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Yamareco

記録ID: 275909
全員に公開
ハイキング
奥多摩・高尾

【雲取山】春霞で富士山の姿無し

2013年03月10日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
09:49
距離
20.6km
登り
1,652m
下り
1,641m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

5:45 駐車場 6:00
6:05 登山口
7:40 堂所  
8:35 七つ石小屋下 
9:20 巻き道でブナ坂 
10:00 奥多摩小屋 10:05
10:45 小雲取山
11:10 避難小屋 11:15
11:20 雲取山山頂 11:30
11:35 避難小屋 12:30
13:10 奥多摩小屋
13:35 ブナ坂
14:00 七つ石小屋下
15:25 登山口
15:30 駐車場
天候 晴れ→強風→曇り→雨→晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
【小袖乗越駐車場】利用、AM6:00の時点で7〜8台
            PM15:30で3〜4台
コース状況/
危険箇所等
【登山口〜堂所】
・杉植林の中の歩きやすい登山道
・肩斜面の細い個所あり
・堂所手前に泥濘箇所

【堂所〜七つ石小屋下分岐】
・特記する危険個所は無い

【七つ石小屋下分岐〜ブナ坂】
・七つ石山の巻き道
・道の細い個所は注意
・三箇所ほど残雪の凍結箇所あり

【ブナ坂〜奥多摩小屋】
・開けた石尾根の広い登山道
・2〜3あるピークには巻き道もある
・乾いているところと泥濘箇所が交互
・ヘリポート付近から奥多摩小屋テン場まで田んぼ状態

【奥多摩小屋〜雲取山山頂】
・小雲取山の手前が急登
・避難小屋下までの石尾根道は残雪深く、融雪部分に足を取られる
・避難小屋から右に上がったところが山頂
・避難小屋近くにトイレあり
・山頂付近も残雪深し
明るくなってきた、
晴れそう
2013年03月10日 05:57撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 5:57
明るくなってきた、
晴れそう
登山口
2013年03月10日 06:05撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 6:05
登山口
20分ほど歩いたら汗びっしょり、ここで上着を脱ぐ
2013年03月10日 06:26撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 6:26
20分ほど歩いたら汗びっしょり、ここで上着を脱ぐ
2013年03月10日 06:58撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 6:58
水場はチョロチョロ
2013年03月10日 07:17撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 7:17
水場はチョロチョロ
2013年03月10日 07:17撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 7:17
陽は出るも霞んでいる
2013年03月10日 07:29撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 7:29
陽は出るも霞んでいる
堂所、快調、良いペース
2013年03月10日 07:42撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 7:42
堂所、快調、良いペース
2013年03月10日 07:58撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 7:58
マムシ岩付近
2013年03月10日 08:12撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 8:12
マムシ岩付近
七ツ石山小屋した分岐
2013年03月10日 08:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 8:37
七ツ石山小屋した分岐
この辺は乾いていて歩きやすい
2013年03月10日 08:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 8:37
この辺は乾いていて歩きやすい
念のため一人づつ渡る
2013年03月10日 08:40撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 8:40
念のため一人づつ渡る
2013年03月10日 09:07撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 9:07
ブナ坂
2013年03月10日 09:22撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 9:22
ブナ坂
日陰には残雪
2013年03月10日 09:23撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 9:23
日陰には残雪
石尾根、何か晴れ切らない
2013年03月10日 09:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 9:36
石尾根、何か晴れ切らない
青空が澄んでいない
2013年03月10日 09:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 9:37
青空が澄んでいない
ヘリポート近くの田んぼ脇にテント
2013年03月10日 09:55撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 9:55
ヘリポート近くの田んぼ脇にテント
田んぼ状態
2013年03月10日 09:57撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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田んぼ状態
ドロドロです
2013年03月10日 09:57撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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ドロドロです
奥多摩小屋前
2013年03月10日 10:01撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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奥多摩小屋前
奥多摩小屋
2013年03月10日 10:09撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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奥多摩小屋
小雲取山
2013年03月10日 10:47撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 10:47
小雲取山
霞んでる
2013年03月10日 10:47撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 10:47
霞んでる
避難小屋、陽射しは暖か
2013年03月10日 11:12撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:12
避難小屋、陽射しは暖か
気温は10度近く
2013年03月10日 11:12撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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気温は10度近く
整理整頓されて綺麗です
2013年03月10日 11:14撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:14
整理整頓されて綺麗です
ザックをデポして山頂へ
2013年03月10日 11:14撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:14
ザックをデポして山頂へ
雲取山山頂(埼玉)
2013年03月10日 11:19撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:19
雲取山山頂(埼玉)
雲取山山頂(東京)
2013年03月10日 11:21撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:21
雲取山山頂(東京)
2013年03月10日 11:21撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 11:21
雪深い山頂付近
2013年03月10日 11:21撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:21
雪深い山頂付近
雲取山山頂(山梨)
2013年03月10日 11:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:25
雲取山山頂(山梨)
2013年03月10日 11:26撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:26
2013年03月10日 11:26撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 11:26
避難小屋でランチタイム
2013年03月10日 12:16撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 12:16
避難小屋でランチタイム
南の空は明るいが霞んでる
2013年03月10日 12:31撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 12:31
南の空は明るいが霞んでる
強風にのって暗い雲が近づく
2013年03月10日 12:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 12:36
強風にのって暗い雲が近づく
強風に混じってポツポツと大粒な水玉が
2013年03月10日 12:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 12:36
強風に混じってポツポツと大粒な水玉が
ドンドン暗い雲が近づく
2013年03月10日 12:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 12:36
ドンドン暗い雲が近づく
山頂付近はすっかり暗くなってきた
2013年03月10日 12:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 12:37
山頂付近はすっかり暗くなってきた
向こうは既に雨か
2013年03月10日 12:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 12:49
向こうは既に雨か
この辺で小雨
2013年03月10日 13:05撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 13:05
この辺で小雨
奥多摩小屋を後にして
2013年03月10日 13:10撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 13:10
奥多摩小屋を後にして
前回、前々回来たときにテントを張った場所は水溜まりの後、雨降りのときは要注意でした
2013年03月10日 13:12撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 13:12
前回、前々回来たときにテントを張った場所は水溜まりの後、雨降りのときは要注意でした
ブナ坂、雨が本格的に降り出す
2013年03月10日 13:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 13:34
ブナ坂、雨が本格的に降り出す
神秘的な杉林
2013年03月10日 14:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 14:49
神秘的な杉林
2013年03月10日 14:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 14:49
雨は結構な降りになってきた
2013年03月10日 14:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
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3/10 14:49
雨は結構な降りになってきた
駐車場まで戻って
2013年03月10日 15:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 15:34
駐車場まで戻って
着替えていたら再び晴れてきた
2013年03月10日 15:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1 GPS, PENTAX
3/10 15:34
着替えていたら再び晴れてきた

感想

一ヶ月半ぶりの山行である。
2月は仕事の繁忙期、土日祝日通しの二週連続勤務などもあり、
振休なども疲労困憊でほとんど終日ゴロ寝状態であった。
このため、間隔が空いてしまった。
そして、この間の不規則な生活と運動不足で
2〜3キロ体重が増えてしまった。

今回は、どこかへ行こうと先週からお天気を気にしていた。
毎日ヤマレコ山行記録をチェックするも、なかなか候補地が決まらない。

そんな時に、就活中の長男坊が「一緒に行ってみるかなぁ・・・」、
どうやら就活で悩んでいる様子、方向性に行き詰っている感じである。
気配は感じ得ても、的確にアドバイスできる言葉が見つからない。

「よ〜し、東京で一番高い雲取山にでも行ってみるか。」
ということで、雲取山へ引っ張り出すことにした。

雲取山は昨年テン泊で二度行ったことがあった。
二度とも石尾根やテン場からの富士山を目の前にして感激した場所。
間隔が空いて体力的な不安も過ぎったが、何か達成感を味あわせてたく、
近場でしっかりした距離を初心者でも歩けるところとして適当かと思えた。

突然の山行計画のため、全く用具の用意の無い長男坊には、
上下の服からシューズまで私が使っていた物を貸し与えた、
背丈は同じ位だが、細身の長男坊には少しダブついていたがよく似合った。

天気予報は、気温も暖かく午前中は晴れで午後から曇りとまずまず。
ザックには、雨具に薄手のダウンとチェーンスパイク、
そして昼食のカップ麺、魚肉ソーセージ、ウィダーインゼリー、
フルーツジュース、スティックコーヒー、
500mlのミネラルウォター2本を其々に分けて詰めた。
救急薬とジェットボイルは私が受け持つことにした。

午前4時に自宅を出発、途中のコンビニで朝食のにぎり飯を調達、
小河内ダムのトンネル出口付近の駐車場でトイレを済ませて、
小袖乗越の駐車場に予定通り到着、日曜日の割には空いている。

身支度を済ませ、午前6時に出発。
あたりが明るくなって来るに連れ、穏やかな春を感じた。
駐車場から登山口に向かう途中でとても暖かい風が流れた。

過去二度のテン泊装備で20Kg近い装備を背負った歩きに比べ、
荷物も軽く快調なペース、コースは泥濘箇所はあるものの歩きやすい。
長男も汗を流しながら快調、貸したシューズも問題無しとのこと。

日が昇り明るくなり、木々の間に陽は射すが空全体は青空では無い、
時折、ゴォーゴォーと大きな音を立てて風が舞っている。
開けたところからの景色は霞が掛かっているように見える。
杉花粉が大量に飛んでいるのかも知れない。

【堂所】を、手前の泥濘に苦戦するも予定時間を20分ほど下回って通過。
ここら辺で、下山して来る方々とすれ違う。
【マムシ岩】手前で、昨日、避難小屋泊され来たという方に、
「きょうは富士山は居ますか?」と尋ねると、
「残念ですが霞んでいて見えません、石尾根はもの凄い強風で、
  テントも飛ばされた方もいたようです、気を付けてください。」

出鼻をくじかれた感は否めない、午前中は晴れの予報だったので、
富士山は見えるものだと思っていた。
気を取り直して、【七ツ石小屋下の分岐】まで目指して、
そこで本日の行程を相談して決めることにしよう。
状況によっては七ッ石山でリータンしても仕方ない。

休憩もそこそこに【七ツ石小屋下の分岐】に着くと、
ちょうど巻道から下りてくる方がいらしたので、
「この先の状況は如何でしょう・・・」と話しかける、
「幾つか凍結箇所があるけど・・・」、
「軽アイゼンは着けたほうが良いですね」と尋ねると、
「気合い入れて行けば何とかなるでしょう、
 あと、上の方は結構雪深いですよ、気を付けて!」

ここで思案、長男に「どうするか、雲取、行ってみるか?」、
長男は無言でうなずいた。
「よし、気合を入れて慎重に行けるところまで行って見よう!」と、
巻道方面へ歩き出す。

歩きだして間もなく、谷間を渡る木橋に差し掛かる。
昨年、最初に来た時にはグラ付いて心もとない橋であった。
二度目に来たときには修復されて新しくなっていた。
今回は念のため一人づつ渡ることにした。

次に最初の凍結箇所に差し掛かった。
山側斜面の残雪部分に片足を掛けながら慎重に通り抜けた。

その次に、少し段差のある曲がり道の凍結部分のところで、
下りて来る方が難儀して立ち往生、
連れの女性はそのうしろで軽アイゼンを付け始めている。
その横を山側の斜面を利用して慎重に段差をよじ登り、通過。

次の凍結部分は、平らであるが細くて結構な長さで凍結している。
ちょうど、15名ほどの団体さんが下りてきたので、
道を譲り、先に通過して貰い、その後通過した。

そんな状態でペースダウン、結構体力も消耗した。
ブナ坂で一息ついた。
いつもなら、ここからの石尾根の景色が素晴らしく、
テンションも上がるところなのだが、風が強く吹いている。
空は晴れているのだが青く無い。
再び思案しようと、長男の様子を伺うと、平気な顔つき。

「この先、自分のペースで少し先を歩いてみるか・・」と話しかけると、
やはり無言でうなずき、先を歩き出した。
すると軽快なペースで歩きだしたの対し、私はあまりペースは上がらず、
登りに差し掛かると右足のモモに違和感、その差は見る見る広がった。

周りの景色はやはり霞んでいて、富士山の影も形も見分けられない。
コースは、乾いている部分と泥濘と交互で歩き辛い、
へーリポート近くは、完全に田んぼ状態、
傾斜のある部分では水も流れている、グチャグチャである。

長男の姿を完全に見失ったと思ったら、
奥多摩小屋前のテーブルベンチに腰掛て待っててくれた。
「なんか、平坦な道より登りがあると面白い・・・」と頼もしい長男。
やはり若さと体力の違い、既に私のほうが足でまといになっている感。

奥多摩小屋の前には、小屋泊まりでこれから下山するグループが語らっていた。
ここで改めて気付いたのだが、きょうは日曜日なのに人が少ないようである。
天候の異変のせいか、杉花粉の季節なのが原因なのか。

一息付いて、先を目指す。
長男は【ヨモギノ頭】の直登コースを選択、私は巻道コース。
意外に雪深い巻道コースを進んで行くと、ちょうど合流地点で長男と合流。

「ここからが本日一番の急登コース、登り切った所が小雲取山、
 そこを左に向かうと、遠くに避難小屋が見えてくる、自分のペースで
 先に行って、適当に風が避けられるところで待っててくれ」
と長男を先に送り出すと、ヒョイヒョイと軽快に登り始める。
私のほうは、ピクピクと違和感のある右足を気遣いながらペースは上がらない。
直ぐに長男を見失う。

やっとの思いで小雲取山を登ると、そこでは長男は待っていなかったので、
先を急いだ、遠くに避難小屋が見えてきて、そこへ辿り着くまでのコースは
ほとんど見渡せるのだが、そこまでには人影は見えない。
少し不安になった。追い越しては居ないだろうか?、
まさか、反対の【富田新道】方面に行ってしまったのではないだろうか?
そんなことを思いつつ、避難小屋までの距離が近付いて来る。

立ち止まって避難小屋を直視すると、オレンジ色の服の人影が動く。
その横に、黄緑色の服が座っているのが確認できる。二人連れか?
長男に貸した上着は黄緑色であった。
避難小屋に更に近付くも、黄緑色の服は動かず、確認できない。
避難小屋直下の急登をゼイゼイしながら足早に登り、
小屋の真下まで来たときに、その黄緑色は長男であることを確認、
思わずストックを振って合図をすると、
待ちくたびれた様子で冷静に手をあげて答える長男。

「だいぶ待たせたな、オマエ物凄く早な」と声を掛けると、
「山登り面白いかも、これはスポーツだな多分」と少し誇らしげな長男。
「汗をかいたら、なんか、小さなことなどどうでも良くなった」と続く。

長男は小学二年から高校三年まで野球を続けた野球小僧、
一浪して大学でも野球を続けるが、二年生の春合宿で肩を怪我して退部。
今は何もしておらず、運動不足とは言え、やはり基礎体力は出来ている。

避難小屋付近は陽射しもあり、気温も10度近く暖かく感じたが、
強風を避けながら待ち続けていた長男は寒さで少し震えていた。
避難小屋の扉を開けると、人影は無く、綺麗に整理整頓されていた。
朝食で煮炊きした生活臭が残っていたが気になるほどで無い。
ザックを小屋の片隅に置かせて貰い、長男と二人で山頂を目指した。

山頂付近は結構雪が残っていて、小屋から山頂まではトレースに沿って歩く、
山頂間際で滑って深みにはまり尻もちを付いたが無事に山頂到着。
【雲取山】山頂の標識の前でお互いに記念撮影、達成感を感じてくれたのか、
長男は自分のスマホを差し出し「これでも撮ってくれよ」と珍しく自然な笑顔。
埼玉版、東京版、山梨版と記念写真を撮りまくった。

避難小屋に戻り湯を沸かし、カップ麺とカフェオレのランチ。
「山で温かいラーメンなんて結構贅沢じゃないの・・・」と
初めてのジェットボイルに関心を示し「もう湧いたの」と驚いた。
最初は我々二人で独占状態だった避難小屋も、気が付けば10人ほどになっていた。
空腹を満たし、15分間集中して昼寝、結局小一時間ほどのランチタイム。

12時30分に避難小屋を出発、下山開始。
陽射しはあるが、風は相変わらず強く吹いている、
西南の方角から灰色の雲が流れて来て、大粒の水玉が風に混じって顔にあたる。
妙な空模様、変なお天気である、体力もやや回復し、足早に下山する。
小雲取山までは一緒に歩いたが「自分のペースで下りていいよ、
 ただし注意してな、山の怪我は大半が下山時だからな」というと、
「了解!」と言って、駆け降りるように下っていった。

奥多摩小屋のベンチで待っててくれた、この付近で小雨となった。
不思議と下りは右足の違和感も無くなり、そこからは一緒に歩いた。
ブナ坂辺りで本降りとなり、帰りも巻道コースを選択。
凍結部分では解け始めた表面が雨で流れになっていた、
慎重に時間を掛けて気合いを入れて下った。

行きに泥濘だった箇所も、雨で余計に酷くなり田んぼ状態。
幸い靴の中まで染み込むほどでは無かったが、靴の形状が判らぬほどドロドロ。

晴れていても薄暗い杉林の中が、より暗くなり、黄緑色に光るコケと
大粒の水玉が光輝き、とても神秘的な光景。

ほとんど無言のまま歩き続け先を急ぎ、一気に登山口に到着。

到着直後、自然にハイタッチして、登山口で写真を撮っていると、
後から到着した、我が家よりもやや先輩的雰囲気の父子連れの
息子さんが「シャッター押しましょう。」と
長男と二人並んでの写真を撮って貰った。

雨で濡れたペシャンコの髪型で疲れきったオヤジと、
ちょっとした達成感を得て自然な笑顔の長男が写っている、
とても記念に残るツーショットとなった。

駐車場に戻り、ドロドロになった靴を脱ぎ、着替えを始めていると、
再び日が射して晴れてきた、何とも奇妙な一日の天気であった。

帰りの車中で「就活が落ち着いたら、自分の靴でも買ってまた来ようかな」と長男。
眺望が無く綺麗な景色は見られなかったが、無事に山行を終え、
久々の山行、日帰りで雲取山を往復出来た自分自身も少し満足感があった。

再び親子で一緒の山行の機会はあるかどうか判らないが、
きょうの山行が一時の清涼剤の様なものであったなら幸いである。

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