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Yamareco

記録ID: 214985
全員に公開
沢登り
日高山脈

カムイエクウチカウシ山 降り続く雨に耐えて難関の山へ

2012年08月09日(木) 〜 2012年08月12日(日)
 - 拍手
kyom4 その他6人
GPS
70:25
距離
40.6km
登り
3,404m
下り
3,404m

コースタイム

第1日目 
11:20駐車場所
12:30札内川ヒュッテ
第2日目
06:30札内川ヒュッテ
07:50七ノ沢出合
09:50八ノ沢出合
第3日目 
04:25八ノ沢出合
06:20三俣
08:00八ノ沢カール 
09:30カムイエクウチカウシ山山頂10:00
14:25八ノ沢出合
第4日目 
05:10八ノ沢出合
09:45駐車場所

天候 第1日目 晴れ後曇り
第2日目 時々小雨
第3日目 曇り 
第4日目 晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
帯広から国道236号で中札内へ
道道静内中札内線で札内川ダムを目指す
ダム手前のトンネル入り口に通行止めのゲートあり
道路脇に駐車
トイレ、登山ポストはありません

コース状況/
危険箇所等
札内川ダムから先の道で、橋が車で通行出来なくなっている為
ダム手前のトンネル入り口ゲートから舗装道路を歩きます。
長く暗いトンネルが幾つか続きますので、
ヘッドランプを用意した方が良いでしょう
札内川ヒュッテまでは、平坦な舗装道です

札内川ヒュッテからしばらく歩くと、舗装が途切れ未舗装
道が七ノ沢に向かって左に大きくカーブする地点で
広い河原に降り、沢靴に履き替えて渡渉が始まります
川幅はまだ広く水量も少なめで危険はありませんでした

八ノ沢出合にはテントを張れる余地が幾つかあります
ここから川幅が狭まり、流れも速まり
渡渉や沢沿いの樹林帯歩きの繰り返しが始まります
目印は少なめです

次第に傾斜が増してくると雪渓の残骸も見られるようになり
上を歩くのは危険が伴いますので、十分注意してください
滝の縁に沿う急勾配の道を登るとカールに着きます

カールにはテントを張れる余地がありますが
熊が出没しますので要注意です
カールから稜線までややきつい登りがありますが
一息で稜線、そこから右側の切れ落ちた尾根歩きです
右に巻いてお花畑を過ぎ、急坂を登ると山頂です

増水時の渡渉、沢沿いの道での滑落、熊に注意です
道路の通行止めにより、歩行時間も長くなっていますので
時間の余裕を持って入山されることをお薦めします

やって来ました国道236号線です
2012年08月09日 10:10撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 10:10
やって来ました国道236号線です
ダムが近付いてきました
2012年08月09日 10:40撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/9 10:40
ダムが近付いてきました
札内川ダム
大きなダムです
2012年08月09日 11:10撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 11:10
札内川ダム
大きなダムです
ダムの上空は晴れ
2012年08月09日 11:10撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 11:10
ダムの上空は晴れ
巨大なダムの壁面
2012年08月09日 11:10撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 11:10
巨大なダムの壁面
このトンネルから歩行が始ります
2012年08月09日 11:11撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 11:11
このトンネルから歩行が始ります
ダム湖の水量も少なめ
2012年08月09日 11:34撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 11:34
ダム湖の水量も少なめ
この橋がずれていて、車の通行不可なのだそうです
2012年08月09日 11:44撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/9 11:44
この橋がずれていて、車の通行不可なのだそうです
草が茂っていますが、豪雨の跡が微かにしのばれます
2012年08月09日 11:44撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/9 11:44
草が茂っていますが、豪雨の跡が微かにしのばれます
この沢から流れ落ちた水が橋を押し流そうとしたのでしょう
2012年08月09日 11:44撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/9 11:44
この沢から流れ落ちた水が橋を押し流そうとしたのでしょう
のんびり、ダム湖に沿って舗装道路を歩きます
2012年08月09日 12:28撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 12:28
のんびり、ダム湖に沿って舗装道路を歩きます
立派な橋、長いトンネルが続きます
2012年08月09日 12:29撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 12:29
立派な橋、長いトンネルが続きます
道路反対側にある札内川ヒュッテの標識
2012年08月09日 12:31撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 12:31
道路反対側にある札内川ヒュッテの標識
札内川ヒュッテ
小じんまりした快適な小屋でした
2012年08月09日 12:33撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 12:33
札内川ヒュッテ
小じんまりした快適な小屋でした
ヒュッテ横の案内板
2012年08月09日 12:34撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/9 12:34
ヒュッテ横の案内板
第2日目です
雲行きの怪しそうな天気の中を出発
2012年08月10日 06:18撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/10 6:18
第2日目です
雲行きの怪しそうな天気の中を出発
通行止めゲートが見えました
以前はここまで車で入れたのでしょう
2012年08月10日 06:27撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/10 6:27
通行止めゲートが見えました
以前はここまで車で入れたのでしょう
ここで舗装もおしまい
2012年08月10日 06:27撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/10 6:27
ここで舗装もおしまい
道路は林道のような感じですが、橋は立派!
2012年08月10日 07:21撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/10 7:21
道路は林道のような感じですが、橋は立派!
川の流れは緩やかで、水も少ない感じです
2012年08月10日 07:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/10 7:22
川の流れは緩やかで、水も少ない感じです
河原の脇には背丈ほどもあるオニブキが茂っています
2012年08月10日 09:19撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/10 9:19
河原の脇には背丈ほどもあるオニブキが茂っています
第3日目
いよいよ沢登りらしくなってきました
2012年08月11日 04:58撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 4:58
第3日目
いよいよ沢登りらしくなってきました
落差の大きい滝もあちこちに見られます
2012年08月11日 05:00撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 5:00
落差の大きい滝もあちこちに見られます
川から湯気が立ち上っています
2012年08月11日 05:35撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 5:35
川から湯気が立ち上っています
目指す稜線は雲の中のようです
2012年08月11日 05:35撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 5:35
目指す稜線は雲の中のようです
随分汚れていますが雪渓の残骸
2012年08月11日 05:47撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 5:47
随分汚れていますが雪渓の残骸
ここにも雪渓に流れ落ちる滝
2012年08月11日 05:50撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
3
8/11 5:50
ここにも雪渓に流れ落ちる滝
雪渓の縁を恐々登ります
2012年08月11日 05:52撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 5:52
雪渓の縁を恐々登ります
滝が見事です
2012年08月11日 05:53撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 5:53
滝が見事です
ぱっくり口を開けた雪渓のドームは恐ろしげ!
2012年08月11日 05:54撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 5:54
ぱっくり口を開けた雪渓のドームは恐ろしげ!
三俣
素晴らしい滝ですね!
沢登りの魅力が少しわかってきた気がします
2012年08月11日 06:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
3
8/11 6:22
三俣
素晴らしい滝ですね!
沢登りの魅力が少しわかってきた気がします
振り返ると、空がやや高曇りに
2012年08月11日 06:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 6:22
振り返ると、空がやや高曇りに
凄いですね!湖の脇を通過するのですから正に沢登りの醍醐味を満喫!
2012年08月11日 07:12撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
3
8/11 7:12
凄いですね!湖の脇を通過するのですから正に沢登りの醍醐味を満喫!
周囲の山々が徐々に見えてきて嬉しくなります
2012年08月11日 07:16撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 7:16
周囲の山々が徐々に見えてきて嬉しくなります
シソバミズホオズキ
2012年08月11日 07:21撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 7:21
シソバミズホオズキ
ミソガワソウ
2012年08月11日 07:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 7:22
ミソガワソウ
この上がカールなのでしょうが、急坂の沢登りが延々と続き、きついです
2012年08月11日 07:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 7:22
この上がカールなのでしょうが、急坂の沢登りが延々と続き、きついです
雲の下に下方の山が明るく見えています
2012年08月11日 07:54撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 7:54
雲の下に下方の山が明るく見えています
カールに近づきましたが、上方は視界がありません
2012年08月11日 07:54撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 7:54
カールに近づきましたが、上方は視界がありません
チシマフウロ
2012年08月11日 07:58撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 7:58
チシマフウロ
遭難慰霊碑がありました
2012年08月11日 07:59撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 7:59
遭難慰霊碑がありました
ピラミッド峰方面
2012年08月11日 08:06撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:06
ピラミッド峰方面
カールの上部
2012年08月11日 08:06撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 8:06
カールの上部
山頂が見えないのが残念です
2012年08月11日 08:06撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:06
山頂が見えないのが残念です
振り返るとカールの草原越しに形の美しい峰が見えました
2012年08月11日 08:06撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 8:06
振り返るとカールの草原越しに形の美しい峰が見えました
エゾツツジ
まだ蕾です
2012年08月11日 08:11撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:11
エゾツツジ
まだ蕾です
こちら咲き始めたエゾツツジ
2012年08月11日 08:11撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 8:11
こちら咲き始めたエゾツツジ
よくぞ登ってきました
2012年08月11日 08:15撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 8:15
よくぞ登ってきました
一瞬、雲が途切れた稜線
2012年08月11日 08:19撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:19
一瞬、雲が途切れた稜線
わあっ!青空
2012年08月11日 08:26撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 8:26
わあっ!青空
下は明るいのですが、稜線が雲の境界のようです
2012年08月11日 08:27撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:27
下は明るいのですが、稜線が雲の境界のようです
目指す山頂方面、まるで視界なし
2012年08月11日 08:30撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:30
目指す山頂方面、まるで視界なし
ヒメクワガタ
2012年08月11日 08:31撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:31
ヒメクワガタ
エゾウサギギク
2012年08月11日 08:31撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:31
エゾウサギギク
ピラミッド峰でしょうね?
2012年08月11日 08:31撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:31
ピラミッド峰でしょうね?
オトギリソウ
2012年08月11日 08:32撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:32
オトギリソウ
タカネヒゴダイ
2012年08月11日 08:35撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 8:35
タカネヒゴダイ
レイジンソウ
2012年08月11日 08:35撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 8:35
レイジンソウ
ヨツバシオガマ
2012年08月11日 08:35撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:35
ヨツバシオガマ
あの底の方から登って来たのですね!
2012年08月11日 08:37撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 8:37
あの底の方から登って来たのですね!
お花畑♪
2012年08月11日 09:21撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 9:21
お花畑♪
エゾツツジのお花畑
2012年08月11日 09:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:22
エゾツツジのお花畑
本当に可愛らしいです!
2012年08月11日 09:22撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:22
本当に可愛らしいです!
イワブクロも
2012年08月11日 09:28撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:28
イワブクロも
イワツメクサ
2012年08月11日 09:28撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:28
イワツメクサ
ウメバチソウ
2012年08月11日 09:28撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:28
ウメバチソウ
山頂に遂に到着しました!
2012年08月11日 09:30撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 9:30
山頂に遂に到着しました!
一瞬、幌尻岳が彼方に
2012年08月11日 09:37撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
4
8/11 9:37
一瞬、幌尻岳が彼方に
深い谷が時折見えます
2012年08月11日 09:45撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 9:45
深い谷が時折見えます
夢が叶いました♪
2012年08月11日 09:57撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
9
8/11 9:57
夢が叶いました♪
カール
2012年08月11日 11:05撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/11 11:05
カール
三俣まで無事下山しました
2012年08月11日 12:28撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
2
8/11 12:28
三俣まで無事下山しました
エンゴサクが咲いていました
2012年08月11日 13:11撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 13:11
エンゴサクが咲いていました
カールははるか上になりました
2012年08月11日 13:38撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/11 13:38
カールははるか上になりました
第4日目
晴れそうな気配です
一気にダムまで下山します
2012年08月12日 06:08撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 6:08
第4日目
晴れそうな気配です
一気にダムまで下山します
穏やかな感じのする流れです
2012年08月12日 06:08撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 6:08
穏やかな感じのする流れです
広い河原
2012年08月12日 06:53撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 6:53
広い河原
七ノ沢出合
2012年08月12日 06:53撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 6:53
七ノ沢出合
美しい空♪
2012年08月12日 06:54撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/12 6:54
美しい空♪
ゲートまで戻りました
2012年08月12日 08:26撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/12 8:26
ゲートまで戻りました
コイカクシュナイ岳登山口
この山も大変な山のようです
2012年08月12日 08:36撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 8:36
コイカクシュナイ岳登山口
この山も大変な山のようです
気になる尖峰が見えます
2012年08月12日 08:37撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 8:37
気になる尖峰が見えます
この茂みの中で、熊が鳴いていました
どうやら母熊とはぐれてしまったようです
悲しそうな声でした
2012年08月12日 09:03撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
5
8/12 9:03
この茂みの中で、熊が鳴いていました
どうやら母熊とはぐれてしまったようです
悲しそうな声でした
残念!シャッターチャンスを逃してしまいました
2012年08月12日 09:03撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
8/12 9:03
残念!シャッターチャンスを逃してしまいました
無事、駐車場所まで下山しました
2012年08月12日 09:42撮影 by  Canon IXY 210F, Canon
1
8/12 9:42
無事、駐車場所まで下山しました
撮影機器:

感想

昨年、神威岳、ペテガリ岳へ登り、最難関の山を残しておりました。
カムイエクウチカウシ山は、長い名前と共に私にとっては長く長く
登る事を待ち望んでいた山でしたから、昨年末から決意を固め
この日の為に準備をしてきましたが、はたして頂上に立つ事が出来るのでしょうか?

札幌駅に7時に集合し、知らない方々とこれから行動を共にします。
ついていけるでしょうか、迷惑にならないでしょうか?
そんな不安を抱えながら、札内川ダムに着きました。
昨年まではまだ先まで車で入れたそうですが
豪雨により橋が車の通行不可になり
ここから、長い歩きが始まりました。

計画では今日の内に八ノ沢出合迄行き、テント泊でしたが
天気予報が下り坂で、様子を見る為、札内川ヒュッテに宿泊することに。
山荘は二階建て、一階にトイレもあり、
ペテカリ山荘を一回り小さくした感じで、快適でした。
夜中にヒュッテの屋根を叩く雨音に何度か目が覚め、また心配になります。
増水の危険を幾度となく人から聞かされていたからです。

翌日は時々小雨の降る中を出発しました。
広い河原で沢靴に履き替え、渡渉が始まります。
水量はまだ気になるほどではないのですが、
この雨の一滴が増水を引き起こすと思うと
一刻も早く止んでほしいと祈るばかりです。

しかし、雨は次第に強まって来る気配、八ノ沢出合でテントを張りました。
テントを叩く雨音が強まると、川の音が消され
雨が弱まると川の音が轟々と響き、不気味な感じがします。
明日は、果たして登山できるのだろうか、雨が止まなければそのまま下山かと
シュラフの中で、ややもすると絶望的に…

第3日目、雨は明け方に止んでいました。
付近の山々は雲に覆われてはいるものの、雨の降り出しそうな気配もなく
まあまあの登山日和になりました。
増水した川の流れに足を取られるのではと心配ですが、
日帰りの装備で、心は軽やかに山頂目指して出発しました。

次第に斜度を増してくる川を幾度となく渡り、森林の中を時に迂回して歩きますが
目印はとても少なく、初めて来る人には分かりにくいでしょう。
又、豪雨によって川筋がよく変わるとのこと、
やはり一人で来られるような山ではないと実感しました。
川をそのまま遡っていけば、迷う心配はないでしょうが
体力がかなり消耗しますし、沢沿いを迂回して歩く方がやはり安全と思います。

三俣では三本の滝が実に見事でした。
飛散する水になんとも清々しい気力を戴きます。
この山の魅力はこのような素晴らしい荘厳な滝にもあるのかもしれません。
登山道は、一番右側の滝に沿って付けられており
急勾配、しかも水の流れ落ちる岩間を、沢靴でそのまま登って行きます。
登山靴は必要ないと聞き、驚いていましたが
ここで、ようやくその意味が理解できました。

登り切って、開けた草原が、八ノ沢カールでした。
どんな場所なのか想像もつかないまま、地図を眺めていた場所、
日高山脈の奥深くに広がる太古の地形に感動します。
今、本当にここに立つ自分が、誇らしく嬉しく感じます。
長い険しい道を、頑張ってきました。

カールから稜線への道はお花畑でした。
夏の花に交じって、トリカブトなど秋の花も咲き始めています。
ああ、もう秋はそこまで来ているのですね!
北の山々の夏の短さ、はかなさに淋しくなります。

カールの途中までは視界があるのですが
稜線は常に雲に覆われ、絶えず雲が降りてきています。
雲の中の稜線を、這い松を掻き分けながら進みます。
岩場あり、急斜面あり、ここでも気を抜けませんが
山頂まであと一息と自分を励ましながら歩きました。

一瞬、雲が切れ、幌尻岳が山頂から彼方に望めました。
この山が見えただけで良かったと、メンバーの誰かが呟きました。
誰もが完璧に晴れた日に山頂に立ちたいと願っても
それは許されるものではありません。
今日、この場所で得られた幸福に感謝できること、
それが大切なのではないかと思います。

幸い、風も思ったより寒く感じず
山頂での貴重な休憩時間をゆっくり、噛みしめるように過ごしました。
私にとっての北海道の最難関の山にこうして登れたことは
幸せな記憶としていつまでも心に留まるでしょう。
同行の皆様には大変お世話になりました。
有難うございました。

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コメント

カムエク登頂おめでとう
初めて山行記録を拝見しました。
300名山屈指の難関カムエクを征服しましたね。おめでとう。
天気があまり良くなかったようで残念でしたね。
私が二年前に登った時は天気が良く、コイボクカールの雪渓近くに親子連れのヒグマが二組遊んでいるのが見えました。
以前は七ノ沢出合まで車が入れたのに私の時は中札内ゲートまで。今はさらに手前までとだんだん遠くなる山ですね。
これからも元気であちこちの山に挑戦してください。記録を見るのを楽しみにしています。
2012/8/16 15:09
どんどん遠くなる山ですね、実感です
sanyujinさま コメント有難うございます。

難関の山頂がようやく踏めてほっとしております。
テントに当たる雨音を聞きながら、また来年も来なくてはいけないのかと不安になっておりましたが、どうやら山頂往復した日は雨に降られずに済みました

おかげさまで北海道の残す山はあと二つ(オプタテシケ、樽前山)になりました。驚異的です
本当に有難うございました。

前泊で半日時間があったので、レンタカーで樽前山もと、飛行機の中で思いつきましたが、知識、情報不足で実現ならず、ちょっぴり残念でした

また来年の楽しみにしたいと思います
2012/8/17 6:52
kyom4様、カムイエクウチカウシ山登頂おめでとうございます
ついこの間は、七倉岳に登っていませんでしたっけか。
その前には、北海道に行っていたような。
そして、また北海道へ? なんという羨ましいフットワーク。
私も、いつの日にかは、この山に登る日が来るのかもしれないので、恐る恐る拝見させていただきました。
もはや、ヒグマが現れても動じない境地でしょうか。凄い。
立派な舗装路なのに、車は通行止めなんですね。自転車もだめそうですか?
2012/8/19 18:42
カムエク行って参りました
moglessさま コメント有難うございます。

長年の夢だったカムエク、焦っておりましたが、遂に頂上に立つことができ、感無量でした。
その為にちょっときついトレーニングを…と、妙高、七倉など努力を重ねて 参りました

ヒグマは正直今だって、とても怖いです
ただ、橋の上から対岸の沢を高見の見物といった格好でしたので恐怖感がなかっただけです

車で入れる距離は昨年よりさらに後退しています。
橋の橋脚工事がされれば、再び車で奥まで入れるようになるとは思いますが、今のところ具体的にいつかはわかりません。
行かれる時は直前に確認していただくのが良いと思います。
自転車、バイクで、釣り人が札内川ヒュッテ付近まで入っていましたから、そのような手段があれば、時間短縮できるでしょうね
2012/8/20 19:32
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