ああ憧れの、奥穂高(涸沢ー奥穂高岳ー前穂高岳ー岳沢)
- GPS
- 49:40
- 距離
- 26.5km
- 登り
- 2,039m
- 下り
- 2,036m
コースタイム
上高地バスターミナル5:50ー7:15徳沢7:25ー8:10横尾8:30ー9:15本谷橋9:20ー11:00涸沢
9/7
涸沢5:00ー6:40穂高岳山荘6:50ー7:30奥穂高岳8:00ー9:25紀美子平9:35ー10:00前穂高岳10:20ー10:50紀美子平11:00ー13:05岳沢小屋
9/8
岳沢小屋6:00ー7:40河童橋
天候 | 9/6雨のち曇り、夜晴れ 9/7晴れのち曇り 9/8晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:電車バスセット(上高地ー新島々ー松本)2400円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
/登山ポスト 上高地バスターミナルに有ります。 /危険箇所 穂高岳山荘からの出だしは高度感のあるハシゴ、鎖です。 奥穂〜前穂間の吊尾根は紀美子平まで急斜面のトラバース道で足下に注意してください。 紀美子平〜岳沢の下りは思ったほどではありませんでしたが、雨だと怖いかもしれません。 /入浴 上高地アルペンホテル500円 |
写真
感想
いままでに登った一番高い山は槍ヶ岳の3180m。16歳の時だ。
20代の最後の夏、それより高い場所に登りたかった。
富士山はちょっとちがうので、北岳か穂高のどちらかだろう。
穂高はやっぱり憧れの場所。
今年奥穂に登ろうと去年から思っていたけどなかなか時間が取れないまま8月が過ぎてしまい、無理矢理とった休暇。
天気予報は微妙だけど、仕事を終えて新宿でバスに乗り込む。
目覚めれば13年ぶりの上高地だ。
天気は小雨。横尾でいったん止んだのもつかの間、涸沢への途中から本格的に雨。穂高岳山荘まで行く計画だったけど雨はやむ気配がなく、しばらく迷ってから涸沢で力尽きた。
フライシートの防水が甘く、テントに少し雨漏りする。
神は試練を与えたもうたか。明日も天候が変わらなければサブザックで奥穂だけピストン、最悪このまま撤退か、と沈鬱な気持ちでふて寝の昼寝をして起きると雨はやんでいた。稜線のガスもとれてきた。
気を取り直してテラスでおでんを食べ、濡れたものを乾かし、寝る。
いつもながら熟睡はできない。
未明にテントから顔を出すとあふれんばかりの星空であった。
これなら計画を取り戻して岳沢まで縦走できると思った。
暗いうちに出発。
ザイテングラードへ取り付く前に常念の右から日が出て来る。
モルゲンロートの穂高の稜線に見とれながらどんどん登る。
涸沢はみるみる小さくなり、穂高岳山荘に到着。
ここからの最初の登りだしはハシゴと鎖の急傾斜で高度感に満ちていて、怖い。
そこを過ぎてしまえば奥穂まではもうあと少し。
背後に槍ヶ岳を背負い、ジャンダルムが見えたり隠れたりして大きくなってくる。
やがて奥穂頂上の祠が視認できるようになり、7時32分、憧れの山頂についた。
3190m。人生最高の高度である。
先客が数名いたがタイミングよく後続はなく、10分程度、奥穂の山頂に自分一人だった。
宝物のような時間。静かで空がただ青い。こんなきれいな青空があるのかというほど青い。
お願いごとをし、槍ヶ岳を何度も眺め、前穂に向かう。
逆光の前穂の雄々しさにほれぼれしながら吊尾根を歩き、やがて紀美子平へトラバースしていく。
遠くから見るとどこも急斜面で、いったいどこをトラバースするのかと思うが、道はしっかりついている。
紀美子平からサブザックで前穂へピストン。体が軽くて飛ぶように登れる。
一息で前穂山頂。ちょうどガスがでて一等三角点の展望は満喫とまではいかないけど、ここも静かな時間がながれていてしばらくくつろいだ。
紀美子平でザックを背負い、体がまた重くなる。
ここからの下りは要注意と心配していたけど、覚悟した程恐ろしい箇所はなかった。
天気が悪ければまた違うだろうけど、今日はまたとない快晴だ。
それにしても岳沢小屋は前穂山頂からも見えていたのに一向に近づかず、だんだんうんざりしてきた。
気温も高く、足の運びがいい加減になりはじめた頃、やっと到着。
コースタイムより5分オーバーしてしまった。
あとは明日上高地まで下るだけなので、安堵感に浸る。
それにしても暑くてテント内にはとてもいられないし、熱中症になるかと思った。
そしてここのテント場は小屋と岳沢を挟んで対岸にあるので、トイレや買い物にはちょっと疲れる。
でも再建されてまだ新しいのでトイレもきれいだし、上高地の眺めもいい。
夜には雨がぱらついたけど、翌朝は晴れ。
穂高の稜線や朝もやの上高地を静かな気持ちで眺め、ゆっくり下って行く。
途中で5分休憩して、梓川のほとりに出た。
入浴後、河童橋を渡る頃には上高地の朝もやもきれいにとれ、仰ぎ見る穂高連峰は誇らしげにそびえ立っていた。あの稜線を歩いたんだなあとまだ少し夢のようにも思いながら、バスに乗り込んだ。
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