クラシ・イブネ (クラシ北東尾根〜イブネ南尾根〜旧千草街道)


- GPS
- 08:30
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 976m
- 下り
- 973m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
当日は、集金人のおじさんは不在。 R306からのアクセス道路の途中から凍結あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・朝明渓谷P〜タケ谷分岐:積雪約20cm。前日のトレースがあり。その上に数センチの新雪があった。 ・タケ谷分岐〜タケ谷出合:積雪約30cm。ノートレースで数回の徒渉あり。吹きだまりあり。 ・タケ谷出合の徒渉:石に雪が載っていて滑りやすい。水量やや多し。 ・対岸〜クラシ谷出合:積雪約30cm。スノーシューの跡あり。クラシ谷の奥に続いていた。 ・クラシ北東尾根:一部氷化したザラメ雪の上に10〜30cmくらいの新雪が載った状態。 樹木の幹と枝葉にも着雪あり。 ・イブネ南尾根:一部痩せているが、比較的広くなだらか。積雪約30cm。 ・旧千草街道コクイ谷出合まで:積雪約30cm。トレースなし。 かろうじて夏道を辿れたが、ルーファンが必要。 夏道を外すと、かなりのアルバイトを強いられそう。 ・コクイ谷出合〜根の平峠:積雪約20cm。当日のトレース+前日のトレースあり。 |
写真
感想
雪のあるうちにイブネ・クラシに直登したいという欲求が次第にふくらんできた。
ただ、今年は雪の状態があまり良くない。
根雪が少ない上に、降っては消え、降っては消えの繰り返しだ。
尾根上の雪も当てにならず、ヘタをすると、かえって足を引っ張りかねない雪の状態だ。
そんなことを考慮しながら、時間的に余裕があり、比較的安全なルートとして、今回の山行を計画した。
登りは距離の短いクラシ北東尾根を、下りは安全に下れるイブネ南尾根を選んだ。
問題は、御池鉱山跡からの旧千草街道だった。
距離が長く、雪の状態次第では、全く時間が読めない。
あるかどうかも分からない誰かのトレースを当てにする訳にもいかない。
実は、前の週に、撤退覚悟で旧千草街道からイブネを目指して入ったのだ。
その時は、雪の状態が悪く、高昌鉱山跡の近くで諦め、引き返したのだが。
それが、結果的に偵察となり、旧千草街道の雪の状態の不安はなくなった。
いよいよ当日、二週連続の朝明入りだ。
雪は前週より多く、朝明への道も途中から雪交じりの凍結路になった。
駐車場には、車が2台あった。
しかし、山に入った気配はなかった。
準備を始めると、近くに駐車していた車の人も準備を始めた。
どうやら、なかなか決心が付かず、様子見をしていたらしい。
聞くと、国見の方に行くつもりとのこと。
先に出発する。
林道は、雪で真っ白で凍結しツルツルだった。
根の平峠までの道は、前日の足跡だらけで、薄く新雪が載っていた。
ブナ清水方面へも足跡がいっぱい残っていた。
峠からも前日のトレースははっきり着いていた。
しかし、それもタケ谷分岐までだった。
分岐からタケ谷出合までは足跡は無かった。
谷沿いの複雑な地形に沿って下ると、神崎川の徒渉点に出た。
雪をかぶった石飛びを何とかクリアし、対岸に渡った。
ここからクラシ谷までは、スノーシューの跡があった。
今日のものだった。
どうやら上水晶谷の方から来たようだ。
スノーシューはクラシ谷の奥の方に続いていた。
いよいよ、ここからクラシ北東尾根の直登だ。
思っていた以上の急登だった。
木に掴まると上から積もった雪が落ちてくる。
でも、掴まらない訳にはいかない。
もう、雪まるけで、真っ白になった。
木の密集している所では、通るだけで雪まるけになった。
クラシへの登りは、こんな状態の連続だった。
クラシの山頂に着き、シャクナゲの森を抜けると、視界がぱっと開けた。
雪原の向こうには、鈴鹿の重鎮たちが肩を並べていた。
鎌、御在所、国見と、目で追いながら心の中で山の名を呼んだ。
反対側には、銚子ヶ口の峰が日の光を浴び、白く輝いていた。
ここまでくると、ほっとしたせいか、安堵感で放心状態になった。
その空っぽになった心が、達成感で次第に満たされていくのが、何とも心地よかった。
イブネ北端に着くと、風の当たらない所で昼食を摂った。
そこに、一人のスノーシューの跡があった。
クラシ谷から小峠の尾根に上がったのだろうか。
イブネ北端の景色を楽しんだあと、イブネ経由で帰途に着く。
下るルートは、イブネ南尾根だ。
南尾根は、イブネからの降り口が痩せていて分かりにくい。
ここさえクリアすれば、後はドンドコ下っていけばよい。
御池鉱山跡に近づくと、谷にアイゼンの足跡があった。
少し後を追うと、すぐに夏道から外れていった。
後を辿る訳にもいかず、トレースのない夏道を辿ることにする。
先週引き返したポイントまで辿り着けば、後は楽勝だ。
雪がしっかりしている分、先週よりずっと楽に歩ける。
コクイ谷出合でエネルギーを補給し、衣服を調整し、まだ記憶に新しい道を急ぐ。
コクイ谷手前で合流したアイゼン跡は、上水晶谷を渡ると消えていた。
国見峠の方に行ったのかもしれない。
上水晶谷から根の平峠までは、上水晶谷に向かった足跡しかなかった。
朝、駐車場で話をした人の足跡かもしれない。
ということは、今日根の平峠を越えた人は、2人だけだったようだ。
峠で振り返ると、シルエットになったクラシが見送ってくれていた。
見ていると、白い山頂に光が当たったり翳ったりしている。
その表情がなんともユーモラスで、クラシの最後のサービスをしばらく眺めていた。
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