北岳 〜広河原ピストン〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,732m
- 下り
- 1,734m
コースタイム
天候 | 1日目:晴れ 2日目 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
復路はバス(1,050円+協力金200円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険なところはなかった。 2,700mあたりからは積雪があり要アイゼン。 積雪は吹き溜まりで50cmほど。 歩いたルートは雪がしっかり締まっていて、踏み抜きもなかった。 |
その他周辺情報 | 芦安から40分ほどの日帰り温泉施設「かじかの湯」 入浴料640円。 建物が新しく、露天、サウナがあり、居心地のいい施設。 |
写真
装備
個人装備 |
グローブ
防寒着
雨具
着替え
予備靴ひも
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
ポール
ヘルメット
携帯トイレ
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感想
ずっと気になっていながら足を伸ばすことがなかった北岳を、やっと歩いてきた。
南アルプスという山域の遠さもそうだが、駐車場所とルートの取り方の問題や、時間を無駄なく使えるプランが立ちにくかったりで、なかなか最優先の山にはなってこなかった。
たまたま今回の日程では2日目の天気が崩れそうとの予報でもあり、長い行程を組むのが難しそうな条件の中、北岳を歩くチャンスができた次第。
今シーズンの南アは、台風の影響を続けて受けてしまい、北岳へのアプローチはほとんど白根御池小屋経由に限られてしまっている。
おまけに中央道など交通の被害が長引いて、関東からの客足がガタッと落ちているとのこと。
宿泊した北岳肩ノ小屋でも、今年は例年より早く締めてしまう判断をしたということだ。
関西人にはなかなか実感しにくい台風の影響だが、想像以上に爪痕を残しているようだ。
まだそんな生々しい情報も意識することなく、早朝の芦安駐車場に着いた。
夜明け前の空は、一日晴れ予報なのに星が見えず、軽く不安を掻き立てる暗さ。
広河原へのバス移動に備えて準備をしていると声をかける人がいた。
乗り合いタクシーの運転手さんが、始発前の駐車場で1台1台に誘いの声掛け(営業)。
押しつけがましくもなく、柔らかい物腰が武器のようで、始発のバスを待っていた人たちの何割かを客にしてしまった。(私も含めて・・・)
バスより一足早く出発し、もちろん途中ノンストップだから到着は速い。
これでバスと50円の差(1300円)ならありがたい。
歩き出したのは、プランとそれほど違いはなかったが、なんとなくスムーズに時間が流れたような印象で気分のいいスタートが切れた。
ここから山頂までの標高差はおよそ1600m。
その割にルートは短い。
北岳のピークが近くに見えることにはちょっと驚いた。
だとしたら・・・のイメージに違わず、かなりの急登が続く。
この間までの暑さではないが、やはり顔、背中には汗がにじむ。
地形図の等高線を読んで地形を予想しながら歩いてみる。
ただしんどい登りを無心で歩くよりも、こんなことで気がまぎれると結構余裕にもなる。
GPSだとこういった使い方がしにくくて、やっぱり紙の地図をポケットに入れて歩いている。
・・・今の斜面はあと200m直登したら左にトラバース。
・・・隣の尾根に当たり、また緩やかに尾根道を上がると御池小屋に出る・・・
ぶつぶつ独り言を呟いて歩いている。
やはりソロ山行が良さそうだ。
森林限界を超えて、ひらけた視界を楽しみながらさらに標高を上げる。
周りの山や、行く手の北岳稜線にも時おりガスが覆うようになってきた。
午後にはすっかり隠れてしまうだろうか。
稜線に出ると、さすがに雪を踏むシーンが増える。
手前にちょうどいいスペースがあり、下りてきた数名の登山者のアイゼンを外していた。
(その中の二人が滋賀の方で驚いた!)
汗をかきながら登ってきた身にはちっと違和感があるが、今シーズンの初アイゼンを付けて雪を踏む。
降ってまだ数日以内だろうに、すっかり固く締まった雪は、もう根雪になる準備万端と言ったところか。
昨日以前の踏み抜いた深い足跡はあるが、自分で踏み抜くことは今回全くなかった。
標準コースタイムより1時間ほど早く着き、先にピークに向かうことにした。
間違いなく条件は明日より今の方がいい。
ピークまでの最後の200m弱、全身で楽しみながらゆっくり登る。
雪の白さと空の青さも申し分なし。
ピークで出合った登山者は2名。
途中の急登で抜かれた千葉からの男性と、御池小屋で泊まる予定の男性。
お互いに写真を撮り合ったりしながら長居してしまった山頂の時間。
この日の宿泊は私を入れて5人。
台風以降、すっかり客足が落ちたとの小屋番さんの話。
通常年より一週間ほど早い小屋閉めだそうだ。
外の備品などはほとんど小屋にしまいこまれ、スペースは何分の一かになってしまっていた。
スタッフはあれこれの作業にかかりながら私たちの応対もこなす忙しさ。
大きな顔でうろうろしているのが申し訳ない変な気分。
(その割にはしっかりおでんと熱燗で寛いでいたが・・・)
夕食時には、なんと一人一本の缶ビールがサービスされた!
冬に備えての処分なのだろう、食事も大皿でおかずが何皿か追加されていて、たった5人で囲むテーブルがなんとも賑やかに演出されたようだった。
食後はテーブルからストーブ周りに場所を変え、やはりそのメンバーで山の話に花が咲いての楽しい時間。
山頂で一緒だった方と、温泉巡りが趣味の調布の男性、名古屋からのカップル。
みなさん、ありがとうございました。 またどこかの山で会いましょう。
忙しい中でも私たちへの対応をおろそかにしない、スタッフのみなさんが素晴らしかったです。
ありがとうございました。
翌日は夜明けまでは何とか空が持ってくれたが、朝食を終えるとみぞれ交じりに雪がが降り出した。
みんなもう想定内のことと粛々と準備を済ませ、スタッフの「また来年!」の声に送られて小屋を後に。
雨の下山も同宿者と3人での会話に気がまぎれ、あっけないほど早く広河原に戻れた。
無事の下山を握手で祝い、そこで別れたみなさん、ありがとうございました。
それぞれに経験を重ねながらどこかで元気に再開できること、楽しみにしています。
まもなく雪に覆われ、人を寄せ付けなくなるこの山が、シーズンの終わりにちょっと笑顔を見せてくれたような初日の行程。
仙丈、甲斐駒、間ノ岳など顔をそろえて迎えてくれた。
また無事に笑顔で会えるように。 また来ます。
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