前穂高・北壁/Aフェース→明神岳主稜縦走
baru55
ritandesu
| 天候 | 20日：曇り/晴 21日：曇り 22日：晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
【9月20日】 5:00 川島パーキング集合➡7:20 あかんだな駐車場 7:50➡8:15 上高地 8:45➡9:15 明神池➡10:05 徳沢 11:00➡14:35奥又白池 奥又白池には新村橋からパノラマコースへ経る。 パノラマコースの途中に道標有り、顕著な松高ルンゼを確認できる。 道標のすぐ上の左手に松高ルンゼにむかう踏み跡有り。 辿っていくと更に道標有り、ルンゼには入らず 右手の踏み跡を辿って急な尾根を登っていく。 【9月21日】 6:30 奥又白池 出発➡9:30 B沢基部 10:30 登攀開始➡12:30 Aフェース基部➡13:50 前穂高頂上 【9月22日】 6:30前穂高岳出発➡8:00 明神岳1峰➡9:00 明神岳4峰➡10:15 明神岳 5峰平 ➡1230 明神岳 南西尾根開始点 |
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感想
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ビレイパートナーが怪我をした場合、どうするか。
携帯は通じない。
パートナーのザイルを固定して、自分はフリーで登攀か。
かなりの覚悟が必要だ。
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9月21日 13時頃
ゴゴゴという音が迫りきた。
ルンゼから岩が落ちてくる。
とっさに壁にへばりつく。
直撃するか。
衝撃がヘルメットを襲う。
首が縮む。
ラグビーボール程度の岩が落ちて行った。
落石の音はやまない。
次は耐えられるか。
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9月21日
6時30分。奥又白池を出発。
本日、前穂高・北壁から頂上を目指す。
ガレた本谷をできるだけ詰めてB沢を横断、そのままC沢へ。
C沢では先行パーティーがとりついていた。
落石の危険がある為、待機。
30分程度後、
落石が無さそうと判断して登攀開始。
チョークストーンを右側から抜け、更に登攀していく。
傾斜が強くなり、インゼルと思われる岩稜道標を確認。
不安定な足場が目立つようになる。
スリップしないよう気を付けながら、インゼルと岩稜を隔てるコルに立つ。
B沢へのトラバースは一見してガレガレ、ザレザレの急斜面。
以前、ここで落ちていった記録があった。
落ちていかないよう細心の注意で通過。
B沢に入ると更に急斜面となり、浮石が目立ってきた。
ホールドが安定しない。
緊張が続く。
B沢を最奥まで詰めると、やっとDフェース基部にたどり着いた。
話に聞いていた青いシュリンゲを発見。
浮石が多いと聞いていたが想像以上であった。
撤退はできない。
1時間くらいかけてゆっくり準備。
ここから左手の北壁を登攀する。
10時30分開始。
1ピッチ目：B担当。傾斜は緩く�教蘢�度だがガレているので油断できない。
途中に青いザックが残置されていた。
不気味。
2ピッチ目：R担当。核心と思われる松高カミン。
トポの情報通り�元�+程度だがコケやザレがある。
スリップしないように注意して抜けた。
3ピッチ目：B担当。上部のチムニ−であろうと協議して登攀開始。
トポには�卦�+と記載があったが、�元�+程度ではないか。
全量装備の為、チムニ−ではザックが邪魔する。
一旦、フェースに体を出して登攀するも、
僅かな足場はコケが付着しており、
スリップするのではという考えがよぎった。
実際のルートとは別ルートか。
もう少し左に回り込むかもしれない。
4ピッチ目：R担当。�教蘢�度のザレ場。
5ピッチ目：R担当。Aフェースと思われる箇所。
前日に登攀したパーティーから�元�+程度と話を聞いていた。
それなりの心づもりで登攀。
確かに�元�+程度だが
岩はこれまでよりしっかりしている。
カムの支点もとりやすく、適度な緊張で登攀。
暫くするとペツルのしっかりとしたハンガーボルトを確認。
自分の採ったルートが間違いでないことを知り、一安心。
頂上への最終ピッチはBが担当。
ガレガレのようではあるが、
順調にザイルを伸ばしていく。
少しづつ落ちてくる落石に気を付けながら、これで終了かと一時安心。
もうすぐ頂上だ、、、、。
突然ラァッークッッッゥという大きな声が響いた。
直後にゴゴゴという音が迫りきた。
岩がルンゼから落ちてきた。
とっさに壁にへばりついた。
直撃するか。
天のみぞ知る。
衝撃がヘルメットを襲った。
首が縮む。
ラグビーボール程度の岩が落ちて行った。
ヘルメットが損壊したな。
次きたら耐えられるか。
雪崩れ落ちてくる音は続く。
更に強い衝撃を連続で受ける。
ヘルメットとザックに直撃した。
ヘルメットは完全に穴が空いたか。
次はダメだ。
ザックも損壊したな。
中身がでてなければ良いが。
3回の直撃を受け、岩雪崩れの音は止まった。
辺りには硝煙の臭いが漂っていた。
暫くしてビレイ解除の合図。
リードも無事、確保支点に着いたようだった。
すぐ横には若干ハングした箇所があった。
そちらに避難できれば、そこまで損壊も無かったかもしれない。
ただ結果論だ。
ビレイ中なのでそこまでの移動はなかなか難しいだろう。
最終ピッチの登攀を開始した。
13時50分、山頂に到着。
紀美子平からの人や北尾根からの人で賑わっていた。
やっと緊張から開放される。
平和な一時。
これから明神岳主稜に向かう予定だが
体力面や落石の衝撃を考えて山頂ビバークを決定。
ツェルトを設営し、暫し休憩する。
予報とは異なりガスに覆われていた。
風は夜通し続き、ツェルトはずっとばたついていた。
9月22日 4時起床。
昨日とはうってかわり満点の星空。
朝食をとり、日の出まで待機。
5時30分。
徐々に空が明け始め、雲の下から太陽がでた。
雲海がオレンジ色に染まった。
奥穂高の稜線に日が当たる。
ほんの10分程度の景色。
マジックアワー。
何度見ても気持ちが高ぶる。
今日は明神岳主稜。
穂高連峰、焼岳、霞沢岳が一望しながらできる好アルパインルート。
青天の中の縦走は特に気持ちいい。
楽しみだ。
さて、主稜に向かおうか。
PS.
明神岳5峰からは永遠と思われるほどの下り。
疲労がたまった三日目、上高地迄の道のりは長かった。
ヘルメットに目立った損傷はなく、凹んだのみであった。
ザックも破れていなかった。
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【クライミング装備】
シュリンゲヌンチャク（60�僉�3）、ヌンチャク×3、
シュリンゲ+カラビナ（120�僉�3、180�僉�1）
捨シュリンゲ＋捨カラビナ、カム（＃0.5、＃0.75、＃1、#2、＃3、＃4）
ハーネス、ATCガイド＋HMSカラビナ、PAS+管付カラビナ大、
クライミングシューズ、チョークバック、
8.0mm50メートル・ザイル×2、ヘルメット、
【一般装備】
登山靴、登山靴用ビニール袋、コッヘル×1、コップ×1、ガス×1、
雨具（上下）、エアマット、シュラフ（3シーズン/イスカ450）、
シュラフカバー、R1フーディ、手袋（中厚手）、毛帽子、ツェルト、
テント用マット、アイゼン（今回は不要）、地図、コンパス、
トイレットペーパー、テーピング、箸、プラスチックスプーン、
ナノエアジャケット、コンタクトレンズ、メガネ、歯ブラシ、火器、
ヘッドランプ、電池（単4×7）、ライター、ナイフ、リップ、
バンドエイド、ウェットティッシュ、ストック×2、銭湯装、お金
【明神岳稜線のビバーク地】
明神岳北側のピーク付近、明神岳1峰山頂、1峰山頂直下、
明神岳4峰(少し斜め)、明神岳4峰〜5峰間(2張)、明神岳5峰平
【レイヤリング】
《20日の日中（奥又白池迄）》
上 アクティブスキン(休憩中はフーディニエアジャケット)
下 アクティブスキン+サイマルアルパインパンツ
《21日：北壁登攀中》
上 アクティブスキン+R1フーディー+フーディニエアジャケット
下 アクティブスキン+サイマルアルパインパンツ
《夕方〜夜》
上：アクティブスキン+R1フーディー+フーディニエアジャケット
+ナノエアジャケット
下：下 アクティブスキン+サイマルアルパインパンツ
《22日早朝》
上：アクティブスキン+R1フーディー+フーディニエアジャケット
＋ナノエアジャケット+レインウェア
下：アクティブスキン+サイマルアルパインパンツ＋レインウェア
手袋(中厚手)
《就寝時》
上：R1フーディー＋ナノエアジャケット
下：アクティブスキン+サイマルアルパインパンツ
【ガスカートリッジ使用量】
1600ml沸騰させるのに25gガスを使用
内訳
20日夜（600ml）、21日朝（200ml）、21日夜（600ml）、22日朝（200ml）
()内は沸騰させた水分量
ガス重量変化＝188g→163g
【水分摂取量】
20日（スポーツドリンク：600ml、水分600ml）
21日（スポーツドリンク：800ml、水分800ml）
22日（スポーツドリンク：600ml、水分600ml）
【エネルギー摂取量】
20日:菓子パン×1（450kcal）、α米＋レトルトカレー（500kcal）
チーズ、飴
21日：菓子パン×1（600kcal）、菓子パン×1（300kcal）
α米＋レトルトカレー（500kcal）、チー ズ、飴
22日：菓子パン×1（450kcal）、チーズ、飴
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