安達太良 石筵川遡行〜中ノ沢下降
- GPS
- 12:57
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,295m
- 下り
- 1,179m
コースタイム
- 山行
- 3:56
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 4:11
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 8:38
天候 | 9日 雨時々曇り 10日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
スタート地点は母成グリーンライン沿いの銚子ケ滝登山口。看板の向かいに駐車スペースあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
石筵川 遡行 銚子ケ滝登山口から登山道を小一時間程歩くと銚子ケ滝との分岐に着く。入渓する前に銚子ケ滝を見に行こうかとも思ったが、かなり下ってまた登り返してこなきゃいけないので今回はパス。 登山道をもう少し進むと石筵川の渡渉地点があるのでそこから入渓。 入渓してしばらくはずっとゴーロ歩き。ただ水がめっちゃ綺麗。釜などは青く透き通っており、雨が降ってたこの日でも十分綺麗に見えた。晴天の時はさぞかし綺麗に見えると思う。 長いゴーロ歩きで飽きそうだが、その水の綺麗さと、時折出てくる小滝を敢えて直登しながら進んだりしたので楽しみながら遡行出来た。 ゴーロを抜けると、1000m手前辺りにようやくF 1の20m2段滝。 水量が多くかなりの迫力である。水流右壁に残置のスリングが2つ程かかっているのが下からでも見える。 水線右のラインもシャワーで登れそうに見えたが、今回は重荷なので定説通り右壁を登る。 私は重荷を背負ったまま登ったのでかなり慎重に登った。manimaniさんは安全を期してロープで確保しながら空荷で登ってもらい、ザックは引き上げた。ここは重荷の場合だとリスクが大きいので、空荷で登りザックは引き上げた方が無難であった。 上段の滝は水線右が階段なので容易に登れる。 滝を越えると長いナメが始まり、相変わらず綺麗な釜等を見ながらのんびり歩く。 滝を何個か越えると、1200m付近の右岸に整地不要の絶好な幕営地があった。時間は早いが天気も悪いしここで幕営する事にした。 こんな雨の日は誰も沢に入らないだろうと思っていたが、我々が必死に濡れた薪に火をつけていると4人パーティーが通りかかった。このパーティーも泊まりらしく、もう少し先の右岸の台地にタープを張っていた。幕営地はこの他にも所々見受けられた。 翌日は朝から快晴の中遡行開始。 難しい滝やゴルジュなどはなく、沢に入り込む朝日を受けながら順調に進む。 1380mで二俣となり、左へ進む。右は和尚山方面。 左に入るとボサが強くなり、中腰の姿勢で進んだり笹薮を掻き分けたりしながら進むと船明神山直下の見事なスラブが見えてくる。さらに高度をあげると右手方向に乳首が見えてきて、安達太良山の山頂に立つ人影も鮮明に見える。最高の天気で登山道は賑わっていそうだ。 そのうちにボサもなくなり、船明神山から安達太良山の稜線が見えてくると水量も少くなりやがて水は枯れる。そのあとも沢型は残っており、開放感のあるガレ場を登り高度を稼ぐ。最後の二俣の1550mを左に取り、最高の景色の中登山道に合流。 藪漕ぎもなく開放感のあるこのツメは最高であった。 中ノ沢 下降 下山に使う中ノ沢の下降地点まで登山道を歩くが、短い登山道歩きの中でもやはりかなりの登山者と出会った。最高の天気の中、皆笑顔で歩かれてるのが印象的である。 その天国のような登山道から、我々は中ノ沢目指して激藪に突っ込む。 下降地点であるが、地形図には赤留川に沿うように登山道が記載されているが、このルートは廃道であり、踏み跡は期待出来ない。もし少しでも名残があればそれを利用して中ノ沢に降りようと思っていたが、この期待は泡と消える程の激藪であった。 とにかく地形図を見ながら中ノ沢の沢型目指して藪を漕ぐ。あまり左の斜面に引っ張られないように意識しながらGPSで現在地を何回も確認しながら進んだ。 ようやく顕著な沢型が現れ始めたのは、稜線登山道から150m程下降してからだった。ここまで藪漕ぎ一時間程。下りだったからまだよかったが、登りでは遠慮したい。それでもここまでの藪漕ぎ初体験のmanimaniさんは、何回も転がりながら雄叫びをあげて、本当に気が狂ってしまったか?と思う程のやられっぷりだった。 沢型が出てきてからは、最初のうちはボサが強いがそれも次第になくなり歩きやすくなる。 懸垂するような滝もなく、順調に下って行くと次第に沢床が赤くなってきた。そしてナメが始まる。この赤い沢床のナメは素晴らしかった。結構長い区間赤ナメが続き、疲れた身体にはいい活力になった。 少し水を舐めてみたが、やはり鉄分が多くとても飲めたものではなかった。 赤ナメはかなり下まで続いており、ヌメリも少なく下りやすかった。一個だけクライムダウンした8m程の赤いナメ滝を登ってみようと取り付いたが、ここだけ水線は何故かヌメリがあったので登るのはやめた。 脱渓は950m辺りで、沼尻高原の作業道のような荒れた道が沢と最接近するあたりで沢を出た。15分程作業道を歩いて、中ノ沢橋の車デポ地に戻り終了。 記 mooree |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ロープ
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
ロープスリング
渓流シューズ
ハーネス
30メートルロープ
シュラフ
マット
タープ
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感想
お盆休み前半は天気がイマイチのようで小雨が降るなか出発。
入渓してしばらくゴーロ歩き、変化もなく滝もなく飽きてきた。
F1の20m2段滝、左岸にスリングが2本あり。
今回は泊まり装備で荷物も重い、とても登れそうになく、空身で登りロープでザックを引き上げることにした。空身だとすんなりと登れたが、荷物を背負うと中段のテラスから最後のひと登りが左壁がハングしており一歩の踏出しがいやらしいかも。
滝を登った後はナメが始まった、これが結構長い。
1200m付近に整備されたかのような快適な幕営地があり、天気も悪かったのでここに泊まることにした。
タープを張り、焚き火用の薪を探す、辺りに薪はあまり多くはない。湿った薪は中々火がつかなくかなり苦労することになった。
二日目、快晴の空のもと出発、ゴーロ歩きがメインであとは一つ大きな滝があるだけでこれも簡単に登れる。二俣を左へ進むとボサってくる、藪は酷くはなくあまり苦労せず進めるようだ。しばらく歩くとスラブが見えた、船明神山のスラブだ。
水が涸れると辺りは一変する、荒々しい雰囲気に、ザレ場を登りつめると船明神山の直下の稜線に到着。暑さと人の多さに、そういえば今日は『山の日』だったと思い出した。
稜線を少し歩き、赤留川へ下降する廃道辺りから激藪に突っ込む、あわよくば廃道がわかればよかったが、まったくわからず。沢型を探しつつ中ノ沢を目指す。
この激藪は今まで出会ったどの藪より酷かった、奇声をあげながら藪との格闘は続いた。明瞭な沢型を発見した時の嬉しさはなかったね。
ボサった沢をしばらく下降していくと真っ赤なナメ床の沢へ突如変貌した。
あまりにも突然だったので驚いた。赤いナメ床は全く滑らず、下降には持って来いの沢だ。大きな滝が一つあるだけで、ここもロープは使わずクライムダウンだけですんだ。沢から脱渓して15分ほど林道歩いて無事に下山したのだった。
石筵川を遡行する計画をしてる時、偶然数日前に中ノ沢の遡行記録を目にした。
石筵川だけだと一泊するか日帰りするか迷っていたが、この中ノ沢を下降に使うルートならばゆっくり沢泊を楽しんで歩けると思い、沢から沢への周回ルートを歩く事にした。
一日目は天気が悪く夕方になっても雨は降り続いており、ぐっしょり濡れた薪に火をつけるのに大変難儀した。何回か、もう焚き火は諦めて細々飲み始めようと喉まで出かかったが、二人で諦めずに粘った結果盛大に燃えてくれた時は歓喜の雄叫びを上げた。
沢泊をよくやる人ならわかると思うが、例え夏でも雨の中沢登りをしたあとに焚き火があるかないかとでは天国と地獄程の違いがある。
ホント諦めないでよかった。
翌日は最高の天気の中気持ちいいツメを歩く事が出来た。中ノ沢への藪漕ぎ下降はかなりの重労働だったが、そのあとに待っていた赤ナメを歩けた事で最後まで充実の沢旅が出来て大満足である。
数日前に数少ない中ノ沢の記録を上げて下さったYKA0805さん、大変参考にさせていただきました。ありがとうございました。
行ったんですねぇ
結構ぐずついた空模様だったけど二日目の青空はご褒美でしたね
良い感じの沢、ここ そのうち行ってみたいところの一つに追加させていただきます
歩き始めは雨降りでテンション上がりませんでしたが、焚火が始まったら疲れも吹っ飛びました (火がつくまでブルブル震えていました)
中ノ沢への下降はchicken_manさんもご納得いただける激藪こと間違いなしです(笑)
沢自体は二つの沢とも難しい滝はないので自分でもくなく歩けましたよ。
機会があれば是非
chicken_manさん、コメントありがとうございます。
安達太良の沢は私は4本目ですが、石筵川は最後のツメに関しては一番よかったです。渓相も良くて癒し系のいい沢でした。
紅葉の時期なんかさらに良さそうですね🎵
やはり赤ナメは苦かったですか
もしや味覚障害になったのでは?とひそかに恐れていましたが…
中ノ沢は安全に下れるので、赤留川、石筵川等から周回するにはもってこいの沢ですね。自分のレコがちょこっとでもお役に立てたなら幸いです。
YKA0805さん、こんにちは、コメントありがとうございます!
YKA0805さんのレコを拝見しなければ石筵川の遡行だけで終わってたと思うので、大変参考になりました。ありがとうございました。YKA0805さんの中ノ沢の遡行記録だと、途中で尾根を乗っ越して赤留川をツメてらっしゃいましたね。中ノ沢を下降する時に、そのルートで降りようかともちょっと考えたんですが、傾斜のあるルンゼなどもあるようだったので、藪こぎを選択しました😅かなりの藪でしたが、無事中ノ沢にたどり着けてホッとしました。
赤ナメの鉄の味は強烈でしたね(笑)このご時世、味覚障害は死活問題ですからね😱
またレコを参考にさせていただく事もあるかと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。
YKA0805さん、はじめまして。
赤ナメ苦かったです 支流の沢は普通に飲めましたね。
今回行くにあたりYKA0805さんのレコ何度も拝見させて貰いました。
大変参考になり助かりました。ありがとうございました!
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