったので、ガスの状況などにもよるようです。
しばらく行くと人工滝の下にあるトンネルを通ります。滝の裏側って初めてかも・・・。
トンネルを抜けたらそこは、不思議の街でした。。。なわけなくて登山口となります。
■赤岩尾根登山口〜高千穂平
少しだけ平行に移動した後、長い登りの始まりです。
樹林帯の急登を延々と登り上げていきます。
トラバースもほぼなくとにかく登って登って登りつくします。そろそろ疲れたなぁなんて思っても容赦なく登りでございます。
登りの途中に休憩スペースも1,2箇所あるかないかです。木階段、鉄階段が随所に出てきます。
この中でやっかいなのが木階段で、後で悩まされます。所々朽ちてはいますが登りは特に問題ないかと思います。
途中鎖場も出てきます。登りは使わずとも行けなくはないですね。
そうこうしている内にいつのまにか高千穂平に到着します。
■高千穂平〜冷乗越
高千穂平は平という感じの地形ではなく、尾根上の少し広いところ、と言った具合。
まとまった休憩を取るには良いのかなと思います。
高千穂平でもほとんどガスに巻かれて何も見えません。
チラッと鹿島槍北峰らしきものが見えましたが全容は分かりません。
元より午前中は雲予報なので気にせず登っていきます。
おそらくガスがなければ高千穂平付近は樹木はあるものの見晴らしは良さそうです。
白馬の街も見えるんじゃないでしょうか。
もうしばらく行くと白樺平があります。
こちらも尾根の上にちょっこりだけある休憩スペース。樹木は払われているので、おそらく鹿島槍が見えるのでしょう。
白樺平から先はコース難度Cに分類されていました。確かに今までの道とは違って尾根が細くなり、慎重に歩く必要が出てきます。
最後の方は岩壁をトラバースで登って行く感じで、かなり細くなっています。ガスなので緊張感がないのが逆に怖いですが、鎖をしっかり確保しながら歩きます。
このあたりで雷鳥に出会いました!
冬化粧に衣替えしている最中のようで、白が所々混じっていてかわいいです。安定のモフモフ感。
ただ岩場で足元もおぼつかないため慎重に写真を撮ります。夢中になって落ちたら洒落にならない。
鎖のトラバースを越えて少し行くと冷乗越に到着です。
乗越からは稜線なので景色が良さそうですがまだガスに巻かれています。テントを張るため冷池山荘に向かいます。
■冷池山荘〜テン場
冷乗越から少し下ってちょっこり登ると山荘に着きます。
山荘の中でテント場の受付を済ませます。
山荘内部は想像以上にしっかりしている&綺麗でした。
トイレも水洗で臭くない。凄い。
テン場は利用料1000円。
水1Lサービス券がもらえます。(通常150円)
番号を書いたプレートをもらい、テントの見えるところにくくりつけておくよう説明を受けます。
17時にスタッフの方が回収しにくることで、テント利用者の確認としているみたいです。
私は11:30頃に着いて6番目でした。
山荘営業終了間際、翌日が平日でこれなので、ハイシーズンは午前中に着かないとテント泊は無理そうですね。
1番乗りは10時台には到着しないと無理なのかな?
さて、冷池山荘のテント場の特徴が
見晴らしが良いこと
傾斜気味なこと
山荘からわりと登ること
です。
まず山荘から5分程登ります。
ちょっと傾斜もある普通の登りなので、酔ったりしてるとちょっと危ないかも。
トイレに行くにも登り返しを思うをちょっと億劫になりますね。
テント設営を終えると一旦荷物をサブザックに詰め替えます。今日の内に翁ヶ岳を往復するためです。
山荘まで下りて昼飯を取ります。
食料計画として1日目の昼は山荘に頼ることにしていました。
カレー食べたいなぁと思ってたんですが、カレーは売り切れ。生ビールも売り切れのようです。営業終了間近なので仕方ないですね。
ラーメンをいただく事にします。
靴を履いたままなら土足で入れる自炊室を勧められたので自炊室でしばし待つ子。
サクッと出てきたラーメンは醤油味のシンプルなラーメンです。
麺は中太でしっかり目、チャーシューとほうれん草も載ってて中々のクォリティでした。
美味しかった。
山荘を後にして翁ヶ岳へ向かいます。
■冷池山荘〜翁ヶ岳(中峰)
山荘からはゆるゆると登っていきます。
この頃には雲が大分取れてきて、翁ヶ岳から立山連峰も良く見えるようになってきました。立山と剱岳をこの目で見るのは初めてな気がします。
剱岳って名前からしても山容からしても完全にラスボスですよね。ザクザクしてます。
カッコイイ。
翁への登りは緩やかな稜線をゆるゆると登っていきます。
翁ヶ岳は三峰に分かれており、北峰へは道がついておらず、中峰が最高点です。
近くに見えて意外と遠い稜線あるあるを感じながら、少しずつ歩いていくと中峰に登る分岐があります。
急な斜面を少し登ると翁ヶ岳中峰に到着です。南には針ノ木岳、蓮華岳。西に立山連峰を臨み、北には鹿島槍が見えます。
東は麓の街を見下ろせるのでしょうが、雲海が広がるばかりです。
針ノ木岳は針ノ木峠が分かりやすい形をしているのですぐに分かりましたが、蓮華岳がびっくりしました。
針ノ木岳から見た蓮華岳と全く山容が違います。
例えて言うなら針ノ木岳から見る蓮華岳はオーム(王蟲)を正面から見た感じで、翁ヶ岳から見る蓮華岳はオームを横から見た感じです。
西から見た蓮華岳は端正で美しい山容だと感じましたが、北から見た蓮華岳は間延びしている印象を受けます。
見る角度でこうまで印象が違うとは、なんとも不思議なものです。
元々針ノ木岳を見たくて翁ヶ岳に来ているので、中峰から見えたので良しとします。(南に行くのがめんどくさかったわけじゃないです多分)
冷池山荘に引き返して行きますが、今度は鹿島槍が目の前に聳え立ちます。
しかも雲間から少し太陽光が差してイイ感じに美しい。
鹿島槍というとなんだか槍ヶ岳の二番煎じのようで最初はあまり興味が湧きませんでした。しかしなんのなんの。
後立山連峰主峰の名に恥じぬ荘厳な雰囲気の山容です。厳粛、と言えば良いのかなんなのか。
北アルプスって人気があり過ぎて有名所は避けていたんですが、人気の理由は伊達じゃないですね。
こんなん見たら誰だって好きになるし、また来たいと思います。
鹿島槍に見惚れながらサクサクと降りて行き、テントまで戻ります。
なんでしょうね、このテントに戻る時のお家に帰る感。夢のマイホームですね。
テント場に帰るとさっそく1杯ビールをいただきます。
プシッ、ゴクッゴクッ、くぅ〜!
って感じです。
テン泊装備で結構歩いたのでクタクタです。
こんな時に飲むビールは格別ですね。
因みに山荘のビールは麒麟の一番搾りでしっかり冷えてましたね。
そして本日のメインディッシュ、肉!
今回はテント泊のためにクッカーを新調しました。肉を焼くためのフライパンが欲しかったからです。
手始めにウインナーを焼きます。
ジュウジュウです。
が、外はよく焼けるんですが中に火が通りません。仕方ないで食べて焼いて食べて焼いてを繰り返します。
でもうんまい。
そして・・・メインの肉!
静岡牛のちょっといいやつを冷凍して持ってきました!
さぁ焼くぞ!
カチッ
カチッカチッカチッ
・・・・
シュゴーって言わなくね?
ん?
まままままさか。
ガスがない!?
やってしまいました。
やらかしました。
まさかのテント泊で残り少ないガス缶を持ってくるというポカミス。
とりあえず非常食関係で明日はなんとか持つし山荘もあるから死ぬことはないけど・・・
いやいや下手したら危険じゃないですかこの状況。
お肉を無駄にしたのも凹むし、危険な状況を作ってしまったのも凹むし・・・。
反省しきりです。
ガス缶の残量管理しなきゃいかんですね。
てことでウインナーと米は食べれたものの、用意した他のものは全く食べれずに終わりました。悲しい。
自分の確認不足なので仕方ないですね。
あとはやる事がなくなったので小説を読んで過ごします。
今回はダウンやら防寒具を充実させたので寒さは感じませんでした。
気温は5月末に行った前回とあまり変わらず4℃程度。前回はかなり寒い思いをしましたが今回は大丈夫そうです。
21時前頃には就寝します。
■テント場〜鹿島槍ヶ岳(南峰)
3:30に起床。
五目リゾットが水でも作れたので作りましたが、注意書きにある通り水だとあまり美味しくないです。食欲もなく多少残して出発します。
ヘッデンをつけ、まずは布引山まで登って行きます。最初はハイマツの中を平行に歩き、途中から登り始めます。
布引山まで淡々と登り上げ、布引山の山頂はスルーします。
布引山を過ぎると鹿島槍が目の前に立ちはだかります。
しばらく細めの稜線をゆらゆらと歩いて行き、鹿島槍核心部の登りに取り付きます。
と言っても急登にジグザグで道がつけてあるので淡々と登り続けます。
道はザレ場です。
昨日の酒の残りなのか朝食が不足しているのか分かりませんが、ザックが軽いにも関わらず身体がうまく動きません。
ですが登らないことには始まらないので
心を無にして登り続けます。
いつしか鹿島槍の山頂に到着します。
鹿島槍山頂に着き、北側を覗くとそこには後立山連峰の美しい稜線が待っていました。
伸びやかな八峰キレットの先に五竜岳、五竜岳の向こうには唐松、白馬岳が見えます。
何より白馬岳が本当に白いことに感動。
あちらもいつか行かねばと思います。
北東には鹿島槍の北峰が聳え、西を見れば剱岳、立山が。南を向けば翁ヶ岳、針ノ木岳、蓮華岳、槍まで見えます。
立山の南に大きな山がありましたがあれは薬師でしょうか。
ご来光は残念ながら雲が多く見れませんでしたが、360度の絶景に大満足です。
登って気づきましたが鹿島槍は後立山連峰の中で最も高いんですね。それで遮るもののない見晴らしがあるわけですね。
素晴らしい。
山頂をしばらく堪能した後コーヒーでも飲みたいところでしたがガスがないので仕方なく下りにかかります。
下りは下りで翁ヶ岳まで続く稜線が美しいですし、右手に常に立山と剱岳を見れるので全く見飽きません。
布引山には下りで寄りましたが、鹿島槍を眺めるには良い場所ですね。ご来光があるなら布引山山頂から鹿島槍のモルゲンロートを拝むのも良さそうです。
下りはサクサクと下ってきて、テン場に到着。一息ついたら撤収にとりかかります。
ちゃっちゃと片付けていきますが、テント付属のスタッフバッグに中々入らず苦戦します。テント用を別に買おうかな。
テント撤収完了した後ザックを背負うとあまりの重さに一瞬めげそうになりますが、頑張って背負います。
山荘に降りて水を補給します。
針ノ木小屋でも思ったんですが、冷池山荘の方々もいろいろ声をかけてくださってありがたいです。また来たくなりますね。
山荘を後にし、冷乗越まで登り返します。
大谷原ルートでいいところは翁ヶ岳まで登り返さなくていいところですかね。
天気が良ければ高千穂平までは見晴らしも良さそうです。
■冷乗越〜高千穂平
ここで立山連峰とはお別れです。
名残惜しく写真を撮り、大谷原の分岐から下っていきます。
登りではガスに巻かれて緊張感がなかったんですが、今度は雲の位置が低くしばらくガスがないため緊張感が増します。
崖に細いトラバースなので慎重に進みます。
登りよりも下りの方が重心を気をつけないとバランスを崩しやすく、一歩一歩慎重にいきます。
特に今回はテント泊装備で荷物が重いため、荷物に振られて滑落が怖いですね。
このクラスのルートを通る時はもっと軽量化を考えた方がいいなと感じました。
しばらく緊張する場面が続きますが、白樺平を過ぎれば危険箇所はほぼありません。
高千穂平までは見晴らしが良さそうなところを下っていきます。
左手にはずっと鹿島槍が見えるのが嬉しいところですね。
高千穂平まで下りるとこの先は樹林帯なので鹿島槍ともお別れです。
あぁ名残惜しい。
と言っても下らないわけにも行かないので下ります。
■高千穂平〜登山口
後はひたすら下るだけです。
が、ここに来て雲の中にあった登山道が露で濡れています。
乾いていればなんてことのない道ですが、濡れていると難易度倍増ですね。
滑らないよう慎重にとにかく下っていくと滝の音が聞こえ始め、登山口付近の滝が見えてきます。
その後もひたすら降り続けると登山口に辿り着き、後は林道を歩いて終了です。
しかし登った時の方が長い時間かかってるんですが、体感的には下の方が長く感じます。
不思議なものですね。
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