金峰山
- GPS
- 30:02
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 574m
- 下り
- 1,913m
コースタイム
<21日> 金峰山小屋8:20ー8:45千代ノ吹上8:50ー9:50大日岩9:55ー11:20瑞牆山荘11:55ー13:30増富温泉
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
長い受験生活から解放されたので一年ぶりの登山へ。最初は北岳に行こうと考えていたが、季節と受験で落ちた体力を考え金峰山に変更した。
(1日目)
午前3時に起床、登山口である大弛峠には7時過ぎに到着した。平日にもかかわらず、峠の駐車場は既に数十台の車がとめられていた。
金峰山に向かう前に、朝の展望を眺めに国師ヶ岳へと登る。奥秩父随一の深山であったこの山も林道の開通で今では安直登山の代名詞に…1時間もしないうちに山頂に着いた。素晴らしい展望。特に甲府盆地を覆った雲の上に聳える富士山には感動した。
峠に戻り、写真機材に、食料と水を満載して金峰山へ。国師への軽快な足取りとは異なり、重荷と落ちた体力でへばり気味。朝日岳のガレ場でしばらくの休憩を取った。
朝日岳からは一度下って登り返す。せっかく稼いだ高度を無駄に減らすことは、へばった身にはつらい。橋があればいいのになあとずっと考えて登っていると、森林限界を超え、金峰山の肩にたどり着いた。ここから山頂までは展望を楽しみながらの稜線漫歩。巨岩のあいだを登るとようやく奥秩父の盟主、金峰山の山頂に着く。
この日の天気は快晴。午後になってもガスが出ることがなく、おかげでプチ熱射病になり、早めに小屋へ行って休むことに…天気が良すぎるのも考えモンだ…
小屋に着くと、中高年の夫婦2人連れが先に着いていた。宿泊手続きをとって小屋前で八ヶ岳を眺めながら休んでいると、大阪から来たという10人のパーティが到着。結局この日の宿泊者は、この二組と自分のたった13人。これでも、平日としてはかなり多いそうだ。平日の山小屋はこんなに空いているのか…。以前行った休日の鳳凰山で山小屋が大混雑し、狭くて暑いロフトで寝かせられたのがばかばかしく感じた。
なおも小屋前で休んでいると、周囲の雲がとれ夕日に染まった雲海とその上に浮かぶ八ヶ岳が現れ、あまりの美しさに息をのむ。夢中で写真を撮っていると、夕食に呼ばれ後ろ髪を引かれる思いで小屋に入った。
小屋の夕食は手作りでとても美味しかった。食後は天の川を眺めて眠りについた。
(2日目)
午前4時前、目覚ましより早く目が覚める。枕元の小窓からは八ヶ岳の黒い山影と麓の夜景が美しかった。
4寺20分、目覚ましと共に起きあがり、カメラと三脚を持って山頂へ。
静寂に包まれた山頂で、東の空が明るくなっていくにつれ、周囲の山々が闇の中から徐々に浮かび上がっていく光景を眺めている時間はまさに至福の時だった。
御来光を眺め終わると、同宿の人たちは朝食を食べに小屋に戻ってしまったが、自分は朝食を遅くしてもらえるよう頼んであったので、ひとり山頂に残り展望を楽しんだ。御来光そのものも良いけれど、やはり個人的にはその後の、澄んだ大気と朝の光の中に浮かび上がる山岳展望の方が好きだ。
特に、この金峰山の山岳展望は素晴らしい。まず目を惹くのは、甲府盆地を覆う雲海の上に大きく裾野をのばした富士山で、その美しい姿は、さすがは日本一の名峰だ。目をその右へと転ずれば、聖から甲斐駒まで大きな連なりを見せる南アルプスをはじめ、中央アルプス、木曽御嶽が聳え、間近に八ヶ岳が左右に大きく裾野を張った巨大な山容を見せていた。そして、その左の裾野の上には乗鞍岳と遙か彼方に加賀の白山が、右の裾野の上には剣、鹿島槍、五竜、白馬といった北アルプスの山々が並び、さらにその右手には戸隠の高妻山、妙高山、浅間山と中部山岳の山々が勢揃いしていた。
展望を心ゆくまで満喫し小屋に戻ると、皆、出発の準備をしているところだった。その横で遅い朝食を食べ、小屋を出発したのは8時20分。
増富温泉へと岩稜を下るが、あまりの眺めの良さに何度もザックをおろして展望に見入っていたので、かなりのスローペース。樹林帯に入ると、遅れを取り戻すべく快速でとばし、小屋を50分ほど早く出た同宿人達を追い抜き、11時20分、コースタイム通りに瑞牆山荘に下山した。
昼食をとって、増富温泉へ向かう。休日にはバスが運行されているが、あいにく今日は金曜日。7キロの林道歩きをこなし、増富温泉には13時30分着。なかなか良いペースで、増富の湯で汗を流して14時43分の韮崎行きへのバスに乗ることが出来、鈍行を乗り継いで19時には自宅へ帰り着いた。
素晴らしい眺めを満喫した良い山旅だった。
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