餓鬼岳＊唐沢岳＊北アルプスの隠れた名峰＊テン泊重量地獄＊ご褒美は天国のような光景＊

2020年08月14日(金) 〜 2020年08月16日(日)

• GPS: 23:26
• 距離: 20.1km
• 登り: 2,575m
• 下り: 2,597m

コースタイム

1日目

• 山行: 8:17
• 休憩: 1:02
• 合計: 9:19

5:47 白沢登山口
6:44 6:46 紅葉の滝
7:54 8:09 魚止めの滝
8:36 9:06 最終水場
11:30 11:43 大凪山
15:01 15:03 餓鬼岳
15:06 餓鬼岳小屋

2日目

• 山行: 6:06
• 休憩: 1:41
• 合計: 7:47

7:09 餓鬼岳小屋
7:11 7:17 餓鬼岳
7:56 8:08 展望台
8:39 8:44 餓鬼のコブ
10:42 11:53 唐沢岳
13:28 13:33 餓鬼のコブ
14:15 14:16 展望台
14:49 14:50 餓鬼岳
14:56 餓鬼岳小屋

3日目

• 山行: 4:51
• 休憩: 1:15
• 合計: 6:06

6:20 餓鬼岳小屋
6:26 6:40 餓鬼岳
6:45 6:50 餓鬼岳小屋
6:57 6:58 餓鬼岳
8:31 8:31 大凪山
9:48 10:33 最終水場
11:01 11:11 魚止めの滝
11:48 11:48 紅葉の滝
12:23 12:23 白沢登山口
12:26 ゴール地点

天候

3日間＊晴天

アクセス

利用交通機関：

自家用車

＊餓鬼岳 白沢登山口＊
マップコード：158 755 464*67

・駐車場(上部に5台 少し下に10台程)

・簡易トイレ 1つ
(トイレットペーパー有)

国営アルプス安曇野公園・大町松川地区へ向かいます。途中までは広い道ですが、公園を過ぎると途端に狭くなります。
舗装はしてありますが、見通しの悪いカーブが続きます。
しばらく進むとモトクロス場(ワイルドクロスパーク-GAIA)が左手に現れ、さらに1kmほど進んだ場所が登山口駐車場です。

お盆休み中でも満車にならない程、
静かな登山口のようです。

コース状況／危険箇所等

登山者の少ない静かなお山ですが
登山口にはトイレ完備で
最低限の刈り払い等もされています。
餓鬼岳小屋の方々に 感謝です。

背丈程ある笹漕ぎ 藪漕ぎの際
枝が飛び出していることがあり
短パン等の素足が出る服装では
擦り傷の可能性があります。

(タイツ等を履かずに 暑さで裾をめくって歩いていたために 私は強めの擦り傷となりました。）

梯子 桟橋は朽ちている可能性があり
自己責任で注意して使用します。

その他周辺情報

【天然ラドン 馬羅尾 天狗岩温泉】

(登山口から車で20分)
600円
http://suzumushi.jp/suzumushiso/spring/


【餓鬼岳小屋】
開設期間：７月１５日（水）〜１０月中旬
定員：１日１０名の予約で受付

運営方針：山小屋完全予約制、テント場予約制
ＴＥＬ：０２６１−２２−２２２０（お電話にて小屋状況をお問い合わせください）

写真

日本二百名山【餓鬼岳】は
大人気の【燕岳】の お隣の山。

登山者の少ない登山口に
簡易トイレ完備。有難い。

標高1000mの登山口。

満天の星空の下で車中泊☆彡
涼しくて 熟睡できました。.:・*

希望の光。
異次元への入口

お天道様 (。•人•。)
今日も一日 見守って下さい

AM 6:00

餓鬼岳への標準CTは 6時間半。
標高差 1600m ‼︎

さすが北アルプス

テント装備の重いザックを背負い
何時間かかるかな…

( *・`ω・)/ いざ！

まずは 白沢沿いに。

細い足場の崖沿いを へつる感じで歩く。
ここは 鎖があるから 安心。

【シラヒゲソウ】
初めて見ました。
白い布を 裁断したまま作ったような
不思議な花弁。

水晶のような天然石が1つ落ちていた。

この辺りの地質構造を
ブラタモリ等で観てみたい。

ナメ

渡渉箇所もあるので
大雨の後などは要注意。

へつりも ハシゴも
黙々と熟す。

【魚止めの滝】
結構な落差があり
豪快な水流が落ちるのを
間近で見ると圧巻でした。

約2時間で既にヘロヘロ
(〃_ _)σ∥

【魚止めの滝 1300m】の標識。

登山口から標高300mしか登っていないの？
残り 1300m…
まだまだ 先は長い…

【最終水場】

白沢沿いは水場は豊富。
ここが最後！
見落とし要注意

1.8Ｌ＋500ml の水を汲み
ザックに入れる。

重い… 重すぎる…

足取りが重くなる。

段差が大きいと たった一歩がキツい…

【ヒキオコシ】？
【ヤマハッカ】？

【大凪山】
展望はないが
樹林帯の日陰で根っこに腰掛け

おやつと飲み物の重量を
ザックから自分のお腹に移動。

樹林帯より見えるお山
ギザギザでカッコイイけど
何山かな？

素敵なお山が
樹林帯の間から 見えます。

豪快な崩壊地脇を通過

笹漕ぎが結構あります。

登山者の少ない登山道ですが
最低限の整備はされています。

今までも散々 曲がってきたのに
ここからが【百曲り入口】

【サンカヨウの実】

【アザミ】？

終わりが見えてきた…
疲れで長く感じたけど ぴったり15分でした。

PM3:10
餓鬼岳小屋に到着

パトラッシュ
(〃_ _)σ∥ 僕はもう疲れたよ。

重いザック背負って9時間20分。
(標準CT 6時間半ですけど何か？)

(⑅´•⌔•`)*✲゜*。

小屋から見える 裏銀座の稜線

餓鬼岳小屋でテント受付

テント場は たったの5張。
電話予約済み。

1泊 1人 1000円

水 1リットル200円

雨水塩素消毒の水は透明でちゃんと飲めました。
最終水場から無理に担ぎ上げなくてもいいな。
今後は荷物の軽量化(´ω｀*)

キモ可愛い系ガッキーから花束

「よくきた」

と自分で自分にご褒美を。
(ビール買おっと♪)

幕営場所は小屋から2分程下った場所で 最大5張という狭さ。

平らに張れるのは3張で
あとの2張は 若干 傾斜地。

のんびり到着したけど

平らな場所を確保できて
よかったぁ(´▽｀)/

小屋とテント場を繋ぐ道は
燕岳の雰囲気。

【イルカ岩】みたいに
名前をつけたらバズるかな。

【餓鬼の首】とか どう？
(地獄の釜の蓋が開いて餓鬼も出入り自由な日)

仏教の世界観はバズらないね

【餓鬼岳】と小屋(中央の木の裏)

燕岳へと続く 丸山新道

【餓鬼岳】を背景に

遠くに見える赤い屋根は
大人気の【燕岳】燕山荘

夕飯には早いけど小腹が減り
カップ無しの【お碗で食べるどん兵衛】は柚子の香りが美味！
とろろ昆布と梅干しをトッピング
(*゜〜゜*)もぐ‥

日の入を拝みに
小屋から5分の餓鬼岳山頂へ

尾根の先には
2日目に登る予定の【唐沢岳】

明日も 頑張るぞっ
(*￣0￣)/

西に沈む太陽は暫く赤い光線を
裏銀座の背景スクリーンとして残す。

山頂に宿泊した者だけに
与えられる贈り物｡.:･*ﾟ

満天の星空と 天の川に抱かれて
おやすみなさい☆彡

おはよう(*´▽`*)ﾉ
アラーム不要の爽やかな目覚めで ご来光待ち。

『地球の上で眠る』って
テント泊のことだな なんて思った。

曙色に染まる一瞬の美麗なる富士山

雲海に浮かぶ島は 浅間山〜湯の丸

一瞬 一瞬 彩りを変える
「マジックアワー」は 目が離せない。

ご来光が拝めるテント場で

心穏やかに目覚める平和な朝。

朝食と準備を早々に済ませ
5分で登れる餓鬼岳山頂へ。

今日はここから
常念山脈の北端【唐沢岳】へ

まずは 自然の芸術品が並ぶ岩稜帯歩き。

コマクサの咲く展望台へ寄り道。

えっ(゜ロ゜) ここは 日本？

惑星に降り立ったような異空間は
わたし達の貸切。

立入禁止のトラロープも無く

花崗岩のザレた大地を踏み
奇岩に触れ 雄大な懐に抱かれる。

樹林帯をガンガン下りる。

【餓鬼のコブ】通過中

標高200m程のアップダウンを繰り返しながら進む。

ニョキッとした奇岩と
緑の樹林の対比が良い感じ。

写真では伝わらない
見下ろすとゾワッッとする崩落地
(゜ロ゜ノ)ノ

大町ダム

裏銀座の稜線

ついに山頂？
…と思わせる岩峰は 左に巻いて更に奥へ進みます。

テン場でご近所の仲良しカップルさんとここで会えたので 少しお話。

Cさんとのツーショットも撮ってもらえました。

ここからは 急な傾斜のザレ場と岩稜帯の連続。

ザレ場は まるで 蟻地獄

(〃_ _)σ∥ キツい…

ヒャーー(゜ロ゜)

写真で見ると すごいトラバースを
涼しい顔で歩くCさん。

唐沢岳への痩尾根を歩くCさん。

素敵(*´ｰ`*人)
雑誌の中の 1ページのよう。

私も【唐沢岳】到着！

常念山脈の北端 感慨深いです。

奥は烏帽子岳・南沢岳・不動岳

ちょっと雲が多くて
立山・剱岳・鹿島槍は見えなかった。

唐沢岳から振り返る。

手前のギザギザの難所 急登を越えて
奥に見える餓鬼岳テント場へ帰りましょう。

大休止の後は体が重い。

せーの…
よっこらしょ …っと。

ザレ場をお助けロープで

ズリズリ ザザーーーッ…

どうしても落石になるので
下に人が居ないことを確認。

登りより 下りは難易度が高い。
気を抜かずに。

大きな一枚岩のトラバース

鎖も無いので
雨で濡れていたり
強風に煽られたら危険。

餓鬼のコブと餓鬼岳が少し近づいた

樹林帯を抜けて
ハイマツ帯になってきた。

たくさんの自然の造形の中

餓鬼岳まで あと一息！

餓鬼岳 ただいまーっ！

小屋前の標識には
『唐沢岳 2時間半』と書いてある。

実際 休憩も多かったけど
空身で往復6時間かかった。
(標準CTの設定がハードかも)

(*´Д`*) プハーーッ

小屋で冷えたビールを買って
テント場で至福のひととき。*.゜☆

ほろ酔い…
（つω-｀)zzz お昼寝

一人用テントで ゴロゴロ…
しばらく動きたくなくなります。

「ecoさん！日の入を見ながら夕飯作りましょ！」とCさんのお誘い。

｡ﾟ+.(・∀・)ﾟ+.ﾟ。
山頂レストランの特等席

私はカレーライス、
Cさんはラーメン。

レトルトも ここでは ご馳走。

ミックスビーンズとツナのオイル漬けに Cさんの育てたピーマン。塩で味を整えただけで絶品の一皿。
食後のデザートは Cさんが小屋で買ったフルーツ缶を 半分こ。
「美味しいね！楽しいね！」

食後は早々に就寝
(￣ ￣=) ..zzZZ

3日目のご来光に
おはようございます*✲ﾟ*｡

街は雲海に覆われ
雲は燃える炎のように力強く

雲上の異次元の世界。

左奥の表銀座の稜線が茜色に染まる。

裏銀座の稜線

燕岳へと続く丸山新道は
餓鬼岳から眺めると湾曲していてカッコいい。

ついに槍ヶ岳の穂先が現れた。

餓鬼岳の祠と
丸山新道の先に槍ヶ岳と裏銀座の稜線

小槍も見えた(*´▽｀*)
やっぱり 槍ヶ岳が見れると嬉しい。

2泊3日の間に
何度となく登った餓鬼岳山頂。

この感動の光景と体験を
脳裏に刻んで 帰ろう。

AM6:50
標高2600mの餓鬼岳小屋から登山口まで
約1600mを激下ります。

食料と水分の重量は減ったはず。
頑張ります(`・ω・´)

【オトギリソウ】
長い雄しべがパチパチ、特徴的。

茎や葉っぱの絞り汁は傷口や打撲の患部に塗ると 痛みを鎮める効果があるらしい。

ecoの全身打撲状態、治してくれるかな。

かわいい【ウサギギク】

大好きな【アカモノ】は
花が終わり 赤い実を付ける準備中

登りの時は「百曲り入口」から 小屋までは気が遠くなる程の距離に感じたけど
下りは あっという間:・:*.+゜

重力に逆らわないで済むからね(´- `*)

【イトシャジン】

最終水場まで辿り着いた。

額に滴る汗を拭い
空になったペットボトルに水を汲み
500mlを一気に飲み干し
靴を脱いで 足ぽちゃ。

(｡>▽<｡)気持ちいい！

爪先が痛くなる程のアイシング後
Cさんがコーヒーを淹れてくれた。

体の外側からも内側からも
沢の水が染み渡り
活力が漲っできたーーっ！

【オミナエシ】

新旧梯子が並ぶ。

このルートを歩いていると
朽ちた梯子は当たり前という感覚になる。

【魚止めの滝】

写真では伝わらないもどかしさ。

下山はピストンなので
あまり寄り道をせずに テンポ良く歩く。

Cさんカメラマンが
至る所で カメラを構えている。

大きな荷物を抱えているのに
身動きが素早い Cさん。

マイナスイオンたっぷり。
空気までがライム色に色付いて見える:･:*.+ﾟ

下山は5時間半(休憩1時間)
4時間半で下山したことになる。

良く歩けたな。
元気な足腰に感謝(｡･人･｡)

餓鬼岳登山口 到着！！

(*￣0￣)/ (空元気)

( *_ _)σ| ヘロヘロ

早く車に乗りましょ
お風呂に行きましょ
美味しいご飯 食べましょ
アイスも食べましょ

煩悩の塊 eco

コロナ禍で日帰り温泉不可の場所もあり

今回は 登山口から車で20分の
【天然ラドン 馬羅尾 天狗岩温泉】へ寄りました。

新しくて綺麗な施設で
内風呂はジェットバス等 数種類
露天風呂からは山々が見えました。

ランチタイムには中途半端な時間のために
お店を探すのも大変。

【道の駅 安曇野松川】で
信州吟醸豚を使用した『旨とろ丼』

美味しいお肉が沢山乗っていて満足！
ご馳走さまでした(*´▽｀*)

感想

エコ

コロナ禍のお盆休みをどう過ごそうかと ヤマレコユーザーさん達も同じように悩んだことと思います。

閉鎖する山小屋
立ち入り禁止の山域
日帰り入浴不可の温泉

計画を立てられずにいたので
山友Cさんから餓鬼岳のお誘いには
二つ返事
( ﾟｰﾟ) ( ｡_｡) ( ﾟｰﾟ)( ｡_｡)

「餓鬼岳」というお山を
実は全く知りませんでした。

早速 調べてみると
展望も稜線歩きも素晴らしく
大人気の【燕岳】の隣りなのに
登山者が少ない 北アルプスの山。

コロナ禍に
そんな都合の良い山があるなんて…
ヽ(´▽｀)/

たった5張のテント場を
電話で予約が取れた奇跡｡*.ﾟ☆

あとは自分の体力のみ。
(これが 最大の核心部)

北アルプスということは
標高差で高山病になる可能性大。

自粛期間で 落ちた体力で
背負い慣れない2泊分のテント装備。

不安要素が多かったけれど
誘ってくれた山友Cさんから
いろいろ教わることができて
いい経験になりました。

餓鬼岳・唐沢岳
どちらとも全般的に 急登や難所が多く
餓鬼岳の登りでは 標準CTの1.5倍も掛けるほど 足が上がらなくて ヘロヘロでした。

14キロ程のザックを9時間以上も背負い続け 1600mの標高差を登りきった達成感✽.｡.:*・ﾟ

餓鬼岳のガッキー「よくきた」が
ホントに嬉しかった(/ω＼*)

ヤマレコの皆さんのレコで
下調べもたくさんしたけれど

想像を遥かに超える絶景と体験が待っていました。

3日間ともお天気に恵まれ
雨風や寒さなどもなく
テント泊での睡眠も快適。

予定通りに 唐沢岳にも足を伸ばすことができて 大満足です。

前泊の車中泊を
標高1000mの登山口でできたお陰で
充分な睡眠が取れて
最大の核心部「高山病」の症状も出なかったことは今後の山行の自信にも繋がりました。

テント装備での登山は
今回の重量が自分の限界。

帰宅してレコを書いている今も
筋肉痛でヘロヘロです。

自分の身の丈に合った楽しみ方で
長く山を続けて行ければいいな*✲ﾟ*｡

餓鬼岳と唐沢岳は
標準コースタイムが少し厳しい設定だと感じました。

日帰りピストンの場合
日の出前や日の入後は 登山道に危険な箇所が多いので、小屋泊かテント泊がオススメです。

コロナ禍で営業してくれた餓鬼岳小屋、
ヤマレコユーザーさん達の情報、
そして 経験の浅い私を誘ってくれて
素晴らしい体験をさせてくれたCさん、
全てに 感謝の気持ちでいっぱいです。


写真が選びきれずに枚数が多い上に
感想まで長くなってしまい すみません。

拙いレコを最後まで見て頂き
ありがとうございました*✲ﾟ*｡eco