記録ID: 2169910
全員に公開
積雪期ピークハント／縦走
塩見・赤石・聖
聖岳東尾根 沼平からの周回
2020年01月01日(水) 〜
2020年01月04日(土)
長野県
静岡県
Luske
体力度
9
2〜3泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 78:48
- 距離
- 45.1km
- 登り
- 3,705m
- 下り
- 3,704m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
1日目
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 9:19
距離 19.2km
登り 1,791m
下り 390m
2日目
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 8:12
距離 5.0km
登り 709m
下り 110m
3日目
- 山行
- 7:17
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 7:48
距離 9.1km
登り 695m
下り 1,255m
| 天候 | 1/1 晴れ 1/2 晴れ 1/3 早朝小雪、日中は曇り時々晴れ 1/4 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
新東名自動車道 静岡SAスマートICから車で約2時間。 道路に雪や凍結箇所は無かったが、狭路が延々と続くので対向車に注意。 また、路上には小さな落石が多く、パンクせぬよう運転には神経を使った。 畑薙第一ダムゲート前には広い駐車場有り。 ゲート前の南アルプス登山指導センターは年末年始に職員の方が駐在しておられ、 ここで登山届と下山届を提出する。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
●聖岳東尾根（冬季バリエーションルート） 沼平から約15�厠啼擦鯤發い得斬�登山口より入山。 登山口周辺に雪は殆ど無く、標高1600m位から徐々に雪が増えてくる。 道はあるようで、雪が無ければ辿りやすいが、1900mから上は全域雪となる為、 進路の見極めが難しくなる。 ピンクテープやペンキマークは一応あるが、数が少なく、あまり当てにはならない。 年末年始でも入山者は少ないようで、他者のトレースも期待はできない。 （今回はトレース無し） 2300mから先は雪が更に深くなり、尾根幅が広まる為、ルートファインディングは 難しく感じた。 白蓬の頭から少し進んだ先で二重山稜となっており、ここでこれまで進んでいた 尾根を外れ、北側の尾根に乗る。 視界が良ければ樹林の間から二重山稜の地形が確認できるので、尾根を外れる ポイントと向かうべき方向は目視で判断できる。 標高2650m付近で森林限界。 森林限界から奥聖岳までは尾根幅の狭まい雪稜が続いており、急登、ナイフリッジ、 ミックスルート等の難所が多く、一般的な雪山ルートに比べると難しい。 ある程度の経験者向きで、初心者にはお勧め出来ない。 基本的にはリッジ上を進むが、登行中は常に赤石岳方向から風が吹き付ける為、 特にナイフリッジ通過時は注意を要する。 急登部については、今回はメイン：ピッケル、サブ：ウィペットを使用しての ダブルスタイルで登攀を行ったが、極端に難度の高い箇所は無く、ピッケル一本 でも十分だと感じた。（もちろん、ダブルの方が安定する。） 最後のミックスルートが核心とされているが、それ程難しさを感じさせるものでは 無く、雪の付き具合にもよるが、ここまで到達出来た登山者であれば、問題なく 登れるレベルだと思う。 登りのみでの通過であればロープは必要ないと思うが、奥聖岳ピストンの場合、 下降に不安が残る。 私としては、ロープ無しでも下降出来る難度だと感じたが、そこは個人差がある と思うので、東尾根を下降する計画であれば、ロープは持参した方が無難だろう。 奥聖岳まで登れば難所は終わり。 奥聖岳〜前聖岳までは難所となるような場所は無いが、風が特に強い場所なので 南側への滑落注意。 ●前聖岳〜聖平〜上河内岳〜茶臼小屋〜畑薙大吊橋 東尾根登頂後の下山で利用。 前聖岳以降はトレースがあり、特に困難な個所は無かった。 台風被害により3号吊橋と1号吊橋が無くなっていたが、代用の丸太橋が設置されて おり、問題なく通過できる。 登山道の崩壊箇所も幾つか見られたが、しっかりした踏み跡が付けられており、 慎重に進めば大丈夫だと思う。 1700mから下は殆ど雪は無いが、横窪沢小屋〜横窪峠へ上がる急登部に雪が残り、 スリップして危ない。 ここを通過する際は一時的にアイゼン使用した方が良いだろう。 |
| その他周辺情報 | 下山後の風呂は白樺荘が近い。 大人：510円 入浴は午後5時まで、食堂は15時まで。 火曜日定休。 |
写真
沼平のゲート前。
ここを訪れるのは2015年の冬以来。
またあの長い林道を歩くのかと思うと胸が高鳴る。
（悪い意味で）
ここを訪れるのは2015年の冬以来。
またあの長い林道を歩くのかと思うと胸が高鳴る。
（悪い意味で）
林道のトンネル。
このトンネル先で林道が崩壊しており、通行できなくなっている。
トンネル手前に迂回路が出来ているのでそちらを行こう。
このトンネル先で林道が崩壊しており、通行できなくなっている。
トンネル手前に迂回路が出来ているのでそちらを行こう。
ちなみに、トンネルを通って行くと…
御覧のあり様。
道が崩れて無くなっている。
戻って迂回路をを行く。
御覧のあり様。
道が崩れて無くなっている。
戻って迂回路をを行く。
赤石ダムから見える南アルプスの山々。
方向からすると上河内岳だろうか？
方向からすると上河内岳だろうか？
林道に雪は殆ど無いが、日陰に凍結路有り。
凍っていない場所を選んで慎重に通過。
凍っていない場所を選んで慎重に通過。
聖沢登山口に到着。
ここまでの林道歩き、約15�辧�
もうこれだけでお腹一杯なのだが…
ここまでの林道歩き、約15�辧�
もうこれだけでお腹一杯なのだが…
登山道をしばらく進むと東尾根の取付きに到着。入口には木の枝で×の字が描かれている。
ここから先はバリルート、という警告だろうか。
2
1/1 10:30
登山道をしばらく進むと東尾根の取付きに到着。
入口には木の枝で×の字が描かれている。
ここから先はバリルート、という警告だろうか。
入口には木の枝で×の字が描かれている。
ここから先はバリルート、という警告だろうか。
アプローチとなる尾根を登っていく。
標高1600mを越えた頃から、ちらほら雪が出てくる。
標高1600mを越えた頃から、ちらほら雪が出てくる。
1900mを越えた頃から雪道が本格化。
ここからはアイゼンで進む。
ここからはアイゼンで進む。
ジャンクションピークに到着。ジャンクションピークは進路が変化する重要ポイント。
見逃さないよう、周囲には多数のペンキマークが付けられている。
1
1/1 14:48
ジャンクションピークに到着。
ジャンクションピークは進路が変化する重要ポイント。
見逃さないよう、周囲には多数のペンキマークが付けられている。
ジャンクションピークは進路が変化する重要ポイント。
見逃さないよう、周囲には多数のペンキマークが付けられている。
ジャンクションピークを越えると雪が更に深くなる。
この辺りは前日に降雪があったようだ。
ワカンに履き替えて進む。
この辺りは前日に降雪があったようだ。
ワカンに履き替えて進む。
雪の深さはワカンを履いて踝程度。
この程度であれば、まだ負荷は少ない。
この程度であれば、まだ負荷は少ない。
標高2380m地点
ここで初日の行動終了。
良い感じに開けた平地があったので、そこにテントを張った。
ここで初日の行動終了。
良い感じに開けた平地があったので、そこにテントを張った。
冬季のテント泊は久しぶり。
2017年の塩見岳以来かな。
結構寒いが、風は殆ど吹き付けず、快適な野営が出来た。
2017年の塩見岳以来かな。
結構寒いが、風は殆ど吹き付けず、快適な野営が出来た。
翌日、1月2日の朝。
日の出前に出発。
ヘッドライトの灯りを頼りに樹林を進む。
日の出前に出発。
ヘッドライトの灯りを頼りに樹林を進む。
白蓬ノ頭に到着。正面には大きく赤石岳、その右奥には悪沢岳が見える。
この両山には2015年冬の南ア南部縦走で登った。
どちらも思い出深い山だ。
9
1/2 7:41
白蓬ノ頭に到着。
正面には大きく赤石岳、その右奥には悪沢岳が見える。
この両山には2015年冬の南ア南部縦走で登った。
どちらも思い出深い山だ。
正面には大きく赤石岳、その右奥には悪沢岳が見える。
この両山には2015年冬の南ア南部縦走で登った。
どちらも思い出深い山だ。
白蓬ノ頭を後にし、しばらく進むと二重山稜の地形が見えてくる。ここは重要ポイント。
ここでこれまで進んでいた尾根を外れ、北側（写真右側）の尾根へと移る。
2
1/2 8:28
白蓬ノ頭を後にし、しばらく進むと二重山稜の地形が見えてくる。
ここは重要ポイント。
ここでこれまで進んでいた尾根を外れ、北側（写真右側）の尾根へと移る。
ここは重要ポイント。
ここでこれまで進んでいた尾根を外れ、北側（写真右側）の尾根へと移る。
この辺は雪が深く、概ね脛ラッセル。今回、ワカンを持参するか迷ったが、持ってきておいて良かった。
ツボ足だったら、更に倍は時間を要しただろう。
2
1/2 8:39
この辺は雪が深く、概ね脛ラッセル。
今回、ワカンを持参するか迷ったが、持ってきておいて良かった。
ツボ足だったら、更に倍は時間を要しただろう。
今回、ワカンを持参するか迷ったが、持ってきておいて良かった。
ツボ足だったら、更に倍は時間を要しただろう。
南側には、二重山稜の間違い尾根が見える。
こちらを進まぬよう、注意しよう。
こちらを進まぬよう、注意しよう。
森林限界を超えると雪面はクラスト。ワカンを外し、アイゼンに換装。
これでようやくラッセルから解放された。
（と、安心するのは早かった。）
4
1/2 9:16
森林限界を超えると雪面はクラスト。
ワカンを外し、アイゼンに換装。
これでようやくラッセルから解放された。
（と、安心するのは早かった。）
ワカンを外し、アイゼンに換装。
これでようやくラッセルから解放された。
（と、安心するのは早かった。）
ここから先の雪稜は、これまで以上に難度が上る。風も一気に強くなる。
武器、防具の準備は念入りに。
シングルで行くか、ダブルで行くか迷ったが、折角ウィペットを持参したので、ダブルで行くことにした。
11
1/2 9:17
ここから先の雪稜は、これまで以上に難度が上る。
風も一気に強くなる。
武器、防具の準備は念入りに。
シングルで行くか、ダブルで行くか迷ったが、折角ウィペットを持参したので、ダブルで行くことにした。
風も一気に強くなる。
武器、防具の準備は念入りに。
シングルで行くか、ダブルで行くか迷ったが、折角ウィペットを持参したので、ダブルで行くことにした。
しかし、次第に幅は狭くなり、ナイフリッジが現れる。
ナイフリッジにトレースは無く、その切っ先はとても美しい。
ナイフリッジにトレースは無く、その切っ先はとても美しい。
両側が落ちているので、リッジ通しで進む。
綺麗なリッジを崩すのは気が引けるが、これ以外、通過の手立てが無い。
綺麗なリッジを崩すのは気が引けるが、これ以外、通過の手立てが無い。
三角形の綺麗なピーク。
その斜面はかなり急で、雪質はモナカ雪。
中途半端にクラストしており、ラッセル負荷が半端ない。
その斜面はかなり急で、雪質はモナカ雪。
中途半端にクラストしており、ラッセル負荷が半端ない。
三角ピークを越えて一休み。
振り返ると、そこにはいつも富士山が見える。
見守ってくれてるようで心強い。
振り返ると、そこにはいつも富士山が見える。
見守ってくれてるようで心強い。
雪稜上には時折、雪煙が立ち上がる。赤石岳側から常に風が吹き付けており、局地的に風が強まる場所が有る。
風で煽られて滑落しないよう注意。
5
1/2 11:07
雪稜上には時折、雪煙が立ち上がる。
赤石岳側から常に風が吹き付けており、局地的に風が強まる場所が有る。
風で煽られて滑落しないよう注意。
赤石岳側から常に風が吹き付けており、局地的に風が強まる場所が有る。
風で煽られて滑落しないよう注意。
更に進むと、進路の先にはジグザグの雪稜、
そして、その最奥には奥聖岳が聳え立つ。
ここから先が、聖岳東尾根の核心部である。
そして、その最奥には奥聖岳が聳え立つ。
ここから先が、聖岳東尾根の核心部である。
ミックスルートに続くナイフリッジ帯。これまで以上に細く見える。
恐ろしいけど美しい。
そんな神秘的な光景で、これを歩けるとは、登山者冥利に尽きる。
13
1/2 12:02
ミックスルートに続くナイフリッジ帯。
これまで以上に細く見える。
恐ろしいけど美しい。
そんな神秘的な光景で、これを歩けるとは、登山者冥利に尽きる。
これまで以上に細く見える。
恐ろしいけど美しい。
そんな神秘的な光景で、これを歩けるとは、登山者冥利に尽きる。
最後の休憩ポイント。
強風なので、あまりゆっくり出来ないが、十分に息を整えてから行く。
強風なので、あまりゆっくり出来ないが、十分に息を整えてから行く。
傾斜はかなり急。
ここの登りはダブルが安定した。
まぁ、シングルでも行けると思うけど。
ここの登りはダブルが安定した。
まぁ、シングルでも行けると思うけど。
お次の急登。
ここは雪付きが薄く、雪のすぐ下は岩。
ミックスルートに近い。
先の急登とは違うタイプなので、臨機応変に対応しよう。
ここは雪付きが薄く、雪のすぐ下は岩。
ミックスルートに近い。
先の急登とは違うタイプなので、臨機応変に対応しよう。
急登突破。
振り返り、歩いて来たルートを眺める。
我ながらすげぇ所に来たな、と思った。
振り返り、歩いて来たルートを眺める。
我ながらすげぇ所に来たな、と思った。
更に登って振り返る。
雪稜に自分のトレースが刻まれているのが心地好い。
雪稜に自分のトレースが刻まれているのが心地好い。
最後の難所、ミックスルート。
過去の記録を見ると、ここを核心と捉えているケースが多い。
さて、その難度は如何ほどか？
過去の記録を見ると、ここを核心と捉えているケースが多い。
さて、その難度は如何ほどか？
ミックスルートを観察。
一応、傾斜は付いており、ガバとなる岩も見える。
それ程難しそうには見えないが…
一応、傾斜は付いており、ガバとなる岩も見える。
それ程難しそうには見えないが…
ミックスルート突破。実際、登るのはそれ程難しくは無かった。
でも、下降はそれなりに難しそう。
もし、ここを下降するのであれば、念の為ロープを持参した方が無難かもしれない。
3
1/2 13:05
ミックスルート突破。
実際、登るのはそれ程難しくは無かった。
でも、下降はそれなりに難しそう。
もし、ここを下降するのであれば、念の為ロープを持参した方が無難かもしれない。
実際、登るのはそれ程難しくは無かった。
でも、下降はそれなりに難しそう。
もし、ここを下降するのであれば、念の為ロープを持参した方が無難かもしれない。
とりあえず、核心は通過したので一安心。
歩いて来た雪稜を眺め、心地よい満足感に浸る。
歩いて来た雪稜を眺め、心地よい満足感に浸る。
奥聖岳への最後の登り。斜面は広大なのでジグを切って登りたいところだが、10cm厚の弱層を確認したので、ジグは切らず。
雪崩を警戒し、出来るだけ直登を心掛けた。
4
1/2 13:11
奥聖岳への最後の登り。
斜面は広大なのでジグを切って登りたいところだが、10cm厚の弱層を確認したので、ジグは切らず。
雪崩を警戒し、出来るだけ直登を心掛けた。
斜面は広大なのでジグを切って登りたいところだが、10cm厚の弱層を確認したので、ジグは切らず。
雪崩を警戒し、出来るだけ直登を心掛けた。
ようやく登り切った。
歩いて来た東尾根を眺め、再び満足感に浸る。
歩いて来た東尾根を眺め、再び満足感に浸る。
後は、前聖岳まで難所は無い。
が、ここは標高3000mの稜線上。
風が強いので、煽られつつ進む。
が、ここは標高3000mの稜線上。
風が強いので、煽られつつ進む。
富士山の眺望が良く、幕営地に良さそう。まだ時間があるので、これから聖平小屋まで下って、そこに泊まる予定だったが…
ここで幕営したくなってきた。
6
1/2 13:45
富士山の眺望が良く、幕営地に良さそう。
まだ時間があるので、これから聖平小屋まで下って、そこに泊まる予定だったが…
ここで幕営したくなってきた。
まだ時間があるので、これから聖平小屋まで下って、そこに泊まる予定だったが…
ここで幕営したくなってきた。
そうと決まれば即決行。雪壁作ってテントを張る。
先にも述べた通り、10cm厚の弱層があるのでブロックを削り出す度にパックリ割れる。
壁造りは難航した。
3
1/2 13:55
そうと決まれば即決行。
雪壁作ってテントを張る。
先にも述べた通り、10cm厚の弱層があるのでブロックを削り出す度にパックリ割れる。
壁造りは難航した。
雪壁作ってテントを張る。
先にも述べた通り、10cm厚の弱層があるのでブロックを削り出す度にパックリ割れる。
壁造りは難航した。
求めていた壁の高さには到達しなかったけど、めんどくさくなったので、これで妥協する。この時は、まだこれで良かった。
…が、夜になり風が強まりテントは激しく揺さぶられる。
壁の高さに妥協してしまった事を、夜通し後悔する事となった。
15
1/2 16:18
求めていた壁の高さには到達しなかったけど、めんどくさくなったので、これで妥協する。
この時は、まだこれで良かった。
…が、夜になり風が強まりテントは激しく揺さぶられる。
壁の高さに妥協してしまった事を、夜通し後悔する事となった。
この時は、まだこれで良かった。
…が、夜になり風が強まりテントは激しく揺さぶられる。
壁の高さに妥協してしまった事を、夜通し後悔する事となった。
1月3日の朝。夜間、強風でテントが煽られ続けて殆ど寝れなかったが、朝になると風は弱まり一応落ち着けた。
しかし、翌朝の天気は今一つ。
山頂周辺は薄く霧がかかっており、富士山と日の出はボンヤリとしか見えなかった。
10
1/3 6:53
1月3日の朝。
夜間、強風でテントが煽られ続けて殆ど寝れなかったが、朝になると風は弱まり一応落ち着けた。
しかし、翌朝の天気は今一つ。
山頂周辺は薄く霧がかかっており、富士山と日の出はボンヤリとしか見えなかった。
夜間、強風でテントが煽られ続けて殆ど寝れなかったが、朝になると風は弱まり一応落ち着けた。
しかし、翌朝の天気は今一つ。
山頂周辺は薄く霧がかかっており、富士山と日の出はボンヤリとしか見えなかった。
朝方、弱い降雪があり、周囲は薄っすらパウダー。
僅かながらもモルゲンロートが見れた。
僅かながらもモルゲンロートが見れた。
聖岳（前聖岳）に登頂。
4年前の南部縦走以来の頂だ。
あの時は、ここが出発地だったが、今回はここが終着地。
4年前の南部縦走以来の頂だ。
あの時は、ここが出発地だったが、今回はここが終着地。
折角の山頂なので、景色を満喫したいが、周囲は雲が湧いており眺望は優れない。
感慨深い山頂だが、視界は優れず、風強い。
長居する気が起きず、急ぎ聖平へ下山する。
長居する気が起きず、急ぎ聖平へ下山する。
聖平からは何組か登っていたようでトレース有り。
トレースを辿り、一気に標高を落とす。
トレースを辿り、一気に標高を落とす。
雪が締まっており、アイゼンが気持ちよく決まる。
10分程度で200m位下降出来た。
夏道より早いかも？
10分程度で200m位下降出来た。
夏道より早いかも？
危険はあるが、東尾根に比べればずっと簡単。
トレースもあるので、スムーズに通過できた。
トレースもあるので、スムーズに通過できた。
小聖岳から下は樹林帯。
この先もトレースがあり、ラッセル無し。
ありがたい。
この先もトレースがあり、ラッセル無し。
ありがたい。
なかなか雰囲気の良い樹林。
風も吹きこまないので寒く無く、心穏やかに聖平へ向かう。
風も吹きこまないので寒く無く、心穏やかに聖平へ向かう。
聖平まで降りてきた。
この日の天気は今一つ。
3000m以下は雲に囲まれており、上空の視通は悪かった。
この日の天気は今一つ。
3000m以下は雲に囲まれており、上空の視通は悪かった。
聖平から上河内岳方面にもトレースは続いている。年末年始なだけあって、こちらルートは結構人が入っているようだ。
トレースを辿り、今夜の宿、茶臼小屋へ向かう。
3
1/3 9:34
聖平から上河内岳方面にもトレースは続いている。
年末年始なだけあって、こちらルートは結構人が入っているようだ。
トレースを辿り、今夜の宿、茶臼小屋へ向かう。
年末年始なだけあって、こちらルートは結構人が入っているようだ。
トレースを辿り、今夜の宿、茶臼小屋へ向かう。
南岳風を凌げる良い休憩地。
茶臼小屋まで行けそうにない場合はここで幕営するつもりだったが、時間はまだある。
茶臼小屋まで行ってしまおう。
2
1/3 12:21
南岳
風を凌げる良い休憩地。
茶臼小屋まで行けそうにない場合はここで幕営するつもりだったが、時間はまだある。
茶臼小屋まで行ってしまおう。
風を凌げる良い休憩地。
茶臼小屋まで行けそうにない場合はここで幕営するつもりだったが、時間はまだある。
茶臼小屋まで行ってしまおう。
肩から眺める上河内岳。山頂まで視界はあるが…
周囲は雲で巻かれており、眺望はあまり良くなさそう。
上河内岳へは登らず、茶臼小屋へ急ぐことにした。
3
1/3 13:12
肩から眺める上河内岳。
山頂まで視界はあるが…
周囲は雲で巻かれており、眺望はあまり良くなさそう。
上河内岳へは登らず、茶臼小屋へ急ぐことにした。
山頂まで視界はあるが…
周囲は雲で巻かれており、眺望はあまり良くなさそう。
上河内岳へは登らず、茶臼小屋へ急ぐことにした。
上河内岳の肩を後にし、茶臼方面へ進むと視界は良くなり、進路の先には茶臼岳が見えてくる。
茶臼小屋に到着。何とか午後3時前に到着し、一安心。
南アの山小屋は午後3時までに着かないと怒られるそうだからね。
（それは別の小屋の話か）
9
1/3 14:56
茶臼小屋に到着。
何とか午後3時前に到着し、一安心。
南アの山小屋は午後3時までに着かないと怒られるそうだからね。
（それは別の小屋の話か）
何とか午後3時前に到着し、一安心。
南アの山小屋は午後3時までに着かないと怒られるそうだからね。
（それは別の小屋の話か）
1月4日の朝。
日の出前。
茶臼小屋からは富士山のシルエットが見えた。
日の出前。
茶臼小屋からは富士山のシルエットが見えた。
この日は下山するだけだが、その前に茶臼岳へ登る。
茶臼岳への登りの途中で日の出を迎えた。
茶臼岳への登りの途中で日の出を迎えた。
茶臼小屋へ戻り、下山準備。
同泊した若者2人パーティを見送り、私も続く。
同泊した若者2人パーティを見送り、私も続く。
お世話になった茶臼小屋。今回、2度目の宿泊だが、富士山の眺めが良く、とても良いロケーションの山小屋だ。
冬しか泊まった事が無いが、夏にも泊まりに来たいものだ。
5
1/4 8:36
お世話になった茶臼小屋。
今回、2度目の宿泊だが、富士山の眺めが良く、とても良いロケーションの山小屋だ。
冬しか泊まった事が無いが、夏にも泊まりに来たいものだ。
今回、2度目の宿泊だが、富士山の眺めが良く、とても良いロケーションの山小屋だ。
冬しか泊まった事が無いが、夏にも泊まりに来たいものだ。
樹林帯を下る。
道はよく踏まれており、浮力は不要。
でも、傾斜はあるのでアイゼン要。
道はよく踏まれており、浮力は不要。
でも、傾斜はあるのでアイゼン要。
標高1900m
ここを過ぎると雪が段々減ってくる。
アイゼンを外すか否か、迷うところだ。
ここを過ぎると雪が段々減ってくる。
アイゼンを外すか否か、迷うところだ。
横窪沢小屋前の丸太橋。橋面に雪が付いており、渡るのが怖い。
橋を渡らず、下流から飛び石伝いで渡渉する事も出来るので、そちらを行くのも手だ。
2
1/4 10:15
横窪沢小屋前の丸太橋。
橋面に雪が付いており、渡るのが怖い。
橋を渡らず、下流から飛び石伝いで渡渉する事も出来るので、そちらを行くのも手だ。
橋面に雪が付いており、渡るのが怖い。
橋を渡らず、下流から飛び石伝いで渡渉する事も出来るので、そちらを行くのも手だ。
横窪峠へ続く九十九折の急登。ここには雪が付いている。
登りならばアイゼン無しでもなんとか行けるが、下りであればアイゼンを付けた方が無難だ。
1
1/4 10:17
横窪峠へ続く九十九折の急登。
ここには雪が付いている。
登りならばアイゼン無しでもなんとか行けるが、下りであればアイゼンを付けた方が無難だ。
ここには雪が付いている。
登りならばアイゼン無しでもなんとか行けるが、下りであればアイゼンを付けた方が無難だ。
4号橋の先の水場。凍っておらず、水は出ていた。
数日ぶりに飲むまともな水。
ここまでは融雪水ばかり飲んでいたので、とても美味しく感じた。
5
1/4 11:24
4号橋の先の水場。
凍っておらず、水は出ていた。
数日ぶりに飲むまともな水。
ここまでは融雪水ばかり飲んでいたので、とても美味しく感じた。
凍っておらず、水は出ていた。
数日ぶりに飲むまともな水。
ここまでは融雪水ばかり飲んでいたので、とても美味しく感じた。
台風の影響か、所々で登山道が崩壊していたが、修復されており、真新しいワイヤーが張られてあった。
ヤレヤレ峠
下山にも拘らず、この峠へ続く道には急登が続く。
ホント、ヤレヤレだぜ。
下山にも拘らず、この峠へ続く道には急登が続く。
ホント、ヤレヤレだぜ。
今更ながら、今回の積載。
近年の冬は山スキーばかりだったので、重装背負うのは久しぶり。
肩と腰が痛い。
近年の冬は山スキーばかりだったので、重装背負うのは久しぶり。
肩と腰が痛い。
ヤレヤレ峠から先の道。ここも台風で崩れたのだろうか？
結構際どい感じで登山道が切り開かれている。
よく踏まれているので慎重に進めば問題ないが、足場が狭いので滑落注意。
2
1/4 12:11
ヤレヤレ峠から先の道。
ここも台風で崩れたのだろうか？
結構際どい感じで登山道が切り開かれている。
よく踏まれているので慎重に進めば問題ないが、足場が狭いので滑落注意。
ここも台風で崩れたのだろうか？
結構際どい感じで登山道が切り開かれている。
よく踏まれているので慎重に進めば問題ないが、足場が狭いので滑落注意。
沼平のゲートに帰還。
下山届を提出し、登山終了。
今年の南アルプスも、天候に恵まれた良き山旅であった。
下山届を提出し、登山終了。
今年の南アルプスも、天候に恵まれた良き山旅であった。
撮影機器：
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
インナー手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
ゴーグル
着替え
靴
テントシューズ
ザック
サブザック
アイゼン
ワカン
ピッケル
スコップ
行動食
非常食
調理用食材(4日分)
飲料
水筒（保温性）
ガスカートリッジ(500g)
コンロ
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|
|---|---|
| 備考 | ガス使用量：350〜400g ロープ、クライミングギア類は、予定変更で東尾根ピストンとなった場合の下降用 として持参した物。 今回は予定通り、東尾根登頂後は聖平へ下山したので使用はしなかった。 |
感想
山スキーを始めてから、すっかり雪山登山からは遠ざかってしまったが、
久しぶりに南アルプスの雪山に登りたくなり、今回の年末年始休暇に聖岳を訪れた。
冬の聖岳には、過去に聖平から登った事があるが、今回は別ルート。
冬季バリエーションルートとして知られている東尾根からの登頂を試みた。
年末年始で賑わう山が多い中、南アルプスの山々は静かな山歩きが期待出来るが、
その中でも東尾根は特に人が少ないようで、尾根上では一度も人に会う事は無く、
雪稜上にはトレース無し。
森林限界を越えた先で視界が開け、その先へ続く純白の雪稜を目にした時は、
あまりの神々しさに、思わず拝みたくなったものである。
丸みを帯びた、たおやかな雪稜が多い南アルプスであるが、東尾根はそれとは真逆の印象で、
極めて直線的で、厳めしい。
ある種の凄味を感じさせるものであり、特に圧巻なのが、最深部となる奥聖岳への
取付きであった。
終点となる奥聖岳に向かってジグザグに折れ曲がったナイフリッジが続いており、
遠目で眺めるだけでも、明らかに危険な雪稜だと見て判る。
両側の切れ具合も相当なもので、もしうっかり滑落でもしようものなら、谷底まで
ノンストップで滑り落ちてしまう事だろう。
登頂を試みる登山者を拒もうとする強固な意志が、その雪稜からは感じられた。
だが、そんな危険な雪稜に美を感じ、引き寄せられてしまうのは登山者のサガか。
果たして、あの雪稜を無事に越えられるのだろうか、という不安よりも、
あの雪稜相手に、自分の技量が通じるのだろうか、という好奇心の方が強かった。
急登、ナイフリッジ、そして、核心とされるミックスルート。
雪山登山のあらゆる危険要素が、そこには集約されている。
それをどう捉えるかは人それぞれだが、私の場合、そこに魅力を感じてしまうようである。
慎重に歩を進めて、難所を通過。
そして、東尾根の終点となる奥聖岳に立つ。
その時、心中に沸き上がるのは清々しい充実感。
奥聖岳の山頂からは、先程まで歩いていた東尾根が良く見えて、その雪稜上には、
己のトレース一条のみが刻まれている。
それを高見から眺めるのは、とても愉快であった。
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Luskeさん、おはようございます。
今年もまたよろしくお願いします。
聖の東尾根ですか！奥聖手前のミックスルートに続くナイフリッジ帯の登り上げ、ドキドキしながら見させて頂きました。また、聖平でなく、奥聖〜前聖の3000mの稜線でテント泊してしまうところが凄いです。
自分は軽量のBCしかできません。でも水晶岳BCはどうしても挑戦したいので、多少の重荷は背負わなければなりません。Luskeさんを見習ってトレーニングしなければ...。
新春の聖岳東尾根登行、どうもお疲れ様でした。
hareharawaiより
こちらこそ、今年も宜しくお願いします。
また今年も飯豊の石転び沢あたりでお会いできれば嬉しく思います。
山スキーを始めてから、本格的な雪山登山を行う機会は少なくなってしまいましたが、
たまには挑戦的な尾根も歩きたくなります
聖岳東尾根は、そんな私の要望に見事に応えてくれる、実にスリリングで楽しい尾根でした。
スキーの場合、やはり重荷は厳しいですよね。
私自身、登山で重荷を背負う事はありますが、スキーの場合は軽装ばかりです。
重荷を背負って、歩行は出来ても、滑走が出来るか不安なところで・・・
去年、石転び出合まで1泊荷物とスキーを担いで歩きましたが、滑走は無理だろな、
と思ったので石転び出合に荷物をデポし、軽装で滑走を行った次第です
重荷を背負っての滑走については、私もトレーニングしなければ、と思っております
Luskeさん、明けましておめでとうございます。
久々にLuskeさんの攻めた雪山山行を見れて、勝手に嬉しい気持ちになっておりました。
夏でもあまり人が入らない南アルプスの最奥の聖岳。この冬の時期に歩く喜びや胸の高鳴りなど、レコを通して伝わってきました。
やっぱり凄いお方ですね😁
今年もまた色々参考にさせていただく事が多いと思います。勝手ながらお世話になりますので今年もよろしくお願いいたします。
またどこかでお会い出来る事を楽しみにしています。
2017年の塩見岳以来の、久しぶりとなる長期雪山登山となりました。
2年のブランクはありましたが、特に大きな失敗も無く、充実した日々を過ごせました。
（聖岳での幕営は・・・ちと失敗だったかもしれませんが、それはノーカンで）
ここ数年の冬はスキーばかりでしたが、やはり雪山登山も良いものですね。
聖岳東尾根は、雪山登山の醍醐味を味合わせてくれる、実に良いルートでした。
また来年も、冬の南アルプスに訪れてみたく思いました。
こちらこそ、今年も宜しくお願いします。
次回お会いするのは、どこの雪山か、それとも沢か？
楽しみにしております
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