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Yamareco

記録ID: 2179250
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積雪期ピークハント/縦走
白山

【白山】石徹白道から別山(厳冬期)

2020年01月11日(土) 〜 2020年01月12日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
32.8km
登り
2,399m
下り
2,405m

コースタイム

1日目
山行
8:30
休憩
0:00
合計
8:30
6:00
120
白山中居神社駐車場
8:00
8:00
120
石徹白道登山口
10:00
10:00
70
神鳩避難小屋
11:10
11:10
80
銚子ヶ峰
12:30
12:30
60
一ノ峰
13:30
13:30
60
二ノ峰
14:30
三ノ峰避難小屋
2日目
山行
9:30
休憩
0:00
合計
9:30
5:20
110
三ノ峰避難小屋
7:10
7:10
100
別山
8:50
8:50
60
三ノ峰避難小屋
9:50
9:50
60
二ノ峰
10:50
10:50
60
一ノ峰
11:50
11:50
30
銚子ヶ峰
12:20
12:20
50
神鳩避難小屋
13:10
13:10
100
石徹白道登山口
14:50
白山中居神社駐車場
天候 1/11 晴れのち曇り 1/12 曇りのち小雪
過去天気図(気象庁) 2020年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
白山中居神社の駐車場に駐車。登山口までは林道を2時間ほど歩き。
(石徹白道登山口に続く林道は,この時期は白山中居神社のすぐ先で冬季通行止めとなっている。)
※今回は林道に雪がほとんどなかったので問題になりませんでしたが,雪が多いときは林道側壁からの雪崩・落雪に注意が必要。
コース状況/
危険箇所等
<石徹白道の状況(2020.1.11現在)>
・ 登山口は10cmほどの薄い積雪があるだけですが,標高を上げると次第に雪が増え,1100m付近で尾根に上がったところで50cmほど,神鳩避難小屋付近で150cmほどの積雪。雪は比較的締まっていましたが,ツボ足だとガボるため,1100mくらいからスノーシューを着けました(スノーシューで10cmほどの沈み込みで,ラッセルなし)。おたけり坂も完全に雪に埋まっており,登りやすいです。もともと登山道の藪が少ないためか,灌木の張り出しもなく快適に登れます。
・ 銚子ヶ峰から先は,藪はほとんど雪に埋まって,真っ白な美しい雪稜が続きます。決定的な危険箇所はありませんが,全体的に東側に雪庇が張り出しており,部分的に痩せ尾根や急傾斜の登下降もあるため,それなりに注意が必要です。また,吹き溜まりやクラスト,アイスバーンなど雪質が目まぐるしく変わるため,雪面状況の見極めが必要(特に,別山平から別山山頂まではガチガチのアイスバーン)。
・ 上述のとおり,銚子ヶ峰から先(特に,三ノ峰から別山の間)は立ち木などの少ない雪稜が続き,ホワイトアウトの危険が大きいため,悪天時は先に進むかどうかの判断を慎重に行ったほうが良いと思います。

<三ノ峰避難小屋について>
・ 今回利用した三ノ峰避難小屋は,冬季入り口(通常よりも高いところに設置されている入り口)がないため,この時期は入り口が雪で埋まっています。利用する場合はシャベル必携。掘り出すことも不可能なくらい深く埋没している可能性もあるため,テント泊の用意もするなど,使用不可能な場合の備えもしたほうが良いと思います。(今回は、テント泊も想定した装備をしていました。)
・ 小屋内はとてもきれいで快適。トイレも使用可能でした。
石徹白道登山口に続く林道は冬季通行止め中。積雪があったらスキーを使おうと思ってその準備をしてきていたのだが,林道上は全く積雪なし…。スキーは車に置いて地道に歩く。これはむしろ持ってくるべきは自転車だったな。
2
石徹白道登山口に続く林道は冬季通行止め中。積雪があったらスキーを使おうと思ってその準備をしてきていたのだが,林道上は全く積雪なし…。スキーは車に置いて地道に歩く。これはむしろ持ってくるべきは自転車だったな。
1時間半あまり歩いたところでやっと10cmほどの積雪。今年は本当に雪が少ないなあ。正月の寒波でもほとんど降らなかったのだろうか?
1時間半あまり歩いたところでやっと10cmほどの積雪。今年は本当に雪が少ないなあ。正月の寒波でもほとんど降らなかったのだろうか?
2時間ほど歩いて登山口着。10cmほどの積雪。
2
2時間ほど歩いて登山口着。10cmほどの積雪。
大杉様に新年のご挨拶をしつつ,その脇から斜面を登っていく。
1
大杉様に新年のご挨拶をしつつ,その脇から斜面を登っていく。
標高1100mほどで尾根に乗り上げたところで,50cmほどの積雪。意外に雪が締まっており,ほとんどラッセルがないのに拍子抜け。やはり正月にあまり雪が降らなかったと見える。とはいえ,それなりにガボるので,スノーシューを履いた。
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標高1100mほどで尾根に乗り上げたところで,50cmほどの積雪。意外に雪が締まっており,ほとんどラッセルがないのに拍子抜け。やはり正月にあまり雪が降らなかったと見える。とはいえ,それなりにガボるので,スノーシューを履いた。
藪も少なく美しい雪の斜面が続く。やっぱりスキーで来るべきだったかな,と少し後悔。
途中で先行者の方に追いついて挨拶をかわし,先へ進んだ。そこからはノートレースとなった。
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藪も少なく美しい雪の斜面が続く。やっぱりスキーで来るべきだったかな,と少し後悔。
途中で先行者の方に追いついて挨拶をかわし,先へ進んだ。そこからはノートレースとなった。
おたけさんの墓のような見た目になってしまっているが,おたけり坂です。
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おたけさんの墓のような見た目になってしまっているが,おたけり坂です。
おたけり坂は完全に雪で均されており,スノーシューのまま快適に登高することができた。
おたけり坂は完全に雪で均されており,スノーシューのまま快適に登高することができた。
おたけり坂を登り切ると,左手に銚子ヶ峰が。青空をくっきりと画した真っ白な稜線に心が浮き立つ。
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おたけり坂を登り切ると,左手に銚子ヶ峰が。青空をくっきりと画した真っ白な稜線に心が浮き立つ。
願教寺山,よも太郎,日岸山,薙刀山,野伏ヶ岳のヤブ山ジャイアンツも真っ白な姿で並んでいる。寡雪とはいえ,さすがに稜線の上部は雪尾根に姿を変えつつあるようだ。楽しい季節がやってきた。
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願教寺山,よも太郎,日岸山,薙刀山,野伏ヶ岳のヤブ山ジャイアンツも真っ白な姿で並んでいる。寡雪とはいえ,さすがに稜線の上部は雪尾根に姿を変えつつあるようだ。楽しい季節がやってきた。
神鳩避難小屋に到着。ラッセルがひどい場合はここに泊まることも考えていたが,予想以上に行程がはかどっているため,先に進むことにする。
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神鳩避難小屋に到着。ラッセルがひどい場合はここに泊まることも考えていたが,予想以上に行程がはかどっているため,先に進むことにする。
銚子ヶ峰に向かう尾根。まだちょっと藪が出ているが,雪の少ない日々が続き,こういう雪尾根に飢えていたので,これでもテンションを高からしめるに十分な眺め。
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銚子ヶ峰に向かう尾根。まだちょっと藪が出ているが,雪の少ない日々が続き,こういう雪尾根に飢えていたので,これでもテンションを高からしめるに十分な眺め。
右手には,埋まりゆく藪の向こうに,銚子ヶ峰から別山までの稜線が手に取るように見えている。目を見張るほどの白さだ。早くあの上を歩きたい…思わずスノーシューの進みが早まってしまう。
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右手には,埋まりゆく藪の向こうに,銚子ヶ峰から別山までの稜線が手に取るように見えている。目を見張るほどの白さだ。早くあの上を歩きたい…思わずスノーシューの進みが早まってしまう。
別山のアップ。この夏に登った大平壁も完全に雪に埋まっている。
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別山のアップ。この夏に登った大平壁も完全に雪に埋まっている。
母御石は大部分が出ていた。以前,5月に石徹白道を歩いた時は,完全に残雪の下に埋もれておりどこにあるのかさえ分からなかったので,やはりまだまだ雪が少ないのだ。
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母御石は大部分が出ていた。以前,5月に石徹白道を歩いた時は,完全に残雪の下に埋もれておりどこにあるのかさえ分からなかったので,やはりまだまだ雪が少ないのだ。
稜線に出て,銚子ヶ峰へと歩を進めていく。ここからは快適な雪稜漫歩。石徹白道は笹に覆われている部分が多いため,少ない雪でも一面の雪原に変わってしまうのだろう。
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稜線に出て,銚子ヶ峰へと歩を進めていく。ここからは快適な雪稜漫歩。石徹白道は笹に覆われている部分が多いため,少ない雪でも一面の雪原に変わってしまうのだろう。
ところどころ樹氷。
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ところどころ樹氷。
銚子ヶ峰のたおやかな山頂が近づいてくる。
2
銚子ヶ峰のたおやかな山頂が近づいてくる。
銚子ヶ峰着。黒い山名板らしきものの頭だけちょこんと出ていた。
3
銚子ヶ峰着。黒い山名板らしきものの頭だけちょこんと出ていた。
東には御嶽,乗鞍岳が良く見える。
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東には御嶽,乗鞍岳が良く見える。
西の経ヶ岳,赤兎山,大長山も,雪山に姿を変えている。
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西の経ヶ岳,赤兎山,大長山も,雪山に姿を変えている。
別山に続く雪稜を眺める。これはテンションがウナギ登らざるを得ない。稜線上も雪は予想以上に締まっており,一定のペースで歩けそうなため,三ノ峰避難小屋を目指すことにした。
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別山に続く雪稜を眺める。これはテンションがウナギ登らざるを得ない。稜線上も雪は予想以上に締まっており,一定のペースで歩けそうなため,三ノ峰避難小屋を目指すことにした。
ウサギの足跡と並行しながら,快適な雪の稜線を歩いていく。雪庇が発達し始めているので,少し遠巻きに…。
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ウサギの足跡と並行しながら,快適な雪の稜線を歩いていく。雪庇が発達し始めているので,少し遠巻きに…。
手前から,願教寺山とのジャンクションピーク,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰,そして別山。
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手前から,願教寺山とのジャンクションピーク,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰,そして別山。
尾根が痩せている箇所もあるが,雪が柔らかいのでスノーシューのまま通過できる。
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尾根が痩せている箇所もあるが,雪が柔らかいのでスノーシューのまま通過できる。
雪の襞が織りなす光と影が美しい。
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雪の襞が織りなす光と影が美しい。
石徹白道の途上で見る別山は,どこから見ても不思議に遠く見えて,本当にたどり着けるのか不安になる。
2
石徹白道の途上で見る別山は,どこから見ても不思議に遠く見えて,本当にたどり着けるのか不安になる。
振り返った時に見える自分の足跡の連なりだけが心の励みだ。
2
振り返った時に見える自分の足跡の連なりだけが心の励みだ。
笠羽湿原は,一面のシルキーな雪原に姿を変えていた。
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笠羽湿原は,一面のシルキーな雪原に姿を変えていた。
標高を上げると風が強まってきて,雪煙が砂嵐のように雪稜を乗り越えていく。
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標高を上げると風が強まってきて,雪煙が砂嵐のように雪稜を乗り越えていく。
あの斜面,スキーで滑ったら最高に楽しそうだな…(←まだスキーで来なかったことを後悔している。)
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あの斜面,スキーで滑ったら最高に楽しそうだな…(←まだスキーで来なかったことを後悔している。)
獣の足跡を追って,一ノ峰との鞍部へ急降下。
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獣の足跡を追って,一ノ峰との鞍部へ急降下。
来し方を何度も振り返ってしまう。きれいだな…。
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来し方を何度も振り返ってしまう。きれいだな…。
一ノ峰への登り。これが結構つらい。というか,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰の登下降は,もれなく全部,急傾斜かつ高低差が大きくてつらい。この3つの峰が石徹白道の苦楽を3倍にしている。
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一ノ峰への登り。これが結構つらい。というか,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰の登下降は,もれなく全部,急傾斜かつ高低差が大きくてつらい。この3つの峰が石徹白道の苦楽を3倍にしている。
めげずに進む。
一ノ峰に到着。
雲の影が別山の白い斜面を結構な速さで横切っていく。強風が吹いているようだ。
3
雲の影が別山の白い斜面を結構な速さで横切っていく。強風が吹いているようだ。
さて,次は二ノ峰へ…。一度稼いだ高度を泣く泣く大きく落とす。
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さて,次は二ノ峰へ…。一度稼いだ高度を泣く泣く大きく落とす。
二ノ峰への登り。一ノ峰以上に長い登りだ。
2
二ノ峰への登り。一ノ峰以上に長い登りだ。
薄い新雪の下が氷化しており,スノーシューの爪を蹴りこんで慎重にトラバース。
薄い新雪の下が氷化しており,スノーシューの爪を蹴りこんで慎重にトラバース。
二ノ峰の山頂が近づく。
4
二ノ峰の山頂が近づく。
振り返ると,思ったより進んでいてびっくり(山ではよくある現象)。
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振り返ると,思ったより進んでいてびっくり(山ではよくある現象)。
二ノ峰から再び高度を落とし,三ノ峰へ。三ノ峰はひときわ大きく見え,稜線の途中のピークというよりは,一つの山のように見える。
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二ノ峰から再び高度を落とし,三ノ峰へ。三ノ峰はひときわ大きく見え,稜線の途中のピークというよりは,一つの山のように見える。
三ノ峰への登りにかかると,それまでの晴天から一転,ガスがかかり始めた。
三ノ峰への登りにかかると,それまでの晴天から一転,ガスがかかり始めた。
三ノ峰(正確に言うと,避難小屋のある前衛ピーク)を登り切り,別山方面の稜線を見ると…完全なホワイトアウト。本当は天気の良い今日のうちに別山まで往復しておきたかったのだが,さすがにこれは無理。今日はおとなしく行動を終了することにした。
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三ノ峰(正確に言うと,避難小屋のある前衛ピーク)を登り切り,別山方面の稜線を見ると…完全なホワイトアウト。本当は天気の良い今日のうちに別山まで往復しておきたかったのだが,さすがにこれは無理。今日はおとなしく行動を終了することにした。
三ノ峰避難小屋。入り口のドアは半分ほど雪で埋まっていたため,シャベルで掘り起こして中に入った。非常にきれいで快適な小屋だ。いつもよりちょっと多めに担ぎ上げた食料をふんだんにぶち込んで味噌鍋にして楽しんだ。小屋をガタガタ揺らしていた強風も20時頃には止み,静かで快適な小屋の中でぐっすりと眠ることができた。
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三ノ峰避難小屋。入り口のドアは半分ほど雪で埋まっていたため,シャベルで掘り起こして中に入った。非常にきれいで快適な小屋だ。いつもよりちょっと多めに担ぎ上げた食料をふんだんにぶち込んで味噌鍋にして楽しんだ。小屋をガタガタ揺らしていた強風も20時頃には止み,静かで快適な小屋の中でぐっすりと眠ることができた。
今日は天気が下り坂のため,早めの3時半に起床して外の様子を伺うと,相変わらずの濃いガス。やはり今日は即下山だな,とあきらめ気味に小屋の中を片付けつつ,4時半ごろにもう一度何げなく外を見ると,なんとガスが晴れて,月明かりの下に煌々と別山の姿が! にわかに別山へのアタック決定。急いで茶漬けをかきこみ,サブザックに必要最小限の装備を詰め込んで,外に飛び出した。
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今日は天気が下り坂のため,早めの3時半に起床して外の様子を伺うと,相変わらずの濃いガス。やはり今日は即下山だな,とあきらめ気味に小屋の中を片付けつつ,4時半ごろにもう一度何げなく外を見ると,なんとガスが晴れて,月明かりの下に煌々と別山の姿が! にわかに別山へのアタック決定。急いで茶漬けをかきこみ,サブザックに必要最小限の装備を詰め込んで,外に飛び出した。
月明かりとヘッデンを頼りに,固い雪面にスノーシューの刃をきしませながら稜線を辿っていく。アイゼンにしてもよかったのだが,ところどころで吹き溜まりやモナカ雪が待ち構えており深くもぐるため,スノーシューで進んでいく。
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月明かりとヘッデンを頼りに,固い雪面にスノーシューの刃をきしませながら稜線を辿っていく。アイゼンにしてもよかったのだが,ところどころで吹き溜まりやモナカ雪が待ち構えており深くもぐるため,スノーシューで進んでいく。
今日は南岸低気圧が近づいており,時間が経てば経つほど天候が悪くなることが目に見えているので,自然と急ぎ足になる。
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今日は南岸低気圧が近づいており,時間が経てば経つほど天候が悪くなることが目に見えているので,自然と急ぎ足になる。
別山平で夜が明け始めた。
2
別山平で夜が明け始めた。
稜線が朝日に染まり始める。
4
稜線が朝日に染まり始める。
夜明けの光に浮かび上がった痩せ尾根を慎重に辿っていく。
夜明けの光に浮かび上がった痩せ尾根を慎重に辿っていく。
左手に遠く,御前峰も朝日を受けて輝き始めた。
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左手に遠く,御前峰も朝日を受けて輝き始めた。
天気輪の柱。
そして,ご来光。
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そして,ご来光。
雪面が鈍い朱色に染まる。
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雪面が鈍い朱色に染まる。
天国へ続く白亜の階梯。
2
天国へ続く白亜の階梯。
モンスターなりかけ群と,その向こうの御前峰。
2
モンスターなりかけ群と,その向こうの御前峰。
別山山頂までもう少し。
この辺りは雪面が完全なアイスバーンになっている。アイゼンに換装するか迷ったが,スノーシューの爪がしっかり食いついてくれたので,そのまま登っていった。
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別山山頂までもう少し。
この辺りは雪面が完全なアイスバーンになっている。アイゼンに換装するか迷ったが,スノーシューの爪がしっかり食いついてくれたので,そのまま登っていった。
爆風の中,別山山頂に到着。
5
爆風の中,別山山頂に到着。
山頂の標識が現代アート的な何かになってしまっている。
5
山頂の標識が現代アート的な何かになってしまっている。
強風にちぎれ飛ぶ靄の向こうに朝日。朝日の光まで凍てついて見える。
2
強風にちぎれ飛ぶ靄の向こうに朝日。朝日の光まで凍てついて見える。
西方向の眺め。
御前峰方面。氷雪の荒野と化した稜線の先に,紛うかたなき御前峰のたおやかな姿。
5
御前峰方面。氷雪の荒野と化した稜線の先に,紛うかたなき御前峰のたおやかな姿。
一点の汚点もない,間然するところのない,完璧な白。
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一点の汚点もない,間然するところのない,完璧な白。
お宮にお参りしたが,お宮も標柱と同じくらいすごいことになっていた。でも,氷に閉ざされた向こうから神様は見てくれているはず。
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お宮にお参りしたが,お宮も標柱と同じくらいすごいことになっていた。でも,氷に閉ざされた向こうから神様は見てくれているはず。
爆風に乱れ飛ぶ氷のかけらに頬を突き刺されながらテルモスの白湯で暖を取り,名残惜しいが下山にかかる。天候が本格的に悪化する前に高度を下げなければ。
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爆風に乱れ飛ぶ氷のかけらに頬を突き刺されながらテルモスの白湯で暖を取り,名残惜しいが下山にかかる。天候が本格的に悪化する前に高度を下げなければ。
雪煙が舞って途切れがちな視界の中を下山していく。アイスバーン部分の下降は,安全第一でアイゼンに切り替えた。
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雪煙が舞って途切れがちな視界の中を下山していく。アイスバーン部分の下降は,安全第一でアイゼンに切り替えた。
靄を透かして太陽が幻想的な光景を見せた。
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靄を透かして太陽が幻想的な光景を見せた。
三ノ峰近くまで下って振り返ると,別山の山頂付近は完全にガスに包まれてしまっていた。タッチの差だったようだ。
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三ノ峰近くまで下って振り返ると,別山の山頂付近は完全にガスに包まれてしまっていた。タッチの差だったようだ。
三ノ峰避難小屋に帰ってきた。デポした荷物を回収し,戸締りを確認して,お世話になった小屋を後にした。
3
三ノ峰避難小屋に帰ってきた。デポした荷物を回収し,戸締りを確認して,お世話になった小屋を後にした。
二ノ峰を越えたあたりで雪が舞い始めた。美しい光景だが,これも天候悪化の兆しだ。後ろ髪ひかれつつも下山の脚を速めた。
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二ノ峰を越えたあたりで雪が舞い始めた。美しい光景だが,これも天候悪化の兆しだ。後ろ髪ひかれつつも下山の脚を速めた。
登山口まで降りたころには,雪はみぞれ交じりの雨に変わってしまっていた。ついさっきまでその中を歩いていた美しい氷雪の世界が夢だったかのような,少し寂しい雨だった。
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登山口まで降りたころには,雪はみぞれ交じりの雨に変わってしまっていた。ついさっきまでその中を歩いていた美しい氷雪の世界が夢だったかのような,少し寂しい雨だった。

装備

備考 ・稜線上は目まぐるしく雪質が変わるため,どんな雪面状況にも対応できるよう,スノーシュー(orワカン),アイゼン,ピッケルは携行したほうが良いと思います。(今回は行程の大部分をスノーシューで通しましたが,特に別山平〜別山山頂の間はアイゼンに換装するのが一番安全だと思います。)
・下部は藪の少ない広い登山道が続き,上部もすっきりした雪稜が続くため,スキーを使っても面白そう。ところどころ滑ったら楽しそうな斜面も散見されました。(ただし,石徹白道はアップダウンが多いため,コースプロファイルとしては決してスキー向きではないですが。)

感想

 石徹白道は,白山の一般登山道の中では,加賀禅定道や中宮道と並んで好きな道の一つだ。白山信仰の長い歴史との結びつきはもちろん,銚子ヶ峰,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰と,名のある峰をいくつも越えていく重畳たる稜線の道に,何とも言えない「旅」の感覚を呼び起こされるからだと思う。残雪期に別山まで日帰り山行したり,昨年9月にはカラスノ谷遡行の後の帰路として辿ったりと,何度か歩いているが,そのたびに良い道だなと思う。
 今回,この時期に石徹白道を辿るに当たって,正月の寒波で雪が降っただろうし,ラッセルのことを考えると,三ノ峰あたりまで行くのが限界だろうと考えていたのだが,ふたを開けてみると,予想外に雪が締まっておりラッセルはほとんどなく,別山の山頂を踏むことができた。それはそれで嬉しいのだが,今季の雪の少なさを象徴しているようで,複雑な心持ちだ。雪の多い年だったら,林道からのラッセルで,神鳩避難小屋まで行くのも一苦労なのではないだろうか。
 とはいうものの,石徹白道の延々と続く雪稜はやはり素晴らしかった。振り返って自分のトレースを眺めるとき,それが長く続いているほど嬉しいのだ。今頃,石徹白道では雪が降り続いていて,昨日と今日の二日間にわたり稜線に丹念に付けてきた足跡もとうに消え,元の無垢な雪稜に戻っていることだろうが…。

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