ラッセル祭りで限界ギリギリ！石尊稜 赤岳

2020年02月01日(土) 〜 2020年02月02日(日)

• GPS: 13:44
• 距離: 12.6km
• 登り: 1,338m
• 下り: 1,332m

コースタイム

1日目

• 山行: 9:22
• 休憩: 0:53
• 合計: 10:15

5:13 赤岳山荘
5:16 5:17 美濃戸
5:21 5:21 美濃戸山荘
6:11 6:14 堰堤広場
7:08 7:44 赤岳鉱泉
14:39 14:41 石尊峰
14:46 14:46 鉾岳
14:51 14:53 日ノ岳
15:05 15:11 二十三夜峰
15:20 15:23 地蔵の頭
15:28 赤岳天望荘

2日目

• 山行: 3:21
• 休憩: 0:04
• 合計: 3:25

7:07 赤岳天望荘
7:37 7:38 赤岳頂上山荘
7:43 7:43 赤岳
7:45 7:45 竜頭峰分岐
7:50 7:50 竜頭峰分岐
7:59 8:01 キレット分岐
8:06 8:06 文三郎尾根分岐
8:48 8:48 阿弥陀岳分岐
9:09 9:10 行者小屋
9:43 9:43 中ノ行者小屋跡
10:28 10:28 美濃戸山荘
10:32 赤岳山荘

天候

2日間とも快晴・ほぼ無風（稜線は強風でしたが身体が持って行かれる程ではない→風速10~15mくらい？）
気温は平均-10℃前後（強風時は体感−15℃くらい。日が当たると−5℃もない感じ）

アクセス

利用交通機関：

自家用車

八ヶ岳山荘〜赤岳山荘Pまでの林道は降雪により凍結しています。四駆でも轍内ですが横滑りました（チェーン無し）

コース状況／危険箇所等

・赤岳山荘P〜赤岳鉱泉（行者小屋）間はチェンスパで快適に歩けました
・前2日間ほどで降雪があった模様で、赤岳鉱泉を過ぎた直後からは完全にノートレースでした。ラッセルを強いられると時間がかかる上に体力の消耗が半端ないので、降雪直後に狙う場合はワカンがあった方が良いと思います

写真

2/1 5:09

仕事終わりの金曜深夜に赤岳山荘Pに到着。4時起床の5時出発（気温-9℃）、チェンスパを履くのに一苦労でした

2/1 5:18

10分ほどで美濃戸山荘に到着

2/1 6:12

堰堤広場でお湯を飲みました。まだ暗いです

2/1 6:30

ようやく明るくなってきました

2/1 7:03

駐車場から2時間程で赤岳鉱泉に到着

2/1 7:04

どうやらフェスのようです

2/1 7:06

企業のロゴがいっぱい。時々イラレで遊ぶのでジーっと見ちゃいます

2/1 7:44

ここでアイゼンに履き替えバリの身支度を整えました

2/1 7:55

鉱泉から10分ほどで一般道から外れて沢に入ります。しもさんはその場所をちゃんと覚えていました

2/1 8:01

まさかのノートレース！交替しながら進みます

2/1 8:18

突破できそうにない箇所があったので一旦右に巻いたものの、こっちも雪がフカフカで腰まで埋まっても足がつかないくらい深いので

2/1 8:24

引き返して強引に突破

2/1 8:46

時間内に取付きまで行けるのか

2/1 8:58

敗退の2文字が頭を過ぎります

2/1 9:21

と、そこに現れた救世主！

2/1 9:32

後続の若い2人がラッセルを交替してくれました

2/1 9:53

下部岩壁取付きへのアプローチは三叉峰ルンゼと鉾岳ルンゼの2つ。今回は若者に続いて最後の分岐を左の沢から入る三叉峰ルンゼへと進みました（前回は分岐を右に入る鉾岳ルンゼへ進んだ）

2/1 9:57

下部岩壁が見えました

2/1 10:08

最後はかなりの急坂。登り切った所にしっかりとしたビレイポイントがありました。先行隊がロープを出して登攀開始。その間に私達も準備します。行動食のスニッカーズを食べたのですが、カッチンカチンに凍っててアゴ痛めました泣

2/1 10:36

セカンドが上がったのを見て私が先に取り付きに移動

2/1 10:48

しもさんリードでようやく1ピッチ目開始。サラサラとスノーシャワーが降ってきました

2/1 10:51

草付フェース50m（Ⅳ）。前回は右側のルートを取りましたが今回は左から

2/1 11:24

悪い！アックスが全然決まらない！

2/1 11:41

なんとか落ちることなくギリギリの登攀で1ピッチ目終了。ここをリードできるなんてしもさん強い…Σ(゜∀゜ノ)ノ

2/1 11:50

2ピッチ目はコンテで。急な灌木帯の草付200m（Ⅱ）

2/1 12:20

天気は最高！右に見えるあれが中山尾根かな？

2/1 12:29

左の横岳ブラザーズもカッコいい

2/1 12:32

美しさと怖さが混在する眺め

2/1 12:34

見とれちゃいます

2/1 12:37

リッジも新雪でモフモフ

2/1 12:40

前回見た雪稜よりも白く美しい。3ピッチ目の雪稜200m（Ⅰ〜Ⅱ）もコンテで

2/1 12:45

紺碧と白銀の世界はどこを切り取っても絵になる

2/1 12:45

今日はこんな良い天気なのにコールが聞こえない。石尊稜も私達だけみたいだし。なんでだろ？

2/1 12:54

ようやく上部岩壁が見えた。先ほどの若者2人が取付いてる

2/1 12:55

中山尾根の方から「ビレイ解除！」のコールが響いた。一般縦走路を歩く人も見える

2/1 13:03

他のパーティーも頑張っていると思うと心強い。あと少しだ頑張ろう

2/1 13:15

先行のセカンドが離陸したので取付きに移動。4ピッチ目の凹角〜リッジ・ピナクル40m（Ⅲ）しもさんリード。ここもめっちゃ悪くて限界ギリギリの登攀でした。私、きっと物凄い顔をしていたと思います笑

2/1 13:55

全ての力を出し切って何とか無事通過。今回は上部・下部岩壁がとても難しく核心の写真を撮る余裕はゼロでした。もはや「生きて帰る」がミッションで、楽しむ余裕なんて有りません泣

2/1 14:09

そのままルンゼに出ました。最終ピッチです

2/1 14:13

5ピッチ目のルンゼ80m。安堵と共に疲れがドッと出ました。ゆっくりとコンテで進みます

2/1 14:14

それにしても恐ろしかったあのピナクル。今回初めて「落ちるかも」と思ったけど良く耐えました

2/1 14:26

一般縦走路に合流…長かった！

2/1 14:21

居合わせた方が写真を撮ってくれました。有難うございました♪

2/1 14:26

もう日が傾いてきた。歩き始めは「何なら日帰りに変更しちゃう？」なんて話していたのがこの有り様

2/1 14:26

いやいや、まさかこんなに時間がかかるとは思ってなかった。前回の倍近く時間がかっかた。やはり雪の状態によってルートの難易度ってこんなにも変わるんだね。良い勉強になりました

2/1 14:38

今から下山なんて無理。赤岳なんて無理。小屋に辿り着くのが精一杯

2/1 14:40

疲れ切ったのでゆっくり

2/1 14:44

滑落しないように慎重に歩きました

2/1 14:44

赤岳鉱泉が見える

2/1 14:44

富士山は今日も綺麗だ

2/1 14:50

天望荘までまだ結構あるなぁ…

2/1 15:07

ここまで来ればもう落ちる心配はない

2/1 15:11

今日は珍しくしもさんも疲れたと言っています

2/1 15:15

ブロッケン現象

2/1 15:20

エビの尻尾が輪っかになっていました笑

2/1 15:28

ようやく本日のお宿「赤岳天望荘」に到着。体力も時間もギリギリ

2/1 17:04

夕食は17時。バイキング形式でした。お腹ペコペコだったのでどれもめっちゃ美味しかったです♡

2/2 6:06

9時消灯で朝食は6時。早寝早起き、これも登山の楽しみの一つですよね

2/2 7:08

さて赤岳経由で下山しますか

2/2 7:16

朝一の登り。し、しんど〜！

2/2 7:31

稜線は風強し

2/2 7:40

山頂は賑わっていました

2/2 7:43

本日も晴天なり！

2/2 7:46

文三郎から下ります

2/2 7:56

気が抜けた下山時が一番危ないので慎重に歩きます

2/2 8:02

阿弥陀まで行く余力はなし

2/2 8:07

赤岳主稜の取付きは渋滞していました。今日は人多そうですね

2/2 8:09

下りは早いよ

2/2 8:38

見て見て、こんなに積もったんだね

2/2 8:52

行者小屋に到着。シェルを脱いでチェンスパに履き替えました

2/2 9:07

さあ帰ろう

2/2 10:27

行きの北沢コースより帰りの南沢コースの方が雪が多く気温が低い感じがしました

2/2 10:32

赤岳山荘P到着。怪我なく無事終わって本当に良かったね、ありがとう！

撮影機器：

iPhone SE Apple

PowerShot G7 X Mark II CANON

感想

climb4478

2年振りの石尊稜。立派なトレースがあるだろうと思っていましたがまさかの一番乗り。想定外のラッセルを強いられ、登りだけで10時間もかかってしまいました。前回の約2倍、考えが甘かったです。それでも好天と信頼できるパートナー、あとはラッセルを交代してくれた若い2人のおかげで怪我無く無事に上まで抜ける事ができました。このうちのどれか一つでも欠けていれば撤退していたと思います。本当に感謝です。終わった直後は「いつか絶対怪我する」「もうバリやめる」と泣き言を漏らしていたのに、時間の経過と共に今の自分に足りないものが浮き彫りになって「もっと練習したい」という気持ちに変わるから不思議です…
メンタルの弱さ＝フィジカルの弱さ、こんな当たり前の事に気付かされた山行でした。