秋合宿第一弾〜八ヶ岳核心部縦走
- GPS
- 50:45
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,579m
- 下り
- 1,579m
コースタイム
9/16 行者小屋4:30-6:00赤岳6:30-7:00天望荘(朝食)07:30-8:40横岳9:00-9:45硫黄岳山荘10:25-10:45硫黄岳11:10-12:15赤岳鉱泉(昼食)13:00-13:50行者小屋
9/17 行者小屋7:30-9:15やまのこ村
天候 | 9/15 晴れ時々曇り 9/16 晴れ 9/17 雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全線危険箇所なし |
写真
感想
今回の山行は天候の読みが明暗を分けた。この計画が発効される前は、一泊二日の権現岳だった。というのも三日間は晴れないという予想があったからだ。ところが、「どうやら三日間とも晴れるらしい」との情報が入ってきたため、急遽二泊三日のこの計画に変更したのだった。秋の天気は変わりやすいことはよく知っているのだが、なにせ今年は秋というにはまだ早い異常な気候。はたしてその結末は。
八ヶ岳は何度も登っているが、赤岳を中心とした核心部だけは登ったことがなかった。というのは、八ヶ岳全山縦走の時にと思って残していたからだ。しかしそれほどこだわりがあるわけでもなく、今回たまたまパートナーとのタイミングも合ったことから、二泊三日のBC型周回縦走を行うことになった。
いつもは美濃戸口からスタートするのだが、今回は林道を車で進み、やまのこ村の駐車場からの出発となる。三連休ということもあり、駐車場は朝から激混みだ。管理のおじさんが手際よく誘導してくれたので、意外とすんなり駐車できた。軽く朝食を済ませ早速パッキングを行う。3日間のBC型となるとかなりの歩荷だ。案の定30Kg近くなってしまった。今日は行者小屋までだからたいしたことはないのだが、さすがに重い。昔は合宿となると40KgのW歩荷のことも多かったが、それから比べればおとなしくなったものだ。
美濃戸山荘の先から南沢を詰め、ひたすら行者小屋を目指す。途中何度か休憩し、いい汗をかきながらのアルバイトであった。行者小屋のテン場は7割ほどうまっていたが、まずまずの場所にBCを設営できた。昼食を済ませ一休みしてから「阿弥陀でもピストンするか」という予定であったが、ガスってきたこともあり、BCでブリリアントな午後を過ごすことにした。そして夕飯の準備前に中山の展望台まで行ってみた。
今晩の夕食は豪華にビーフシチュー。なかなかの出来だった。腹もいっぱいになり、食後の談笑もひと段落したところで早めに寝ることにした。
中日はいよいよ核心部の縦走だ。天気もよさそうである。コーヒーを一杯飲んで出発準備にかかる。真っ暗なテン場をスタートし、文三郎に取り付く。下から見ても急だったが、実際に登ると更に急であった。上部は鎖と階段でそれほどでもなかったが、下部の階段の無いところは意外と厳しかった。
稜線に出ると夜明けを迎えた。場所的に御来光は見えないが、あたりの山が赤く染まってゆく。何度見てもいい景色だ。ここから主稜線までは、急峻な岩場となる。全線鎖はついてはいるが、慎重に登る。そして、主稜線に出ると一気に太陽の恩恵を受ける。眩しい日差しが暖かい。程なくして赤岳山頂に到着。山頂は人でごった返している。そんな中、ネクタイ集団がケーキを持って現れた。どうやら山頂でハッピーバースディーのようだ。なかなか面白い企画である。自分たちも山で散々馬鹿なことをやってきたが、あるとき山の神様の逆鱗に触れ、とんでもない怖い思いをした。(その逸話は次回の山行記録で明かされるかもしれません)
赤岳山頂を後に天望荘まで下る。この区間は結構急で滑りやすく雨の日はいやらしい感じだった。天望荘の脇で朝食にする。朝食は昨晩作ったスペシャルサンドだ。この景色を見ながらの朝食は最高だ。これから進む横岳方面を眺めると、鎖場で長蛇の列ができている。天候も良くあわてる必要もない。ゆっくりと出発した。
出発してすぐ地蔵の分岐に着くと、地蔵から登ってくる沢山の登山者がいた。それにしてもこのルート、よく切り開いたものだ。階段はついているが、まっさかさまに下っている。分岐をやり過ごしていよいよ鎖場に突入する。前後左右人だらけだが、うまくタイミングと間隔をとり確実に進む。飽きがこなくてなかなか楽しい縦走路だ。稜線の岩場を右に左に上や下へと進んでゆくと横岳の山頂に着く。山頂は南北からの縦走者でごったがえしている。足の踏み場もないくらいだ。休憩もそこそこに先に進もうとしたが、この先に難所が待っていた。(通称蟹の縦×横×)ちょうど稜線をまたぐようなリッジで、どちらかもブラインドになっているため、中間地点での交換がえらいことになっている。1mくらいのテラスに20人ぐらいが身動きできずに固まっている。しばらく様子を見ていたが、状況が悪化してゆくばかりなので、交通整理に向かった。多少時間はかかったが、無事にクリアし硫黄岳に向かう。ここから先はなだらかな稜線で気持ちがいい。
硫黄岳山荘に到着し休憩にする。外観からは想像できないような新築トイレが印象的だった。山荘前のベンチでゆっくり休み。硫黄岳に向けて出発する。ここから多少の登りになるが、あっというまに硫黄岳に到着。硫黄岳の山頂はサッカー場ほどの広さで360度のパノラマが楽しめる。景色を堪能し腹も減ってきたので、賑わう山頂を後にする。赤岩の下りは結構長く、いつまでたっても赤岳鉱泉に着かない。いい加減「一本取るか」と思ったころ、赤岳鉱泉に到着した。
鉱泉のテラスで早速生ビールをいただく。昼食はカレーだ。何種類かあったのだが、一番辛いカレーにした。味は文句なしだった。後は中山峠を越えてBCに戻るだけ。「温泉でも浸かってゆこうか」とも思ったが、浸かった後にまた汗をかくのもどうかと思い、今回はやめておいた。
峠越えの途中どえらく酔っ払ってご機嫌なおっちゃんに話しかけられ、かなり長い時間お付き合いをしてしまった。おっちゃんの話によれば、「行者小屋でしこたま飲んで、これから赤岳鉱泉で温泉に浸かりまた飲む」そうだ。足元だけは気をつけてください。
無事BCに戻り、昼寝をした後夕食の準備にかかる。今晩のメニューは野菜たっぷりのきのこ鍋。なかなかうまかった。テン場も小屋もにぎやかでなんともいい雰囲気だ。後は明日の下山を残すのみ。あるをつくして気持ちよく寝入る。
深夜、けたたましい風雨の音で目が覚める。もしやこれは。雨である。しかも風も強い。朝までには止んでほしいという願いもかなわず、灰色の朝を迎えた。少しでも雨が弱まったら出発しようと思い、朝食を済ませ、少しずつ撤収の準備にかかるが、一向に雨風は治まらない。これは腹をくくるしかないと決め、一気に撤収を始める。雨の撤収劇は何年ぶりだろう。とにかく大変なことに変わりはない。
撤収を終え下山を開始する。このころから徐々に雨風が弱まってきた。というより、小屋のあたりが集中的にひどかったのかもしれない。そして駐車場に到着するころには、すっかりいい天気になっていた。「まぁこの程度でよかったか」と思いながら、装備を車に格納し近くの温泉に寄って家路へとついたのであった。
八ヶ岳という場所は、小屋が充実していてアプローチもよい。また、ルートもそれほど難しくないせいか、いろいろな人が登る山だ。特に最近は若い男女やファミリー、そして犬や猫まで。そして皆さんおしゃれだ。「もう我々のようなおじさんがつゆだくになって登る場所ではなくなってきているのかもしれない」と思いつつ冬の八ヶ岳計画を考えるのでした。
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