毛勝山(西北尾根登山口より往復)
- GPS
- 12:03
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,820m
- 下り
- 1,817m
コースタイム
天候 | 雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※ 最後の3kmほどはダート |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山口駐車場〜モモアセ山 駐車場から橋を渡って右に進み、ロープを乗り越えて車道を進む。車道はU字を描いて進み、再びカーブするところにある登山口から登山道に入る。最初ば緩やかにスタートするが、すぐに十数ヶ所のお助けロープの現れる急坂を登る。1時間ほどすると緩やかになる。1274Pの手前で急坂になるが、再び緩やかに登る。尾根道は根が張り巡らされており、歩きにくい。尾根道はアップダウンを繰り返しながら、最後に急坂になり、1479Pに出る。再びアップダウンを繰り返しながら、尾根を登り、所々尾根を巻いて進み、モモアセ山(標識なし)に達する。 ■モモアセ山〜山頂 モモアセ山から尾根の急登をこなし、そのまま尾根を進む。尾根を巻いてガレ場の直登の後、4度トラバース気味に登っていく。ガレ場の急登をこなし、登山道が平坦になるとクワガタ池に出る。クワガタ池からほ稜線を登り、高度上げていく。山頂部はガレた道を直登していく。いったん水平になるが、また直登する。直登が終わると右に緩やかに登り、山頂に達する。 |
その他周辺情報 | 満天の湯魚津店 ¥750 |
写真
感想
北陸遠征第2弾は富山の名峰毛勝山。北アルプスや北陸の山に登ると剱岳の近くに鎮座する妙に存在感のある山。コースとなっている西北尾根は標高差1800mのきつい尾根として知られ、笊ヶ岳、オプタテシケ山に続き、今年自分を試す登山となりました。
前日のうちに登山口に入り、翌日に備えることにしました。数少ない駐車スペースをゲットしましたが、意外に傾いており、車中泊に苦労しました。しばらくすると続々と登山者が帰ってきましたが、皆さん一様にゾンビのように生気なく歩いていました。翌日その意味を知ることになりました。
遅れてもヘッデンになることを避けるため、思い切って3時に出発することにしました。一度2:00に目が覚め、まだ時間があると思っていたら、次の瞬間、時計を見ると既に2:45。慌てて飛び起き、支度をして、3時過ぎに出発しました。登山口までは前日に確認済みだったのでスムーズにたどり着けました。
登山口からすぐにお助けロープの下がったものすごい急登が始まりました。先月の有明山の急坂に匹敵、いやそれ以上の坂でした。お助けロープは下山時に数えたら14本ぶら下がっていました。とにかく次から次に急坂が立ちはだかります。おまけに天クラA予報なのに雨がシトシトと降り始めました。またこのシルバーウィークは気温が下がると聞いていたので秋冬向けのウェアを着ていたところ、レインの重ね着でとても蒸し暑く、体力を奪われました。
1時間ほどで急坂は終わりを告げましたが、その後の尾根道は無数に根が張り出しており、微妙にアップダウンもあるので、ますます体力を奪われていきました。地図には1274Pの印がありますが、全くどこがそれか分からず、気がつくと通り過ぎていました。次の1479Pは見落とすまいと思い、気をつけていましたが、ようやく夜が白んできたころ、リボンの付いた木の奥にひっそりと立つ三角点を見つけました。ここまで3時間弱、雨の中、誰にも会わず、とても山頂までたどり着ける気がしませんでした。ダメならモモアセ山で折り返そう、と自分と会話をしながら、再び進み始めました。やがて鳥のさえずりが聞こえるようになり、雨があがったことを確信しました。
ガスガスの中、アップダウンと木の根に苦しめられながら進んでいると、1人、また1人と健脚の登山者が抜いて行きました。自分1人ではないことが分かりホッとしました。同じようなピークらしきものが続くようになり、モモアセ山はまだか、着いたら大休憩してその後を考えようと思いながら、行けども行けどもそれらしい標識は見当たりません。モモアセ山は一体どこだろうと地図を見るとモモアセ山を指していました。拍子抜けをすると同時に、クワガタ池まで頑張ろうという気になりました。
やがて池塘が現れ、ややガレた道をトラバース気味に登っていくようになりました。ふと周囲が明るくなると眼前に巨大な山容がガスの中から出たり入ったりしていました。山頂への登りは直登一本槍で厳しそうでした。ガレ場の急坂を登ると忽然とクワガタ池が姿を現しました。ここまで来ると願わくばクワガタ池を上から見てみたい。山頂部に取り付きながら後ろを振り返ると、最初はガスが薄くかかっていましたが、そのうちに完全にとれ、そのユニークな姿をはっきりと確認することができました。
山頂部の登攀はガレ場の直登で試練でした。落石を起こさないように気をつけながら、手も使って登るのですが、あまりに傾斜が急なので息が切れなかなか進めません。もくもく湧いた雲からは白馬岳が頭を覗かせていました。早くも下山する人とすれ違いました。この方は毛勝山を3時間で登るそうで足袋の足で軽やかに下っていきました。亀のような歩みながら足を動かしていればいつかは終わると信じて直登に耐えました。やったのことで上まで来ると後は右に緩やかに登るだけ。6時間半の苦闘の末に毛勝山山頂にたどり着きました。正直先日登った笊ヶ岳よりキツかったです。
山頂にはもう一方。お互いに写真を撮り合い、少しお話ししました。山頂の周りにはもくもくと雲が湧いており、登りに見えた白馬岳は見えなくなっていました。山頂標の後ろにはギザギザの山が!楽しみにしていた裏剱でした。他の山は雲で覆われて見えなくなっているのに剱岳だけが頭を覗かせていました。巨大な山容といい、クワガタ池といい、裏剱といい、見たかったものだけをピンポイントで見せてくれるという幸運。惨めで辛かったモモアセ山までの記憶は吹き飛びました。
問題は下山。ガレ場の急坂、根の張り出した尾根、ロープの急坂などなど、どれも滑りやすい難所ばかり。下山が苦手で人一倍時間がかかるので、無事に下山できるのか、暗くなる前に下山できるのか不安になりました。すれ違う人に3時に出発したと言うと一様に驚かれましたが、下山が苦手だからそうせざるを得なかっただけで、頑張っているわけでもなんでもない。慎重に慎重に山頂からガレ場の急坂を下っていると再び辺りはガスに包まれ、その後ガスはとれることはありませんでした。まるで僕(と何人か)のために2時間ほどだけカーテンを開けてくれたみたいでした。
下山では滑らないよう最新の注意を払いながら下りましたが、それでも2度ほど何でもない木の根で滑って転びました。途中から両足の小指が痛くなりましたが、横を向いたり、後ろを向いたりしながら、急坂を下りて行きました。池塘地帯で背中がチクッとしました。背中からインナーがはみ出ていたので整えました。そのとき何か硬いものに触れたので、捕ってみたらダニのようでした。毛勝山のレコでダニが付着していたというのがあったことを思い出しました。後で背中を見てみましたがそれらしい跡はなく、痛くも痒くもならないけど大丈夫かな??下山開始から5時間、林道が見えた頃には足はガクガク。ゾンビになっていました。前日に見かけた登山者たちの仲間入りです。
笊ヶ岳に登れたらどんな山でも登れると思っていましたが、上には上がありました。キツくて辛かった毛勝山でしたが、見事な山容、上からのクワガタ池、山頂からの裏剱と、ガスの中、奇跡的に見たいものを見せてもらえました。一生忘れることのできない山となりました。
お久しぶりです。昨秋ガッスガスの冠山で一緒になりました。
霧の中スタートからのすごい晴天、クワガタも見られて夢のような展開でしたね。これだけ長丁場で全行程霧だったらと思うとゾッとします^-^;
時間もレベルもぜんぜん違いますが、おかげさまでこちらもあの時のリベンジでようやく霧の晴れる瞬間に立ち会えました!
お久しぶりです。その節はガスガスで下山後晴れるという展開でしたね。今回はスタート直後から雨に降られていたので、期待値が、ガスの中でもクワガタ池を見られればいいや、くらいに下がっていましたから、奇跡のような展開に感激しました。冠山もついに、ですね。お互いにガスが晴れて良かったですね。
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