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Yamareco

記録ID: 2355845
全員に公開
沢登り
京都・北摂

【京都北山】八ヶ峰周辺の沢歩きと滝探し

2020年05月23日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.8km
登り
1,020m
下り
1,007m

コースタイム

日帰り
山行
7:20
休憩
0:20
合計
7:40
8:00
20
8:20
8:20
120
オワシ谷出合
10:20
10:40
10
10:50
10:50
60
オワシ谷の東隣の谷への下降点
11:50
11:50
30
知見谷川本流出合
12:20
12:20
20
八原登山口(駐車地)
12:40
12:40
90
雄滝
14:10
14:10
20
稜線
14:30
14:30
50
小滝のある谷への下降点
15:20
15:20
20
権現谷出合
15:40
八原登山口(駐車地)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2020年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
知見の八ヶ峰登山口前のスペースに駐車。詰めれば3台程度駐車可能。
コース状況/
危険箇所等
 知井坂の古道と自然林が美しいハイキングの山として知られる八ヶ峰は,権現谷の雄滝(50m)や女滝(多段100m超)など,実はこの界隈では最大級の滝を擁する山でもある。八ヶ峰のあたりの地形図を眺めていると,谷の等高線が急に混んでいたり,妙にうねっていたりと,上記の名のある滝の他にも大滝の存在を伺わせるような地形が複数存在しており,気になっていた。今回は,それらの滝の探索も兼ねて,新緑の谷歩き。
※なお、女滝(多段100m超)訪問時の記録は以下をご覧ください。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1991000.html

<八ヶ峰の谷について>
・ 全体的にナメが非常によく発達しており,特にオワシ谷(大鷲谷)の東隣の谷(名称不明)は谷全体がナメと言ってもいいほど。京都北山に特徴的な黒くつややかに光る落ち着いたナメで,周囲の自然林と相まって美しく,とても気持ちよく歩けます。また,どの谷も源頭まで小滝が続き,飽きさせません。基本的に里山の小さな谷なので,本格的な沢登りを志向する方には物足りないと思いますが,のんびりした沢歩きが好きな方は結構楽しめると思います。
・ 滝の多くは斜滝で直登できるものが多く,直登が難しい滝も比較的楽に巻けるので,遡行難度は高くありません。ただし,オワシ谷の稲妻形40m滝と権現谷の雄滝50m・女滝100mは両岸が立っているため高巻きがちょっと大変。
・ 大きな滝は,今回出会ったオワシ谷の稲妻形40m滝,オワシ谷の東隣の谷(名称不明)の源頭の多段50m斜滝のほか,2019.8.25の山行記録でも訪問した権現谷の雄滝50m,女滝100m,小滝20m。10〜20m程度の滝であれば他にもいくつかあります。水量が少ないので迫力があまりないのは玉に瑕ですが,周囲の新緑や紅葉と併せて滝を眺めて過ごすのも良いのでは。
・最後に,念のためですが,今回歩いた谷は踏み跡等は全くありません。普通の登山靴で登るのは厳しいので,少なくとも足ごしらえは沢靴or沢足袋が安全です。(例外として,権現谷は小滝までは薄い踏み跡があり,それから先も,雄滝の下までなら登山靴でも何とか行けるのではないかと思います。)

※オワシ谷(大鷲谷)…南北に伸びている高圧電線の少し西側あたりで知見谷川本流と分かれ,八ヶ峰に南から突き上げている枝谷。
※権現谷…八ヶ峰登山口付近の二俣で知見谷川本流と分かれ,北〜北西方向に伸びている谷。入り口に「小滝遊歩道」と書いてある看板が立っています(八ヶ峰登山口のすぐ手前の橋を渡ったところの民家の軒先に立っており,すぐ見つかるはず)。なお,この小滝遊歩道はあまり整備されていないようで,踏み跡も薄くマーキングも少なく,わかりにくいので注意。小滝までは20分ほど,雄滝までは小滝からさらに20分ほど。小滝より先は踏み跡はなく半分沢歩きのような状態になり,一般的なハイキングの範疇からは外れるのでご注意を。
八ヶ峰の登山口を横目に見送って,知見谷川に沿った林道を谷の奥へ歩いて行く。明るい青空の下,ミソサザイやオオルリのさえずりがにぎやか。コロナで山行自粛している間に,山はすっかり初夏になってしまった。
八ヶ峰の登山口を横目に見送って,知見谷川に沿った林道を谷の奥へ歩いて行く。明るい青空の下,ミソサザイやオオルリのさえずりがにぎやか。コロナで山行自粛している間に,山はすっかり初夏になってしまった。
ほどなくオワシ谷(大鷲谷。八ヶ峰に南から突き上げている谷)出合。林道を外れ,オワシ谷に沿って歩いて行く。植林の中の細い流れで,最初の印象はあまりぱっとしない。
ほどなくオワシ谷(大鷲谷。八ヶ峰に南から突き上げている谷)出合。林道を外れ,オワシ谷に沿って歩いて行く。植林の中の細い流れで,最初の印象はあまりぱっとしない。
しかし,そのうち黒く美しいナメが連続するようになり,感じが良くなってきた。
しかし,そのうち黒く美しいナメが連続するようになり,感じが良くなってきた。
ナメの上を滑るように流れる水。
ナメの上を滑るように流れる水。
立派な株立ちのカツラの樹。
1
立派な株立ちのカツラの樹。
5mほどの滝。右手から直登していく。冷たい水を浴びながらホールドを探っていると,冬の間に忘れていた沢登りの楽しさがよみがえってくる。
5mほどの滝。右手から直登していく。冷たい水を浴びながらホールドを探っていると,冬の間に忘れていた沢登りの楽しさがよみがえってくる。
断続的にナメが続き楽しい。
断続的にナメが続き楽しい。
510m二俣に到着。地図上で大きい滝がありそうだと目星をつけているのは右俣なのだが,念のため先に左俣を覗いてみることに。
510m二俣に到着。地図上で大きい滝がありそうだと目星をつけているのは右俣なのだが,念のため先に左俣を覗いてみることに。
左俣は水量が少なく少し寂しい感じで,何もないかな,戻ろうかな…と気乗りしないまま歩を進めると,奥に大きな滝が現れてびっくり。
左俣は水量が少なく少し寂しい感じで,何もないかな,戻ろうかな…と気乗りしないまま歩を進めると,奥に大きな滝が現れてびっくり。
水量は少ないが,黒い岩盤が存在感十分の15mほどの立派な滝。滝身を登れそうにも見えたが,大事を取って右手から巻いていく。
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水量は少ないが,黒い岩盤が存在感十分の15mほどの立派な滝。滝身を登れそうにも見えたが,大事を取って右手から巻いていく。
15m滝の上にも斜滝が続いており,すぐ引き返すつもりで入ったはずの左俣だったが,思った以上の面白さにずるずると登っていってしまう。
15m滝の上にも斜滝が続いており,すぐ引き返すつもりで入ったはずの左俣だったが,思った以上の面白さにずるずると登っていってしまう。
滝が途切れたら引き返そう,と思うのだが,結局ナメ滝が連続して途切れることなく,滝と戯れながら登るうちに,稜線近くまで登ってしまった。
滝が途切れたら引き返そう,と思うのだが,結局ナメ滝が連続して途切れることなく,滝と戯れながら登るうちに,稜線近くまで登ってしまった。
やっと谷が平凡化。これで心置きなく引き返せる…。
しかし期待していなかった枝谷でもこんなにナメや滝が出てくるとは,小粒ながら面白い谷だ。
やっと谷が平凡化。これで心置きなく引き返せる…。
しかし期待していなかった枝谷でもこんなにナメや滝が出てくるとは,小粒ながら面白い谷だ。
登ってきた左俣を二俣まで下降。15m滝も左岸を巻き下った。
登ってきた左俣を二俣まで下降。15m滝も左岸を巻き下った。
さて,二俣まで戻った後,本命の右俣に入る。ここからしばらく等高線が混んでおり,大きな滝が隠れているのではと目星をつけていた箇所の一つ。右俣はさっそく7mほどの斜滝から始まる。
さて,二俣まで戻った後,本命の右俣に入る。ここからしばらく等高線が混んでおり,大きな滝が隠れているのではと目星をつけていた箇所の一つ。右俣はさっそく7mほどの斜滝から始まる。
大きなトチノキ。この周辺の谷にはトチノキの巨樹が多い。実が食料になるので,きっと里人に大事にされてきたのだろう。
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大きなトチノキ。この周辺の谷にはトチノキの巨樹が多い。実が食料になるので,きっと里人に大事にされてきたのだろう。
と,一筋の糸のように斜めにかかる美しい20m滝。右手から斜面を巻き上がる。
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と,一筋の糸のように斜めにかかる美しい20m滝。右手から斜面を巻き上がる。
さらに,その奥には稲妻状にジグザグに落ちる4段ほどの大きな滝が。おそらく4段全部で40m〜50mほどあると思われる。水量が少なく迫力があまりないのが惜しいが,やはり大滝は存在していた。
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さらに,その奥には稲妻状にジグザグに落ちる4段ほどの大きな滝が。おそらく4段全部で40m〜50mほどあると思われる。水量が少なく迫力があまりないのが惜しいが,やはり大滝は存在していた。
この滝は右手から巻いていくが,斜面がかなり立っており,露岩の間を縫って靴幅サイズの足場をつなぐようなちょっと緊張する高巻き。
この滝は右手から巻いていくが,斜面がかなり立っており,露岩の間を縫って靴幅サイズの足場をつなぐようなちょっと緊張する高巻き。
40m滝の最上段の直下に降り立った。最上段はホールドが豊富なので,ここぞとばかりシャワークライミングで締めくくらせていただく。
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40m滝の最上段の直下に降り立った。最上段はホールドが豊富なので,ここぞとばかりシャワークライミングで締めくくらせていただく。
大滝の上は少し穏やかになるが,ナメと小滝が相変わらず続いて嬉しい限り。
大滝の上は少し穏やかになるが,ナメと小滝が相変わらず続いて嬉しい限り。
木漏れ日の中,水と戯れつつ行く。
木漏れ日の中,水と戯れつつ行く。
オオルリやミソサザイの複雑な歌声,キビタキの誰何するような声,ヒガラの弾むようなソプラノ。初夏の谷はにぎやかだ。
オオルリやミソサザイの複雑な歌声,キビタキの誰何するような声,ヒガラの弾むようなソプラノ。初夏の谷はにぎやかだ。
水量もだいぶ少なくなり,もう水切れかな,と何度も思うのだが,そのたびに小滝が現れて楽しませてくれる。
水量もだいぶ少なくなり,もう水切れかな,と何度も思うのだが,そのたびに小滝が現れて楽しませてくれる。
地形図上ではもういいかげん平坦地になっているはずなのに,小滝が途切れない。小さな谷なのに最後まで歓待してくれる。
ここは急に谷が狭まって,ちょっとしたゴルジュのようになっていた。
地形図上ではもういいかげん平坦地になっているはずなのに,小滝が途切れない。小さな谷なのに最後まで歓待してくれる。
ここは急に谷が狭まって,ちょっとしたゴルジュのようになっていた。
まだナメ滝が途切れない。
まだナメ滝が途切れない。
ついに水切れか。
ついに水切れか。
ついに水が切れ,谷は斜面に吸収されていく。一帯に広がるブナとミズナラのみずみずしい新緑が美しい。
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ついに水が切れ,谷は斜面に吸収されていく。一帯に広がるブナとミズナラのみずみずしい新緑が美しい。
急斜面を喘登することしばし,稜線が近づいてきた。
急斜面を喘登することしばし,稜線が近づいてきた。
ポンと飛び出たところが,ちょうど八ヶ峰の山頂だった。
ポンと飛び出たところが,ちょうど八ヶ峰の山頂だった。
北東方面の眺め。百里ヶ岳が良く見える。
空気が澄んでいれば白山も…今日はさすがに無理か。
北東方面の眺め。百里ヶ岳が良く見える。
空気が澄んでいれば白山も…今日はさすがに無理か。
写真ではわかりにくいが,日本海も望めた。
写真ではわかりにくいが,日本海も望めた。
さて,下りは知井坂の登山道ではなく,登ってきたオワシ谷の一つ東隣の谷(名称不明。御存じの方,教えてください…)を下降することに。この谷も等高線が混んでおり,大きな滝があるかもしれない。
美しい新緑の中を,稜線を南東へ辿っていく。
さて,下りは知井坂の登山道ではなく,登ってきたオワシ谷の一つ東隣の谷(名称不明。御存じの方,教えてください…)を下降することに。この谷も等高線が混んでおり,大きな滝があるかもしれない。
美しい新緑の中を,稜線を南東へ辿っていく。
地図を案じて,適当なところから稜線を外れ,狙った谷へ下降していく。
地図を案じて,適当なところから稜線を外れ,狙った谷へ下降していく。
斜面は切れ込みを深め,次第に深い谷になっていく。かなりの急斜面のため,斜面や沢床を絡みながら,慎重に下降していく。振り返って撮影。
斜面は切れ込みを深め,次第に深い谷になっていく。かなりの急斜面のため,斜面や沢床を絡みながら,慎重に下降していく。振り返って撮影。
目の前の斜面がすっぱり切れた。滝だろうか。
目の前の斜面がすっぱり切れた。滝だろうか。
左岸から巻いていく。やはり滝であった。しかもかなり長い斜滝だ。
左岸から巻いていく。やはり滝であった。しかもかなり長い斜滝だ。
斜滝を巻き切って撮影。多段50mといったところか。水量が少ないうえに姿もあまり美しくはないが,大きさの点ではなかなかのものだ。
斜滝を巻き切って撮影。多段50mといったところか。水量が少ないうえに姿もあまり美しくはないが,大きさの点ではなかなかのものだ。
この後も5m〜10mの滝が断続的に現れ,クライムダウンしたり,巻いたりしながら下降していく。ロープが必要になる場面は特になかった。
この後も5m〜10mの滝が断続的に現れ,クライムダウンしたり,巻いたりしながら下降していく。ロープが必要になる場面は特になかった。
平流の区間もひたすらナメ床で,普通の河原状のところがほとんどない。ひたひた歩いているだけで楽しい。
平流の区間もひたすらナメ床で,普通の河原状のところがほとんどない。ひたひた歩いているだけで楽しい。
ナメと小滝が段々になって続いている。
ナメと小滝が段々になって続いている。
木漏れ日の中,なめらかな滑り台のようなナメを滑っていく水。
木漏れ日の中,なめらかな滑り台のようなナメを滑っていく水。
結局,知見谷川の本流との出合の直前までナメが途切れなかった。谷全体がナメでできているかのような,小さいながら美しい沢だ。
結局,知見谷川の本流との出合の直前までナメが途切れなかった。谷全体がナメでできているかのような,小さいながら美しい沢だ。
知見谷川の本流に合流し,駐車地へと下っていく。美しく手入れされた植林の中をゆったりと流れる知見谷川を眺めつつ行く。
知見谷川の本流に合流し,駐車地へと下っていく。美しく手入れされた植林の中をゆったりと流れる知見谷川を眺めつつ行く。
タニウツギの花盛り。
タニウツギの花盛り。
いったん駐車地に戻ってきたのだが,まだ12時…。全然物足りない。
そこで,もう一箇所,地形図上で気になっていた場所に行ってみることに。まずは雄滝を目指すため,権現谷に入る。権現谷へは駐車地のすぐそばのこの看板から。
いったん駐車地に戻ってきたのだが,まだ12時…。全然物足りない。
そこで,もう一箇所,地形図上で気になっていた場所に行ってみることに。まずは雄滝を目指すため,権現谷に入る。権現谷へは駐車地のすぐそばのこの看板から。
権現谷は雄滝まで見るべきものはないため,いきなりですが雄滝の下にワープ。
雄滝(50m)はこの界隈では最大級の滝と言われており,大きな岩盤の上を末広がりに落ちる姿も美しく,確かに堂々とした滝である。
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権現谷は雄滝まで見るべきものはないため,いきなりですが雄滝の下にワープ。
雄滝(50m)はこの界隈では最大級の滝と言われており,大きな岩盤の上を末広がりに落ちる姿も美しく,確かに堂々とした滝である。
しかし,実際は大きさの点では雄滝のすぐ手前の枝谷にある女滝のほうが大きい。何といっても多段100m以上はあるのだ。写真は枝谷の入り口から女滝をのぞき込んだところだが,この目立たない斜滝の奥にそんなに大きな滝が隠れているとは,とても見えない…(女滝の全容については,2019.8.25の山行記録参照)。
しかし,実際は大きさの点では雄滝のすぐ手前の枝谷にある女滝のほうが大きい。何といっても多段100m以上はあるのだ。写真は枝谷の入り口から女滝をのぞき込んだところだが,この目立たない斜滝の奥にそんなに大きな滝が隠れているとは,とても見えない…(女滝の全容については,2019.8.25の山行記録参照)。
さて,今日の目的は雄滝でも女滝でもなく,雄滝の更に上流だ。雄滝の両岸はかなり立っているが,地図を案じて少しでも傾斜が緩そうな左岸から巻き上がっていく。ちょっと大きめの高巻きとなり一汗かかされた。
さて,今日の目的は雄滝でも女滝でもなく,雄滝の更に上流だ。雄滝の両岸はかなり立っているが,地図を案じて少しでも傾斜が緩そうな左岸から巻き上がっていく。ちょっと大きめの高巻きとなり一汗かかされた。
雄滝の落ち口から下をのぞき込んだところ。落ち口から瀑水が見事な放物線を描いて空中を落下していき,なかなかの見もの。
雄滝の落ち口から下をのぞき込んだところ。落ち口から瀑水が見事な放物線を描いて空中を落下していき,なかなかの見もの。
落ち口の岩盤には,きれいなポットホールがひとつ穿たれていた。
落ち口の岩盤には,きれいなポットホールがひとつ穿たれていた。
雄滝の上はいたって穏やかな流れとなる。権現谷は知見谷川本流側よりも自然度が高く,歩いているだけで気持ちがいい。
雄滝の上はいたって穏やかな流れとなる。権現谷は知見谷川本流側よりも自然度が高く,歩いているだけで気持ちがいい。
さて,問題の枝谷に着いた。ここは枝谷が急角度に曲がりつつ等高線が圧縮されており,大きな滝が隠れていそうなところ。出合いに小ぶりな滝がかかっているが,この先に何かあるだろうか…
さて,問題の枝谷に着いた。ここは枝谷が急角度に曲がりつつ等高線が圧縮されており,大きな滝が隠れていそうなところ。出合いに小ぶりな滝がかかっているが,この先に何かあるだろうか…
枝谷を登っていくが,結局5m〜10mほどの滝が3つほどかかっているだけだった。残念!
枝谷を登っていくが,結局5m〜10mほどの滝が3つほどかかっているだけだった。残念!
しかし,せっかくここまで登ってきたのに,引き返すのももったいない。権現谷は周囲の森が美しく雰囲気も良いし,このまま谷を詰めて稜線まで出ることにした。
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しかし,せっかくここまで登ってきたのに,引き返すのももったいない。権現谷は周囲の森が美しく雰囲気も良いし,このまま谷を詰めて稜線まで出ることにした。
ところどころ藤の花が咲いていた。
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ところどころ藤の花が咲いていた。
広場のようになった二俣に着くと,左岸側に明らかに人の手による石積みが現れてびっくり。
広場のようになった二俣に着くと,左岸側に明らかに人の手による石積みが現れてびっくり。
その近くには炭焼き窯の跡もあった。先ほどの石積みは炭焼き小屋の跡なのかもしれない。昔は里人がここまで炭を焼きに来ていたのだ。わざわざ雄滝を越えて,よくこんな奥地まで…。
その近くには炭焼き窯の跡もあった。先ほどの石積みは炭焼き小屋の跡なのかもしれない。昔は里人がここまで炭を焼きに来ていたのだ。わざわざ雄滝を越えて,よくこんな奥地まで…。
10mほどの滝が現れ,滝身を直登していく。
10mほどの滝が現れ,滝身を直登していく。
滝の落ち口には,立派なトチノキが聳えていた。
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滝の落ち口には,立派なトチノキが聳えていた。
ブナとミズナラの美しい自然林の中,次第に小さくなりながらも谷は続いていく。
ブナとミズナラの美しい自然林の中,次第に小さくなりながらも谷は続いていく。
断続的に現れる小滝を,楽しみながら登っていく。
断続的に現れる小滝を,楽しみながら登っていく。
ついに水が切れたため,谷を離れて斜面に取りつき,稜線を目指して急斜面を登っていく。
ついに水が切れたため,谷を離れて斜面に取りつき,稜線を目指して急斜面を登っていく。
稜線に上がった。地図上ではこの区間は登山道がないことになっているが,実際には薄い踏み跡があり,藪もなく,全く問題なく歩ける。
稜線に上がった。地図上ではこの区間は登山道がないことになっているが,実際には薄い踏み跡があり,藪もなく,全く問題なく歩ける。
帰りはやはり知井坂の登山道ではなく,知井坂の通っている尾根の西側の谷を下降することにした。この谷は下部に小滝(20m)がある谷で,一部等高線が混んでいるため,もしかしたら何か隠れているかも,と考えていた。
帰りはやはり知井坂の登山道ではなく,知井坂の通っている尾根の西側の谷を下降することにした。この谷は下部に小滝(20m)がある谷で,一部等高線が混んでいるため,もしかしたら何か隠れているかも,と考えていた。
P772mの東隣のピークから南へと谷を下降していく。地図から予想した通り急斜面だが,特にロープを出すことなく下っていくことができる。
P772mの東隣のピークから南へと谷を下降していく。地図から予想した通り急斜面だが,特にロープを出すことなく下っていくことができる。
ここにも立派なトチノキが。
ここにも立派なトチノキが。
滝はいくつか出てくるが,それほど大きくなく,比較的楽にクライムダウン又は巻き下りでクリアできる。
滝はいくつか出てくるが,それほど大きくなく,比較的楽にクライムダウン又は巻き下りでクリアできる。
結局,期待していた大きな滝は出てこなかったが,そんなことはどうでもよくなるくらい,この谷も美しい自然林に包まれている。ミソサザイのさえずりが大音量で谷中にこだましている。
結局,期待していた大きな滝は出てこなかったが,そんなことはどうでもよくなるくらい,この谷も美しい自然林に包まれている。ミソサザイのさえずりが大音量で谷中にこだましている。
ここにも炭焼き窯跡が。八ヶ峰は里人の生活の場だったようだ。
ここにも炭焼き窯跡が。八ヶ峰は里人の生活の場だったようだ。
かなり下ってきたところで,目の前が大きくすっぱり切れ落ちた。おそらく,小滝だ。
かなり下ってきたところで,目の前が大きくすっぱり切れ落ちた。おそらく,小滝だ。
滝のすぐ左岸側の斜面を慎重にクライムダウンして滝下に降り立ち,見上げると,果たして小滝(20m)であった。雄滝,女滝とともに,「知見三滝」を構成している(らしい)。今日は滝をたくさん見てきたので,これくらいのサイズの滝だともう驚かなくなっているが,それでもなかなか美しい滝だと思う。
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滝のすぐ左岸側の斜面を慎重にクライムダウンして滝下に降り立ち,見上げると,果たして小滝(20m)であった。雄滝,女滝とともに,「知見三滝」を構成している(らしい)。今日は滝をたくさん見てきたので,これくらいのサイズの滝だともう驚かなくなっているが,それでもなかなか美しい滝だと思う。
権現谷を歩いて戻り,駐車地に帰着。
権現谷を歩いて戻り,駐車地に帰着。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。ちょっとぬめっているので,ラバーよりフェルトがいいと思います。
・ロープ(40m),ハーネス等の沢登りの基本装備は一応持ちましたが,結局使う機会はありませんでした(ハーネスも結局ザックに入れたまま)。下降も懸垂なしで大丈夫でした。

感想

 地元京都でも緊急事態宣言が解除されたが,都道府県をまたいだ移動については自粛要請が継続されている。これはむしろ地元の山をじっくり歩き回るいい機会,ということで,前々から地図を眺めて気になる地形をいくつか見つけていた八ヶ峰の京都府側の沢を歩いてみることにした。
 八ヶ峰は,昨年8月に権現谷の雄滝を見に行った際に,雄滝の手前の枝谷にある女滝のうえで100mを越えると思われる長大な滝に遭遇し,びっくりしたところだが,地形図を眺めていると,八ヶ峰のある稜線に突き上げるいくつかの谷の中に,他にも大滝が隠れていそうな地形が散見され,機会があればじっくり調べてみたいと思っていたところだった。
 今回,実際に歩き回ってみて,目星をつけていたいくつかの地点で,稲妻状40m滝をはじめとした大きな滝に出合うことができた。しかし,大滝の有無は別にしても,どの谷も黒く美しいナメや小滝が続く楽しい谷で,トチノキやカツラの巨樹との出会いもあり,予想以上に面白い谷歩きをすることができた。谷の規模も小さく水量も少なめなので,本格的な沢登りという興味からすると物足りないかもしれないが,苔むした森の中に続くナメをひたひた歩いたり,人の気配のない静かな沢をぶらぶら逍遥したりするのが好きな人であれば,なかなか良い一日が過ごせるのではないかと思う。
 実は,今回歩いた谷の他にも,まだ気になる地形のある谷がこの周辺に残っているので,またの機会に歩いてみたいと思う。


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