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Yamareco

記録ID: 215318
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

西穂高岳〜新中尾峠

1979年10月06日(土) 〜 1979年10月07日(日)
情報量の目安: B
都道府県 長野県 岐阜県
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.1km
登り
1,634m
下り
1,637m

コースタイム

10/6
上高地(6:00〜6:40)〜西穂登山口(7:00)〜枝沢(7:40〜7:50)〜尾根の肩(8:45〜9:00)〜主稜線(9:10)〜
西穂山荘(9:25〜9:35)〜独標(10:25〜10:35)〜西穂高岳(11:35〜12:40)〜独標
(13:00〜13:30)〜西穂山荘(14:10〜  ) (18:00寝)

10/7
西穂山荘(7:00)〜槍見台(7:50)〜割谷山(8:45)〜新中尾峠(9:15〜9:30)〜岩小舎(10:00)〜
田代橋(10:30)〜バスターミナル(10:50)

天候 10/6:曇り 10/7:雨
この雨は台風のせいで、静岡に入って熱帯低気圧に
変わったらしい。
この間山に居たことになる。
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
10/6 乗鞍岳と焼岳(玄文沢左岸尾根より)
2012年08月14日 14:17撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:17
10/6 乗鞍岳と焼岳(玄文沢左岸尾根より)
笠ヶ岳(千石尾根分岐付近にて)
2012年08月14日 14:17撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:17
笠ヶ岳(千石尾根分岐付近にて)
独標
2012年08月14日 14:18撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:18
独標
西穂高岳山頂
2021年06月29日 13:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/29 13:54
西穂高岳山頂
西穂高岳山頂より一瞬の展望
槍ヶ岳・南岳・涸沢岳西尾根
2012年08月14日 14:19撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:19
西穂高岳山頂より一瞬の展望
槍ヶ岳・南岳・涸沢岳西尾根
涸沢岳・ジャンダルム・奥穂高岳
2012年08月14日 14:19撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:19
涸沢岳・ジャンダルム・奥穂高岳
10/7 雨に霞む紅葉
(割谷山のコル)
2012年08月14日 14:20撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8/14 14:20
10/7 雨に霞む紅葉
(割谷山のコル)

感想

 【 古い記録を整理する。 】

10月に入ると天気も安定し、そろそろ紅葉の季節だ。
紅葉見物も兼ねて10月の北アルプスへ出かけよう。台風が通過して二日目、好天を期待して。
比較的空いている深夜の急行「きそ」のボックスでゆったりと横になり松本へ向かう。

10/6
早朝の松本駅は流石に寒い。夜空に星は見えない。
朝一番の列車で新島々へ向かい、バスで一路上高地へ。
しかし、先日の台風で途中の産屋沢の付近で土砂崩れがあり、一部不通となり、5分ほど歩く。
周りの木々が朝露で濡れていると思ったが、細かい雨が降っている。
その後、マイクロバスで上高地へ入る。それにしても激しい土砂崩れだ。道路の両脇は押出された
岩、土砂が無残に転がっている。
今日の距離はさほどでもないので、バス停のベンチでゆっくりと朝食タイムにする。
腹にエネルギーが溜まると寒さも薄れる。
梓川左岸の自然研究路を行く。雨に煙った山腹を眺めながら・・・
田代橋、穂高橋を渡り右岸に移り、深い樹林の谷筋へ入る。玄文沢である。
やがて左へ焼岳小屋、真っ直ぐへ西穂高岳登山口の指標を見る。
広い谷底を生々しい台風の爪あとが残る中、露岩を踏んで行く。
傾斜はゆるいが、うっそうとしてジメジメした感じだ。
玄文沢が深く険しくなる頃、尾根にからんだ強引な登りになる。
玄文沢が左に遠く離れると、枝沢に出て水場となる。しばらくは沢に沿っての登りとなる。
雨は止んだが、雲に覆われているような霧だ。
やがて沢音が消え静かになると、気持ち明るくなる。見渡すと樹林越に展望が得られる。
低く垂れ込めた雲の上に出たのである。黄色くなったダケカンバの枝越に六百山の尾根や、
霞沢岳が雲の上に並んで眺められる。
霧で少しがっかりしていたが、このまま陽もささず気温が上がらなければ雲海がちぎれず、
北アの展望が期待できそうだ。知らず知らずペースが速くなるのを我慢して、ゆっくりと登る。
山腹の傾斜も少しおさまり、やがて唐松の疎林帯となるが、逆にコースがわかりづらくなり
踏み跡を慎重に探しながら登る。山腹のわずかな凹面を抜けると
平坦な尾根の肩に出たので倒木に腰を据え休憩する。霞沢方面を眺めながらミカンを食べる。
今年初めてのミカンは美味しい。
樹林の切り開きを抜けると、主稜線に出て焼岳、西穂高岳の分岐になる。
右に向かうとすぐに森林限界に飛び出して、目の前に北アの峰が広がる。
ザレの台地に立って乗鞍、焼、笠、抜戸の峰をカメラに収める。そして高みへ出るにつれ
裏銀座方面が開けてくるのがうれしい。  やがて西穂山荘となる。
この山荘は西穂〜焼の主稜線から新穂高側へ延びる千石尾根が張り出している、傾斜のゆるい
稜線上に建っている。きっと笠ヶ岳に沈む夕陽の眺めが素晴らしいだろうな。
ここまで登ってくれば後は、サブザックでの行動を残すのみ。ベンチで一息入れよう。
好天とは言えないが、北アの山容ははっきり見えるので良しとしよう。
こうして眺めると、北アの紅葉は始まったばかりだ。ダケカンバの黄が緑の中にアクセントをつけ、
ナナカマドの赤はもう少しかな。
  風が出ると冷えるので早速サブザックに昼食、防寒衣、コーヒーなどを詰め替えて西穂高岳へ
向かう。山荘から露岩の急登を少し行くとピークがいくつも待ち構える。独標〜西穂までに
どれほどアップダウンを繰り返すのかな。 右手には尾根が有り奥穂〜明神は見えない。
少し登ると這い松と花崗岩の庭のような尾根が広く、ゆるく延びている。
ザクを踏んで登ると独標と、その先のピラミッドのピークが聳える。
手前のピークをコルまで下りると、いよいよナイフのように切れ落ちた鋭い岩稜となる。
岩のペンキを頼りに行く。高度を稼ぐたびに裏銀座の黒部五郎岳、双六岳が現れ、千石尾根には
ゴンドラの往来が豆粒のように眺められる。険しい登りが続きやっとピークに立つと標木があり
独標( 2701m )である。左手には笠〜抜戸、黒部五郎、三俣蓮華、右手には奥穂〜明神の稜線、
振り返ると焼、乗鞍など北部の山が一望できる。一通り展望を楽しんだら先を急ごう。
コルまで下りて、更に高いピーク・ピラミッドの山頂を越え再びコルまで下りる。
コースは稜線上をやや岐阜寄りにからんで岩伝いに行く。
気をゆるめて浮き石にでも乗ったら蒲田川、右俣谷まで一気に転落だ。慎重に進む。
その後も何度もピークのアップダウンの繰り返しで、参った! 休もう。
そして目の前のピークを左に捲いて急登すると、やっと西穂高岳(2908m)に辿り着く。
気の抜けない場所の連続で非常に疲れた。やっとの思いで着いた西穂高の山頂から西は
すっかり雲に覆われ白一色。風も強くなってきたのでアノラックを着込みコーヒーを沸かす。
湯が沸いたころ突然ガスが吹き払われ、ジャンダルムから槍ヶ岳までの縦走路が広がった。
この景色をカメラに収めたので山荘まで引き返すことにする。

10/7
5時半に目覚めて、外に目をやると本格的な雨だ。今日の予定はもともと展望の無いコースだから
予定通り新中尾峠をめざそう。傘をさし、カッパを着込んで小屋を出る。
田代橋への分岐を右に取り、主稜線を行く。あまり人気の無いコースらしく樹林にササが茂り、
水が溢れている。主稜の割には貧弱な尾根である。小さなゆるいピークを越えて足元に気を
つけて行く。
しかし濡れたササの雫や、雨のために靴の中がじっとりしてきた。
枯葉を踏んで、誰一人出逢わない尾根を激しい雨に打たれて進む。引き返せば良かったかな。
 やがて平坦な尾根が登りに変わる。しかし山腹の紅葉が気分をなぐさめてくれる。
やせた尾根にへばりつくようなピークに出ると槍見台だ。好天時には槍ヶ岳が展望できるのかな。
今日は西穂山荘の屋根がぼんやり見える程度だ。
ピークを下ってすぐ左手に湿原があり、大きな池を見つける。地図を見るが名もない池だ。
相変わらずササが道を覆っている。尾根を長野側に寄って下るがひどい道だ。
雨水は道の中に溢れもう靴の中はびっしょりだ。せめもての慰めは山腹の紅葉だ。
緑、紅、黄と山腹を色とりどりに飾っている。
途中、針金に頼ってザレ地を通過し気がつくと、割谷山のピークも過ぎていた。
この雨では休憩もままならない。枝に傘を固定して立ったままの小休止だ。
硫黄岳とのコル手前には湿原や地塘も見られ得した気分になる。このコースを歩いて良かった。
しかし相変わらず尾根はやせて辿りづらい。
やがて右手に中尾の温泉街、左手に上高地、正面に焼岳が見えるともう峠も近い。
山腹にからみ急降下し、倒木を潜り抜けると右から中尾からのコースを併せ、新中尾峠となり、
焼岳小屋がすぐそこだ。扉を開けるとストーブの脇を案内されたが、全身ぐっしょり濡れているので
立ったままでストーブに当たらせてもらう。
手袋も生乾きになり、雨も気持ち小降りになったので小屋を出る。
焼岳の荒れた山肌を正面に見ながらササの海を下り、峠沢に沿った樹林に入る。
途中、岩小舎を右に見送りどんどん下ると梓川の河原に出る。
意外と荒れた河原は台風のせいか、焼岳からの崩れた土砂のせいか。
再び山側の樹林に入り湯沢の広い河口となって、泥流が何本も流れる中を横切り玄文沢を渡ると
静かな田代橋畔に出る。
バスターミナルで着替えを済ませ、さっぱりしたところで昼食を作る。餅入りそばを腹に収める。
一息ついてパッキングし直していると、臨時バスが出るのであわてて乗り込み
うとうとしている間に新島々に到着だ。


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