タカンボウ山 - 境川ダムからの藪道調査 -


- GPS
- 05:50
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 859m
- 下り
- 858m
コースタイム
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 5:51
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
新型コロナ緊急事態宣言が全土におよび、外出の自粛が求められている。人に会ったり人の集まる場所にいけば感染拡大のリスクがあるからだ。それなら思い切り人に会わない山に行こうとした。と言うことと、朝方雨で後ずっと曇りの天気模様でもあり、予てから気になっていたルート調査をしようとも思ったのだ。
富山百山の残りの山の中に富山・石川県境の奈良岳がある。北東のブナオ峠から往復するのが順当なのだが、昨年手前の赤摩木古山までこのルートで行っているので違う登り方をしたい。そこで南西の大笠山とつなげたいと思った。桂湖の大笠山登山口とブナオ峠を登下山口とするのだ。日帰りロングコースとするか、大笠山避難小屋泊りとするのも楽しそうだ。
さて登山口間の移動をどうするか。仲間がいれば車2台でデポ作戦にできる。ソロだと、この間を歩いたレコもあり、部分的に走って4時間ほどかけている。僕なら当然自転車だ。その作戦で行こうかなと、地形図を眺めていて気がついたことがある。
桂湖の境川ダムと、ブナオ林道の標高840m地点の間に山道が書かれているではないか。タカンボウ山の西面を巻いて山頂は通らない。この道を通れば、自転車で下まで下りなくても桂湖に戻れるではないか。しかしこの道は今も生きているのか、廃道になってはいないか、廃道でなくても藪道なんじゃないか。この道を通った記録を探すが見つからない。ならば自分で出向いて調べてみよう、という次第だ。
4月中は、桂湖への車道が国道からであい橋を渡って直ぐのゲートで閉ざされているので、その先を自転車で上がる。開通前の林道は倒木と落石で荒れているものだが、今ここはたまに落石が転がっているものの全体には非常に綺麗である。既に整備が入ったのだろう。ヘッドランプ点灯して打越トンネルを抜ければ、もう一頑張りで境川ダム。
ダム脇の駐車スペースに自転車を止めると、道路の反対側の斜面にはっきり山道が見える。まず取り付きが分かるだろうかと心配してたので、これはクリア。さて入って見ると、灌木の藪であるが、掻き分けて歩いては行ける。刺のある灌木が痛くて厄介だ。タラノ木があるが芽は刈られているので、山菜取りは入っているのだろう。
標高650mで道が左に折れ曲がり、幅広く(車が通れる位)水平に近い道が150mほど続いて尾根筋に達する。ここから尾根へと上がる踏み跡が崩壊地の脇についているのでそこを登ったが、登れるぎりぎりと思われる不安定な崖斜面で、ようやく登ったが下りは相当やばく、ロープが要ると思った。その上は草藪に入り、掻き分けるとはっきりした山道に出た。右下から道が来ており、その登り口を過ぎて不正規ルートを来たのだと判った。先ほどの崖を下らなくて済むのでほっとした。
854mの標高点までは道がはっきりしており、人工の階段も残っていて、かってはかなり整備されていたと伺える。その先標高930mにかけては尾根が縦にも横にも緩やかになり、どこでも歩けるが、それゆえに踏み跡が分からなくなる。そしてどこでも藪歩きだ。930mから1000mにかけては、尾根筋がはっきりし、踏み跡も追えるようになる。
地形図では標高1030mで道が尾根から左に外れ、ブナオ林道に向かうトラバースとなるが、それより早く1010mの辺りで、尾根から少しずれてテープマークを見つけた。これはトラバース道に入ることを示しているのか? 分け入って見るが道と見えるものは見当たらない。取り合えず尾根を上へと行くことにする。地図が示す標高1030-1040mの辺り、ここでも左に逸れて行く道筋は見つけられない。このまま尾根を登り続けてタカンボウ山頂を目指し、下りでまた捜索することにした。しかしその尾根筋も踏み跡が見えず、藪を掻き分けて行く。
標高1100m、急な尾根筋から平坦な頂上台地に出る。そこはブナ林で一面の残雪である。藪漕ぎからも解放され、天上の別天地と思える。台地の東寄りにある三角点の山頂に着いた。タカンボースキー場からは何度もスキーで登って来た場所に、反対側から到達したのだ。スキー場に向かう斜面は今でもスキーで下りられる状態だ。どこまで続くか分からないが。
さて自分のトレースを辿って戻って行くが、頂上台地が終わってまた藪尾根に入ろうかという所で、尾根より右手の窪地斜面は下まで雪がつながっている。断然早いとこっちを選択。この区間標高差100m、登りは30分だったが10分で下った。この間に地図上のトラバース道を横切るが、雪で覆われていてその道を見つけることは出来ない。標高1010mまで下りると雪は切れ切れになり、前述のテープマークが水平位置に見える。その辺も歩き回り、またトラバース道がある筈の斜面を観察するが、やはり見つけることは出来なかった。
尾根の下りに戻る。藪漕ぎだが登りよりは楽だ。登りの崖路の代わりに下りた「正規ルート」も道は細く、やや不安定な急坂もあり、古くからの道ではないと見当が付く。崖路の崩壊個所には古いロープが懸垂状態で残っており、そこが昔の正規ルートだったのだろう。下から来ると、水平道から今の正規道への分岐は非常に分かりにくい。
さてこのルート、ブナオ峠から桂湖の連絡に使うことが有効なのだろうか。ブナオ林道側の道が今回見つけられなかったのではっきりしないが、同じような藪道があるとして、ブナオ峠から山道入口まで林道2kmを30-40分、山道の今回の未踏区間が標高差200mの登りで1時間、下り部分今回は70分で下りたので、ブナオ峠から境川ダムまで徒歩約3時間と見れば良いか。自転車だと、ブナオ林道を国道まで10km下り、国道を2kmでであい橋、そこから7kmの登りだが今日は30分余りで登った。ブナオ林道を慎重に下りても1時間はかからないだろうから、全体で1時間半〜2時間かな。境川ダムから桂湖の奥の大笠山登山口までもう2kmあってほぼ水平だから、そこは自転車が圧倒的に速い。先ず所要時間で自転車の勝ち。さらに全体の時間よりも「頑張る時間」が自転車は境川ダムへの登りの部分だけなので、もう絶対的に自転車が楽と分かった。この歩きルートを使うとすれば、林道閉鎖期間内で自転車を車で持ち上げられないときに周回するならば、ということになる。
- 追記 -
翌週4/25にタカンボースキー場から入山し、山頂からブナオ林道下降点まで踏査した。北側からトラバース道を辿り、前述の標高1010mピンクマークに出た。ブナオ林道からマーク地点まで所用70分だった。マーク地点から境川ダムへの下り所要時間も70分だったので、約2時間半で山道部分全体を通過できることになる。
コメント
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Nishidenさん、おはようございます。
昨年秋にこの道を探してました。藪が濃かったせいか写真ほどはっきりはトレースが分かりませんでした。あきらめて大笠山ピストンしました。
何のためにこのルートを探すかといわれると大体考えることは同じなのだろうと思いますが、
やはり途中からのブナオ林道へのトラバースが使えるかどうかが気になります。
昨年秋にブナオ林道を少し走った時にこのトラバースの出口の辺りを眺めた印象では壮絶な藪こぎでしたが…
探索ありがとうございました。
shinmonさん、先に目をつけてましたか。
去年の11月10日だったのですね。
大笠周回には自転車の方が良いと結論しましたが、この道解明しきれてないのも癪なのでブナオ峠側も入って見たいですね。
そちらの入口も道は見えなかったとのことですが、境川ダム側と同じように、春先なら分かるんですかね。林道開通したら行って見ようかな。
Nishidenさんこんばんは。
タカンボウ山、私にとっては遥か遠い山に感じられるのですが、大笠山や笈ヶ岳の近くと知ると、ちょっと頑張れば行けそうな感じがする不思議なエリアなんです。
この、未知のルートを、チャリと薮と雪が登場し、ニシデンさんの絶妙な文章と相まって、私の心の中に入り込んできました。
そのブナオ峠からのルート探索も楽しみにしています。
例の富山百山のラスト、このままではコロナの影響でご一緒できる可能性が限りなく低くなってしまいそうです。(もっともラストが池平山だと、手強すぎて私には最初から無理ですが・・・)
momochann,
こんな藪ハイキングを評価していただいて光栄です。
でもmomochann, 2018年のIMP新年会スノーハイクで僕らと一緒にタカンボウ山には登ってますよね。
ま、しばらく遠い山、高い山には行き難いので、ブナオ峠側も近々行こうかと思います。
百山の達成構想としては、夏前に奈良岳、夏に池平山、そして最後に中山とクズバ山を一度に秋辺りで、なんですがね。山登りが非難されない状況に早くなって欲しいです。
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