【2012年】霊峰白山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 2,451m
- 下り
- 2,027m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ホテルで前泊して翌朝、北陸鉄道バスで現地入りしました。 |
写真
感想
***仕事の関係で新潟に在住していた時の山行記録です***
海の日の三連休。海も気になりますが、心の羅針盤はどうしても山を指したままテコでも動こうとしません。想いのなすがままに向かった先は霊峰加賀白山。富士山、立山と肩を並べ日本三霊山にも数えられる、あのハクサンなのであります。
土曜朝一の金沢駅発の登山バスに乗るため金曜日の終業後にJRを乗り継ぎ、眠い目こすって金沢駅前のアパホテルにチェックイン。前泊というやつですが、ホテル滞在時間は僅かに4時間という強行軍です。鼻息荒くガンバッタ、のですが・・・。
初日の午後に、ハクサンはちょっとだけ微笑んでくれただけで、あとはただただ、ガスと雨と強風の洗礼。まぁ、なんとか主峰の御前峰には意地で登りましたけどね。絶景は望むべくもなく、完璧なる白い世界です。ああ、エメラルドクリーンにきらめく火山湖や雪渓と溶岩注のコントラストは何処にあるのでしょうか!山頂にたたずみ、お池巡りの楽園をイメージしてみますが、自分の陳腐な想像力ではなす術もなく沈黙するしかありません。ハクサンはまさに白い山・・・つまり、それは、白い景色の山なのでありました。
*****
Day1:市ノ瀬→チブリ尾根→御舎利山→南竜ヶ馬場
5:30/北陸鉄道バス金沢駅〜別当出合の登山バスに乗り込み、
7:35/市ノ瀬で下車。ビジターセンターで登山届を提出し入山。雰囲気の良い温泉宿に後ろ髪引かれたが、別当・市ノ瀬道を進む。雨は落ちていないが曇天模様。昨日の深夜に金沢入りしてあまり寝ていないことも手伝ってか、テンションはいまひとつ・・。だが、別当・市ノ瀬道〜チブリ尾根にかけての植生は素晴らしい。垂直分布の法則に従い、ブナ、カツラなどの広葉樹に始まり、次はシラカンバ、ダケカンバ、そしてシラビソなどの針葉樹が順を追って山肌に広がる。立派な樹林帯はそれだけで貴重な植生見本だ。樹林帯を越えると見事なお花畑が広がっていた。
11:50/チブリ尾根避難小屋。外見はアレだけど、トイレもあるし内装はかなり綺麗な山小屋。ダラダラと続くチブリ尾根をメインコースにして別山や白山方面を楽しむなら、かなり利用価値ある山のシェルター。ここで小休止のあとリスタート。
13:10/チブリ尾根避難小屋からは急坂を辿って御舎利山。山頂では風が強く、ついでにホワイトアウトも。ここから別山までは尾根をつたって地図上10分程度のガイダンスだが、この状況の中ではあまり行く意味もなし、との判断で南竜ヶ馬場に向け進路を北へ。最初は尾根、というよりトラバース気味のトレイルを行く。7月中旬のこの時期、雪渓はほとんど姿を消していた。振り向けば、別山の堂々とした山容。この景観も一瞬の出来事で、すぐさま白い世界に紛れて消えていった。地図に油坂と書かれた先は一旦渓に降りて登り返すトレイルセクション。すぐそこに南竜ヶ馬場のロッジやキャビンが見えているのに、そこにはなかなか到達しない、じれったいコース。
15:10/南竜ヶ馬場(読み方はミナミリュウガバンバ)着。この時が一番天気が安定していたので、ちょっとだけ明日の天気に期待をした・・・のだが。南竜ヶ馬場に幕営。トイレ、水、あり、利用料は300円と格安!広いテントサイトは連休初日ともあり、すでにかなりのにぎわいを見せていた。(やはりテント山行はブームなのかなぁ)テントを設営してしまえば一安心、だが、期待を裏切るかの如く、雨、風は次第に強くなり・・・。寝袋が濡れるのは嫌だけど、雨がテントのフライシートを叩く音はまんざら嫌な音でもない。むしろ心地よささえ感じる。(のは自分だけか・・・)
Day2:南竜ヶ馬場→室堂→御前峰→室堂→砂防新道→別当出合
翌朝、目覚ましに促されて4:00に起床。というか、目が覚めていただけで寝袋の中でダラダラ。テント内は強風で振り落とされた結露の滴でビショ濡れ。寝袋もかなりのダメージをうけている。日程的にはもう一日余裕があるため、このテン場でもう一泊して天気の回復を待って・・・という作戦もあるが、この寝袋の状態では今夜の宿泊に不安が残る。一泊だからいいってもんじゃなくて命の寝袋を濡らすというのは大失態。まったく備えが足りないな、と、反省。雨は強く降ったり止んだりの繰り返しで撤収のタイミングがつかめない。
6:30/動き出さなきゃ埒が明かない。南竜ロッジまで雪渓を歩き、軒下でパッキングのやり直し。やはり雨の日は屋根があるとありがたい。ついでにロッジ内で山の情報収集をする。天気は曇りか霧、時々雨か雷雨、との予報。ここから室堂ビジターセンターまではコースが3つあるが、トンビ岩コースは雪渓の状態が悪く通行止め、展望歩道もアイゼンが必要とのこと。軽アイゼンの準備はあるがホワイトアウトした雪渓を登るのもしんどい。という訳で一番無難なエコーコースを登ることにする。エコーコースはよく整備されたスイッチバックの登りから弥陀ヶ原の平坦な木道へと続くトレイル。そして室堂への分岐からは岩場をひたすら登るのだが、この間どれくらいの登山者とすれ違ったことか。昨日、室堂に宿泊して下山するグループだろうか、とにかく凄い人数。コンニチハの短いコミュニケーションもここまで来ると少しウザったい気もする。
7:50/室堂着。ガスが濃く、室堂ほどの大きな建物でさえ25メートル程手前でやっとその存在に気付いた。室堂でしばし休憩のあと、荷物をデポして最高峰の御前峰(2702.2m)へ。カラミだと足取りが軽い。気分的にはフル装備のバックパックを背負っている時の2倍増しの速度で歩ける感じだ。
9:20/御前峰に到着。白山奥宮でパンパンと柏手を打つ。何を祈念したのかは忘れてしまった。とりあえずの参拝を終えて再び室堂ビジターセンターへ。バックパックを回収し、
10:00/別当出合に向け下山開始。
11:00/砂防新道の途中に位置する甚之助避難小屋は大変な賑わい。最近建て直されたばかりの避難小屋。避難小屋というには立派すぎるシェルターだ。
尾根から渓へと降る砂防新道の終点は別当出合の登山口。長い吊橋を渡るころには悔しいことに雲の合間に青空も覗いていた。
13:10/別当出合。雨と汗に濡れたウェアを着替え(トイレ内になんと更衣室があるのだ!)売店でそそくさとビールを購入。で、13:30発の登山バスに乗り込み車内でプシュっと!ほろ酔い気分で金沢駅へと向かったのだ。
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