赤石岳・悪沢岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 3,366m
- 下り
- 3,361m
コースタイム
- 山行
- 8:56
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:26
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
9月25日から赤石・悪沢岳に行くことに。この山を語るときに、枕詞のように語られるのは、“奥深い”、“大きい”だ。確かに、登山口へのアクセス、歩行距離、累積標高、どれをとっても百名山の中では最も厳しい山の一つだ。
登山口の椹島までは、新東名新静岡ICから70km強、しかもほとんどが狭い山道である。インターから2時間かけて、畑薙第一ダムの駐車場に着いた。ここから、さらに1時間、特殊東海フォレストが運営するバスで、登山口の椹島に向かう。バスに乗るときに3千円徴収され、指定の山小屋に宿泊した場合、宿泊費から3千円引かれるシステム。
予定通り午後4時ころ椹島ロッジに着く。バスには10人程度が乗っていた。日曜日なので宿泊者は少ないようだ。受付で、所定の手続きをする。2千円プラスすると個室を使えますがどうしますか。結構です。空いているので余裕で寝ることができるだろうと思ったが、間違いだった。8人部屋に7人、男6人女1人だった。男6人のうち3名の方は写真撮影が目的の人で、話が盛り上がっていた。特にその中の1名の方は、何度もこのコースに来ていて、今回も中岳避難小屋に二泊するとのことであった。
ロッジ周辺を散策して戻るとバスには乗っていなかった女性の方が。ご主人が赤石岳から下山中に転倒し、足を痛め(骨折だったようだ)県警のヘリで救助されたとのこと。
消灯は9時となっていたが、皆さん7時過ぎには布団の中へ。電気も消され、仕方なく寝ることに。予想通りほとんど眠れなかった。26日は4時過ぎ起床し、出発準備、5時から朝食をいただく。5時15分頃出発しようとしたら、ザックの底が濡れている。ハイドレーションが水漏れ。荷物はスタッフバッグに入れていたので、被害は少なかったが、パッキングやり直し。幸先悪い。気を取り直してザックを背負うと重い。最近にない重さだ。この重量で登れるかな。荷物を減らそうかな。迷ったがそのままで出発。遅れを取り戻そうと急いで歩く。
が、林道に出て行けども、行けども登山口が現れない。おかしい、スマホで位置確認。通り過ごしたようだ。戻る。立派な道標がある。これを見過ごすなんてどうかしている。約30分のロス。モチベーション下がりっぱなし。これで悪運出尽くしだと言い聞かせる。
同宿の人に、赤石を先に登るつもりです。急登だよ。そうですか。言う通りでした。30分も歩くと玉の汗、休むとすぐ体が冷える。ザックが肩に食い込む。眺望のない樹林帯をひたすら歩く。いつもだと1時間以上歩いて休むのだが、30分間隔で休憩。これで高山病になったら、最悪だ。不安感が心を覆い尽くす。それでも何とか赤石小屋に到着。標高が2,500mを超えてきているので、ここからが本番だ。この重いザックを背負って後600m登れるだろうか。富士見平までの緩い登り、その後のトラバース道は何とかこなす。山頂らしき頂が見えてくる。ものすごい角度でそびえている。
標高も2,700m。休憩間隔が10分、5分、2〜3分と短くなってくる。ほとんど四つん這いで登る。下山してきた人が、もう少しで赤石岳と荒川小屋の分岐だよ。最後の力を振り絞ってようやく分岐に出た。しばし休憩。そこに、ザックをデポ。身を軽くしたがそれでも頂上は遠かった。
頂上のすぐ下に赤石岳避難小屋があった。水分が不足気味だったので買いに行く。昨日は朝焼けの富士山がバッチリ見えたようだ。写真目的で泊まる人も多いそうだ。小屋番さんに、重いカメラを背負ってきてバテバテです。なんてカメラ。いやー大したものではないです。今日はどこまで行くの。荒川小屋です。あそこは富士山は見えないよ。写真を撮るなら中岳避難小屋まで行けば。そんな体力もうないですとは言えなかった。後で聞いたところでは、この小屋番さんは人気の人で、写真にも造詣の深い人だとのことだった。
赤石岳頂上から分岐まで降り、小赤石岳へ登り返すと、後は荒川小屋までほぼ下り、危険なところもあまりないらしい。最悪の場合でも午後4時までにはと思っていたが、少し過ぎて荒川小屋に到着した。今日の宿泊者は女性3名、男性は私一人とのこと。食事は5時から、水漏れで濡れたものをストーブで乾かす。5時ちょうどに小屋番さんが、夕食の準備できました。食堂に行ってみると二人分の食事が小さいテーブルに乗っていた。
若い女性と面と向かって食事をするようだ。少し戸惑いながらも何か話をしなければ。昨日の同宿の人の話をする。すると、この女性も写真が趣味であることがわかり、そこからはいろいろな話で盛り上がった。そのうちに、自炊組の二人連れの女性も加わり、7時過ぎまで会話を楽しんだ。
今日は疲れもあるし、ビールも少し飲んだし、一人で自由だし、ぐっすり寝ることができるだろう。と思っていたら、あにはからんや目がさえて中々寝付けない。トイレは外にあり、風が吹きすさぶ中をいったせいか、結局昨日と同じで熟睡感なしで朝を迎えた。どうして熟睡できなかったのだろう。ショック・・・・
昨日から少し頭が痛い。高山病か。3時、3時半、4時に目覚める。風の音が聞こえる。今日はいい天気のはずだが。トイレに起きたときは星が瞬いていた。物音で目覚めると5時。まずい、出発が5時の予定だ。急いで準備、朝食はなしで弁当を貰い、5時半頃出発。
ガスで覆われている。風も強くて、寒い。まず標高差450mを中岳に向けて登る。今日は午後2時まで椹島に戻らないと、最終バスに乗れない。出発が遅れたので急がないといけないのだが、体調がイマイチ、すぐ息切れする。ここは焦らずゆっくり登ろう。ガスで眺望はほとんどない。
ガスがひどいと道迷いが起きやすい場所とのこと。マークを確認しながら慎重に登っていく。ガスで4〜5m先が見えなくなると、やはり不安。こんな時一人はつらい。中岳頂上付近で初めて人に出会った時はうれしかった。
中岳頂上から150m程下り、そこから250m登り返すと悪沢岳だ。中岳避難小屋を過ぎたあたりから、青空も広がり始め、太陽も顔を出す。体調も段々良くなり、富士山も見えてきて、元気になったのか、そんなに苦しまずに悪沢岳頂上に着いた。10名程度の人が絶景を堪能していた。椹島ロッジで一緒だった人も写真を撮っていた。
この時点で予定時間に対し30分の遅れ、後は下りのみ、膝が痛まなければ何とかなるか。でも急がないと。岩稜帯を抜け、カールを横目に稜線歩き、展望もなかなかだ。赤石岳は山頂付近のガスが抜けないが、それでもいい眺めだ。しばらく行くと前方にとがった山が、まさかあそこを登るのかな。標高グラフを見ると少し棘のように標高が上がっている。やはり登るのだ。ここが意外と厄介で、やせ尾根や、断崖を行く山道だった。頂上は千枚岳。これで登りはないはずと思い、もう一度標高グラフを見ると、椹島の登山口近くで100m位登るところがある。事前に見ているはずだが、頭に入っていない。登りになると極端にコースタイムが落ちるので、下りで時間稼ぎをしないと。
千枚小屋で弁当を食べ、スポーツドリンク500mLを購入(\500)9時50分出発、4時間以内で戻らないとバスに間に合わない。コースタイムは5時間弱、スピードアップしないと。ここからは樹林帯の比較的歩きやすい道が続く。ほとんど休憩なしで、歩き続け椹島まで1時間半と書かれた道標に12時に到着、何とか間に合うか。
13時ころ最後の登りにやってきた。ところが三点確保でないと登れないような結構厳しい登り、そして激下り、足も相当疲労している。注意していたが、岩の上で足を滑らし、尻餅、幸い大したことは無くてよかった。
結局13時40分頃椹島に到着。14時発の最終バスに間に合った。畑薙第一ダムから少し行ったところに白樺荘と言う静岡市営の温泉があるが、火曜日は定休日、接岨峡温泉に行こうかとも思ったが、遠回りなので、シャツだけ着替えて帰宅することにした。畑薙から約6時間、21時過ぎに自宅に戻った。
後日、ヤマレコを見ていたら、荒川小屋で出会った女性がレコをアップしていた。赤石岳から赤石小屋に下山中、転倒して肩を痛めた男性に遭遇し、救援活動を行ったみたいだ。椹島から畑薙に戻るシャトルバスで、赤石小屋の人がヘリの出動要請をしている無線が入っていたが、このことだったみたいだ。これで79座となった。
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