10月の激ラッセル・赤岳
- GPS
- 07:52
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,240m
- 下り
- 1,231m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 7:52
天候 | 晴のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
2050m付近から新雪 積雪量は行者小屋で20cm程度、山頂付近で50cm程度 文三郎尾根上部の吹き溜まりでは1m以上 全て新雪なのでズボズボ埋まりまくる 鎖は一部を除いて掘り出せた |
写真
感想
土曜日、雪の予報。これは見に行くしかない。
急遽、赤岳へ行くことにした。
午前5時に赤岳山荘を出発。南沢を登っていくと1時間ほどで明るくなる。木橋がうっすらと白くなっていた。
標高を上げると除々に雪が増える。行者小屋に着くと20cmくらいの積雪があった。
テントが数張あったが稜線へ向かった人はまだほとんどいないようだ。
ここでアプローチシューズから冬靴に履き替え、チェーンスパイクを着ける。
アイゼンは新雪では役に立たないだろうと持って来なかった。
文三郎尾根には3人ほどのトレースがあるが、追いかけていったら隣の沢筋に入ってしまった。先行者に追いつきそのことを伝えてから、50mほど藪こぎをして登山道へ復帰。もう1人先行しているようだ。階段は半分埋まっていたが、登っていくとやがて先行者が見えてきた。森林限界を抜けると一面の銀世界だ。
10月にこんなのを見たのは初めてかもしれない。
中岳分岐の少し手前で先行者に追いつきラッセルの礼を言う。
お先にどうぞ、とのことでラッセル交代。風が当たるところは雪が叩かれているがそれ以外はかなり積雪している。トラバースの吹き溜まりでは膝上まで埋まる。
先頭を交代しつつ核心部のルンゼに入る。ルンゼの底部は1m以上の雪で埋まっていた。ここで私が先頭になった。
埋まりかかった鎖を掘り出し、吹き溜まりを避けながら登る厳しいラッセルを続ける。
何度も登っているルートなので雪の下の地形を想像しながら何とか登れたが、初見だったら敗退していたかもしれない。予想どおり新雪のすぐ下は岩で、アイゼンは必要なかった。風に叩かれる所が一部凍っていたが、慎重に避けて通った。
何とか竜頭峰の分岐まで登り詰めた。短い距離にかなり時間をけかたが、後続が登ってくる気配はない。チェーンスパイクで登れるのは今日だけで、明日以降は雪が固まるから前爪付きアイゼンでなければ登れないだろうと思った。
ここから山頂も厳しかった。吹き溜まりは膝〜腰のラッセルになるので、岩が見える所を上手く選んで直登した。山頂直下の梯子が見えたときは安心した。梯子が埋まっていたら相当苦労したかもしれない。
梯子を登りつめてようやく山頂。とても10月とは思えない一面の雪景色だ。ただし寒くはない。
後続の方もすぐ登ってきて互いに写真を撮り合う。
文三郎尾根を降りる気にはとてもならなかった。地蔵尾根方面はトレースがあったので有難く使わせてもらう。途中で出会った方の話だと、赤岳天望荘に泊まっていた人のうち雪山装備を持っていたのは2人だけで、他の宿泊者は全員今朝撤退したらしい。2人は天望荘から山頂まで2時間半かけてラッセルしたそうだ。頂上山荘は休業中で静まり返っていた。
赤岳天望荘までの下りもズルズルと滑る新雪だったが、鎖が出ていたので登りのような苦労はなかった。先行者のトレースも最大限活用した。
天望荘に着くとなるほど雪は多い。小屋のスタッフが除雪作業中だった。
小屋には寄らずそのまま地蔵尾根へと向かう。地蔵尾根は鎖は見えていたが雪は多く、階段は半分埋まりかかっていた。夏山装備でここを降りていった人たちはさぞかし苦労しただろうと思う。
高度を落とすとやがて雪は減り、歩きやすくなってきた頃に行者小屋に到着。意外に多くの人が休憩していた。その中の1人に話を聞いてみると、出発時に赤岳山荘で「稜線の積雪は4cm程度」と聞いてきたという。4cmどころか50cmくらいは積もっていた。夜の間に相当降ったのだろうと思った。
ほとんどの人は行者小屋で撤退か停滞するようだった。今朝見かけたテント泊の人たちも稜線は目指さず、全員撤退したようだった。
私も行者小屋で冬靴からアプローチシューズに履き替えて下山。水場の水は十分に出ていて問題なかった。
南沢ルートはもうかなり踏み固められていて滑りやすかったが、標高を落としていくとやがて雪は消えた。南沢は昨年の台風の影響だろう、あちこちで道が付け替えられていて、記憶と結構違っていた。赤岳山荘に着くと、まだ紅葉の最中だった。
今日は全く想定外の激ラッセルだったが、満足できた1日だった。このまま山にはガンガン降ってほしいと思う。
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