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Yamareco

記録ID: 250354
全員に公開
ハイキング
富士・御坂

夜行日帰り・三ツ峠山 〜 母の白滝 (飯盒炊飯)

1965年07月28日 [日帰り]
 - 拍手
fuya0123 その他10人
GPS
16:00
距離
14.0km
登り
1,230m
下り
982m

コースタイム

日帰り
山行
0:00
休憩
0:00
合計
0:00
13:18
0
三つ峠駅
13:18
13:18
0
大曲
13:18
13:18
0
三ツ峠山
13:18
13:18
0
母の白滝
13:18
13:18
0
河口船渡場
13:18
13:18
0
遊覧船に乗車
13:18
13:18
0
船津
13:18
河口湖駅
[コース] 三つ峠駅(2:25) → 大曲(6:00) → 三ツ峠山(7:17=9:21)
  → 母の白滝(10:45=14:28) → 河口船渡場(15:12=15:50) →
---<遊覧船>--- 船津(16:12=16:40) → 河口湖駅(17:00)
天候
アクセス
利用交通機関:
電車
◎7/27:東京駅(23:19) − 7/28:三つ峠駅(1:56)
◎河口湖駅(17:19) − 新宿駅(20:18) − 浦和駅(21:25)
コース状況/
危険箇所等
 ※ 当時の記録を,ほぼ原文のまま (個人名など、若干の修正は
  しましたが) 記載しております。
   2021/03/06に登録しました。何と56年を経ての登録です。
・ルートの位置や&遊覧船の発着などは、今の地図に合わせて
  適当ですので、当時とは違うと思います。
   
◎午前 1:56、僕たち11人は「三つ峠駅」に降り立った。
 臨時列車は 予想外に空いていて、僕らの乗った車両に 他の人は
いなかったか、いても大した数ではなかった。
 
 風を引いていて 咳で喉が苦しく、頭が重い。これから山登りを
するのには、いい状態ではない。
 しかし、夜空にきらめく星は、誠に素晴らしく、また 空気が
ひんやりとして、気持ちが良かった。
 
 セーターを着込んで2:25に出発した。みんなの懐中電灯が、
道を照らす。星がこんなに美しく、たくさんキラめいているのを
見たのは、初めてだ。
 びっしりと天にきらめく星の群れ、それに薄く霞を掛けた天の川。
今までこんなに美しい夜空は、見たことがない。
 
 人家を抜けて「大山祇神社」を過ぎ、道はだんだんと高度を
稼ぐようになる。しゃべっていた声は、ハアハアいってきた。
 三ツ峠山頂付近に見える 明るい光を星だと思っていたら、
電気の光であることがわかった。
 「達磨石」というところにきた。茶屋があって、開いていた。
 茶屋のオヤジがお茶を持ってきて、どうぞと言った。
 ありがたく飲んだが、後で3人分 100円取られた。

 ここに来る途中、下の町の灯りが点々と美しい広がりを 谷間に
見せてくれた。いくらか空が、明るくなってきた。
 その谷あいの向こうの山には、雲がぼんやりと掛かっている。
 ここのおやじが、ここからちょっと行った所で、右に入って
尾根を進んだ方が富士山も見えるし、よいと言ってくれたので、
出発して本筋から右に入った。
 少し明るくなったとはいえ、まだ懐中電灯は手放せない。
 登山道は急になって、よく滑る。

 完全に尾根筋に入ったと思った時、左から、富士山の頭が
覗いた。歩くに従って、どんどん美しい姿を現してきた。
 すっかり姿を現した富士山は、全く雲のかけらも見られない。
 その裾野は、長く、なだらかなスロープを描いていた。

 先ほど、点々と光が見えたところには、小屋らしきものが見えた。
 そこには、蛇行した登山道も付いているらしい。
 東の空は、赤く染まっていた。6時に「大曲」を過ぎた。
 もう太陽は とっくに登っていたが、しかし山の端に隠れてまだ
見えない。睡眠不足で足取りが重く、先頭と後ろの差が出る。
 それでも皆元気だ。おしゃべりは絶えることがなかった。
 富士山の裾野の町まで見える。雲一つかかっていない。

 有名な"三ツ峠コース"だが、登山者は僅かで ほんとにいい。
 かなり休み々しながらも、「八十八大師」を過ぎ、三ツ峠の
岩場直下の茶屋に着く。
 頂上はすぐ上だ。巻いていくうち、引き締まった岩がそそり
立つ 直下にきた。絶好のロッククライミングの場だ。
 40m位あるが、かなり手掛かりはある。
 ハーケンが錆び付いて、所々にあった。
 
 頂上の茶屋が見えてきた。さあっ もう一息だ。
 7:17,三ツ峠茶屋に到着。三角点は、先ほど巻いた岩壁の
上だった。小さく人が動いていた。素晴らしい岸壁だ。
 三角点は後で行くことにして、茶屋にリュックを降ろした。
 富士山は目の前に、大きな広がりを見せていた。
 空は澄み渡っていた。北西側は、一面が"雲海"だった。 

 朝食は、女子が準備をしてくれて、食パンにピーナツバターを
塗ったものだが,腹が空いているものの,そう食べる気にはならない。
 パンの他に紅茶(ティーバック)だとか、山の食事にしては、
もったいない程良かった。
 お湯は茶屋でサービスしてくれた。パン食が終わった後、茶屋に
蕎麦(80円)を頼んで食べたが、これが即席ラーメンで、美味しく
なかった。
 腹は一杯になったが、体は調子よくなかった。
 咳が出て苦しい。日陰から出ると、日差しが強い。
 岸壁で ロッククライミングをしているのが見えた。
 9時の出発まで、三角点に行く。三人で頂上に立つ。
 360度遮る物無し。富士山は、裾野を長く引いていた。
 アルプスの名称が判らないが、それらが雲を下にして顔を
出していた。

 「母の白滝」へ向けて、三ツ峠を出発。なだらかな気持ちの
良い尾根で、そこを抜けると、上方の西湖、続いてすぐ下に
河口湖が見えてきた。
 暑さも吹っ飛ぶ、気持ちの良い眺めだ。ここで富士山と
河口湖をバックに皆で記念撮影。パチリ!!。
 下る毎に湖が大きくなり、富士山は高さを増していった。
 河口湖の周りの家、道路もはっきりと見える。湖を走る
モーターボートも見える。
 富士を走る自動車道路も見えた。飯盒炊飯に使う薪を、途中で
少しづつ拾っていった。
 湖面は近づいてくるが、中々近づかない。こんな下って滝が
あるのか?と思うほど 下ったら、左側の谷が広く深くなった。
 茶屋からぐっと谷側に下ると、段々滝の音がしてきた。
 ちょうど「母の白滝」の上にきた。人が多く浸かっていた。
 飯盒炊飯の場所は、前のやった人の後の 石囲いをそのまま
利用し、早速取り掛かった。
 飯盒3個で11人分の飯を炊いた。炉は調子よく燃えた。
 男は火を燃やしたり、水を汲んだりしてからは、仕事が無く
なった。後は女子が胡瓜を切ったり、まな板の上でコトコトと
やっていた。
 三ツ峠で食べてから、そう時間が経ってないが、まあいい。
 男は、新聞紙を敷いて待っているだけ。男だけだったら缶詰と
ふりかけ位でサラサラっと食ってしまうのだが、女の子はそうは
いかないらしい。

 まもなく出来上がって、おかずを並べる。トマト,胡瓜,ハムに
塩&マヨネーズを掛け、その他茄子の塩揉みパセリ。
 缶詰は、カレーと鯨肉。ご飯をよそり、食べ始める。
 ご飯は硬かったが、まずまず。あまり食べたくなかったが、
ご飯一杯では悪いので、もう半分食べた。サラダが一番美味しい。
 献立は、家でも滅多に食べないぐらい"豪華"だが、皆食べ
終わって、結構残った。少し作りすぎたらしい。
 ここを引き払い、滝下の茶屋に入って、氷(40円)を食べる。
 この暑さで、ここで氷が食べられて良かった。
 滝は10mも無いだろうが、幅は割にあって、気持ちよい白い
飛沫を立てて落ちていった。
 ここを出発すると、下流に同じような滝があった。

 ここから大して時間も掛からず、夏祭りの店が出ている 大きな
神社を通って、国道に出た。
 舗装の照り返しが暑い。少し国道を歩いて、まもなく右折、
「河口湖船渡場」に着いた。
 対岸が遠くに見える。波は海のようだ。
 湖上には「富士山」が、どかっと腰を据えていた。
 朝に比べ、富士山は薄くなって、その形だけしか判らないが
湖岸に立って、爽やかな夏の風を浴びながら、眺める富士山は、
流石に高かった。
 朝から誠に暑く、海水パンツがあったら、泳ぎたいくらいに。
 遊覧船は15:50に出港した。遊覧船といっても、ボートの大きい
やつにエンジンを付け、座席を付けたものだが、速度も のろくて
僕たちにとっては、この方が嬉しかった。
 波が割合あって、飛沫が飛んできた。船が揺れ、湖面を伝わって
くる風の涼しさは格別だった。
 モーターボートが白波を立てて、脇を通る。山の疲れを癒すのに
もってこいの遊覧だ。
 黄色いテントが幾つか張ってある「産屋ヶ岬」のすぐ脇を
通って、対岸の船津が近づく。
 ホテルが山に向かって綺麗に並んでいた。ケーブルカーが
左の尾根から降っている。我々の船は、船津に着いた。
 約20分間だったが、涼しさを充分満たしてくれた。
 岸に上がって また氷を食べ、まもなく「河口湖駅」に着いた。
 富士山は、駅の上に日本一の高さを持ってあった。
当時の記録から
コースメモを
スキャンした
2007年01月01日 00:00撮影 by  PM-A840, SEIKO EPSON CORP.
1/1 0:00
当時の記録から
コースメモを
スキャンした
三ツ峠山頂付近の
尾根の西端にて。
富士山と河口湖。
11人のところ
10人が映っている
誰が撮ったか?。
2012年12月07日 19:28撮影 by  MP480 series, Canon
2
12/7 19:28
三ツ峠山頂付近の
尾根の西端にて。
富士山と河口湖。
11人のところ
10人が映っている
誰が撮ったか?。
三ツ峠山
岩場直下にて
2012年12月07日 19:37撮影 by  MP480 series, Canon
2
12/7 19:37
三ツ峠山
岩場直下にて
三ツ峠山山頂の
方位盤にて
2012年12月07日 19:35撮影 by  MP480 series, Canon
3
12/7 19:35
三ツ峠山山頂の
方位盤にて
「母の白滝」での
"飯盒炊飯"
2012年12月07日 19:31撮影 by  MP480 series, Canon
3
12/7 19:31
「母の白滝」での
"飯盒炊飯"

感想

※ 本記録は、2021/03/06に登録したものです。
 ですから、現在のコース&名称とは異なると思います。

◎ 東京Olympic(1964年)の次の年、1965年(昭和40年)の記録で、
吹奏楽部の3年生11人(男5,女6)での登山です。
 この企画は私だったか、今となっては定かではありませんが、
交通費や食糧費(共同購入費)、現地での飲食費まで克明に
付けていたことを考えると、私が中心となって企画立案したものと
思われます。
  (参考:国鉄の乗車賃は、浦和駅 --- 三つ峠駅が390円、
      遊覧船の乗車賃は50円でした)

◎ 当時の記録を克明につけていたので、ほぼ原文のまま載せました。
  したがって、やたらと長くなりました。
・随分と記録を、微に入り細に入り 付けていたものだと、
 自分ながらに 感心しました。

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