鈴鹿/秋の御池岳を満喫@すべての池をめざすが


- GPS
- 07:15
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,044m
- 下り
- 1,036m
コースタイム
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 7:14
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
ヒルの季節も終わったようなので、鈴鹿にでも行こうかと思う。
御池岳には14年前に一度行ったきり。その時はまだ枯れたササが残っていて、それをかき分けてボタンブチに行った覚えがある。あれからササはほぼ完全になくなり、苔やヒメワラビ、背の低い草が生えるだけの平原になっているとのことなので、その様子を見に行くことにする。
小又谷の駐車場には車が7台ほど。ノタノ坂へと登る。
ノタノ坂から土倉岳に向かう尾根は、左の御池川側は植林、右の茶屋川側は自然林ときれいに分かれている。右手の自然林は紅葉が始まっていて、ところどころ鮮やかな黄色や紅色に染まった木が目を楽しませてくれる。
第1鉄塔にでると、視界が広がり藤原岳が目の前に姿を現す。その南方には銚子岳、静ヶ岳、竜ヶ岳が美しく列ぶ。茶屋川の流れも見下ろせる。
やがて植林はなくなり、ブナ混じりの混合林の尾根となる。黄色く染まったブナが美しい。
土倉岳が近づいてくると、右前方に御池岳の南端が木々の間から見え隠れするようになる。頂上部は白い石灰岩が露出しており、陽が当たると白く輝き、まるで雪を纏っているかのようである。
美しい木々に見とれているうちに広い山頂部の土倉岳に着く。少し下ってコルの手前から見上げる御池岳は圧巻だ。
最後の急登を登り切ると、突然広い広い山頂平原へと飛び出す。この景色の急激な変化には鳥肌が立つ。
振り返ると、いま通ってきた土倉岳とその奥に広がる鈴鹿の山々が雄大に広がっている。鈴鹿の山の規模の大きさと奥深さが一目でわかる。
さて、山頂をどのように回って楽しもうか。きょうは久しぶりに広角レンズも持ってきているので、存分にこの美しい風景を写真に収めようと思うが、何かテーマを設けようと考えた末、池を全部回ってみようかと思いつく。
でもあまりここは詳しくなく下調べもしていないので、昨日少しだけ予習をした情報だけで全部の池に回れるのだろうか。取り敢えずわかっている池には全部行こうと思う。
まずは時計と逆回りでスタート。カレンフェルトの間に紫色の花の小群落がある。ナギナタコウジュだろうか。その先の変形した単独樹がポツポツとあるカレンフェルトの小ピークからは、藤原岳など東から南の眺めがすばらしい。
雲が多く遠くが見られないのは残念だが、藤原岳に右手に伊勢湾までは望める。
この場所が「東のボタンブチ」だと思い込んで、平原の縁に沿って北上する。ところが帰宅後調べると「東のボタンブチ」はもう少し南東に下ったところにあったようだ。残念。
左手に平原を見ながら小ピークを越えていくが、ピーク部分にだけ樹が生えているのは面白い。そこには苔むしたカレンフェルトがあることが多く少々歩きにくい。
「奥ノ平」と言う名前が地図上で見られるが、この辺り全体のことなのか、ピークのことなのかわからない。
左手に「ボタンブチ」や「天狗の鼻」が見えてくると、鹿の食害からササを守るための柵がいくつかある。ちょっと目障りだが仕方ない。
ここから山頂丸山まではひと登りで到着。いままで単独行のお二方のみにしか会っていなかったが、ここに来てにわかに人が増えてきた。山頂は通過。登山道に沿って樹林帯を下る。鹿の食害から木を守るため根元は網で巻かれている。
ここは人が多く歩いているのでぬかるんでおり滑りやすい。
下生えの美しい樹林帯を下る途中ナメコを見つけるが、生えている場所が高いので採れない。
下り切って分岐を右手に進む。すぐに最初の池に到着。「道池」だ。浅い小さな池なので涸れることもあるのではないだろうか。
このすぐ下の左に入る谷を進む。この谷を少し登ったところに「東池」があるものと思い込んでいたからだ。
しかし行けども池はないが、下草の覆い茂る美しい森で、歩くのが楽しく思えるのでこのまま奥に行くことにする。
途中の枯れ木に見事なツキヨタケがたくさん付いている。それも大きく圧巻だ。これがヒラタケやシイタケなら飛び上がって喜ぶところだが、どう見ても毒があるツキヨタケだ。
尾根にでる手前から左手に登ると、美しい苔が生えたカレンフェルトの尾根。その尾根を乗り越すと「東池」があった。少し荒れた感じの池。左に下ると登山道に出て「真の池」。
登山道を進み鈴北岳に一旦登る。ここで昼食にしようと思っていたが風が強く寒い。少し鈴ヶ岳方面に進み風をよけられるところはないかと探すがいい場所がなく、戻って鈴北岳下の灌木の風下で握り飯をほおばる。
休憩後、「元池」をめざす。ここには道標がある。苔の中の道を5分も行かないうちに「元池」到着。やや大きめの池だが土色に濁っているのが残念。
苔の中を歩き「日本庭園」へ。しかし、どの場所を「日本庭園」というのかわからないまま通り過ぎる。
その先にある深いドリーネを覗き込んで、右の尾根に登って行く。途中に右手に池を見つける。これは名前があったかな?私の頭の中の地図では「丸池」の場所ではなさそう。後日これは「ひょうたん池」ということがわかった。
さらに登って南に向かう。ここでやはり下調べしていなかった失敗。南に向かわず北に向かうと「西のボタンブチ」がすぐそこにあり、その先に「お花池」があるのだったことを後から知ることになる。
少し南に進んで谷に下りると、いくつかの池があると情報を記憶している。その手前に大きな樹を従えた小さな池がある。これは無名?
苔のカレンフェルトを越えた先で、このあたりかと思って下ると、ちょうど「丸池」があった。神秘的な池だ。鳥が数羽泳いでいたが私に気づき飛び立った。
その下には「中池」、さらに下に「サワグルミの池」、さらに「南池」と続く。これは歩いている時は名がわからなかったが、のちにyjinさんに教えていただいた。
さてここからは御池岳丸山に登らず、西側を巻くように「風池」へと向くルートに合流するため、いくつかの小尾根と凹地を越えていく。ここはヒメワラビや、やや背の高い草があり靴に草が絡まるところもある。
その「風池」だが、気づかぬうちに通りすぎていたようで、先が開けて「天狗の鼻」が見えてきた。「風池」は軌跡では通っているはずなのだが。
「天狗の鼻」まで来ると登山道も現れ、また登山者に出会うようになる。「天狗の鼻」や「ボタンブチ」からは、足下に切れ落ちるゴロ谷方面を見下ろせ、南方に続くに鈴鹿の山々も一望できる。中でもひときわ三角錐の山容でそそり立つ天狗堂の姿が目をひく。
「ボタンブチ」では石灰岩の間にピンクの可憐な小さな花が咲いている。これはこの地域限定のヒメフウロのようだ。実にかわいい。ズームアップレンズを持ってきているのを思い出し、それを装着し夢中に写真を撮る。
「ボタンブチ」からすぐに「幸助の池」がある。この池は見事だった。池を取り巻く木々が見事に黄葉し、それが池に映る。池に浮かぶ落ち葉もいいアクセントで、非常にいい雰囲気を醸し出している。自然とシャッターを切る回数も多くなる。
次に「東池」へ向かう。それらしき場所に2つの池を見つけるが、どちらが「東池」なのかわからない。しかしのちにyjinさんの教わり、はじめの池が「マユミの池」、その東にあるのが「東池」とわかる。
さらに「青のドリーネ」を探しに平原を歩く。いくつかのドリーネがあり、結局これだという確証はないが見たことにしておこう。これは冬に積雪時に影が青く見えるから?名付けられたものなのか。
T字尾根に下りるまでに、もう一度登ってきた土倉岳下降ポイントに立ち寄りルートを結ぶ。その手前に茶色く濁っているが小さな池も見つける。無名だろうかと思っていたが、これものちにyjinさんにより「雫池」と言う名があることが分かる。
T字尾根下降点で最後の平原の景色を見渡してしっかりと目に焼く付け、いよいよ急坂の道を下っていく。
テープが巻かれているので迷わないが、落ち葉が多く、最初は尾根から外れていて、さらに尾根らしき地形もなかなか現れないので、テープがなければわかりにくい。
時々右手後方に樹間から覗く「天狗の鼻」「ボタンブチ」を名残惜しく眺めながら、どんどん高度を下げていく。
左下に小又谷の流れが見えると、木の根を頼っての急な登りとなり、植生ががらっと変わる。シャクナゲも多く見られる。
P918がT字の三叉路だが、ここで直角に折れる感覚はなくて知らぬ間に通り過ぎていた。
尾根上は再び植生が変わっており、美しい森が広がっていて、紅葉の鮮やかな木も多い。
やがて道は急坂となり谷音が近づいてくると御池林道に下り立つ。
ここからは舗装路を歩き小又谷の駐車地へ戻る。
やはり予習していかなかったので、「お花池」「平池」には行きそびれてしまい、さらに「幻の池」「奥池」という池も後からその存在を知ったが、全く予備知識になかった「ひょうたん池」「マユミの池」「雫池」に偶然通りかかったなど、結果的には13の池を見ることができ、テーブルランドを十分に満喫できたいい山行ができたと思う。
コメント
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なかなか良い時期(紅葉の)に行かれましたね。羨ましいです。
少しだけ出しゃばらさせて下さい。
調べ中の9番の花は葉っぱが特徴的な亀甲羽熊(キッコウハグマ)の花ですね。私は今年まだ咲いたものは見ていません。
御池岳にある池は場所を知っていても中々回るのに苦労します。
109番は私が知っている限り御池で一番新しく命名された池で雫池と言います。まだ笹が茂っていた頃、水溜まりだったものが笹が無くなってから立派な池になって来ました。
85番はサワグルミの木が写っている様な気がするのでサワグルミの池、102番は幸助の池から一番近いマユミの池だと思います。
yjinさん、こんにちは
風強く寒かったけど、楽しめました。
花や池の名前、ご教示くださりありがとうございます! 助かります!
亀甲羽熊は調べてみたらキク科なんですね。花を見てこれは全くキク科だとは思いませんで、
ユキノシタ科かなと思って調べていたところでした。
池の方はもう一度、確認してみましたが、どうやら中池には行っているようです。84番が中池ではないかと思います。そうすれば86番は南池で間違いないですね。すぐ近くにありながら平池には行けなかったのが残念でした。
前週にこのあたり行かれていたのですね。そういえば行く前の土曜日辺りにyjinさんのレコ拝見していました!今思い出しました。日本庭園の池にも行かれていたのですね。
HB1214さん、おはようございます。
テーブルマウンテンへは久しく行っていないのと、知らないところも満載でとても新鮮に感じられました。
小又谷の渡渉カ所にコンクリートブロック(に見えました)が置いてあるんですね。微妙な水量にて躊躇するときもあり、水上を廻ったこともありますのでこりゃいい。
テーブルマウンテンへは、鞍掛峠からのアプローチが楽で感じもよくいいですが、今回歩かれたルートに軍配が上がるものかと。テーブルマウンテンも一周しないと勿体ない。
T字尾根ルートは、不明瞭になっていたようですね。近年歩かれる方も増えてトレースもはっきりしているとは聞いておりましたが、私はGPSがないと不安なルートです。
苔の細道と苔で覆われたカレンフェルトが、とても印象に残りました。
PS 君ヶ畑へ向かっておられるときにクシャミしませんでした? (なんのことやら)
no2さん、おはようございます。
わたしも一度、山頂・ボタンブチ・真の池・鈴北岳くらいに行っただけだったので
こんかいはもっと御池岳を楽しもうとウロウロしました。それでもまだ行き残した池が5つも。いずれそこにも行かなくては。どんどん課題が増えます。
全体に秋色だったので、おっしゃる通り苔と緑のカレンフェルトが鮮やかできれいでした。
思わず頬ずりしたくなります。
あれ、どなたかと山に行かれてたのかな?話題に上るなんて光栄です!
HB1214さん、こんばんわ。
久々の御池岳は紅葉も見頃で良いタイミングで行けました。
以前はガイド本頼りに色々歩きましたが最近は足が遠のいて。
鈴鹿でも比良山でも言える事ですが笹の減少は鹿の食害でしょうね。
その分鹿が食べないシダが増えた印象があります。
nakato932さん
やっぱりすれ違っていましたか。あの辺りでもうお一方と会ったのですが、nakato932さんは東端峰でタイマーを使って自撮りされていた方じゃないほうの方ですね、おそらく。
遠くはあまり見えなかったですが、時期としたらよかったですね。
また残りの池を訪れに行きたいものです。
ナギナタコウジュがたくさん咲いていたと言うことは鹿は食べないのかもしれませんね。
丸池付近で鹿の群れに会いました。
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